JPS6010763Y2 - デイスタツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、板状素材をプレスに供給するために、素材
が積重ねられたスタックから素材を１枚ずつ搬出するデ
ィスタツク装置に関する。

この種のディスタツク装置としては、素材持上装置に設
けられた素材吸着装置により１枚ずつ持上げられた素材
を素材移送装置に載せて搬出コンベヤに移すものが知ら
れている。

素材の搬出につれてスタックの高さが段々小さくなるの
で、従来の装置においては、持上装置の上下動のストロ
−クラ変えたり、このストロークを一定に保つためにス
タックを順次上動させたりすることが必要となり、その
ための機構を要した。

また、従来の素材吸着装置では、素材間に存在する油等
により、素材を２枚同時に持上げてしまうおそれがあっ
た。

この考案の目的は、持上装置の上下動のストロークを変
えたり、スタックを上動させたりする必要がなく、しか
も素材を２枚同時に持上げるおそれのない、簡単な構造
のディスタツク装置を提供することにある。

この考案を以下実施例を示す図面により説明する。

ディスタツク装置は、スタック搬入コンベヤ４３と素材
搬出コンベヤ２の間に設置されており、板状素材Ｂが積
重ねられたスタックＳから素材Ｂを１枚ずつ持上げる素
材持上装置１と、持上げられた素材Ｂを受けてこれを搬
出コンベヤ２に移す素材移送装置３とを備えている。

素材持上装置１は、フレーム（ディスクツク装置本体）
４上部に枢着された持上装置駆動用の単動空気シリンダ
（流体圧シリンダ）５と、フレーム４上部に取付けられ
、かつ空気シリンダ５の往復動により往復回動させられ
るスプロケット６と、スプロケツ“トロに掛けられたロ
ーラ・チェーン７と、チェーン７の一端に吊下げられ、
かつスタックＳ上方において上下動するようにフレーム
４に取付けられが素材吸着装置８と、チェーン７の他端
に吊下げられ、かつ上下動するようにフレーム４に取付
けられた錘９とを備えている。

空気シリンダ５は、正面から見てフレーム４のほぼ中央
に１つ設けられており、そのピストンロッド１０の先端
にはラック１１が接続されている。

ラック１１は、その長手方向に往復動し得るように、フ
レーム４に軸支された下側ローラ１２および上側ローラ
１３に挾まれて支持されている。

ラック１１にはピニオン１４がかみ合っており、ピニオ
ン１４はフレーム４に受けられた軸１５に固定されてい
る。

スプロケット６はこの軸１５の両端部に１つずつ固定さ
れており、各スプロケット６にローラチェーン７が掛け
られている。

各チェーン７の一端にはローラ１８を備えた台車１６が
接続されており、フレーム４に設けられたガイドレール
１７に沿って上下動しうるようにローラ１８がガイドレ
ール１７に嵌められている。

素材吸着装置８は、２つの台車１６の下端に固定された
吸着装置本体１９と、これに別々に取付けられたｍ個の
電磁吸着盤２０とを備えている。

吸着盤２０は互いに長さの等しい棒２１の下端に枢着さ
れており、棒２１の上部にはねじが形成され、このねじ
に吸着盤２０の高さ調整用のナツト２２がねじ嵌められ
ている。

棒２１は吸着装置本体１９に設けられた取付部２３に上
下動自在に取付けられ、自重により下動してナット２２
下面がストッパ２４上面に当接することにより停止して
いる。

ナット２２下面と棒２１上端面との距離、すなわち上記
のように各吸着盤２０が吸着装置本体１９に対して最も
低い位置に停止した時の棒２１の突出量りは各棒２１に
ついて異なっている。

この突出ｉＬは、中央部の棒２１について最も短く、両
端部にいくにつれて次第に長くなっている。

したがって、吸着装置本体１９により吸着盤２０が持上
げられた時、吸着盤２０の吸着面２０ａの位置は、中央
部において最も低く、両端部にいくにつれて次第に高く
なり、両端部にある吸着盤２０の吸着面２０ａは、他の
いずれの吸着盤２０の吸着面２０ａより上方に位置して
いる。

錘９は細長い板状をなし、その所要箇所にローラ４４が
取付けられ、フレーム４に設けられたガイドレール４５
に沿って上下動し得るようにローラ４４がガイドレール
４５に嵌められている。

搬出コンベヤ２は傾斜したローラコンベヤであり、正面
から見て吸着盤２０相互間に９つ配置されており、その
先端部がディスタツク装置の内部に進入している。

素材移送装置３は、それぞれリンク機構２５を介してフ
レーム４の搬出コンベヤ２側に取付けられたｍ個の素材
テーブル２６を備えている。

各テーブル２６は、吸着盤２０に対応し、かつ搬出コン
ベヤ２相互間に進入し得るように配置され、上部が搬入
コンベヤ４３側に突出した第１リンク２７の上面に固定
されており、第１リンク２７の搬出コンベヤ２側の下部
には第２リンク２８および第３リンク２９の一端がそれ
ぞれ枢着されている。

