JPS597398B2 - 電子楽器の楽音形成方法 - Google Patents

電子楽器の楽音形成方法

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JPS597398B2
JPS597398B2 JP52133030A JP13303077A JPS597398B2 JP S597398 B2 JPS597398 B2 JP S597398B2 JP 52133030 A JP52133030 A JP 52133030A JP 13303077 A JP13303077 A JP 13303077A JP S597398 B2 JPS597398 B2 JP S597398B2
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musical
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circuit
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正忠 和智
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Nippon Gakki Co Ltd
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Nippon Gakki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電子楽器の楽音形成方法に関し、特にディジ
タル回路を利用して楽音波形を形成処理する電子楽器の
楽音形成方法に関するものである。
この発明の先行技術としては本願出願人が昭和50年1
2月16日付で出願した昭和50年特許願第14914
8号「電子楽器」・特開昭52一辛 73721(以下
先出願という)がある。先出願においては、波形メモリ
から読出した楽音波形を1 所望の周波数特性を有する
フィルタの入力端子に加え、該フィルタの出力端子に現
われる楽音波形を1周期遅延して再び前記フィルタの入
力端子に加えるようにして楽音波形がフィルタを循環す
るようにし、フィルタを通過するたびにフィルタの1
特性によつて順次変化してゆく楽音波形をとり出1 す
ようにしている。そして、先出願における前記フィルタ
の好適な設計例としてはディジタルフィルタが用いられ
、したがつて楽音波形はディジタル符号で表現され・2
た形でこのディジタルフィルタを循環する。
したがつてフィルタの伝達特性を決定するバラメータを
変更することも容易であつて、このようにして時間の経
過と共に波形が変化する楽音を発生し、変化に富んだ豊
かな楽音を得ることができる。2 しかし先出願の欠点
は高度な特性のディジタルフィルタを構成するためには
回路が複雑高価になる点である。
ディジタルフィルタの設計は公知でありその詳細な説明
は省略するが、このディジタルフィルタの入力波形れ(
を)は時間をの領域で表現3 されているため、ディジ
タルフィルタの構成要素は遅延回路、減衰回路、及び加
算回路からなり、高度な特性、たとえば尖鋭な遮断特性
等、を得るにはこのような構成要素を多数組み合せるこ
とか必要となり、非常に複雑な回路となる。特に、所3
望の音色の楽音を発生するには、高度な特性のフィル
タを必要とするので、先出願の電子楽器が一般に複雑高
価になることも容易に理解できるであろう。この発明の
目的は上述の欠点を除去することであり、周波数領域に
おいて表現されている楽音信号のスペクルトY(ω)の
データ処理を行なうことによりこの目的が達成される。
この明細書では楽音信号の周波数領域における表現Y(
ω)を周波数スペクルトと称することにするが、たとえ
ば楽音信号の波形y(t)を表わすデイジタル符号をデ
イジタルフイルタに加えるかわりに、楽音信号の周波数
スペクルトY(ω)を表わすデイジタル符号に対し周波
数領域における表現である伝達関数H(@を乗算して新
しい周波数スペクルトとし、このようなデータ処理の繰
返しによつて順次変化する周波数スペクルトからたとえ
ば逆フーリエ変換を用いて、順次変化する楽音信号の波
形y(t)を形成する。この場合Y(ω)×H((社)
の乗算を行なうデイジタル回路は先出願におけるデイジ
タルフイルタ回路に比ベー般に簡単となり、特に周波数
特性が複雑なデイジタルフイルタを必要とする場合は、
そのようなデイジタルフイルタを用いるより、周波数領
域で表わした信号Y(ω)に前記デイジタルフイルタの
特性を表わす伝達関数H((社)を乗算した後で逆フー
リエ変換を行なう方が、回路も簡単であリデータ処理時
間も短縮されることは明らかである。以下図面によりこ
の発明の実施例について説明する。第1図はこの発明の
一実施例を示すプロツク線図である。第1図において、
1は加算回路、2は高速逆フーリエ変換回路、3はRA
M(ランダムアクセスメモリ)、4は関数を記憶するレ
ジスタ、、5は乗算回路、6はメモリ装置、7は定数,
Aを記憶するレジスタ、8は乗算回路である。第1図に
