JPS6014930Y2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、噴射ノズル内に収容したプランジャの下降に
より、メータリング孔からカップ内に設けたチャンバ内
に流入した燃料をチャンバの下部に連通してカップに設
けた噴射口よりシリンダ内へ噴射するようにした内燃機
関の燃料噴射装置に関するものである。

こ種の燃料噴射装置の従来例としては特公昭４０−１９
４０１号公報及び特開昭５３−１０４０２５号公報に示
されたものがあるが、上記従来例のうち、前者のメータ
リング孔はチャンバ内に軸直角方向に放射状に複数個設
けた構成となっていたため、チャンバ内に流入した燃料
はチャンバ内で衝突して乱流となり、その後のプランジ
ャによる噴射がスムーズに行なわれないという問題があ
った。

また後者の従来例にあっては、メータリング孔がチャン
バの内周壁面に沿う方向に向けて開口されていて、メー
タリング孔からの燃料はチャンバの内周壁に沿って流入
されるが、この従来例における各メータリング孔は軸方
向同一位置で、かつ軸直角平面と平行に設けられている
ため、チャンバ内に流入した燃料はチャンバ内で上下に
分散され、チャンバの下側におさまるまで時間がかかり
、燃料の噴射遅れが生じることがあった。

さらに上記両従来例の燃料噴射装置では、噴射口より燃
料が単独状態で噴射される構成となっているので、この
噴射燃料のシリンダ内での拡散は噴射口の構造による影
響が極めて大きく、シリンダ内で燃料を微粒子化して空
気とよく混合するための設計がむずかしく、燃料のボタ
落ちが生じやすかった。

本考案は上記のことにかんがみなされたもので、メータ
リング孔からチャンバ内へ極めてスムーズに燃料が流入
されると共に、すみやかにチャンバの下側、すなわち噴
射口側にためられ、さらに噴射口から噴射された燃料が
シリンダ内での空気との混合が極めて良好に行なわれる
ようにした内燃機関の燃料噴射装置を提供しようとする
ものである。

以下その構成を図面に示した実施例に基づいて説明する
。

図中１は機関本体、２はこの本体１の各シリンダ３毎に
設けられた燃料の噴射ノズルで、図示しない駆動手段に
より上下動されるプランジャ４′が中心部に収容されて
いる。

プランジャ４の周囲には燃料の流入通路５と、これに連
通するドレン通路６および導入通路７が設けてあり、流
入通路５へ供給された燃料はチェック弁８を介してメー
タリング孔９へ達し、プランジャ４の上昇と共にノズル
２の先端に円錐形状にして設けたカップ１０内のチャン
バ１２に溜る。

そして余剰になった燃料はプランジャ４の上昇によりプ
ランジャ４の小径部４ａにより連通されたドレン通路６
ヘドレンされる。

上記メータリング孔９は、プランジャ４が上昇すること
によりカップ１０内に形成されるチャンバ１２の側壁に
開口されているが、このメータリング孔９はチャンバ１
２の底部に向くように斜め下方へ向けると共に、第３図
に示すようにチャンバ１２の内周壁面に沿う方向に向け
て開口しである。

一方上記噴射ノズル２の先端側にはカップ１０内とシリ
ンダ３を連通ずる複数個の噴射孔１０ａ、１０ｂが設け
である。

また上記カップ１０とこの周囲を囲繞するように設けた
ノズルホルダ１３の間にはカップ１０の外周面に沿って
設けたスリットにより空気通路１４が形成されている。

そしてこの空気通路１４の途中には上記カップ１０の円
錐部に一端を開口した噴射孔１０ａの他端側か連通して
あり、またこの空気通路１４の一端側はシリンダ３に開
口され、他端側はチャンバ１２で上記メータリング孔９
より高い位置に連通しである。

上記構成において、プランジャ４が仮想線で示す位置へ
上昇した状態で、燃料は流入通路５、導入通路７を経て
メータリング孔９よりチャンバ１２内へ一定量だけ溜め
られる。

