JPS598733Y2 - 空気中の有害物を除くための濾過器のケ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気中の有害または放射能のある塵やガスを除
くための濾過器のケースに関するものである。

交換又は掃除のために脱着可能の濾過用セルがケース内
で摺動できる支持枠体と共に移動されてセル一端の枠面
をケース内に設けられた空気流入側の肩部に密封的に圧
着して使用されるようになっている形式の空気濾過器の
ケースは既知であり、これらにおいては、セルとケース
との対接面に圧着力を生せしめるために、セルの支持枠
を例えばケース外のクランクハンドルに連係させて上記
肩部に対して進退動可能とされている。

この進退動のための機構も種々、知られているが、ケー
ス内で場所を取らず、しかも圧着される枠面を一様に移
動させることが必要である。

かくて濾過用セルとケース内の肩部は空気流入側におい
て密封的に圧着され、有害物の漏出を防止するのである
が、一般に該圧着部には単純な偏平パッキンが用いられ
ることが多く、シかも該圧着部をボルト等で締めつける
ことも困難であるので、従来この圧着面での密封度はと
かく不十分であった。

このために近時、この密封度の向上を計って改良が試み
られたが、未だ十分と認められるものがない。

すなわち、その一つの形式ではケース内側壁に互いに隣
接して二つの突出部片が取付けられており、その平行な
端部が濾過用セルのパッキンにめり込むようにされ、ま
た他の従来形式では、濾過用セルのパッキンを曲げ′て
凹ませるなど、複雑な圧着部の構造を用いていた。

従ってこれら従来の形式では濾過器のケース自身および
濾過用セルの製作の際に、少なからぬ付加的手間がこの
圧着密封面のために必要となり一般的でなかった。

本考案はこのような従来欠点を解消し、さらに密封性能
を向上し、必要ならばその密封作用の減衰を外部におい
て深知することも可能となした濾過器のケースを提供す
ることを目的とする。

本考案はこの目的を達戊するために、濾過器のケース内
において定位置まで移動される濾過用セルの空気流入側
の枠面に対向して設けられているケース側の屑部または
っぱ部の内面に、可撓性を持つためにやや薄い素材より
なる特殊な溝状断面の枠部材を取りつけ、この枠部材が
上記セル枠面のパッキンに圧着されて後、圧縮空気をそ
の溝内空所に常時作用させて、密封部材間の圧着密封作
用を一層強化している。

なお上記の特殊な溝状断面としては、Ｕ度で一方が開放
され、平らな底板部につづく両側の翼片部が内側に向い
てかなり傾斜されている比較的簡単な形状が用いられる
。

また本考案では、この圧縮空気の封入圧力をケース外で
確認できるようにしておいて、ケース内における上記圧
着部位での密封度を常時監視することも可能である。

次に本考案を実施例により説明する。

第１図において空気濾過器ケース１には、空気流入側の
枠面にパッキン４を備えた空気中の浮遊物濾過用セル３
の一端面を圧接するための曲げて作られた枠形の眉部２
が設けられ、さらにケース１の両端には図示しない空気
ダクトとの接続フランジ５がある。

ケース１の一つの側壁にはカラー７を備えた、濾過用セ
ル３押込み用の開口６があり、このカラ一部分の外周に
は図示してない合成樹脂袋の取付け用の溝８があって、
やはり図示してない蓋によって密閉され得る。

合戊樹脂袋は既知の通り濾過用セル３の交換の際にこれ
を収容するためのものである。

次いで濾過用セル３をケース１内において、その肩部２
の方へ移動させる構造について記述すれば、濾材を有す
るセル３の下にはセル３の枠体を着脱可能に支える支持
枠９があって、これには内側が鉛直になっている突出部
１０が設けられている。

支持枠９の互いに対向する二辺の突出部１０に固着され
た案内片１９は、ケース１に固定された金具１７に上下
方向摺動可能にはまり、ねじ付き軸１１，ナット１３等
からなるセル上下機構に連係される。

ねじ付き軸１１は濾過用セル３の中心線の面内にあって
ケース１の片方の側壁において密封性を備えた軸受１４
によって支持されている。

ねじ付き軸１１はその軸受１４から突き出た外端部に断
面角形の部分１５をもっていてこの角形部分１５にはま
るクランク１６によって両方向に回転させられ得る。

ねじ付き軸１１の両端には互いに逆向きのねし山１２が
設けられていて、これに二つの角ナット１３がはまって
おり、ねじ付き軸１１の回転に応じて互いに近寄り或い
は遠ざかるように動く、ケース１の互いに向い合う壁に
は、各角形ナット１３をそれぞれ案内する上向きＵ字形
の金具１７が支持枠９をくぐって取り付けられていて、
その両側板には水平な長孔１８があけられている。

支持枠９の鉛直突出部１０の互いに向い合う側に、案内
片１９が取り付けられている。

この案内片１９はいずれもＵ形材から成りその背面が支
持枠９の鉛直突出部１０に固定され、両側板が金具１７
をはさむように下方へ延び延長部１９′を形或している
。

この延長部１９′は上記の水平な長孔１８と一個所で交
わる傾斜した長孔２０を有し、互いに向い合う両案内片
１９の長孔２０は互いに逆に傾いた方向にあけられてい
る。

なお、ナット１３をはさみケース側壁に固定されている
二つの金具１７は底板２４によって上側の開放したＵ形
をなし、その内面でナット１３を水平方向に案内する。

ナット１３には、軸１１のねし山１２とかみ合うねし孔
の上方にこれに直交する別のねし山があって、これに両
側のねじ付きピン２２がねしこまれる。

各ねじ付きピン２２は金具１７の水平長孔１８ならびに
案内片１９の延長部１９′の傾斜長孔２０の双方を貫通
しこれらに係合する。

第１図に示す位置からクランク１６によるねじつき軸１
１の回転によって両方のナット１３が互いに遠ざかるよ
うに動かされると、金具１７がケース１の壁に固定され
ているから、ナット１３はねじ付きピン２２によって金
具１７の水平長孔１８の中を案内される。

