JPS60130350A - 調味食品の製造方法及びその装置 - Google Patents

調味食品の製造方法及びその装置

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JPS60130350A
JPS60130350A JP58238242A JP23824283A JPS60130350A JP S60130350 A JPS60130350 A JP S60130350A JP 58238242 A JP58238242 A JP 58238242A JP 23824283 A JP23824283 A JP 23824283A JP S60130350 A JPS60130350 A JP S60130350A
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sugar
liquid
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Akizo Abe
安部 章蔵
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馬場 祥宏
Mitsuo Iyama
井山 満雄
Iwao Oshita
大下 巌
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HIROSHIMAKEN
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HIROSHIMAKEN
Hiroshima Prefecture
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は調味食品、特に調味液を濃縮して製造する。
濡れ甘納豆、目−納豆、枝路等の製造方法及び製造装置
に関する。
従来これらの豆類に蔗糖を浸透させて製品化する場合が
最も技術的に困難と言われており、その方法としては ■)蓋のない解放釜で煮詰める方法。
2)真空濃縮装置を使って減圧濃縮する方法。
3)数回に分けて次第に濃い調味液に浸漬して濃縮して
いく間断濃縮法。
がある。
しかし、1)の方法では100°C以上で煮詰めるため
調味液が褐変したり苦味が発生したり粘度が上昇して再
使用が困難となる一方製品は煮崩れ、変色がおこり易く
品質が不安定でμ)練した技術者の勘を必要とする。
2)の方法では1)と逆に100°C以下の低温で濃縮
するので加工原料の色、形、香味などの特徴を生かす方
法としては最も好ましいが濃縮が低温、短時間すぎ、分
蜜現象がおこり易く、貯蔵安定性が劣る。また原料細胞
の組織が柔軟な場合これが破裂し団子様の物性を示すよ
うになり品質が低下する。
3)の方法では濃度の異なる複数の容器が必要であり、
多量の糖液を必要とし、濃縮に2,3日要するので広い
場所を要す上に、糖液が均質になり難く、製品が均一と
なり難い。また、寒い時期には零度近くにまで糖液が温
度低下するので、煮た豆の中へ蔗糖が浸透する糖液と温
度の範囲の関係(図1を参照)から大きく外れ、煮た豆
に糖が浸透し難くなる等、熟練した技術者でも常に良品
質の加糖餡類を製造することは困難である。
このように従来法の加糖餡類は熟練者の長年の経験と勘
により製造されているのが実情であった。
このため製品が均一でなく、蔗糖が豆類に含まれる餡細
胞内部にまで充分浸透していないため。
分蜜現象や硬化や微生物が増殖し易いことなど、貯蔵安
定性は良好とはいえなかった。
そこでこの発明はこれらの欠点を除去し、原料豆類の特
徴を充分生かし、常に美味で貯蔵安定性に優れ、しかも
熟練者でなくても良品質の加糖餡類等の食品が得られる
調味食品の製造方法および製造装置を提供するものであ
る。
以下、この発明の一実施例を説明すると、■煮た豆が糖