第２リンク２８の他端はフレーム４に軸支された軸３０
に固定されており、第３リンク２９の他端はフレーム４
に軸支された他の軸３１に固定されている。

第２リンク２８および第３リンク２９の中間部には第４
リンク３２の両側が枢着されており、各第４リンク３２
の中間部が軸３３により互いに連結されている。

第１リンク２７における第２リンク２８および第３リン
ク２９との２つの支点３４，３５、および第４リンク３
２における第２リンク２８および第３リンク２９との２
つの支点３６．３７は、それぞれ平行四辺形の４頂点に
位置し、上記第４リンク３２における２つの支点３６．
３７および２つの軸３１の中心はそれぞれ他の平行四辺
形の４頂点に位置している。

第２リンク２８が固定された軸３０の２箇所に第５リン
ク３８が固定されており、第５リンク３８の一端は、フ
レーム４に枢着された移送装置駆動用の空気シリンダ３
９のピストンロッド４０先端に枢着されている。

また、第５リンク３８の回動軌路上の所要の２箇所にス
トッパ４１．４２が設けられている。

スタックＳは搬入コンベヤ４３により素材幅方向に移動
されディスクツク装置内に搬入されて素材吸着装置８の
下方に位置決めされ、素材Ｂがディスタツク装置により
１枚ずつ搬出される。

図面は吸着装置８が１枚の素材Ｂを持上げた状態を示し
、持上装置１の吸着装置８は上端位置にあり、移送装置
３のテーブル２６はスタックＳ上に張出した位置にある
。

この時、持上装置駆動用のシリンダ５のロッド側に空気
が供給されてロッド１０は退入端にあり、移送装置駆動
用のシリンダ３９のロッド４０は進出端にあって第５リ
ンク３８が搬入コンベヤ側のストッパ４２に当接してい
る。

持上げられた素材Ｂは、吸着盤２０を消磁することによ
りテーブル２６上に落下させられ、素材Ｂがテーブル２
６に載ると、移送装置３は、これを搬出コンベヤ２に移
す。

この動作は移送装置駆動用の空気シリンダ３９のロッド
４０を退入させることにより行なわれる。

ロッド４０の退入に伴って、第５リンク３８、軸３０、
第２リンク２８および第３リンク２９は第３図時計方向
に回動し、テーブル２６すなわち素材Ｂは下動しながら
搬出コンベヤ２側に移動する。

ロッド４０がさらに混入すると、テーブル２６は、搬出
コンベヤ２相互間に進入し、搬出コンベヤ２の送り面を
上方から通過してその下方に達腰第５リンク３８が搬出
コンベヤ２側のストッパ４１に当接すると、第３図に鎖
線で示す位置に停止する。

したがって、テーブル２６上にあった素材Ｂは移動の途
中で搬出コンベヤ２上に移し替えられる。

テーブル２６がスタックＳ上方より搬出コンベヤ２側に
移動すると、素材Ｂを持上げるために吸着装置８が下動
する。

この動作はシリンダ５のロッド側に満たされていた空気
を排出することにより行なわれる。

これにより、吸着装置８は自重で下動し、先ず中央部の
吸着盤２０がスタックＳ最上段の素材Ｂに当接して停止
する。

吸着装置本体１９および他の吸着盤２０はさらに下動し
、中央部から両端部に向って順次吸着盤２０が素材Ｂに
当接して停止し、次いで本体１９も停止する。

この時、シリンダ５のロッド側にある空気がクッション
の役目を果すため吸着装置８が高速で落下するおそれが
ない。

また、吸着盤２０は吸着装置本体１９に上下動自在に取
付けられているので、スタックＳに当接した吸着盤２０
によってスタックＳおよび搬入コンベヤ４３が下方に強
く押されることがない。

このようにして全ての吸着盤２０が素材Ｂに当接した後
、吸着盤２０を励磁して素材Ｂを吸着し、これを持上げ
る。

この動作はシリンダ５のロッド側に空気を供給すること
により行なわれる。

これにより、ロッド１０が徐々に退入し、ラック１１に
よりピニオン１４およびスプロケット６が第３図反時計
方向に回動し、吸着装置本体１９が徐々に上動する。

最初は本体１９のみが上動して、吸着盤２０は素材Ｂ上
に静止しているが、所定の高さまで本体１９が上動する
と、先ず両端部の吸着盤２０のナツト２２がストッパ２
４に当接し、この吸着盤２０が持上げられる。

この時、他の吸着盤２０は素材Ｂ上に静止したままであ
り、本体１９の上動に伴って両側から順次吸着盤２゜が
持上げられ、素材Ｂは第１図に示すように、中央部が下
方に突出した円弧状の状態で持上げられる。