同時に案内片１９は、その延長部１９′の傾斜長孔２０
がピン２２と係合していることによって、案内片１９に
固定された支持枠９と共に持上げられるので、濾過用セ
ル３はパッキン４が濾過器ケース１の枠形肩部２に当る
まで上方へ移動される。

従来はこのようにして、濾過用セル３の枠上面の平形パ
ッキン４はケース１の肩部２内面に直接またはその面の
有するパッキンと圧接されたわけであるが、本考案では
、このケース１の眉部２内面に一つの枠を形作る下側開
放のＵ形断面の溝状枠部材２５がその平らな底板部２６
′を密封的に固着して取りつけられている。

この溝状枠部材２５は可撓性を持つ程度に薄い素材で造
られており、その両翼片部２６は、第６図の示すように
、溝断面中心線に関して内側へ対称的に傾斜して曲げら
れている。

従って本考案において濾過用セル３の上端パッキン４が
この溝状枠部材２５に圧接されると、翼片部２６の自由
端線がパッキン４に少し食い込みかつ両翼片部２６の外
面の少なくともその自由端に近い部分がパッキン４に密
着される。

さらに本考案の図示実施例においては、溝状枠部材２５
の平らな底板部２６′に設けられた貫通孔３６にケース
の肩部２を貫く導管２７が取付けられていて、これに圧
縮空気管２８が接続されている。

第３図に示すように管２８は圧縮空気源２９に終ってい
る。

管２８には圧力計３１が接続され、この圧力計３１と圧
縮空気源２９の間には、配管２８に閉鎖弁３０が取付け
られている。

濾過用セル３がケース１内で押し上げられ、溝状枠部材
２５とパッキン４とが接触した状態で、両者間の溝内空
所３７へ圧縮空気が導かれ、その後閉鎖弁３０が閉じら
れるので、圧力計３１は空所３７内の静圧力を示す。

空所３７内に圧力がかかると、翼片部２６は外に向かっ
て若干拡張され、パッキン４に一層強く圧着し、両者の
密封作用が増強される。

次にこの使用状態において、パッキン４と溝状枠部材２
５の間の密封度が低下すると、圧縮空気が空所３７から
抜けるので、圧力計３１の指示圧力は下がる。

この圧力計に連係して発せられる光学的または音響的な
報知により空所３７内の圧力降下が知らされ、この部位
の密封性は軸１１を回転してさらに締め付けることによ
って再び得られ、ついで弁３０を開いて空所３７に改め
て圧縮空気圧がかけられた後に弁３０は再び閉じられる
。

このように本考案において肩部２内面に固定される枠部
材２５は、その翼片部２６を対向するパッキン４に食い
込むように圧着するものであるから、当然に若干拡張的
に変形可能なことを要し、やや薄い素材で造られる。

その翼片部２６と平らな底板部２６′とのなす内角は通
常１５〜３０゜（第６図では２０゜）程度が最も望まし
く、このような溝状枠部材２５はその断面形状が単純で
あるにもかかわらず密封作用が良好で、相手のパッキン
を傷つけずしかもケースの眉部２への取付けが容易でケ
ースの製造を簡単にする利点がある。

なお上述の密封性の監視機構は必ずしも併設されずとも
よく、濾過器の使用中に閉鎖状溝内空所３７を常時一定
圧の圧縮空気源に連通させておいてもよい。

また溝状枠部材２５を例えば弾性に富む金属材料で造っ
ておけば、さらに密封性を持続しやすく、かつその命数
を長くできるなど有利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は濾過用セルと
の相互圧着面が離れた状態での濾過器ケースの側断面図
、第２図は支持枠を含むセル移動機構の斜視図、第３図
は第１図の正面図、第４図は密封のための枠部材を含む
ケースの枠状圧着面の平面図、第５図は溝状枠部材の一
部横断側面図、第６図はケースと濾過用セルとの圧着部
の拡大断面図である。 １・・・・・・濾過器ケース、２・・・・・・肩部、３
・・・・・・濾過用セル、４・・・・・・パッキン、９
・・・・・・支持枠、２５・・・・・・溝状枠部材、２
６・・・・・・翼片部、２６′・・・・・・底板部、２
７ ．２８・・・・・・空気導管、２９・・・・・・圧
縮空気源、３６・・・・・・貫通孔、３７・・・・・・
溝内空所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 濾過器のケース内において濾材を有する着脱可能の濾過
   用セルがセルを支える支持枠と共に移動されて、そのセ
   ル一端のほぼ偏平なパッキンを有する枠面をその枠面に
   対向してケースの空気流入側に設けられた枠形の眉部の
   内面に密封的に圧着して使用される濾過器のケースであ
   って、該ケースは濾過用セルの密封的装着に役立つ前記
   眉部の内面に、断面が底の平たいＵ形でその両翼片部が
   中間の底板部に対して１５〜３０’の角部をなして対称
   的に内方へ傾斜しかつ可撓性を持つ程度に薄い素材によ
   り形或された溝状枠部材をその底板部によって密着状に
   固定し、かつこの枠部材の翼片部と前記セル一端のパッ
   キンとの圧接によって形成される溝内の閉鎖空間に圧縮
   空気を導入するため、ケースの肩部を密封を保って外部
   より貫通する導管の溝状枠部材の底板部に設けた貫通孔
   に接続していることを特徴とする空気中の有害物を除く
   ための濾過器のケース。