JPS6011881B2 - 植物生長調節剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、物理化学的及び生物学的安定性を増大せしめ
る、チタンを含む植物生長調節剤組成物に関する。

チタンが植物の生命維持過程において重要な役割を果し
ていることは良く知られている。

チタンは土壌中に高い濃度で存在しているが、水に不溶
性のチタン塩はその生物学的活性を発揮することができ
ないので、植物に対して利用できないことも知られてい
る。

ハンガリー特許明細書第１７０６９３号に従えば、四価
のチタンイオンを含む溶液はアスコルビン酸と反応して
、植物を処理するのに適したチタン鍔体（キレート）を
生ずる。

アスコルビン酸は、チタンに対して５０〜２０び音過剰
でこの溶液中に存在する。しかしながら「植物の処理に
適当な、過剰量でアスコルビン酸を含む水溶液の安定性
は満足できるものではない。微生物試験に従えば「例え
ば、菌株 クレストリジウム ボッリナム（ＣＩｅｓｔ
ｒｉｄ畑ｍ戊ｔｕｉｊｎｕｍ）、アスベルギルス ニガ
−（Ａｓｐｅｒｇｍｕｓｎｉｇｅｒ）、ラクトバシラス
ラクチス（Ｌａｃ■ｂａｃｉｌｌｕｓｌａｃｔｉｓ）
、クロストリジウム ビテイリカム（ＣＩｏｓｔｒｉｄ
ｉｍｍｂれｍｃｕｍ）サーモバクテリウム モービル（
ｍｅ皿ｏＭｃｔｅｒｉｕｍｍｏｂｉｌｅ）は、鈴体を形
成するのに使用されるアスコルビン酸を分解する。

チタンの存在は、この効果を増加させるものと想像され
る。他方、葉の表面に薄い皮膜としてスプレーされたチ
タンは周囲の環境の影響によって容易に不活性化され、
従って、生育期において、所望の効果を得るために処理
の回数を著しく増加させなければならない。高い労働コ
スト及びエネルギー消費のために、このことはプロセス
の経済性にマイナスの影響を及ぼす。本発明は、上記欠
点のない、チタンを含む新しい植物生長調節剤組成物に
関する。

すなわち、その中に含まれる四価のチタンは広い面積に
スプレーされた後、高過剰量のアスコルビン酸の存在下
において非常に薄い溶液の場合にも酸化に対して抵抗性
を有する。この新しい組成物は微生物に対しても抵抗性
を持つ。本発明に従えば、（ｌ）四価のチタンイオン１
タ原子当り１４〜２８タモルのアスコルビン酸を含みか
つｐＨを５〜７に調整したチタンーアスコルビン酸キレ
ート０．１〜１５．の重量％並びに（ｉｉ）安息香酸及
びその塩並びにサリチル酸及びその塩の群から選ばれた
少なくとも一種の化合物（全固形分重量当り）少なくと
も０．０１重量％を含んでなる実質上植物の葉又は種子
をスプレー処理するのに適したチタンーアスコルビン酸
キレートを含む植物生長調節剤組成物が提供される。

上記添加物のパーセント量は組成物中の固形物質含量に
対する値である。アスコルビン酸はチタンに対して２０
〜２０坊苦過剰に使用される。上に述べた安定剤は溶液
に対し２５重量％までの濃度で添加されるが、２重量％
を超える濃度においては、その活性は比較的低い割合で
しか増大せず「従ってこの濃度を超えて安定剤の量を増
加させることは一般には経済的ではない■本発明に従っ
た組成物はその安定性が増しているので、処理の頻度を
減らすことができ、また処理の頻度を変えない場合には
、安定剤を含まない公知の組成物と比較してその活性が
５〜８％増加する。