液などの調味液の浸透圧により脱水して収縮しない糖液
の濃度と、温度の範囲の関係(図1及び注1参照)を考
慮してallを行う。
即ち、調味液濃度に換算係数1乃至1.25を乗じた数
より高い温度で濃縮する。
■豆類のように糖が豆類に含まれる餡細胞の内部にまで
充分大り姪い原料の場合には、糖液濃度30乃至40%
の範囲に最小限3時間かけ豆類の中心部まで糖を入れた
後必要な糖液濃度まで濃縮する。(図2及び注2参照) ■原料の色、形、香味などの特徴を充分生かしたものと
するため可能な限り低温域で濃縮を行う。
以上の3点を綜合的に考慮してマイコンなどに記憶させ
、制御して濃縮する。
次ぎにこの発明の制御方法を説明すると、a原理 0調味液濃縮温度の選定:加工原料の特徴を充分生かす
には低温で濃縮するのが好ましく、色、形香味が加糖餡
に残存し、良品質といわれている。
が、しかし、濃縮に時間を要す。また、原料の細胞内部
にまで糖が入り難くなる。一方高温を利用すると原料に
糖が短時間に浸透し、濃縮時間が短縮出来る。しかし、
高温による糖液の褐変、加糖餡の着色や苦みの発生など
の欠点があり、良品質の加糖餡を製造するにば50乃至
80°Cの低温域で濃縮するのが有利である。
0糖液濃度(浸透圧)と濃縮温度の関係:糖液の温度に
対して糖液の濃度が高すぎる場合では、糖液の浸透圧に
より煮た豆に含まれる水分が脱水されて餡粒は収縮し、
糖は侵入し難くなる。
(この関係を図1及び注1に示した。この図1の線から
上部に位置すれば餡粒の中へ糖が浸透することを示して
おり、この範囲でa縮する必要がある。) 0調味液濃縮線:豆類に含まれる餡粒子の細胞組織の構
造は、非常に密で蔗糖などの調味液は浸透し難い。この
ため、餡粒子内の糖液濃度と餡粒子外の糖液濃度の差が
大きくなり易く、煮た豆に含まれろ水分が脱水されて収
縮し易いので特に濃縮速度を管理して制御する必要があ
る。50乃至80℃で糖液濃度40%から濃縮した場合
の例では図2及び注2のように餡と糖の結合力は3≧4
>2>1の順になる(60分遠心分離法と赤外線乾燥法
理3により判定)■の濃縮曲線で製造した製品は硬く9
分蜜現象が大である。このため糖液濃度30乃至45%
の範囲に最小3時間かけて濃縮した後に必要な濃度まで
緩和に濃縮していくことが必要である。
0糖液の濃縮範囲と濃縮時間:煮た豆が冷蔵庫(5°C
前後)で保管してあったものでも糖液温度が20℃以上
あれば、煮た豆に含まれる水分により薄まるので濃縮開
始の糖液濃度は30%からで良い。一方、蔗糖の溶解度
は20°Cで67.09゜80°Cモア8.36なので
最高糖液濃度は70%と考えられ、このときの糖液濃縮
温度は85℃である。(図1)一方濃縮時間は調味液濃
縮線の所で示したように30乃至45%濃度の範囲に3
時間以上、更に必要とする最終濃度に1時間以上。
この濃度にまで濃縮するのに1時間以上必要であり合計
最低5時間以上必要である。(50乃至85℃濃縮の場
合) biIiil味液(糖液)濃縮用の容器の構造糖液濃縮
用の容器(1)は 濃縮開始初期の。
低温、低糖液濃度での濃縮を促進させるように」二半部
(1a)は上方に向かうにしたがって広くなるようなテ
ーバ状に形成し、上面は解放すると共に、可能な限り最
小量の糖液を使用して糖液の残存量を最小量にするため
下半部は底を有する円筒体とする。そしてこの容器内に
は加工原料(豆)(X)を入れる網カゴ(2)を複数段
収容出来るよう構成し、糖液(Y)を濃縮するだめの熱
源(蒸気)の導入口(6)と、ドレン排水孔(7)を設
ける。一方、糖液の濃縮を、糖液濃度と温度とを自動制
御して行うための濃度コントロールレベル計等の液面感
知装置(4)、a度センサーとして白金測温体温計等の
温度感知装置(3)を設け、更に糖液が70°Cを超え
ると糖液の冷却と濃縮促進させるための送風機(8)を
設け、いずれもマイコンに端子をつなぎ、自動制御させ
