JPS60121788A - 複合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複合体に関し、更に詳しくは絶縁性、耐食性
、耐熱性等に優れた複合体に関する。

従来、金属製支持板に有機絶縁膜を設けた複合体として
、例えばフレキシブル電子回路用基板として銅箔にポリ
イミドフィルムを接着剤を介してラミネートしたもの、
スピーカー用振動板としてアルミニウム箔とポリイミド
フィルムをラミネートしたもの等が知られている。しか
しながら、このようなラミネートにより製造された複合
体では、金属製支持板と有機絶縁膜との接着強度に劣る
欠点があった。

上記欠点を改善する方法としては、有機絶縁膜の原料溶
液、例えばポリイミドの前駆体であるボリアミンク酸溶
液等を金属製支持板上に塗布し、加熱乾燥、硬化させる
方法がある。しかしながら、この方法でも、確かに金属
製支持板と有機絶縁膜との接着強度は改善されるが、有
機絶縁膜の原料溶液中に含まれる溶剤の蒸発、硬化反応
時の脱水等により膜中にピンホールが生じやす（、有機
絶縁膜の絶縁性に劣り、また使用する金属製支持板の種
類により、ポリイミドの耐熱性が悪くなるという欠点が
あった。

本発明の目的は、上記従来技術の欠点を除去し、絶縁性
、耐食性、耐熱性に優れた複合体を提供することにある
。

本発明は、金属製支持板の少なくとも一面に、酸化ケイ
素を主成分とする絶縁性金属酸化物の薄膜を設け、更に
その上に有機絶縁膜を設けてなる複合体に関する。

本発明に使用される金属製支持板としては、特に制限は
ないが、例えば鉄、鋼、ステンレス鋼、銅、銅合金、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合
金、チタン、チタン合金等が挙げられる。これらの金属
製支持板は、その性質、例えば熱伝導性、電気伝導性、
熱膨張係数、引張り強度、曲げ強度、衝撃強度、加工性
、耐食性、価格等から、その使用目的に合わせて選定さ
れる。

金属製支持板の厚さは、機械的強度および加工性から０
．０１〜ｌ　＋ｕが好ましい。

本発明に使用される酸化ケイ素を主成分とする絶縁性金
属酸化物の薄膜は、例えばケイ酸エチル（Ｓｉ　（ＯＥ
ｔ）４）を主成分とするアルコール溶液に、水を添加し
て加水分解させて得られる水酸化ケイ素（Ｓ　ｉ　（Ｏ
Ｈ）　４　）または酸化ケイ素（ＳｉＯ□）のオリゴマ
ーを生成分とするアルコール溶液を金属製支持板上に塗
布し、加熱乾燥することにより形成することができる。

このような金属酸化物の薄膜の形成により、金属製支持
板上に絶縁膜が付与されるとともに、支持板表面の酸化
が防止され、またその上に設けられる有機絶縁膜の接着
性等が改善される。

このような絶縁性金属酸化物の薄膜の膜厚は、ｏ、ｏｏ
ｉ〜１μｍが好ましく、より好ましくは０゜０３〜０４
３μｍである。膜厚が薄ずぎると絶縁性が損われ、また
厚すぎると、薄膜形成途中でクラックが入り易くなり、
外観上および絶縁性の点で劣る。

本発明で使用される有機絶縁膜としては、例えばポリイ
ミド、ポリアミック酸ｒ′またはこれらの変性体等の膜
が挙げられる。これらのポリマーは、絶縁性、耐熱性、
耐薬品性に優れており、特に電子部品用として有用であ
る。

このような有機絶縁膜は、上記ポリマーの有機溶媒溶液
、または上記ポリマーの前駆体の有機溶媒溶液を、前記
の絶縁性金属酸化物の薄膜を形成した金属製支持板上に
、塗布し、加熱乾燥することにより形成される。

有機絶縁膜の膜厚は、一般に０．５〜５０μｍが好まし
く、より好ましくは１〜２０μｍである。

膜厚が薄すぎると、絶縁不良が発生し易く、また厚すぎ
ると、有機絶縁膜形成時の熱履歴によりはがれ、クラン
ク等を生じやすくなる。

絶縁性金属酸化物の薄膜の形成および有機絶縁膜の形成
に用いられる塗布法としては、通當の塗布法、例えばス
プレー塗布、浸漬引上げ法、回転塗布法、刷毛塗り法、
プレードコータまたはロールコータによる方法等を用い
ることができる。

