JPS6014195A - 移動式点検装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、原子力発電所内に設置される各種機器や配
管、弁などの異常の有無を点検する移動式点検装置に係
り、特に原子炉格納容器内に収容された各種機器、配管
、弁の点検作業を、点検用途別に分けられた複数台のモ
ルレール式点検車を選択することにより行なう移動式点
検装置に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

一般に原子力発電所においては、原子炉圧力容器や再循
環系などの原子炉一次系設備を原子炉格納容器内に格納
しており、万一事故が発生し原子炉一次系設備から放射
性物質が漏洩した場合でも、これが外部に漏出しないよ
うに閉じ込めるようになっている。しかし、原子炉格納
容器内に配置される各種装置や機器、配管、弁等の一部
に不具合が起こると原子力発電所の安全運転上極めて重
大な間題がある。例えば配管のクラック発生によって微
小破断が生じたり、弁やポンプのシールに不具合がある
と、高温高圧の蒸気や原子炉冷却材が漏洩することにな
る。

これらの漏洩が発生初期に発見された場合には、事後対
策を迅速に施こすことも容易にでき、大事に至ることも
少ないが、万一発見が遅れたり、発見されないまま原子
炉の運転が継続された場合には、破損や破断事故などの
不具合が拡大し、原子炉冷却材が原子炉格納容器内に大
量に流出することになり、原子炉系事故として重大な問
題となる。

高温高圧蒸気や冷却材等の漏洩を検出するために、従来
は原子炉格納容器内に各種検出器を設けて漏洩検出を行
なっている。しかしながら、原子炉格納容器内には各種
装置や機器、配管が錯綜して設けられており、構成が複
雑である。このため、各種検出器を原子炉格納容器内に
密度高く設備しない限り充分かつ正確な検出を行なうこ
とができず、いきおい正確さを欠く使用結果になってし
まう恐れがあった。この点を改善すべく原子炉格納容器
内に点検用機器を積載した点検車を巡回走行させること
が考えられている。

しかしながら、１台の点検車に用途別点検用機器を全て
搭載することは、点検車自体の大型化を招き、小回りが
きかない点検車になる恐れがある。

その結果、点検可能な範囲が制約され、狭くなるという
不都合が生じる原因となっている。

〔発明の目的〕

この発明は上述した点を考慮し、移動用点検車を用途別
に複数台用意し、用途別点検用機器を分散して搭載する
ことにより点検車自体を小型化し、小回りのきくものと
して点検範囲を拡大し、正確かつ迅速な点検を行ない得
るようにした移動式点検装置を提供することを目的とす
る。

〔発明の概要〕

上述した目的を達成するために、この発明に係る移動式
点検装置は、原子炉格納容器内に配設された軌条に沿っ
て移動用点検車を巡回走行させるものにおいて、点検用
機器を点検作業の用途別に分けてそれぞれ搭載した複数
台の移動用点検車と、上記各点検車を格納する格納庫と
を有し、格納された各点検車は点検作用の用途に応じて
選択的に前記軌条に案内されるようにしたものである。

すなわち、点検作業の用途に応じて格納庫から目的とす
る移動用点検車をピックアップし、この点検車を軌条に
案内し、この軌条に沿って巡回走行させて所定の点検作
業を能率的に行なうようにしたものである。

〔発明の実施例〕

以下、この発明に係る移動式点検装置の一実施例につい
て添付図面を参照して説明する。

第１図はこの発明の移動式点検装置の第１実施例を概略
的に示すもので、この移動式点検装置は格納庫１０内に
収容された複数台の移動用点検車１１を有する。格納庫
１０は例えば、原子炉格納容器（図示せず）内において
上下方向に延びており、この格納庫１０内に各点検車１
１を保持した可動レール１２が上下方向に適宜間隔をお
いて列状に配設される。可動レール１２はその支持線１
３を介して可動レール駆動機構１４により、上下方向に
移動可能に支持される。可動レール駆動機構１４は、上
下方向に延び、各可動レールの１つを選択的にモノレー
ル軌粂１５上に位置合せ可能に駆動させるようになって
いる。これにより、可動レール１２は格納庫１０内にお
いて、収納位置とモノレール軌条１５に案内される送出
位置との間を選択的に移動せしめられる。