る。尚、指示した温度までに濃縮していない場合(遅れ
た場合)、電磁弁を開き、温度を上昇させる。一定温度
を超えると温度感知装置が働き、送風N!a(8)を作
動させる。この結果糖液の濃縮の促進と濃縮温度を低下
させる。また、金網カゴ(2)を積層−する理由はカゴ
(2)の厚さが10cmを超えると豆類の中心部まで調
味液(蔗糖)が入り難くなるためである。
(実施例1) 網カゴに小豆を入れ、渋抜きと煮熟をした後、熱いうち
に70°C130%蔗糖液の入った濃縮用の容器に4段
積層して装填させた。蒸気弁2乃至3kgに調節し、電
磁弁を解放して蒸気の導入を開始し1図2の■の曲線で
濃縮し、16時間後に糖濃度55%のぬれ甘納豆を完成
させた。
この製品は淡白な味で艷に優れ、柔らかく、貯蔵安定性
に優れ硬化し難いものであった。
(実施例2) 網カゴに小豆を入れ、渋抜き、煮熟をした後、熱いうち
に85℃、40%蔗糖液の入った濃縮用の容器に4段積
層して装填させた。蒸気弁2乃至3kgに調節し、電磁
弁を解放して蒸気の導入を開始し、図2の■の曲線の時
間を半分に短縮し、8時間後、糖濃度55%のぬれ甘納
豆を完成させた。
この製品の特徴は実施例1と比較して少し硬く。
この場合の糖液の着色と粘度増加は著しがった。
(実施例3) この発明のかわった応用例を示すと、 晒布で5℃の小豆晒餡を包み網カゴに入れ、70℃、3
0%濃度の糖液の入った濃縮用の容器に4段積層して装
填した。その後は実施例1と同様にして濃縮し、16時
間後に糖液濃度50%の加糖餡を得た。その扱網カゴか
ら取り出し、残った蜜を加えて従来通りの方法で餡練り
の仕上げをした。この練り餡の糖濃度は55乃至60%
であった。この練り餡は艶に優れ、従来の練り餡と比較
して甘味度は低く、貯蔵しても離水現象のない、かびが
発生し難いものであった。
この発明によると、加工原料豆が保有している色、形、
香味などの好ましい特徴を生かし、常に均質で美味で微
生物の上からも、物性的にも貯蔵安定性が優れた良品質
の加糖餡類が製造出来、また、使用した調味液(蔗糖液
)は粘度増加などの物理的な変質が極めて少な〈従来法
では2,3回程度の繰り返し使用しか出来なかったのに
対し、10回以上の繰り返し再使用が可能であり、経済
的である。また、濃縮用の容器は上半部をテーパ状とし
たため調味液を低温・低濃度で濃縮する初期の蒸発を促
進出来、また下半部の形状を上半部の上縁部に比べて径
の小さい円筒型に形成したため、調味液の残量を少なく
出来、多量の新しい調味液を補充して濃縮するため、こ
れにより加工原料に含まれる「あり」、「渋」といわれ
るものに起因する着色が使用回数と共にひどくなるのを
防止出来製品の色、艶が良好となり極めて有益なる効果
を奏する。
注1) 糖液を濃縮する場合において、糖液の濃度に対して糖液
の温度が低すぎる場合、糖液の浸透圧により煮た豆は水
分を取られ、豆は収縮して糖が入ら゛なくなる。この境
界線を図1に示した。この線より上部に位置すれば豆の
中へ容易に糖が浸透するこの判定は小豆から調整した晒
餡(或いは乾燥路)を一定温度、一定濃度の糖液へ60
分浸漬したとき陥部の増加する体積で示した。また、こ
の陥部を、底に小穴の空いた遠沈管へ濾、紙を敷き、こ
の中へ入れ25°C,750G、60分遠心分離したと
き、陥部が糖液を保持する量で比較した。この両者の結
果から判定した。
0 20 40 60 80 蔗糖液濃度(z%) 図1;煮た豆(晒餡)の中へ蔗糖が浸透する(餡部が収
縮しない)糖液濃度とその温度範囲の関係 注2) 豆類に含まれる餡粒子の細胞組織の構造は大変密で蔗糖
などの糖液は浸透し難い。このため餡粒子内の糖液濃度
と餡粒子外の糖液濃度との差が大きくなり易く、糖液の
浸透圧により煮た豆に含まれる水分が脱水され、豆が収
縮し易い。このため特に30乃至45%の範囲を最小限