このことは本発明に従った組成物の大きな利点である。
本発明に従った組成物は、高いアスコルビン酸濃度にも
かかわらず、そして非常に稀薄な水溶液においてさえも
、検知できるような活性の低下を伴うことなく長い間保
存することができる。本発明に従った組成物は、四価の
チタンイオン及びアスコルビン酸並びに安息香酸及びそ
の塩並びにサリチル酸及びその塩（安定剤）の他に、必
要に応じて棚素、マグネシウム、マンガン、鉄、亜鉛及
びモリブデンの水落性塩等の生化学的必須栄養素や２・
４ージクロロフェノキシ酢酸又はその塩及びジベレリン
等の植物ホルモン、更には汎用の添加剤を含むことがで
きる。本発明の組成物を製造する場合には、四価のチタ
ン塩を所望の濃度で水中に溶解し、アスコルビン酸を所
望の過剰量で添加し、そしてこの溶液のｐＨを好ましく
は約５に調節する。

このようにして得られた溶液に、上に述べた添加剤の一
種もしくはそれ以上を添加する。

これらの添加物が存在しない場合には、液体表面は２週
間後には微生物のコロニ−（集落）によっておおわれる
。微生物は活性成分濃度を低下せしめ、そして溶液の普
通の使用を不可能にする。本発明に従った添加剤は微生
物コロニーの生長を抑制し、従って前記溶液を長期間適
用可能な状態に保持し、かつ「同時に同じ活性成分濃度
であるが本発明に従った添加物を含まない溶液と比較し
て「作物収量の５〜８％の増加をもたらす。この収量の
増加は微生物に対する抵抗性の増大による。ミクロ及び
マクロ栄養分並びに植物ホルモンは、四価のチタンとア
スコルビン酸との錯体に対し所定量添加した場合に、植
物の生長を促進する。ミクロ及びマクロ栄養分を含む組
成物は、植物に低い投与量で葉面又はスプレー肥料とし
て適用した場合あるいは種子のドレッシングに使用した
場合に、植物の発育に著しい影響を与え「ミクロ栄養素
の吸収を促進し、そして毒性城値以下の植物ホルモンの
効果を促進する。本発明に従った好ましい植物生長調節
剤組成物は、四価のチタンイオン１タ原子当り１４〜２
８タモルのアスコルビン酸を含みかつｐＨを５〜７に調
節された、チタンーアスコルビン酸キレート０．１〜１
５．の重量％、好ましくは０．５〜１５．の重量％三四
価のチタンイオン１重量部当り生化学的必須栄養素０．
１〜２．０重量部、又はこのような栄養素及び／又は一
種もしくはそれ以上の植物ホルモン０．００１〜０．０
１％との組合せ：並びに安息香酸及びその塩並びにサリ
チル酸及びその塩の群から選ばれた一種もしくはそれ以
上の化合物少なくとも０．０１重量％（固形成分全重量
当り）：更に、場合によっては、湿潤剤、接着剤及び／
又はその他の汎用添加剤を含む。

本発明の組成物は、栄養素として、好ましくは棚素、マ
グネシウム、マンガン、鉄、亜鉛、モリブデン又はこれ
らの水溶性塩を含む。

マクロ栄養素としては、水瀞性窒素ーリンーカリウム肥
料が挙げられる。本発明組成物の植物ホルモン成分とし
ては、オーキシン、ジベレリン、シクロキニン、ヘテロ
オーキシン（Ｑーナフチル酢酸−８ーィンドリル酢酸）
などを挙げることができる。

