JPS60115214A - 耐湿熱性の優れたフィルムコンデンサ−およびその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメタライズドフィルムコンデンサーに関する。

詳しくは環境耐性、特に耐湿熱性において長期信頼性を
有する大容量、小型コンデンサ〜およびその製造方法に
関するものである。

メタライズドフィルムコンデンサーは一般にポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリプロピレン等のプラスチッ
クフィルムに金属蒸着薄膜を設り。

これを巻回または積層して製造されており、プラスチッ
クフィルムとアルミ箔を重ね合わせて製造される箔型コ
ンデンサーに比べて一層の小型化が可能であり、各種電
子機器の小型、計量化の要請に合致して著しく普及しつ
つある。しかし、長期信頼性特に高温高湿環境における
性能の安定性については必ずしも満足されるものではな
く、使用中に静電容量の変化等が起こりがちであった。

このためテープ、ケース等による外装、エポキシ樹脂等
によるディップ処理等の対策が講じられているが、工程
が繁雑となり、仕上がり品の寸法が大きくなる等の不都
合があった。

本発明者らは、特に高温高湿環境下における静電容量の
変化について詳細に検討を加えた結果。

基体フィルムに対する金属蒸着薄膜の接着性と深い関係
があることが判明した。すなわち、二軸延伸プラスチッ
クフィルムは、フィルムコンデンサー素材として要求さ
れる電気的、ｔａ械的、熱的性質、物質性等は優れてい
るが一般に表面活性に乏しく、金属蒸着薄膜の接着性に
おいて不満足であり、特に水分の介在下で金属薄膜が容
易に変質したり離脱したりする。

本発明者らは、蒸着フィルムの温水浸漬という苛酷条件
下に金属蒸着膜の変化を観察し、二軸延伸フィルムの表
面に予め特定の樹脂層を設＆Ｊておけば金属蒸着膜の耐
久性は著しく向上することを知り本発明に到達した。す
なわち、塩化ビニリデン含有率８８〜９４重量％でかつ
軟化点（ゼロ応力における切断開始温度）が９５°Ｃ以
上のポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる厚さ１μ以下の
コーティング層を表面に有する二軸延伸熱可塑性樹脂フ
ィルムにアルミニウムまたは亜鉛が蒸着され、該フィル
ムを誘電体とし、該金属蒸着膜を電極としてなる耐湿熱
性の優れたフィルムコンデンサーである。

さらに本発明のコンデンサーを製造する方法として基体
フィルムの延伸完了前に該コーティング樹脂層を設け、
少なくとも一方向に基体フィルムと共に延伸することに
よってコーティング樹脂と基体フィルムとの良好な接着
が得られ、さらに必要最小限の厚さの塗膜を有するフィ
ルムが均一にかつ効率よく製造できることを見出した。

すなわち、未延伸または一方向にのみ延伸した熱可塑性
樹脂フィルムに塩化ビニリデン含有率８８〜９４重量％
でかつ軟化点（ゼロ応力におりる切断開始温度）が９５
℃以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂塗工液をコーティン
グ、乾燥し、続いて二軸または前記延伸方向と直角方向
に延伸したのち、基体フィルムの融点下５〜５０℃の温
度範囲で熱処理して得られたフィルムにアルミニウムま
たは亜鉛を真空蒸着し、該蒸着フィルムを巻回または積
層することを特徴とする耐湿熱性の優れたフィルムコン
デンサーの製造鼻法である。

本発明における基体フィルムは、二軸延伸熱可塑性樹脂
フィルムであり、耐湿熱性の改善が要請されるフィルム
コンデンサーに使用されているフィルムが対象となるが
、ポリエステルフィルム。

ポリプロピレンフィルム等二軸延伸により、結晶化が進
むいわゆる結晶性樹脂フィルムに関して特−　に効果的
である。特にコンデンサーの加工上、最終性能上の要請
を満足し、極薄かつ均一なフィルムが得やすい二軸延伸
ポリエステルフィルムに適用したとき最も優れた小型フ
ィルムコンデンサーが得られる。