3時間経過した後にゆっくり必要な糖液濃度まで濃縮し
て行くことが大切で、制御して一定の濃度線上を濃縮す
る必要がある。
0 2 4 6 8 10121416濃縮時間(時) 図2二調味液濃縮線(濃縮温度60乃至80°C)(濃
縮時間 16時間ン *見かけの糖液濃度:実際の濃度は煮た豆に含まれる水
分により薄まる。例えば40%糖液55j!の中へ煮た
豆(小豆乾物4 kg水分8kg)12kgを入れると
全体の糖液濃度は5%薄まる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す断面図である1・・
・調味液濃縮用の容器、1a・・・上半部、2・・・網
カゴ、3・・・温度感知装置、4・・・液面感知装置、
5・・・攪拌装置、X・・・加工原料、Y・・・調味液
(糖液) 特許出願人 安部章蔵(外3名) 手続補正書(方式) 昭和59年4月6日 特許庁長官若杉和夫 殿 1、事件の表示 昭和58年特 許願第238242号 2、発明の名称 調味食品の製造方法及びその装置3、
 補正をする者 事件との関係特許出願人 8、補正の内容 (1)明細書第12頁下から3行目に、「図に」とある
を削除する。 (2)同書第14頁下から2行目に、 1図2:」とあるを削除する。 以 上 特許庁長官 若 杉 和 失敗 昭和58年特 許願第288242号 2 発明の名称チョウミショクヒンセイゾウホウホウォ
ヨ ソウチ調味食品のIl!!遣方法及びその装置3 
補正をする者 事件との関係特許出願人と同じ 4、 代 理 人 ′:11で1]フ゛T;’3Q別紙
の通り 明 細 書 (訂正) −1発明の名称 調味食品の製造方法及びその装置 2、特許請求の範囲 ■調味食品を製造するにあたり、調味液の濃縮工程にお
いて調味液濃度(W/、%)に対してこの数値に換算−
係数1乃至1.25 (”cW/ w%)を乗じた数よ
り高い温度で、かつ、45%の濃度に至るまで少なくと
も3時間以上かけて濃縮することを特徴とする調味食品
の製造方法。 ■調味液濃縮用の容器(1)を設け、該容器(1)の上
半部(1a)は上方に向かうに従って広くなるようなテ
ーパ状に形成し、該容器の内部には加工原料を入れる網
カゴ(2)を複数段設けると共に、温度感知装N(3)
及び液面感知装置(4)そして必要に応じて攪拌装置(
5)を設けたことを特徴とする調味食品の製造装置。 :1発明の詳細な説明 この発明は調味食品、特に調味液を濃縮して製造する。 濡れ甘納豆、甘納豆、粒妬等の製造方法及び製造装置に
関する。 従来これらの豆類に蔗糖を浸透させて製品化する場合が
最も技術的に困難と言われており、その方法としては ■)蓋のない解放釜で煮詰める方法。 2)真空濃縮装置を使って減圧濃縮する方法。 3)数回に分けて次第に濃い調味液に浸漬して濃縮して
いく間断濃縮法。 がある。 しかし、1)の方法では100°C以上で煮詰めるため
調味液が褐変したり苦味が発生したり粘度が上昇して再
使用が困難となる。一方、製品は煮崩れ、変色がおこり
易く品質が不安定で熟練した技術者の勘を必要とする。 2)の方法では1)と逆に100 ’C以下の低温で濃
縮するので加工原料の色、形、香味などの特徴を生かす
方法としては最も好ましいが濃縮が低温、短時間すぎ、
分蜜現象がおこり易く、貯蔵安定性が劣る。また原料細
胞の組織が柔軟な場合これが破裂し団子様の物性を示す
ようになり品質が低下する。 3)の方法では濃度の異なる複数の容器が必要であり、
多量の糖液を必要とし、濃縮に2,3日要するので広い
場所を要す上に、糖液が均質になり難く、製品が均一と
なり難い。また、寒い時期には零度近くにまで糖液が温
度低下するので、煮た豆の中へ蔗糖が浸透する糖液と温
度の範囲の関係(第2図を参照)から大きく外れ、煮た
豆に糖が浸透し難くなる等、熟練した技術者でも常に良