一方、各可動レール１２に保持される移動用点検車１１
には、各用途別の点検用機器が分散して搭載され、これ
により移動用点検車１１の小型化を図ることができる。

各移動用点検車１１はモノレール軌条１５に装架された
牽引車１６に連結器１７を介して着脱自在に連結される
。この牽引車１６の牽引作用により選択された移動用点
検車１１がモルレール軌条１５上を牽引され、巡回走行
するようになっている。

また、各可動レール１２は、第２図に示すように、可動
レ一ル位置検出器を兼ねた可動レール固定機構２０と、
連結器解放機構２１と、移動用点検車固定機構２２とを
有し、これらの機構は可動レール１１の頂部に設けられ
る。このうち、可動レール固定機構２０は、可動レール
１１の前端部に装着され、モノレール軌条１５上に設置
された可動レール位置検出器兼可動レール固定機構２３
に対向している。可動レール位置検出器および可動レー
ル固定機構２０、２３は目的とする点検車１１を積載し
た可動レール１２の検出と、所望の可動レール１２を送
出位置においてモルレール軌条１５上に水平方向に位置
合せを行なうために設けられる。

連結器解放機構２１は一連の点検作業を終えた移動用点
検車１１を元の可動レール１２に収容させるためのもの
で、牽引車１６と移動用点検車１１の連結器１７を切り
離すために設けられる。この連結器解放機構２１は上下
方向に移動自在にかつ回動自在に保持された解放金具２
５を有する。この解放金具２５はブロック状をなし、下
方に保合溝２６が開口している。この係合溝２６は、第
３図に示すように連結器１７のツマミ２７に着脱可能に
係合するようになっている。

連結器１７は移動用点検車１１側に設けられた凹側連結
器エレメント１７ａと牽引車１６側の凸側連結器エレメ
ント１７ｂとを有する。凹側連結器エレメント１７ａは
一対の把持用レバー２８ａ、２８ｂからなる把持具を構
成している。この把持用レバー２８ａ、２８ｂは先端に
係合フック部２９ａ、２９ｂを有し、このフック部２９
ａ、２９ｂは引張ばね３０のばね力により、互いに近づ
く方向に常時付勢されている。

一方、凸側連結器エレメント１７ｂは上記係合用フック
部２９ａ、２９ｂに係合する係合突起３１を有する。

この係合突起３１の先端には膨出部３１ａが形成され、
この膨出部３１ａにより係合突起３１が係合用フック部
２９ａ、２９ｂに掛止めされ、連結される。

一方、凹側連結器エレメント１７ａの把持用レバー２８
ａ、２８ｂ間に、把持用レバー２８ａ、２８ｂ拡開用カ
ム３３が設けられる。このカム３３は楕円状あるいは長
円状をなし、連結器１７のツマミ２７に一体あるいはシ
ャフトを介して一体的に結合される。

さらに、点検車固定機構２２は移動用点検車１１を可動
レール１２に固定するためのもので、例えば第５図に示
すように、パワーシリンダ３５とこのシリンダのストロ
ーク作用により上下動自在に支持された係合ローラ３６
とを有し、この係合ローラ３６が移動用点検車１１の係
合凹部３７と係合することにより、点検車１１が所定位
置に固定されるようになっている。

なお、モノレール軌条１５側には、牽引車１６と移動用
点検車１１の連結位置を検出する牽引車位置検出器３８
（第２図参照）が設けられている。

次に、この発明の作用について説明する。

格納庫１０内に収容された各移動用点検車１１のうち、
点検作業の用途に応じて目的とする点検車１１がオペレ
ータの操作により指定される。特定の点検車１１が指定
されると、この移動用点検車１１がどの可動レール１２
上に保持されているかが、予め記憶された記憶装置（図
示せず）から読み出され、対象とする可動レール１２の
現在位置が支持される。