このときチャンバ１２内への燃料はメータリング孔９よ
り下方へ向け、かつ１２の内周壁面に沿って流入される
ことにより、滑めらかに流入され空気通路１４の開口部
まではね上り逆流することがなくなり、またチャンバ１
２の下部に溜められる。

そして余剰燃料はプランジャ４の小径部４ａよりドレン
通路６へ達しドレンされる。

次に圧縮工程に入るとシリンダ３内で加圧された空気が
空気通路１４を経てチャンバ１２内に導入される。

爆発工程では図示しない駆動機構によりプランジャ３が
押圧されて下降し、チャンバ１２内の高圧空気およびチ
ャンバ１２内の燃料が加圧される。

そしてこの圧縮された空気は空気通路１４を経て再びシ
リンダ３内へ、また加圧された燃料は噴射孔１０ａ、１
０ｂより噴射される。

空気通路１４に開口する噴射孔１０ａから噴射される燃
料は空気通路１４を通る空気流によるベンチュリ効果に
より噴射が促進され、かつこの空気とよく混合して霧化
される。

またカップ１０の先端に設けた噴射孔１０ｂから噴射さ
れる燃料は空気通路１４より噴射される空気とシリンダ
３内で交差し、微粒子化と共にシリンダ３内の空気との
混合が促進される。

本考案は以上のようになり、噴射ノズル２内に収容した
プランジャ４の下降により、メータリング孔９からカッ
プ１０内に設けたチャンバ１２内に流入した燃料をチャ
ンバ１２の下部に連通してカップ１０に設けた噴射口１
０ｂよりリンダ３内へ噴射する内燃機関の燃料噴射装置
において、上記メータリング孔９をチャンバ１２の底部
に向くよう斜め下方へ向けると共に、チャンバ１２の内
周壁面に沿う方向に向けてチャンバ１２内に開口し、ま
た上記カップ１０の周囲に、このカップ１０の外周に沿
う空気通路４を、その一端側を噴射口１０ｂの周囲でリ
ンダ３に開口し、他端側をメータリング９より高い位置
でチャンバ１２内に連通して設けて内燃機関の燃料噴射
装置を構成したから、メータリング孔９からチャンバ１
２内へ極めてスムーズに燃料が流入されると共に、すみ
やかにチャンバの下側に、すなわち噴射口１０ｂ側にた
められるから燃料の噴射遅れがなく良好なタイミングに
よる燃焼を行なうことができる。

また噴射口１０ｂから噴射された燃料は空気通路１４か
ら空気流によりその噴射が促進され、かつこの空気によ
りシリンダ３内での燃料と空気の混合が極めて良好に行
なわれて燃料のボタ落ちがなくなり、シリンダ内での燃
料の燃焼を良好に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断面図、第２図はメータリング孔の開口姿勢
を示す平面図である。 ２は噴射ノズル、３はシリンダ、４はプランジャ、９は
メータリング孔、１０ｂは噴射口、１２はチャンバ、 １４は空気通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 噴射ノズル２内に収容したプランジャ４の下降により、
   メータリング孔９からカップ１０内に設けたチャンバ１
   ２内に流入した燃料をチャンバ１２の下部に連通してカ
   ップ１０に設けた噴射口１０ｂよりシリンダ３内へ噴射
   する内燃機関の燃料噴射装置において、上記メータリン
   グ孔９をチャンバ１２の底部に向くよう斜め下方へ向け
   ると共に、チャンバ１２の内周壁面に沿う方向に向けて
   チャンバ１２内に開口し、また上記カップ１０の周囲に
   、このカップ１０の外周に沿う空気通路１４を、その一
   端側を噴射口１０ｂの周囲でシリンダ３内に開口し、他
   端側をメータリング孔９より高い位置でチャンバ１２内
   に連通して設たことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装
   置。