JPS6016827B2 - 交流電源装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は並列運転される２台以上の交流電源ユニットを
具備する型式の交流電源装置に関する。

交流無停電電源装置として、定電圧定周波数ィンバータ
や定電圧定周波数電動発電機等の交流電源ユニットを２
台以上並列接続し、並列冗長運転をすることがよく行な
われている。この場合、個々の電源ユニットの如何なる
故障も他の健全電源ユニットに影響を与えることなく遮
断され、システムとしての信頼度が高いことが必要であ
る。個々の電源ユニットは電圧調節器としての自動電圧
制御装置をそれぞれ有しているが、この自動電圧制御装
置の故障時もその異常電源ユニットを判別して選択遮断
することが必要である。２台以上の交流電源ユニットの
並列運転時の自動電圧制御装置の異常を判別する手段と
して、個々の交流電源ユニットの横流成分の無効分が或
る一定値を越えた場合のその横流の流出・流入の方向を
判別すると同時に共通母線の電圧の規定電圧に対する偏
差が一定値以上になった場合のその偏差の正負を判別し
横流の方向と偏差の正負とが共に正或いは共に負という
ようにいわゆる論理鏡的な条件を確立したときにはその
条件を確立した交流電源ユニットの自動電圧制御装置は
異常をきたしたものと判断し選択遮断するということを
行っている。

例えば、１台の交流電源ユニットより横流が流出してい
る場合でしかも共通母線電圧が高い場合は、その交流電
源ユニットの譲起電圧が高くなったため横流が流れ出し
ているものと判断してその交流電源ユニットを選択遮断
し、逆に、１台の交流電源ユニットに横流が流入してい
る場合でしかも共通母線電圧が低い場合は、その交流電
源ユニットの誘起電圧が低くなったために横流が流れ込
んでいるものと判断してその交流電源ユニットを選択遮
断するのである。このような判別手段を設けることによ
り自動電圧制御装置の故障時にも交流電源ユニットの選
択遮断が可能となり、装置全体の信頼度が高められる。
しかしながら、このような判別条件は、自動電圧制御装
置の故障の外に、外乱によって確立されてしまう可能性
がある。

すなわち、各々の交流電源ユニットの内部インピーダン
スが異なる場合とか、各々の交流電源ユニットから共通
母線までの距離に著しい差があるような場合、定流電源
ユニットの各々の自動電圧制御装置内部の電流平衝制御
により電流は平衡した状態におかれるが、ここで負荷電
流が急変したというような外乱が加わったような場合、
過渡的に共通母線電圧が変動しかつ電流の分坦も平衡が
くずれる。この状態では前述の判別条件が成立し、自動
電圧制御装置に異常がないにもかかわらず、１台の交流
電源ユニットが選択遮断されるという欠点がある。その
他にも、それぞれ整流器およびそれに直列接続されたィ
ンバータからなる交流電源ユニットが並列運転させられ
るときは、同じ電圧および同じ周波数の出力を出すよう
に動作させられるべきこれらの交流電源ユニットのいず
れか１台に係るィンバータ入力電圧が急変したような場
合、その交流電源ユニットの出力電圧は自動電圧制御装
置の応答遅れのため過渡的に変動し、その結果出力母線
電圧も変動し、横流が流れ、それによって前述の判別条
件が成立し、自動電圧制御装置に異常がないにもかかわ
らず、１台の交流電源ユニットが選択遮断されるという
欠点もある。上記のような欠点を除去するために、負荷
電流の微分値が一定値より大きい場合に共通母線電圧の
監視を行う露圧継電器を無効にして選択遮断動作が行わ
れないようにする方式やィンバータの直流入力電圧の微
分値を検出してこの微分値が一定値を越えたときに霞圧
継電器を無効にする方式等が考案されている。

しかしながら、交流電源装置の出力が単相のような場合
には、負荷電流の微分値やィンバー夕直流入力電圧微分
値は電流そのもののもつ微係数が大きいため常時一定値
以上になる可能性があり、選択遮断機能が常時無効にな
る可能性がある。

本発明の目的は、並列運転される２台以上の交流電源ユ
ニットを具備する交流電源装置であって信頼度の極めて
高い運転が可能なものを提供することである。本発明は
、選択遮断が行なわれた場合に、遮断され母線より切り
離された該当電源ユニットについてその出力電圧が実際
に異常であるか杏かを判別し、実際に異常であった場合
のみ該電源ユニットを停止せしめ、異常がない場合には
再度自動的に並列運転に戻すように装置を構成すること
によってその目的を達成する。