そして、可動レール駆動機構１４により、モノレール軌
条１５上の送出位置で速やかに移動させる。

この結果、可動レール１２上の所定の位置検出器２０と
モノレール軌条１５上の位置検出器２３との間で信号合
せが行なわれ、信号が一致すると可動レール固定機構２
０、２３が働き、所定の可動レール１２をモノレール軌
条１５上に水平方向に一致させ固定させる。特定の可動
レール１２がモノレール軌条１５と一致し、送出位置に
固定されると、牽引車１６が移動用点検車１１を連結す
るために、移動を開始し、移動用点検車１１側に移動さ
れる。この移動により、凸個連結器エレメント１７ｂの
係合突起３１が凹側連結器エレメント１７ａ内に案内さ
れ、その把持用レバー２８ａ、２８ｂを引張ばね３０の
ばね力に抗して拡開し、両エレメント１７ａ、１７ｂを
互いに連結させる。

連結の終了は、牽引車位置検出器３８により検出され、
この演出により点検車固定機構２２を作動させ、移動用
点検車１１の固定状態が解除される。この固定解除によ
り、牽引車１６が移動用点検車１１を引張りながら、モ
ノレール軌条１５上を巡回走行し、点検箇所に案内され
、そこで用途に応じた点検作業が行なわれる。その際、
各移動用点検車１１に搭載される点検用機器は、予め点
検作業の用途別にそれぞれ分けられているので、その小
型化を図ることができ、ひいては移動用点検車１１の小
型化が図れ、小回りのきくものとなる。

点検作業が終了し、牽引車１６に連結された移動用点検
車１１を格納庫１０に戻す場合には、牽引車位置検出器
３８が例えばＯＮ状態になるまで上記点検車１１を挿入
し、移動用点検車１１を第５図に示す点検車固定機構２
２で固定させる。この固定後に連結器解放機構２１を作
動させ、その解放金具２５を下降させて連結器１７のツ
マミ２７に係合させる。この係合状態で、第４図に示す
ように解放金具２５を９０度回動させ、解放用カム３３
を実線で示す位置から１点鎖線で示す位置に持ち来たし
、引張ばね３０のばね力に抗して把持用レバー２８ａ、
２８ｂを拡開させる。この拡開により、把持用レバー２
８ａ、２８ｂと係合突起３１との係合が解除され、連結
器１７は解放される。この解放後、牽引車１６のみを移
動させ、原位置に復帰させる。これにより、１つの点検
作業サイクルが終了し、次の点検作業のための準備が行
なわれる。

この発明の一実施例の説明においては、格納庫内に移動
用点検車を保持した移動レールを上下方向に昇降自在に
収容した収容方式の例について説明したが、必ずしもこ
れに限定されず、第６図に示すように可動レール１２Ａ
および移動用点検車１１Ａを横方向に移動自在に収容し
ても、あるいは第７図に示すように可動レール１２Ｂお
よび移動用点検車１１Ｂを閉ループをなす環状あるいは
楕円状ループに沿って移動自在に格納するようにしても
よい。

また、連結器や連結器解放機構に機械的な連結手段や解
放手段を用いた例について説明したが、必ずしもこれに
限定されず、電磁力を利用の吸引力により連結し、電気
をしゃ断することにより解放するようにした電気的連結
手段や解放手段を用いてもよい。移動用点検車の可動レ
ールへの固定機構についても同様に電気的固定手段を用
いることができる。

さらに、移動用点検車には、監視のための点検用機器を
搭載したものだけではなく、ある種の保守、保全等の軽
作業を行ない得るような作業車が含まれていてもよい。

なお、この発明の一実施例の説明では移動用点検車を牽
引車に連結器を介して連結させ、牽引車により牽引走行
させる例について説明したが、上記点検車を自走式とし
てもよい。自走式点検車の場合には、連結器や連結器解
放機構が不要となる。