植物ホルモンは、２・４ージクロロフェノキシ酢酸及び
その塩を含む。本発明組成物は、溶液１夕にアスコルピ
ン酸１０００〜２０００岬を含み、四価のチタンに対す
るァスコルビン酸の量は５０００■血と１０００００脚
の間である。更に別の添加剤として、前に述べた安定剤
の一種もしくはそれ以上をこの溶液に添加する。本発明
組成物は、徴量元素として、例えば、四価のチタン１０
０■風‘こ対し、棚素１０００柳、マンガン５０の血、
亜鉛５００跡、マグネシウム１０００脚及び鉄５０の風
を、水漆性塩の形で含むことができる。本発明組成物は
、例えば、チタン１０００〜２００瓜岬こ対し、２・４
−ジクロロフェノキシ酢酸２劫風又はジベレリン酸もし
くは類似の添加物１奴吻を含むことができる。本発明に
従った植物保護組成物は、四価のチタンの水溶‘性塩、
例えば四塩化チタン又はチタン酸ナトリウム、及びチタ
ン１タ原子に対しアスコルビン酸１４〜２８タモルを水
に溶解し、この水溶液のｐＨを５〜７に調整し、そして
この得られた溶液にミクロ及びマクロ栄養素の水溶液を
添加することによって調製することができる。

この溶液に、適当な湿潤剤又は接着剤及び安定化剤を添
加することができる。安定化剤は、本発明組成物をスプ
レ価した植物の表面においてチタン及び徴量元素の濃度
を安定化する。本発明に従った組成物は普通スプレーに
よって植物に適用する。

実験的観察によれば、栄養素は葉の葉緑体中に侵入し、
その結果として、植物合成及び酵素活性が増大する。制
御条件（例えば、照明）下の温室実験及び圃場試験にお
いて、本発明に従った組成物の使用によって生化学的必
須栄養素の吸収が促進されることが確立された。

光合成に重要な役割を果すマグネシウム、マンガン、鉄
及び亜鉛の吸収は果樹及び穀物の収量に直接影響を及ぼ
し、そして食物価を上昇させる。マメ科植物（ｐａｐｍ
ｏ肌ｃｅａｅ）及び草をスプレーした場合には、モリブ
デン及び、ビートを処理した場合に、棚素の存在によっ
て作物収量が増大し、炭水化物の生成条件が改良され、
そして細胞壁の生成に好ましい影響を及ぼす。土壌が栄
養素に乏しい場合には、水溶性窒素、リン及びカリウム
化合物を本発明に従った植物生長調節剤組成物に加える
ことも有利である。低い濃度の植物ホルモン及びホルモ
ン活性を有する除草剤は幼植物及び苗木の成長を著しく
増大し、かつ芽の成長を促進する。本発明に従った植物
生長調節剤組成物の最適投与量は、処理すべき植物の種
類に依存する。

生育期の野菜を処理する場合には、５〜１０そ′ｈａの
投与量を３又は４回用いる。開花後の穀物の処理に対し
ては、一般には１そ′ｈａの１回投与で十分である。幼
苗を、その３〜４粟期から始めて１０日毎に処理した場
合には、その生長は効果的に増大される。本発明組成物
のスプレーは、飛行機、ヘリコプター又は頃霧機によっ
て実施することができる。

使用前に、本発明組成物は水で所望の濃度に稀釈し、そ
して適用の方法によって１〜５夕／ｈａの量で用いられ
る。経済的観点から言えば、本発明組成物による処理を
他の植物保護作業と組み合せて行うのが好ましい。本発
明に従った組成物は、任意の中性又は僅かに酸性の植物
保護剤と相客性である。本発明に従った組成物の製造及
び使用について以下の実施例により説明する。

例１ チタン１のこ相当する、四価のチタン塩及びアスコルビ
ン酸１００夕を水に溶かした。

この溶液を１のこ調製し、ｐＨを５に調整し、そしてサ
リチル酸１夕を添加した。得られた組成物の貯蔵性は少
なくとも２年間であった。上で得られた組成物に、窒素
３重量％に相当する溶解性ァンモニュウム塩、五酸化リ
ン４重量％に相当するリン酸及びＫ２０５重量％に相当
するカリウム塩を添加した（前記パーセントの値は溶液
全重量に対するものである）。