したがって、素材Ｂが２枚同時に持上げられるおそれが
ない。

吸着装置８が所定の高さまで上動すると、テーブル２６
が搬入コンベヤ４３側に移動する。

この動作はシリンダ３９のロッド４０を進出させること
により行なわれる。

これにより、第５リンク３８、軸３０、第２リンク２８
および第３リンク２９が第３図反時計方向に回動し、テ
ーブル２６は上動しながら搬入コンベヤ４３側に移動す
る。

ロッド４０がさらに進出して、第５リンク３８が搬入コ
ンベヤ４３側にあるストッパ４２に当接すると、テーブ
ルはスタックＳ上に張出した位置に停止する。

この時、素材Ｂを持上げた吸着装置８がその上方に位置
している〔第３図の状態）。

以上の動作を繰返すことにより、スタックＳから素材Ｂ
が１枚ずつ搬出コンベヤ２に移される。

吸着装置本体１９下面と吸着盤２０上面との間隔を十分
大きくとり、かつスタックＳの高さが最も小さくなった
場合にも吸着盤２０がこれに当接し得るようにシリンダ
５のストロークを決めれば、スタックＳの高さが変化し
ても、スタックＳを上動させたり、シリンダ５のストロ
ークを変えたすせずに、素材Ｂを持上げることができる
。

この実施例においては、吸着盤２０が吸着装置本体１９
に上下動自在に取付けられ、しかも吸着盤２０の吸着面
２０ａの位置が中央部から両端部に向って次第に高くな
っているが、両端部の所要側を除いた中央部寄りの吸着
盤２０の吸着面２０ａの高さは同一であってもよい。

また、吸着盤は真空式のもの等であってもよい。

さらに、持上装置１において吸着装置本体１９を上下動
させる機構、および移送装置３の構造は、それぞれこの
実施例のものに限られず、適宜変更可能である。

以上のように、この考案のディスタツク装置によれば、
素材吸着装置８が単動流体圧シリンダ５と連動するよう
に吊下げられ、シリンダ５に流体を供給した時吸着装置
８が上動し、シリンダ５から流体を除去した時に吸着装
置８が自重に下動してスタックＳ上面に達するようにな
されているので、持上装置の上下動のストロークを変え
たり、スタックＳを上動させたりすることなく、スタッ
クＳから素材Ｂを１枚ずつ持上げて搬出することができ
る。

また、複数の吸着盤２０が吸着装置本体１９に別々に上
下動自在に取付けられ、各吸着盤２０が自重により下動
して吸着装置本体１９に対して最も低い位置に停止した
時に、素材Ｂの両端部に対応する吸着盤２０の吸着面２
０ａが、他の吸着盤２０の吸着面２０ａより上方に位置
するようになされているので、吸着盤の種類にかかわら
ず、吸着装置本体１９を下動させて全ての吸着盤２０を
同時に作動させたのち吸着装置本体１９を上動させるだ
けの極めて簡単な操作により確実に最上段の１枚の素材
Ｂだけを持上げることができ、素材Ｂを２枚同時に持上
げるおそれがない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は正面図
、第２図は第１図■−■線に沿い、かつ一部を切欠いた
断面図、第３図は第１図左右中央の拡大断面図である。 １・・・・・・素材持上装置、２・・・・・・素材搬出
コンベヤ、３・・・・・・素材移送装置、４・・・・・
・フレーム（ディスタツク装置本体）、５・・・・・・
単動空気シリンダ（流体圧シリンダ）、訃・・・・・素
材吸着装置、１９・・・・・・吸着装置本体、２０・・
・・・・吸着盤、２０ａ・・・・・・吸着面、Ｂ・・・
・・・板状素材、Ｓ・・・・・・スタック。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状素材Ｂが積重ねられたスタックＳから素材Ｂを１枚
   ずつ持上げる素材持上装置１と、持上げられた素材Ｂを
   受けてこれを素材搬出コンベヤ２に移す素材移送装置３
   とを備えたディスタツク装置において、素材持上装置１
   が、単動流体圧シリンダ５と、スタックＳ上方において
   上下動し得るようにディスタツク装置本体４に取付けら
   れ、かつシリンダ５と連動するように吊下げられた素材
   吸着装置８とを備え、シリンダ５に流体を供給した時に
   吸着装置８が上動し、シリンダ５から流体を除去した時
   に吸着装置８が自重により下動してスタックＳ上面に達
   するようになされておに、素材吸着装置８が、スタック
   Ｓ上方において上下動し得るようにティスタック装置本
   体４に取付けられ、かつシリンダ５と連動するように吊
   下げられた吸着装置本体１９と、上下動自在に吸着装置
   本体１９に別々に取付けられた複数の吸着盤２０とを備
   え、各吸着盤２０が自重により下動して吸着装置本体１
   ９に対して最も低い位置に停止した時に、素材Ｂの両端
   部に対応する吸着盤２０の吸着面２０ａが、他の吸着盤
   ２０の吸着面２０ａより上方に位置するようになされて
   いるディスタツク装置。