〔発明の効果〕

以上に述べたようにこの発明に係る移動式点検装置にお
いては、複数台の移動点検車に、点検作業の用途別に分
けられた点検用機器を搭載したから、前記点検車の小型
化を充分に図ることができ、この小型化が図れるから移
動用点検車は小回りがきくものとなり、点検範囲の拡大
を図ることができる。

また、格納庫は複数台の移動用点検車を格納する一方、
格納された各点検車は点検作業の用途に応じて選択的に
軌条に案内されるから、用途に応じて必要なセンサ、検
出器等の点検用機器を搭載した移動用点検車を選択して
供給することができ、点検作業を効果的に行なうことが
できる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る移動式点検装置の一実施例を示
す概略側面図、第２図は第１図に示された移動式点検装
置を概略的に示す斜視図、第３図は移動用点検車を牽引
車に連結させる機械的連結器の側面図、第４図は上記連
結器の平面図、第５図は移動式点検装置の格納庫内に配
設の移動レールに取付けられた点検車固定機構を示す図
、第６図はこの発明の移動式点検装置の第１変形例を示
す図、第７図はこの発明の第２変形例を示す図である。 １０・・・格納庫、１１、１１Ａ、、１１Ｂ・・・移動
用点検車、１２、１２Ａ、１２Ｂ・・・移動レール、１
３・・・支持部、１４・・・可動レール駆動機構、１５
・・・モノレール軌条（軌条）、１６・・・、１７・・
・連結器、１７ａ・・・凹側連結器エレメント、１７ｂ
・・・凸側連結器エレメント、２０、２３・・・可動レ
ール位置検出器を兼ねる可動レール固定機構、２１・・
・連結器解放機構、２２・・・点検車固定機構、２５・
・・解放金具、２６・・・係合溝、２７・・・ツマミ、
２８ａ、２８ｂ・・・把持用レバー、３１・・・係合突
起、３３・・・拡開用カム、３５・・・パワーシリンダ
、３６・・・係合ローラ、３８・・・牽引車位置検出器
。 出願人代理人　波多野　久 第１図 第３図 第４図 第６図 第７図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、原子炉格納容器内に配設された軌条に沿って移動用
   点検車を巡回走行させる移動式点検装置において、点検
   用機器を点検作業の用途別に分けてそれぞれ搭載した複
   数台の移動用点検車と、上記各点検車を格納する格納庫
   とを有し、格納された各点検車は点検作条の用途に応じ
   て選択的に前記軌条に案内されるように構成された移動
   式点検装置。 ２、軌条はモルレール軌条であり、この軌条に走行自在
   に設けられた牽引車に移動用点検車が着脱可能に連結さ
   れる特許請求の範囲第１項に記載の移動式点検装置。 ３、格納庫は、複数台のモルレール式移動用点検車を保
   持する可動レールと、上記可動レールを収納位置と上記
   点検車を軌条に案内させる送出位置との間を選択的に移
   動可能な可動レール駆動機構と、上記可動レールに移動
   用点検車を固定させる点検車固定機構と、前記各可動レ
   ールに保持される移動用点検車の作業用途を予め記憶し
   ておく記憶装置とを有する特許請求の範囲第１項に記載
   の移動式点検装置。 ４、移動用点検車は送出位置において牽引車に、連結器
   を介して取外し可能に連結されるとともに、この連結を
   解除する連結器解放機構が可動レールに設けられている
   特許請求の範囲第３項に記載の移動式点検装置。 ５、可動レール駆動機構は可動レールを上下方向に、左
   右方向にあるいはループ状に移動自在とし、可動レール
   の収容方式に対応した駆動方式が採用された特許請求の
   範囲第３項に記載の移動式点検装置。 ６、移動用点検車は自走式である特許請求の範囲第１項
   に記載の移動式点検装置。