品質の加糖餡類を製造することは困難である。 このように従来法の加糖餡類は熟練者の長年の経験と勘
により製造されているのが実情であった。 このため製品が均一でなく、蔗糖が豆類に含まれる餡細
胞内部にまで充分浸透していないため。 分蜜現象や硬化や微生物が増殖し易いことなど、貯蔵安
定性は良好とはいえなかった。 そこでこの発明はこれらの欠点を除去し、原料豆類の特
徴を充分生かし、常に美味で貯蔵安定性に優れ、しかも
熟練者でなくても良品質の加糖餡類等の食品が得られる
調味食品の製造方法および製造装置を提供するものであ
る。 以下、この発明の一実施例を説明すると、■煮た豆が糖
液などの調味液の浸透圧により脱水して収縮しない糖液
の濃度と、温度の範囲の関係(第2図及び注1参照)を
考慮して濃縮を行う。 即ち、調味液濃度に換算係数1乃至1.25を乗じた数
より高い温度で濃縮する。 ■登類のように糖が豆類に含まれる餡細胞の内部にまで
充分入り難い原料の場合には、糖液濃度30乃至45%
の範囲に最小限3時間がけ豆類の中心部まで糖を入れた
後必要な糖液濃度まで濃縮する。(第3図及び注2参照
) ■原料の色、形、香味などの特徴を充分生がしたものと
するため可能な限り低温域で濃縮を行う。 以上の3点を綜合的に考慮してマイコンなどに記憶させ
、制御して濃縮する。 次にこの発明の制御方法を説明すると、a原理 ・調味液濃縮温度の選定:加工原料の特徴を充分生かす
には低温で濃縮するのが好ましく、色、形香味が加糖餡
に残存し、良品質といわれている。 が、しかし、濃縮に時間を要す。また、原料の細胞内部
にまで糖が入り難くなる。一方高温を利用すると原料に
糖が短時間に浸透し、濃縮時間が短縮出来る。しかし、
高温による糖液の褐変、加糖餡の着色や苦みの発生など
の欠点があり、良品質の加糖餡を製造するには5O乃至
85°Cの低温域で濃縮するのが有利である。 ・糖液濃度(浸透圧)と濃縮温度の関係:糖液の温度に
対して糖液の濃度が高すぎる場合では、糖液の浸透圧に
より煮た豆に含まれる水分が脱水されて餡粒は収縮し、
糖は侵入し難くなる。 (この関係を第2図及び注1に示した。この第2図の線
から上部に位置すれば妬粒の中へ糖が浸透することを示
しており、この範囲で濃縮する必要がある。) ・調味液濃縮線:豆類に含まれる餡粒子の細胞組織の構
造は、非常に密で蔗糖などの調味液は浸透し難い。この
ため、餡粒子内の糖液濃度と餡粒子外の糖液濃度の差が
大きくなり易く、煮た豆に含まれろ水分が脱水されて収
縮し易いので特に濃縮速度を管理して制御する必要があ
る。60乃至80°Cで糖液濃度40%から濃縮した場
合の例では図2及び注2のように餡と糖の結合力は32
4>2>1の順になる(60分遠心分離法と赤外線乾燥
法注3により判定)■の濃縮曲線で製造した製品は硬く
9分蜜現象が大である。このため糖液濃度30乃至45
%の範囲に最小3時間かけて濃縮した後に必要な濃度ま
で緩和に濃縮していくことが必要である。 ・糖液の濃縮範囲と濃縮時間:煮た豆が冷蔵庫(5°C
前後)で保管してあったものでも“糖液温度が20°C
以上あれば、煮た豆に含まれる水分により薄まるので濃
縮開始の糖液濃度は30%からで良い。一方、蔗糖の溶
解度は20°Cで67.09,80°Cで78.36な
ので最高糖液濃度は70%と考えられ、このときの糖液
濃縮温度は85℃である(第2図)。一方濃縮時間は調
味液濃縮線の所で示したように30乃至45%濃度の範
囲に3時間以上、更に必要とする最終濃度に1時間以上
、この濃度にまで濃縮するのに1時間以上必要であり合
計最低5時間以上必要である。(50乃至85℃濃縮の
場合) b調味液(糖液)m線用の容器の構造 糖液濃縮用の容器(1)は濃縮開始初期の、低温。 低糖液濃度での濃縮を促進させるように上半部(la)
は上方に向かうにしたがって広くなるようなテーパ状に
形成し、上面は解放すると共に、可能な限り最小量の糖