このようにして得られた組成物の貯蔵性は上の組成物の
貯蔵性と同一であったが後者は植物の生長を調節するの
に使用される成分の他に必須栄養素を含んでいる。上述
の組成物の活性を生育期の小麦（ＲａＭ−１）で３×１
夕・Ｔｉ／ｈａの投与量で処理した。このようにして処
理した植物の収量を禾処理の対照の収量と比較した。結
果は以下に示す通りである。例２ チタン１のこ相当する四価のチタン塩及びアスコルビン
酸１００夕を水に溶解した。

この溶液を１そに調製し、ｐＨを約５に調整した。この
溶液に、硫酸第一鉄１夕を添加した。この組成物は、一
般的な条件下において、活性の低下を伴う−ことなく約
２年間貯蔵することができた。この組成物の活性は圃場
試験においてサイロとうもろこし（ｓｉｌｏｍａｉｚｅ
）について試験した。サイロとうもろこしは上記組成物
を用いて３×１夕・Ｔｉ′ｈａに相当する投与量で処理
した。

得られた結果は以下の表の通りである。例３ チタン１のこ相当する四価のチタン塩及びアスコルビン
酸９５夕を水１のこ溶解した。

この溶液を１のこ調製し、ｐＨを約５に調整し、そして
安息香酸ナトリウム０．５夕を添加した。得られた組成
物は、活性の低下を伴なうことなく、２年以上貯蔵する
ことができた。この組成物の活性をとうもろこし発芽試
験（ＴＣ３３４４ノ品種）について試験した。

以下の処理を実施した。対照１：未処理対照 対照０：安息香酸ナトリウムを除けば上述の各成分を含
む組成物で処理を実施した。

試験溶液三この実施例に従って調製した組成物各組成物
は例１の投与量と同じ量で用いた。

得られた結果を以下の表に示す。同じ試験をサイロとう
もろいこついて圃場試験で繰り返した。

得られた結果は以下の通りであった。例４ チタン１のこ相当する四価の水溶性チタン化合物及びア
スコルビン酸１０５夕を水に溶解した。

この溶液を１のこ調製し、餌を約５に調整し、そしてマ
グネシウム０．１重量％、鉄０．０５重量％「 マンガ
ン０．０５重量％、亜鉛０．０５重量％、モリブデン０
．０２重量％及び棚素０．０５重量％をそれぞれ水溶性
金属塩の形で添加した。この組成物はその原活性を２年
以上保持した。例５チタン１００の肌こ相当する四価の
チタン塩、アスコルビン酸１００００瓜風、マンガン５
０の血「亜鉛５０功伽及び鉄７０の柵を水溶性塩の形で
水に溶解し「 この溶液を１れこ調製した。

この溶液のｐＨを５に調整し「そして安息香酸ナトリウ
ム０．５夕及びナトリウムリグニンスルホネート（湿潤
剤）を添加した。このようにして得られた組成物を２０
０倍に稀釈してとうがらし（ｐａｐｒｉｋａ）を処理す
るのに使用し、そして５００〜１００の苦もこ稀釈して
りんごを処理するのに使用した。

とうがらしは「 ４〜５葉期に３回スプレーによって処
理した。りんごの木は、その花弁が落下する時期にスプ
レーし、そしてこの処理を更に２回、すなわち第３週及
び第６週において繰り返した。桃、あんず、梨及びさく
らんぼについても同じよう′な方法よって好適に処理す
るとことができた。とうがらし及びりんごについて得ら
れた結果を、それぞれ、以下の表に示す。とうからし試
験りんご試験 例６ チタン１００■岬こ相当する四価のチタン塩、２８倍モ
ル過剰のアスコルビン酸及びサリチル酸０．５夕を水に
熔解し、そしてこの溶液を１夕に調製した。

液のｐＨを５に調整し、そしてジベレリン酸１０肌及び
ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート（湿潤剤）２
００瓜血を添加した。このようにして得られた組成物を
小麦の生育試験において試験し、そしてセントポーリス
イオナンサ（Ｓａｉｎｔｐａｕｌｉｓｉｏｎａｎｔｈａ
）植物を処理するのに使用した。

