JPS6014258B2 - 石炭灰の処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、石炭だきボィラから排出される石炭灰を集じ
ん装置で補集し、この俺集石炭灰を粗粉を紬粉とに分級
し、紬粉の一部を高温状態で石炭だき火炉に戻して燃焼
させ、紬粉の残部を製品として取り出す石炭灰の処理方
法に関するものである。

一般に石炭火力発電所などの石炭だきボィラにおいては
、海外炭などの燃料比（固定炭素／揮発分）の高い炭種
の燃焼、＝１段燃焼や排ガス混合などの低Ｎ○ｘの燃焼
法の実施により、未然分の高い黒色化した燃焼灰が排出
される頻度が多くなっている。

通常の灰処理としては、排出灰の分級を実施し、粗粉は
灰捨場に投棄され紬粉はフライアッシュとしてセメント
混和材などに有効利用されるが、未燃分の高い黒灰発生
時には全量投棄処分しなければならず、省エネルギー、
公害防止の見地から問題となっている。なおフライアツ
シュとして有効利用に際しての規格は、強熱減量（未然
分）が５％以下となっているが、規格灰であっても主た
る用途がセメントコンクリートへの利用であることから
、範熱減量の低い白い灰が業界で歓迎されている。また
石炭灰の未燃分は、粒径が大きくなるに従い増加し、風
力分級により石炭灰を未燃分の若干高い粗粉および禾燃
分の若干低い細分に分離することが可能であり、原粉の
範熱減量がＬ５％強である場合には、分級操作のみで紬
粉は規格灰となることを知見した。

さらにフライアッシュの規格としては、前述の登黄熟減
量５％以下のほか、細かさを示す尺度としてプレーン値
があり、この値が２４００洲／タ以上となっている。

このように細粉が好まれる理由は、細かい灰は球状に近
く、ポールベアリングのように作用してワーカビリテイ
ーが大きくなり、また球状粒子の小さいものは間隙が少
なく、コンクリートにする際の水量を減少させることが
でき、かつ高強度の水和硬化体が得られるからである。
最近では、集じん装置補集灰はすべてのプレーン値の規
格に合う場合もあるが、稀なケースであり、未然分の高
い瓶集灰粗粉を循環する場合、強熱減量が低減されても
、粒度が大きくブレーン値が低いので規格に合わないこ
とになる。セメント業界では、童叢熱減量が低く色調が
よい上にブレーン値の高い灰が歓迎される。本発明者ら
の実験によれば、分級操作により紬粉の強熱減量を５％
以下に低減できるのは、源粉の強熱減量が５％強の場合
に限られ、原粉の菱叢熱減量の高い場合には、紙粉の強
熱減量も５％以上となることを知見した。

したがって細粉を炉内再循環することにより、セメント
業界の要求する良好なフライアッシュを得ることができ
、原粉の強熱減量が５％程度の場合にも、紬粉の規格が
より向上することになる。なお強熱減量が高いと、ＡＥ
剤（混和材料の一種で小な独立した空気の泡をコンクリ
ート中に一様に分布させるために用いる添加剤）が未燃
分に吸着されるため、その費量が増えコストが嵩み好ま
しくない。本発明は上記の諸点に鑑み、かつ石炭灰はガ
ス搬送により容易にハンドリングできることに着目して
なされたもので、集じん装置補集石炭灰を分級機に導入
して粗粉と紬粉とに分級し、細粉の一部を高温燃焼排ガ
スまたは子熱空気とともに石炭だき火炉に循環・投入し
て燃焼させ、細部の残部を製品として系外に取り出すこ
とにより、良好な品質のフライアッュを得ることができ
る石炭灰の処理方法を提供せんとするものである。

以下、本発明の構成を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の方法を概念的に示すフローシートであ
る。１は徴粉炭だきボィラで、この徴粉炭だきボィラの
排ガスダクトに電気集じん機２が接続されている。

なお電気集じん機の代わりに他の装置、たとえば砂、砂
利、セミラツクスなどの粒塊状ろ過材をルーバ、金網、
パンチングメタルなどの支持体間に移動可能に充填して
なるグラベル式ろ過集じん装置、マルチサイクロンなど
を用いることも可能である。また集じん装置の下流側に
アンモニア接触還元方式の脱硝装置が設けられるが、図
示を省略している。徴粉炭だきボィラ１の排ガスは、電
気集じん機２に導入されて除じんされる。