本発明におけるコーティング樹脂は塩化ビニリデンを主
成分とする樹脂の溶液または水分散液であり、塩化ビニ
リデンと共重合可能なモノマー。

例えばメタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル
酸、アクリロニトリル等との共重合物が使用され、乳化
安定剤、界面活性剤、粘度調整剤。

スリップ剤等を含むことができるが、固型分中の塩化ビ
ニリデン含有率は８８〜９４重量％の範囲のものであり
、塗膜の軟化点が９５℃以上のポリ塩化ビニリデン系樹
脂に限定される。塩化ビニリデン含有率が８８重量％よ
り低い場合は金属蒸着薄膜の耐水性が十分得られず、９
４重量％を越える場合は薄い均一な塗膜が得難い。また
塗膜の軟化点が９５℃より低いとコンデンサーの高温耐
久性が劣る。ここで軟化点とは塗膜を各種応力下に昇温
したとき切断する最低温度と単位断面積当りの応力の関
係をプロットし、応力ゼロに外挿した切断最低温度であ
る。

コーティング層の厚さは１μ以下で十分てあり。

均一なコーティングが可能ならば薄いほど良い。

例えば基体フィルムが２μの場合、　０．１５μのコ−
ティング層で十分効果があり、小型化の要請からもコー
ティング層を厚くするのは得策でない。

する。） 本発明における金属蒸着以降の工程は特に限定するもの
ではなく２通常のメタライストフィルムコンデンサー製
造工程が全て適坤宅きる。蒸着フ本発明のコンデンサー
はテープ、ケース等による外層または樹脂ディップを施
さすとも良好な耐湿熱性を示すが、これらの外部保護を
行うとさらに長期安定性が得られる。

へに本発明のコンデンサーを製造する方法について述べ
る。本発明のコンデンサーは二軸延伸熱可塑性樹脂フィ
ルムに前記した特定のコーティング剤を塗工するいわゆ
るポストコート法で得られたコーティングフィルムを使
用することは勿論可能であるが、小型化容置アップの狙
いから必要最少限度の厚さのコーティングを均一に行う
ためには得策でない。熱可塑性樹脂をフコルム状に溶融
押出ししたいわゆる未延伸フィルムにコーティングし、
該コーティングフィルムを縦横同時にまたは逐次二段延
伸するかまたは上記未延伸フィルムを予め、縦または横
の一方向に延伸した一軸延伸フィルムにコーティングし
、その後前記方向と直角の方向に少なくとも最終の延伸
がなされる前にコーティングして基体フィルムとコーテ
ィング層を同時に少なくとも一方向に延伸するインライ
ンコーティング法が９均一薄膜を生産性良く得る方法と
して最良であり、基体フィルムに対するコーティング層
の接着性が著しく改善される。コーティング方法は特に
限定するものではなく１例えばグラビアロールコーティ
ング法、インバースロールコーティング法、リバースロ
ールコーティング法、マイヤバーコーティング法、エア
ナイフコーティング法等が採用しうる。

コーティング層と基体フィルムが共延伸された後、基体
フィルムの融点下５〜５０℃の温度で熱処理する必要が
ある。熱処理温度が融点下５０℃より低いときは基体フ
ィルムの熱寸法安定性が十分でなく、コンデンサー加工
工程において歪を生じ最終製品の耐湿性が劣る。融点下
５°Ｃより高温で熱処理するとフィルム製造中に破断が
起こり易く。

機械的性質も低下する。

比較実験例 厚さ２５μの未延伸ポリエステルフィルムに表１に示ず
各種塗工液を８０μのマイヤハーで塗工し。

乾燥して塗工厚さ１．４μのコーティングフィルムを得
た。これらのフィルムをテンタ一式同時二軸延伸機によ
って８０℃に予熱し、縦３．０倍、横３．３倍に同時に
延伸し、続いて２２０°ｃ５秒間緊張下に熱処理した。