液を使用して糖液の残存量を最小量にするため下半部は
底を有する円筒体とする。そしてこの容器内には加工原
料(豆)(X)を入れる網カゴ(2)を複数段収容出来
るよう構成し、糖液(Y)を濃縮するための熱源(蒸気
)の導入口(6)と、ドレン排水孔(7)を設ける。一
方、糖液の濃縮を、糖液濃度と温度とを制御して行うた
めの濃度コントロールレベル計等の液面感知装置(4)
、温度センサーとして白金測温体温計等の温度感知装置
(3)を設け、更に糖液が70°Cを超えると糖液の冷
却と濃縮促進させるための送風機(8)を設け、いずれ
もマイコンに端子をつなぎ、制御させる。尚、指示した
温度までに濃縮していない場合(遅れた場合)、電磁弁
を開き、温度を上昇させる。一定温度を超えると温度感
知装置が働き、送風機(8)を作動させる。この結果糖
液の濃縮の促進と濃縮温度を低下させる。また、糖液濃
縮の促進と攪拌の目的で容器(1)の下部から糖液(Y
)を取り出し、糖液の表面に霧状にスプレィする方法も
効果的である。 金網カゴ(2)を積層する理由はカゴ(2)の厚さが1
0備を超えると豆類の中心部まで調味液(蔗糖)が入り
難くなるためである。 (実施例1) 網カゴに小豆を入れ、渋抜きと煮熟をした後、熱いうち
に70’C,30%蔗糖液の入った濃縮用の容器に4段
積層して装填させた。蒸気圧2乃至3に9に調節し、濃
縮温度60乃至80°Cとし、電磁弁を解放して蒸気の
導入を開始し2図2の■の曲線で濃縮し、16時間後に
糖濃度55%のぬれ甘納豆を完成させた。 この製品は淡白な味で艶に優れ、柔らかく、貯蔵安定性
に優れ硬化し難いものであった。 (実施例2−) 網カゴに小豆を入れ、渋抜き、煮熟をした後、熱いうち
に85°C240%蔗糖液の入った濃縮用の容器に4段
積層して装填させた。蒸気圧2乃至3に9に−節し、濃
縮温度60乃至80°Cとし、電磁弁を解放して蒸気の
導入を開始し、図2の■の曲線の時間を半分に短縮し、
8時間後、糖濃度55%のぬれ甘納豆を完成させた。こ
の製品の特徴は実施例1と比較して少し硬く、この場合
の糖液の着色と粘度増加は著しかった。 (実施例3) この発明のかわった応用例を示すと、晒布で5°Cの小
豆晒餡を包み網カゴに入れ、70″0.30%濃度の糖
液の入った濃縮用の容器に4段積層して装填した。その
後は実施例1と同様にして濃縮し、16時間後に糖液濃
度50%の加糖餡を得た。その扱網カゴから取り出し、
残った蜜を加えて従来通りの方法で赳練りの仕上げをし
た。この練り餡の糖濃度は55乃至60%であった。こ
の練り餡は艶に優れ、従来の練り餡と比較して甘味度は
低く、貯蔵しても離水現象のない、かびが発生し難いも
のであった。 この発明によると、加工原料豆が保有している色、形、
香味などの好ましい特徴を生かし、常に均質で美味で微
生物の上からも、物性的にも貯蔵安定性が優れた良品質
の加糖酪類が製造出来、また、使用した調味液(蔗糖液
)は粘度増加などの物理的な変質が極めて少な〈従来法
では2.3回程度の繰り返し使用しか出来なかったのに
対し、10回以上の繰り返し再使用が可能であり、経済
的である。また、濃縮用の容器は上半部をテーバ状とし
たため調味液を低温・低濃度で濃縮する初期の蒸発を促
進出来、また下半部の形状を上半部の上縁部に比べて径
の小さい円筒型に形成したため、調味液の残量を少なく
出来、多量の新しい調味液を補充して濃縮するため、こ
れにより加工原料に含まれる「あく」、「渋」といわれ
るものに起因する着色が使用回数と共にひどくなるのを
防止出来製品の色、mが良好となり極めて有益なる効果
を奏する。 注1) 糖液を濃縮する場合において、糖液の濃度に対して糖液
の温度が低すぎる場合、糖液の浸透圧により煮た豆は水
分を取られ、豆は収縮して糖が入らなくなる。この境界
線を図1に示した。この線より上部に位置すれば豆の中