小麦の毅粒にチタン０．０沙血を含む溶液を散布した。
セントポーリスィオナンサ植物は上記溶液の０．２％稀
釈液で十日毎に全部で２回スプレーした。得られた結果
を以下の表に示す。

／一・麦生育試験 セントポーリスイオナンサ これらの結果は、本発明に従った組成物によって処理さ
れた小麦の穀粒が対照殻粒に比較して短い期間で生育し
、そして処理されたセントポーリスィオナンサ植物の生
長が対照植物に比較して促進されたことを示している。

観賞植物を処理した場合には、同じ生長促進効果が得ら
れることを認めた。処理された植物の開花は対照植物に
比較して早く、従って対照植物よりも約２週間早く販売
することができる。例７ チタン２００山肌こ対応する四価のチタン塩及びァスコ
ルビン酸ｌｏｏｏｏ功血を水１そに溶解した。

この溶液に、安息香酸ナトリウム０．５タト水溶性モリ
ブデン塩５００脚及びポリエチレンーポリプロピレンフ
ロツクポリマー（湿潤剤）１０００風を添加した。この
溶液のｐＨを５に調整した。５〜６葉のむらさきうまご
やし（ｌｕｃｅｍｅ）植物を上記組成物で毎朝１回２〆
／ｈａの投与量で処理した。

グリーンピースを、発育期（ｂｕｄｄｉｎｇ）２そ′ｈ
ａの投与量で全部で２回処理した。草は上記組成物１〆
／ｈａで１回スプレーした。上の処理で得られた結果を
以下の表に示す。グリーンピース処理 むらさきぅまどやし試験 草試験 上記結果は、グリーンピースの収量及びしなやかさが本
発明に従った処理によって著しく改良されていることを
示している。

むらさきうまごやしの場合には、量的及び質的特性の改
良に加えて、根の数もかなり増加し、ニトロゲナーゼ酵
素の活性が促進されている。

草にスプレーした場合には、生重量の顕著な増大が認め
られたが、粗蛋白及びでんぷん価は実質上変化なかつた
。例８ チタン１００瓜岬こ対応する水溶液の四価のチタン塩及
びアスコルビン酸９００００■血を水に溶解し、そして
この溶液を１夕に調製した。

溶液のＰＨを５に調整し、２１４−ジクロロフェノキシ
酢酸ナトリウム塩２５肌、安息香酸ナトリウム０．５夕
及び石油スルホネートナトリウム塩（湿潤剤）を添加し
た。このようにして得られた組成物を、稀釈後、ぶどう
の樹にその生長期に３回スブレーした。

結果は以下の表に示す通りである。ぶどう樹試験 上記結果は、本発明に従った処理によってぶどうの炭水
化物含量が増大し、従って糖／鞍比も増大することを示
している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （i）四価のチタンイオン１ｇ原子当り１４〜２８
   ｇモルのアスコルビン酸を含みかつｐＨを５〜７に調整
   したチタン−アスコルビン酸キレート０．１〜１５．０
   重量％並びに（ii）安息香酸及びその塩並びにサリチル
   酸及びその塩の群から選ばれた少なくとも一種の化合物
   （全固形分重量当り）少なくとも０．０１重量％を含ん
   でなる実質上植物の葉又は種子をスプレー処理するのに
   適したチタン−アスコルビン酸キレートを含む植物生長
   調節剤組成物。 ２ 硼素、マグネシウム、マンガン、鉄、亜鉛又はモリ
   ブデンの水溶性塩を生化学的必須栄養素として含む特許
   請求の範囲第１項記載の組成物。 ３ ジベレリン、２・４−ジクロロフエノキシ酢酸又は
   その塩を植物ホルモンとして含む特許請求の範囲第１項
   に記載の組成物。