JPS6012639Y2 - 微生物着生用基材モジユ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は微生物着生用基材モジュールに関し、さらに詳
しくは、都市下水や産業廃水等の汚水を微生物によって
処理する装置において、微生物を保持するのに使用する
基材モジュールに関する。

微生物を利用した汚水処理装置は、汚水の処理槽内に微
生物を保持する基材モジュールを設け、基材モジュール
を構成している基材間で汚水を流動させながら、その基
材に付着している微生物によって汚水中のＢＯＤ戊分や
ＣＯＤ戊分を除去するようにしたものである。

上記のような装置において使用する基材モジュールとし
ては、従来、たとえば鋼材等で構成した立体枠に、微生
物着生用基材をボルト締めにより、あるいは立体枠に設
けたくし歯状部材に基材を嵌合させることにより固定し
たようなものが知られている。

上記いずれの場合も、基材がある程度の剛性をもった板
状体である場合はよいが、柔軟性のあるシート状体であ
るような場合には、基材の周縁に鋼製の枠体を取付けて
固定の容易化を図っている。

しかしながら、上記従来の基材モジュールは、周縁の枠
体の反りが基材に波状のしわを発生させるという欠点が
あった。

基材にしわがあると、基材間の汚水の流動が滑らかに行
なわれなくなり、汚水と基材との接触効率が低くなって
処理能力が低下してしまう。

枠体の剛性を十分大きくして、その反りによる基材のし
わを防止するには、枠体を十分厚くすればよいのである
が、そうすると今度はその枠体が抗体となって汚水の滑
らかな流動が阻害されるようになる。

本考案の目的は、汚水を円滑に流動させることができ、
処理能力の高い基材モジュールを提供するにある。

上記目的を遠戚するための本考案は、上側横梁および縦
梁と、下側横梁および縦梁と、柱とからなる立体枠の上
側および下側の横梁または縦梁に鎖状体が架設され、前
記立体枠には、複数のシート状微生物着生用基材が、そ
の基材の四隅に設けた鳩目と前記鎖状体との間に架設し
た支持部材によって等間隔で張設されている微生物着生
用基材モジュールを特徴とするものである。

本考案の基材モジュールの一実施例を説明するに、図面
において、１は鋼材等の剛性材料の柱２、上側と下側の
横梁３および縦梁４からなる剛接構造の立体枠である。

縦梁４には鎖、一定間隔で穿設された貫通孔をもつ帯等
の、いわゆる鎖状体５が架設されている。

この鎖状体５は、両端と、その間の数個所で縦梁４に取
付けられ、大きく伸縮したり弛んだりしないようになっ
ている。

６は微生物着生用基材である。

この基材６はポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等の合成樹脂のネット、織
物、不織物、フィルムのようなもので、長方形のシート
状をしており、かつ柔軟性を有している。

織物や不織布の場合には、それらを構成している繊維の
単糸径が１〜２０（μ）であり、厚みが０．５〜５ （
ｍｍ）であり、表面に単繊維が立毛状態で存在し、その
単繊維が汚水の流動に伴って任意の方向にたなびき得る
ようなものであるのが好ましい。

上記のような基材６は、立体枠１に、そのシート面が互
に対向するように、かつ一定の等間隔で複数枚張設され
ている。

すなわち、基材６の四隅に設けた鳩目７と上記鎖状体５
との間に針金、繊維ひも、東線バンド、ゴムひもやコイ
ルばねのような弾性材料、長さの調節が可能なフック等
の支持部材８が架設され、その支持部材８が基材６をそ
の四隅で縦梁４の方向に引張っている。

上述したような基材モジュールは、汚水の処理槽内に単
独で、あるいはその複数個を積重ねた形で、さらには汚
水の流動方向に複数個直列に並べた形で浸漬され、使用
される。

その場合、基材のシート面が処理槽内の汚水の全体流れ
の方向（汚水の入側から処理水の出側に向う方向）と平
行になるように設置するのが好ましい。

上記実施例において、基材は立体枠の横梁、縦梁のいず
れに張設してもよく、どちらに張設するかは立体枠や基
材の形状に応じて決めればよい。

また、立体枠の相対向する柱、横梁または縦梁間にさら
に別の横梁、縦梁を設け、一方基材にも任意の上記別の
横梁、ｍ粱と対応する位置に鳩目を設け、基材の張設を
５個所以上で行うようにしてもよい。

また、柱の下端を横梁および縦梁との剛接部よりもさら
に下方に延長し、その延長部分に適当な梁を設けて曝気
用の散気管を設置したり、横梁または縦梁を柱との剛接
部よりもさらに延長し、その延長部分にも基材を張設し
たり、延長部分の先端に処理槽の槽壁への取付部を設け
るようにしてもよい。

以上説明したように、本考案の基材モジュールは、シー
ト状の基材を、その基材の四隅に設けた鳩目と立体枠の
横梁または縦梁に架設した鎖状体との間に架設した支持
部材によって上記立体枠に張設しているので、従来の基
材モジュールのように基材にしわを発生したり、あるい
はしわ防止のための枠体を基材の周縁に取付ける必要が
ない。

そのため、基材間の汚水の流動が滑らかに行なわれ、汚
水と基材との接触効率が向上１．ており、汚水の処理能
力が高い。

かつまた、基材の張設に横梁または縦梁に架設した鎖状
体を使用しているので、支持部材を鎖状体の任意の孔に
架設し直すのみで基材の張設間隔を変更することができ
、汚水の種類などが変わったような場合でも処理条件の
設定が極めて容易である。

さらに、基材の枠体などが不要であり、また安価な鳩目
や鎖状体を使用しているので製作コストが安い。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の微生物着生用基材モジュールの一実施
例を示す概略斜視図である。 １：立体枠、２：柱、３：横梁、４：縦梁、５：鎖状体
、６：基材、７：鳩目、８：支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上側横梁および縦梁と、下側横梁および縦梁と、柱とか
   らなる立体枠の上側および下側の横梁または縦梁に鎖状
   体が架設され、前記立体枠には、複数のシート状微生物
   着生用基材が、その基材の四隅に設けた鳩目と前記鎖状
   体との間に架設した支持部材によって等間隔で張設され
   ていることを特徴とする微生物着生用基材モジュール。