徴粉炭だきボィラ１において、燃料比の高い炭種を燃焼
させたり、二段燃焼、排ガス混合などのＮ○ｘ低減燃焼
対策を行なったりする場合には、未然力−ボンを主成分
とする黒色石炭灰が生成する。この黒色石炭灰を含む集
じん装置補集石炭灰をホッパーなどからなる灰処理部に
一旦溜めた後、分級機３に導入して粗粉と紬粉とに分級
する。ついで分級機３で分級された細粉の一部を徴粉炭
だき火炉に戻し燃焼させ、紬粉の残部をフライアッシュ
の規格品として系外に取り出す。分級粗粉は系外に取り
出し投棄処分する。４は紬粉貯槽である。

第２図は本発明の方法を高温電気集じんシステムで実施
する場合の一般的なフローを示している。

徴粉炭だきポィラの排ガスダクトに高温電気築じん機２
ａ、空気子熱器５、ガス・ガスヒータ６、脱硫装置７お
よび煙突８が接続されている。築じん装置補集石炭灰は
ホツパーなどからなる灰処理部１０‘こ一旦溜められた
後、分級機３に導入されて粕粉と細粉とに分級される。
ついで分級機３で分級された紬粉の一部を予熱空気ライ
ン１１、排ガス再循環ライン１２または排ガス混合ライ
ン１３に投入して徴粉炭だき火炉に戻し燃焼させ、級粉
の残部をフライアツシュの規格品として系外に取り出す
。１４は燃焼用空気押込みファンである。

石炭灰の火炉への投入方法として、前述のように予熱空
気ライン１１を使用して２次空気または３次空気ととも
に投入する方法、ガス再循環ライン１２を使用する方法
、排ガス混合ライン１３を使用し２次空気または３次空
気とともに投入する方法があるが、これらの他にも、二
段燃焼空気ラインを使用したり、１次空気ラインを使用
し徴粉炭とともに投入することも可能である。第３図は
高温鰭気集じんシステムで、分級、搬送を予熱空気で行
なう場合を示している。すなわち、集じん装置補集石炭
灰を子熱空気とともに気流分級機３ａに導入し、粗粉と
紬粉を含む気流とに分離し、粗粉を系外に取り出し、網
粉を含む気流の一部を子熱空気ライン１５に投入して予
熱空気により火炉まで搬送する。紬粉を含む気流の残部
はバグフィルター１６に導入され、紐粉と排ガスとに分
離され、紬粉はフライアッシュ規格品として系外に取り
出され、排ガスは高温電気集じん機２ａの下流側の排ガ
スメインダクトに導入される。なおガス混合ライン１３
の下流側の予熱空気を分級して、分級用、細粉搬送用に
使用してもよい。他の構成は第２図の場合と同様である
。また第４図は高温電気集じんシステムで、分級、搬送
を再循環排ガスで行なう場合を示している。すなわち、
集じん装置補集石炭灰を電気集じん機２ａ下流の排ガス
とともに気流分級機３ａに導入し、粗粉と紬粉を含む気
流とに分離し、紬粉を含む気流の一部を排ガス再循環ラ
イン１２に投入して排ガスにより火炉まで搬送する。他
の構成は第３図の場合と同様である。さらに第５図は低
温電気集じんシステムで、分級、搬送を予熱空気で行な
う場合を示している。

すなわち、低温電気集じん機２ｂで俺集した石炭灰を予
熱空気とともに気流分級機３ａに導入し、粗粉と紬粉を
含む気流とに分離し、粕粉を含む気流の一部を予熱空気
ライン１５に投入して予熱迄空気により火炉まで搬送す
る。一方、網粉を含む気流の残部はバグフイルター１６
に導入され、紬粉と排ガスとに分離され、細粉はフライ
アツシュ規格品として系外に取り出され、排ガスは高温
電気集じん機２ａの下流側の排ガスメインダクトに導入
される。１８は脱硝装置である。

