JPS599010B2 - 気体燃焼方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、可燃性ガス、特に高分子物質を抑制燃焼させ
て得られる分解ガス及びまたは不完全燃焼ガスを完全燃
焼させるための気体燃焼方法に関する。

ゴム、合成樹脂、皮革等高分子物質は燃却の際発熱量が
高く、溶融して滴下したりあるいは塊状化する性質をも
つものがあり、また黒煙、悪臭、分解ガス等が多量に発
生したりするため従来の固体燃料焼却装置では処理困難
であり、これに代って間接加熱方式により抑制燃焼せし
めてガス化し、次いで気体燃焼装置で完全燃焼せしめる
方法が考えられた。

しかしながら、従来の気体燃焼装置では完全燃焼せず、
ノズルにヤニ状のものが附着する等の障害があった。

本発明者は高分子物質を抑制燃焼させて得られる分解ガ
ス及びまたは不完全燃焼ガスを効率よく完全燃焼させ得
る方法を見い出すべく鋭意研究した結果本発明を完成し
た。

本発明は、被焼却気体を主流と副流とに二分し、副流に
被焼却気体全量を完全燃焼せしめるに必要な量の空気を
混入せしめ、該空気と混合した副流を主流の周辺部から
渦巻き状に噴出することにより両者を混合せしめた後着
火することを特徴とする気体燃焼方法である。

図は本発明の方法に使用する装置の一実施例を示すもの
で、第１図は平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ’線矢印
方向の断面図である。

以下図によって本発明を説明する。高分子物質の抑制燃
焼室から送り出された可燃性ガス（通常４００〜８００
℃）はガス分旅器（図は省略）により主流管１を矢印Ｂ
方向に流れる主流と副流管２を矢印Ｃ方向に流れる副流
とに二分される。

主流と副流との量的配分は可燃性ガスの組成、温度等に
より変化するが通常体積比で主流１００に対し副流３０
〜３００の範囲内である。

図では副流管２は１本しか図示してないが２本以上であ
ってもよい。

副流管２は中途に空気吹込ノズル３が設けてあり、ここ
で可燃性ガスの全量を完全燃焼せしめるのに必要な量の
空気が副流と混合される。

矢印Ｄは空スρ流れを示す。この空気と混合された副流
は主流管ノズルの周辺に渦巻き状に設置されたノズル４
に分流され、これにより燃焼室６において主流の周辺に
渦巻き状に噴出せしめることにより主流と空気の混入し
た副流とを混合せしめる。

混合後着火装置５により着火せしめる。ノズル４は３〜
１６本、好ましくは６〜１２本設ける。

主流管１の出口はしぼることが好ましい。

着火装置５はバーナー、その他通常のものでよい。

本発明の方法により、通常の気体燃焼装置では完全燃焼
させることが困難であった高分子物質を抑制燃焼させて
得られる可燃性ガスを、効率よく、何ら支障なく完全燃
焼せしめることができる。

本発明の作用機作は明らかではないが次の如く推察でき
る。

通常ゴム、合成樹脂、皮革等の高分子物質を抑制燃焼せ
しめてガス化したガスは、全熱量は約１ ０， ０ ０
０ ＫａＩＩ．／ＮＭ３であるが、冷却すると容易に
液滴又は塊状化する成分の熱量が約６〜７， ０ ０
０Ｋｃａｌ．／ＮＭ”、冷却しても比較的液化しない成
分の熱量が約３〜４，０ ０ ０ Ｋｍ／ＮＭ３含まれ
ており、冷却されると極めて容易に液滴或は塊状物を生
じるものである。

斯る可燃性ガスは液滴の発生を防止するために高温例え
ば４００〜８００℃に保持されガス状のまま燃焼される
。

通常ガスを燃焼せしめる場合、ガス用バーナーのノズル
の穴は液体用燃焼バーナーの穴より極めて大きく又ガス
圧は液体の場合より低く、ガス圧が２ ０ ０ｍｖｔ．
ｋｑ程度である。

液滴を生じやすいガスを斯るバーナーで燃焼せしめるた
めに燃焼用空気と混合すると急激に冷却され液滴が発生
し、液滴が燃焼するために火災が長くなり（燃焼時間が
長くなる）、ススやヤニ状物を生じやすくなる。

又生じだ液滴がノズル先に付着し、場合によっては液滴
となってノズル先から滴り落ち、これらの燃焼がススの
発生の原因となり、ノズル壁にて熱分解しヤニ状物が付
着する。

言いかえると、ガス燃焼用ノズルの穴は大きく又燃焼用
空気と混合した後であってもノズル先に付着した液滴を
吹き飛ばし且つ噴霧するだけの圧力（又は流速）はない
。

ノズル部分にヤニ状物が付着してくると燃焼状態が変化
してススの発生及び燃焼効率（単位時間当りの燃焼可能
量）の低下が起ってくる。

然るに本発明の方法による場合には、比較的少ない副流
に主流と副流との全量を完全燃焼せしめるに充分多量の
空気が混合される。

この場合、副流は冷却され液滴を生ずるが空気量が多く
且つ流速が早いので壁面に付着したものが吹き飛され噴
霧される。

更に、斯る副流中で生じだ液滴（流れ出す程の液滴であ
っても）も主流と混合する際に主流の周辺部から渦巻き
状に噴出せしめることにより噴霧され、液滴が壁面に付
着することが極めて少なくなる。

又一方副流と空気は混合され液滴を生じそれにより空気
はあらかじめ加熱された状態となっているので、主流と
の混合に際して新たに液滴を生ずることなく、従って所
期の効果が得られるのである。

実施例 図に示した気体燃焼装置を用いて、廃タイヤを抑制燃焼
せしめて得られた可燃性ガス（温度約６００℃）を燃焼
せしめたところ、効率よくかつノズルにヤニ状物が付着
する等の支障なく完全燃焼せしめることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法を実施するための装置の平面図で
あり、第２図は第１図のＡ−Ａ’線矢印方向の断面図で
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷却すると容易に液滴または塊状化する成分を含む
   可燃性の被焼却気体を主流と副流とに二分し、副流に該
   被焼却気体を完全燃焼せしめるに必要な空気を混入し、
   この空気と混入した副流を主流の周辺部から渦巻き状に
   噴出せしめることにより両者を混合せしめた後着火する
   ことを特徴とする気体燃焼方法。 ２ 被焼却気体が高分子物質を間接加熱により抑制燃焼
   せしめて得られる分解ガスである特許請求の範囲第１項
   記載の方法。