母線より切り離された電源ユニットに実際の異常がある
と判別された場合、その電源ユニットの停止と同時に故
障内容を表示装置により表示するようにすれば、なお便
利である。次に本発明を実施例に基づいて説明する。

図面は本発明の実施例の概略回路図で、１，１１は交流
電源ユニット、２，１２は交流電源ユニット１，１１の
出力電流を計測するための変流器、３，１３は交流電源
ユニット１，１１の出力を開閉するための遮断器で必要
に応じて半導体で構成されることもある。

４，１４は交流電圧異常時の選択遮断判別器、５，１５
は露圧継電器からなる各交流電源ユニットの出力電圧監
視装置６，１６は遮断器３，１３の遮断指令発生器、１
７は出力母線、１８は出力母線１７の電圧を監視する蚤
圧継電器、１９は負荷である。

この図面に示す回路において、選択遮断判別器４はそれ
の判別の対象である交流電源ユニット１の出力電流を計
測する変流器２からの信号および他の電源ユニットの出
力電流を計測する変流器１２からの信号ならびに露圧継
電器１８からの信号によって選択遮断に必要な条件が満
たされているか否かを判別し、その条件が満たされたと
きは、それを示す指令信号を遮断指令発生器６を出力電
圧監視装置５に与える。

この結果遮断器３は遮断される。選択遮断判別器４から
の指令信号を受けた出力電圧監視装置５は、交流電源ュ
ニットーの出力電圧の監視を開始いまじめ、このときの
交流電圧が異常と判別された場合には交流電源ユニット
１に停止信号を与えそれを停止させる。具体的には、電
圧継電器からなる出力電圧監視装置５は所定の短時間内
に交流鰹源ユニット１の出力電圧が異常に高くなったり
或いは異常に低くなったりしたときはその異常電圧に応
答して定常の状態からもう１つの状態に切換わるのであ
る。逆に判別の結果が正常で、選択遮断は誤動作である
ことが判明したときは、出力電圧監視装置５は遮断指令
発生器６に再投入指令を与え、再度遮断器３を投入し並
列運転を継続する。出力電圧監視装置５が異常の有無を
判断するのに要する時間はたかだか０．１秒〜１秒程度
あれば充分で、そのために電源装置全体としての稼動率
や信頼度が低下することはない。交流電源ユニット１１
に関連する回路部分の動作も以上述べたのと同様である
。また、図面では２つの交流電源ユニットを並列運転す
る場合を示したが、この回路構成は３台以上の交流電源
ユニットを並列運転する場合に対して拡張しうるもので
ある。このようにして、本発明は、交流電源ユニットの
出力が単相のような場合においてでも、選択条件を満た
す各種の外乱に対して、外乱によるものと実際の異常と
を確実に識別でき、システム全体として高信頼度を達成
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例の概略回路図である。 １，１１・・・・・・交流電源ユニット、２，１２・…
・・変流器、３，１３・・・・・・遮断器、４，１４・
・・・・・選択遮断判別器、５，１５……出力電圧監視
装置、６，１６・・・・・・遮断器、１７・・・・・・
共通母線、１８・・・・・・鷺圧継電器、１９…・・・
負荷。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 交流電源ユニツトを２台以上並列運転して共通母線
   を通し負荷に電力を供給し、その電力供給中個々の電源
   ユニツトの電流および前記共通母線の電圧を監視するこ
   とにより異常をきたした交流電源ユニツトを判別して選
   択遮断するようにした交流電源装置において、選択遮断
   が行なわれたことに応答して監視動作を開始し、その選
   択遮断の結果前記共通母線から切り離された状態にある
   交流電源ユニツトについてその出力電圧が実際に異常で
   あるか否かを判別し、実際の異常があつた場合のみその
   選択遮断状態を維持し、異常がない場合にはその選択遮
   断状態を解いて再度自動的に並列運転に戻すように接続
   された１つの出力電圧監視装置を各交流電源ユニツトに
   対して設けたことを特徴とする交流電源装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の交流電源装置において
   、選択遮断は各交流電源ユニツトの出力に接続された変
   流器からの信号および共通母線に接続された電圧継電器
   からの信号を受けると選択遮断判別器が選択遮断条件を
   満たした場合に遮断指令発生器を介して交流電源ユニツ
   トおよび共通母線間の遮断器を遮断することによつて行
   なわれ、各出力電圧監視装置は関連交流電源ユニツトの
   出力に接続された電圧継電器からなり、この電圧継電器
   は実際の異常があつた場合は関連交流電源ユニツトに停
   止信号を与え、異常がない場合は前記遮断指令発生器に
   対して遮断器再投入指令を与えるようにしたことを特徴
   とする交流電源装置。