他の構成は第２図の場合と同様である。上記の実施態様
はいずれも徴粉炭だきポィラの場合について説明したが
、通常の石炭だきポイラにも適用することが可能で、ま
た排ガス再循環ライン、排ガス混合ラインなどを備えた
ものであれば流動床式のボィラにも適用することができ
る。

通常の徴粉炭だきボィラにおいて排ガス再循環を行なう
場合、再循環排ガス中のＳ○ｘによりボトムアッシュホ
ッパー水の府が急激に低下し、これを中和するためのＮ
ａＯＨ注入などの腐食対策が必要となる。しかし黒色灰
は未燃分のほか、Ｃａ○，Ｍ夕○などアルカリ分を含み
、排ガス再循環ラインで投入することにより、再循環排
ガス中のＳ０ｘと石炭灰との反応が促進され、アッシュ
ホッパー水へのＳＱ溶解量を低減させることができ、腐
食対策となることが期待される。また本発明において、
気流分級、気流搬送を行なう場合は、同じガスを使用す
るようにする。このようにすれば袋贋を簡略化できるの
で、きわめて効果的である。つぎに本発明の実施例につ
いて説明する。実施例 強熱減量（ィグニションロス）５．５％の電気集じん機
補集石炭灰を分級機により、紬粉と槌粉の重量比が２：
１となるように分級し、細粉の一部を徴粉炭だき火炉内
に再循環し、循環量と製品の強熱減量との関係を測定し
た。

結果は下表に示すごとくであった。なお仇は紬粉に着目
し、製品を１とした場合の循環灰量の割合であり、した
がつて鰍歌考えれ‘ま、点２×ず古棚環灰量の割合を表
わすことになる。

以上説明したように、本発明の石炭灰の処理方法は集じ
ん装置補集石炭灰を未燃分の多い粕粉と未燃分の少ない
紬粉とに分級した後、紬粉の一部を火炉内へ再循環する
ものであるから、紬粉の強熱減量をより小さくすること
ができ、かつブレーン値が高く、色調の良好な灰を得る
ことができるという効果を有している。

また紬粉の−部を再循環排ガス、混合用の排ガスまたは
子熱空気で火炉へ再循環する場合は、石炭灰は気体輸送
により容易に搬送でき、また火炉内での石炭灰の滞留時
間は３〜４秒と短いので、予熱しなし・で投入すると石
炭灰が１５０℃程度から火炉内温度（１３００〜１５０
０℃）にまで上昇するに要する時間も無視できなくなり
燃焼効率が低下するが、高温の排ガスまたは高温の予熱
空気の熱で石炭灰（細粉）が予熱されるので、燃焼効率
を上昇させることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を概念的に示すフローシート、第
２図は本発明の方法を高温電気集じんシステムで実施す
る装置の一例を概念的に示すフローシート、第３図〜第
５図は他の実施例を示すフローシートで、第３図は高温
電気集じんシステムで分級、搬送を子熱空気で行なう場
合、第４図は高温電気集じんシステムで分級、搬送を排
ガスで行なう場合、第５図は低温電気集じんシステムで
分級、搬送を予熱空気で行なう場合を示している。 １……微粉炭だきボィラ、２……電気集じん機、２ａ・
・・・・・高温電気集じん機、２ｂ・・・・・・低温電
気集じん機、３，３ａ・・・・・・分級機、４・・・・
・・紐粉貯槽、５・・・・・・空気子熱器、６・・・・
・・ガス・ヒータ、７…・・・脱硫装置、８・・・・・
・煙突、１０・・・・・・灰処理部、１１・・・…子熱
空気ライン、１２…・・・排ガス再循環ライン、１３…
・・・排ガス混合ライン、１４・・・・・・燃競用空気
押込みファン、１５…・・・予熱空気ラィン、１６……
バグフイルター、１８……脱硝菱層。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 集じん装置捕集石炭灰を分級機に導入して粗粉と細
   粉とに分級し、細粉の一部を高温燃焼排ガスまたは予熱
   空気とともに石炭だき火炉に循環・投入して燃焼させ、
   細粉の残部を製品として系外に取り出すことを特徴とす
   る石炭灰の処理方法。