本発明の複合体は、金属酸化物の薄膜により、絶縁性が
改善されるとともに、金属製支持板の酸化が抑えられる
ため、変色がなく、耐食性、耐熱性に優れたものとなる
。

本発明の複合体は、電子部品、プリント回路基板等とし
て用いられ、これらの基板の信頼性を著しく向上させる
ものである。

以下、実施例により本発明を説明する。

実施例 ケイ酸エチルＳｉ　（ＯＥｔ）４１００ｇおよびリン酸
シエヂル（Ｅ　ｔ　Ｏ）　２ＰＯ（ＯＨ）　０．５９ｇ
をエチルアルコール８６４．８５　ｇに混合、溶解し、
これに水３４．５．６　ｇを加え、７０°Ｃで４時間加
熱攪拌して酸化ケイ素のオリゴマー溶液を調製した。

十分洗浄したステンレス鋼板（ＳＵＳ４３０、七 １００ｘ１００ｘ０．１　龍）を用い、これに上記の酸
化ケイ素のオリゴマー溶液を、浸漬塗布した。

浸漬塗布は、引上げ速度３０■／　ｍ　ｉ　ｎで行い、
室温放置して溶媒を風乾したのち、４００℃で１時間硬
化することにより、膜厚的０．０７μｍの酸化ケイ素を
主成分とする金属酸化物の薄膜を形成した。

このようにして得られた金属酸化物薄膜を設けたステン
レス鋼板に、以下のようにして調製したポリイミドの前
駆体であるポリアミック酸の溶液を回転塗布し、２００
℃で３０分間、３５０℃で１時間、加熱硬化させ“（、
本発明の複合体を得た。

ポリアミック酸溶液は、３．３’、４．４’−ベンゾフ
ェノンテトラカルポン酸二無水物６１．６７４ｇおよび
４．４′−ジアミノジフェニルエーテル３８．３２　’
６　ｇをＮ−メチルピロリドン４００ｇ中で、室温で３
時間攪拌させ、更に８０℃で５時間攪拌して、粘度２，
０００ｃｐｓの溶液として得た。またポリアミック酸の
回転塗布は、共栄セミコンダクター（株）社製Ｉ　Ｈ−
３型回転器を用い、約５ｇのポリアミック酸溶液を回転
中心部に供給し、２，５００ｒｐｒｎ、３０秒間回転す
ることにより行い、約４μｍの表面平滑度、−接着性に
優れた有機絶縁膜を得た。

以上のようにして得られた本発明の複合体のボリイミｌ
”　Ｉｆｆ面に、１ｃｌＩ＋の島状にアルミニウムをマ
スク蒸着し、隣り合わせたアルミニウムの島同士および
アルミニウムの島と裏面（ＳｉＯ□を主成分とする金属
酸化物膜面）との間の絶縁抵抗を測定したところ、ＤＣ
２００Ｖでいずれも１０　Ω以」二の抵抗を示した。ま
たこの複合体を、３５０℃、４００℃という高温に放置
されても、ステンレス鋼板の表面の変色は認められなか
った。なお、金属酸化物の薄膜を設けていないステンレ
ス鋼板を同様な高温にさらしたところ、ややかっ色を呈
した。このため、本発明の複合体の場合は、金属酸化物
薄膜がステンレス鋼板表面の酸化を防止しているものと
考えられる。

また酸化ケイ素を主成分とする金属酸化物の薄膜を設け
たステンレス鋼板と、金属酸化物薄膜を設けていないス
テンレス鋼板を用いて製造した各複合体について、示差
熱天秤を用いてこれらの耐熱性を比較した。その結果、
全重量減少量の５％Ｍ量減少時の温度は、金属酸化物の
薄膜を設けたステンレス鋼板を用いた場合は５６０　’
ｃ、一方金属酸化物の薄膜を設けていないステンレス鋼
板を用いた場合は５２０　℃であった。なお、示差熱天
秤は、α−Ａ１２０３を標準試料として、試料重量１ｇ
、昇温速度１０　’Ｃ／　ｍ　ｉ　ｎ、空気中で測定を
行った。

本発明の複合体は、以上のように絶縁性に優れ、また金
属酸化物の薄膜により金属製支持板の酸化が抑えられる
ため、変色がなく、耐食性、耐熱性に優れたものである
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ■、金属製支持板の少なくとも一面に、酸化ケイ素を主
   成分とする絶縁性・金属酸化物の薄膜を設け、更にその
   上に有機絶縁膜を設けてなる複合体。