へ容易に糖が浸透する。 この判定は小豆から調整した1組(或いは乾燥組)を一
定温度、一定濃度の糖液へ60分浸漬したとき組部の増
加する体積で示した。また、この組部を、底に小穴の空
いた遠沈管へ濾紙を敷き、この中へ入れ25°C,75
0a、6a分遠心分離したとき、組部が糖液を保持する
量で比較した。この両者の結果から判定した。 注2) 豆類に含まれる餡粒子の細胞組織の構造は大変密で蔗糖
などの糖液は浸透し難い。このため色粒子内の糖液濃度
と餡粒子外の糖液濃度との差が大きくなり易く、糖液の
浸透圧により煮た豆に含まれる水分が脱水され、豆が収
縮し易い。このため特に3O乃至45%の範囲を最小限
3時間経過した′後にゆっくり必要な糖液濃度まで濃縮
して行くことが大切で、制御して一定の濃度線上を濃縮
する必要がある。 ◎見かけの糖液濃度:実際の濃度は煮た豆に含まれる水
分により薄まる。例えば40%糖液55jの中へ煮た豆
(小豆乾物4 Kg水分8Kg)12Kgを入れると全
体の糖液濃度は理論上5%薄まる。 4、図面の簡単な説明 第1図はこの発明の一実施例を示す断面図、第2図は煮
た豆(1餡)の中へ蔗糖が浸透する(組粒が収縮しない
)糖液濃度とその温度範囲の関係を示したグラフ、第3
図は調味液濃縮線〔濃縮温度60乃至80°C濃縮時間
16時間〕を示したグラフである。 (1)・・・調味液濃縮用の容器 (1a)・・・上半
部(2)・・・網カゴ (3)・・・温度感知装置 (
4)・・・液面感知装N(5)・・・攪拌装置 00・
・・加工原料 (Y)・・・調味液(糖液) 特 許出願人 安部章蔵(外3名) 、−−一1.−1−一一一61.1、石た第3図 02468101り1416 渫儒暗向(制 第2図 ○ 2o4O6Og。 蓬糧邊濃磨(%%2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 ■調味食品を製造するにあたり、調味液の濃縮工程にお
    いて調味液濃度(光%)に対してこの数値に換算係数1
    乃至1.25(’CZ%)を乗じた数より高い温度で、
    かつ、45%の濃度に至るまで少なくとも3時間以上か
    けてa縮することを特徴とする調味食品の製造方法。 ■調味液濃縮用の容器(1)を設け、該容器(1)の上
    半部(1a)は上方に向かうに従って広くなるようなテ
    ーバ状に形成し、該容器の内部には加工原料を入れる網
    カゴ(2)を複数段設けると共に、温度感知装置(3)
    及び液面感知装置(4)そして必要に応じて攪拌装置(
    5)を設けたことを特徴とする調味食品の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1332681A1 (en) * 2002-01-30 2003-08-06 Kim, Hong-bae Device for sensing and alarming absence of water in a home machine for manufacturing soybean milk, watery bean curd, and bean curd
JP2012024507A (ja) * 2010-07-28 2012-02-09 Nakai:Kk 固形食材の蜜漬け装置
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JPS5643331A (en) * 1979-09-14 1981-04-22 Showa Electric Wire & Cable Co Ltd Crosslinking of water-crosslinkable silicone-grafted polyolefin tube or pipe

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