得られたフィルムのコート面に真空蒸着法により膜厚は
ぼ５００人の金属アルミ薄膜を設けた。比較のためコー
ティングしないフィルムも同様に二軸延伸および熱セッ
トし、アルミ蒸着した。これらのフィルムの耐水性を評
価するために４０°Ｃの温水に２４時間浸漬し、アルミ
蒸着膜の状態変化を観察した。結果を表２に示す。

塗工液 表１に示す各モノマー組成で乳化重合し、得られた固型
分４０重量％のポリ塩化ビニリデン系ラテックスを塗工
液として用いた。なお、それぞれのラテツクスを清浄な
ガラス板上で製膜し、ＩＪｌｃｍ長さ５ｃｍに切断して
その一端に各種荷重をかＬ）で吊し、空気定温槽中で軟
化切断する温度を測定して皮膜の断面積当りの荷重と切
断温度を両軸としてプロットし、荷重ゼロに外挿した温
度を軟化点としてめた。

表１ 表２ 実施例および比較例 ポリエチレンテレフタレートをフィルム状に溶融押出し
して、厚さ２２μの未延伸フィルムとなし。

このフィルムの両面に前記塗工液Ｃを乾燥後の厚さでそ
れぞれ１．５μコーテイングし、乾燥後テンタ一式同時
二軸延伸機に連続的に送り込み予熱部１００℃、延伸部
８５℃で縦３．０倍、横３．３倍に連続的に同時二軸延
伸し、１５０〜２３０℃の熱処理部を経て、冷却後捲取
った。得られたフィルムは両面にそれぞれ０．１５μの
塗膜を有する全厚さ２．５μの両面コーティングニ軸延
伸ポリエステルフィルムである。上記フィルムに蒸着ｊ
ｌ］９　ｍｍ、マージン中１　ｍｍの縦条両面アルミ蒸
着を施しマイクロスリットして合わゼフィルムとともに
巻回し、電極を（テＪして０．１μＦのフィルムコンデ
ンサーとした。比較のために同じプロセスによって二軸
延伸されたコーティングなしの厚さ２．５μのポリエス
テルフィルムを使って同様に巻回型フィルムコンデン刃
−を作った。それぞれのコンデンサーを４０℃　９５％
Ｒ１１の雰囲気下に放置し、５００時間および１　、０
００時間後の静電容量の変化を調べた。結果を表３に示
す。

表３ アルミ蒸着フィルムの温水浸漬試験結果とよく対応口で
おり１本発明のコーティングフィルムを使用したフィル
ムコンデンサーは耐湿負荷寿命において著しく改善され
ていることがわかる。

特許出願人　ユニチカ株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、塩化ビニリデン含有率８８〜９４重量％でかつ軟化
   点（ゼロ応力における切断開始温度）が９５℃以上のポ
   リ塩化ビニリデン系樹脂からなる厚さ１μ以下のコーテ
   ィング層を表面に有する二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム
   にアルミニウムまたは亜鉛が蒸着され、該フィルムを誘
   電体とし、該金属蒸着膜を電極としてなる耐湿熱性の優
   れたフィルムコンデンサー。 ２、二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムがポリエステルフィ
   ルムである特許請求の範囲第１項記載のフィルムコンデ
   ンサー。 ３、未延伸または一方向にのみ延伸した熱可塑性樹脂フ
   ィルムに塩化ビニリデン含有率８８〜９４重量％でかつ
   軟化点（ゼロ応力における切断開始温度）が９５℃以上
   のポリ塩化ビニリデン系樹脂塗工液をコーティング、乾
   燥し続いて二軸または前記延伸方向と直角方向に延伸し
   たのち基体フィルムの融点下５〜５０℃の温度範囲で熱
   処理して得られたフィルムにアルミニウムまたは亜鉛を
   真空蒸着し。 該蒸着フィルムを巻回または積層することを特徴とする
   耐湿熱性の優れたフィルムコンデンサーの製赫法。