示す実施例では、信号はすべてデイジタル符号で表現さ
れ、また第1図において高速逆フーリエ変換回路2から
左方の信号は周波数領域における信号であり、一方高速
逆フーリエ変換回路2.・から右方の信号は時間領域に
おける信号である。周波数領域における信号は周波数ス
ペクトラムにおける高周波数の次数kの関数としてXr
r](k),Yrn(k),Yrr]−1(k),Zr
Il(k)のように表わされ、時間領域における信号は
サンプル点の順番nの関数。としてYIn(n)のよう
に表わされる。また高速逆フーリエ変換回路2における
変換は所定の繰返し周期Tごとに行なわれ、Tは普通の
場合は時間領域における信号の1周期に一致するように
定められ、したがつて周波数領域における信号も周期T
ごとに新しい値が算出される。上記の信号表示における
mは周期Tの何回目の信号であるかを表わす数字であつ
てm−1,2,3,4・・・・・・となる。但しm−1
のときYm−1(k)−YO(k)=Oであると定める
。更に第1図の回路においてメモリ装置bの読出し、高
速逆フーリエ変換回路2における信号変換、RAM3へ
の書込みと読出し、加算回路1、乗算回路5,8におけ
る演算はすべて上述の繰返し周期T以内にそれぞれの1
周期分が完了するよう、それぞれのクロツクパルスに従
つて行なわれるが、これらクロツクパルスの回路は図面
では省略してある。
また高速逆フーリエ変換回路2は、従来、電子計算機に
プログラムして高速逆フーリエ変換を行う場合の回路、
各種の信号計測解析装置に組込まれた高速逆フーリエ変
換回路等がよく知られており、この発明には従来公知の
このような高速逆フーリエ変換回路のいずれを用いても
よいので詳細な説明は省略する。
加算回路1では第1の周波数スペクトルを表わす第1の
信号と第2の周波数スペクトルを表わす第2の信号とが
加算されて第3の信号が出力される。
上記第1の信号、第2の信号、第3の信号という呼称は
この明細書における記述の便宜上仮に定めた呼称であつ
て、第1の信号はXITl(k)で、第3の信号はYn
l(k)でそれぞれ表わす。RAM3は信号Yrn(k
)を1周期Tだけ遅延させるためのもので、したがつて
RAM3の出力には現在の周期がm回目であるときその
l周期前(m−1)の信号YIn−,(k)が現われる
。信号Ynl−,(k)は乗算回路5に入力され周波数
領域内において所定の伝達特性を有する関数H(k)が
乗算される。乗算回路5の出力H(k)・YO−1(k
)は柚記第2の信号である。また関数H(k)を仮に第
1の伝達関数という。したがつて加算回路1、RAM3
、レジスタ4、乗算回路5による信号処理は1111′
1111′111 の式で表わされる。
前記第3の信号Yln(k)は高速逆フーリエ変換回路
2に入力され時間の関数である波形を表わす信号YIn
(n)に変換されて出力される。
この明細書では信号Ynl(n)を第4の信号という。
記号F−1で7ーリエ逆変換を表わせばYTn(n)−
F−1(Yrn(k))・・・・・・(2)となる。
第1の信号Xrn(k)は従来公知のどのような方法に
よつて形成してもよいが、第1図に示す実施例ではメモ
リ装置6から周波数スペクトルを表わす信号Zrn(k
)を読出しこれに乗算回路8によつて制御可能な定数A
を乗算しXrrl(k)=A−Zm(k)・・・・・・
(3)として第1の信号XlTl(k)を形成している
。信号Zrrl(k)を仮に第5の信号という。第2図
は周波数領域の信号の例を示すグラフであつて、第2図
aは信夛Yrrl−,(k)のスペクトルを、第2図b
は伝達関数H(k)を、第2図cは信号H(k)・Yr
rl−,(k)のスペクトルをそれぞれ示している。
第2図の例てはk−1〜8である場合を示す。また信号
YlTl−1(k)は一般には絶対値1YrI1−1(
k)lと位相ARG(Ym−,(k) )とから構成さ
れ、伝達関数H(k)も前記絶対値に対する伝達関数と
前記位相に対する伝達関数とに分けて表わすことができ
る。したがつて第2図は絶対値だけに対する関係を示し
たものであり、位相に対する関係は第2図に相当する別
のグラフにより示さねばならぬが図面には省略してある
。第1図におけるデータ処理は周期Tの間に1回分が完
結しなければならない。
周期Tは普通の場合信号Ynl(n)の基本波の周期、
すなわち基本波周波数FOの逆数に等しく設定するので
、FOが大きくなるほど1回分のデータ処理の時間を小
さくしなければならない。このため、この発明の好適な
実施態様においては、基本波周波数FOが1オクターブ
上昇するごとに信号Xrrl(k),Ynl(k),Y
rrl(n)等の1周期あたりの語数を半減し、1語に
対するデータ処理時間をほぼ一定に保つている。楽音の
周波数スペクトルを表わす信号において非可聴周波数成
分に相当する信号の部分はこれを省略しても楽音の音色
には影響しないので、信号Xml(k),Yrn(k)
等において周波数スペクトルとして表示すべき周波数の
最高値Fmaxを基本波周波IC1! 2. 数FOに無関係に一定の値とすることができる。
このように周波数スペクトルとして表示すべき周波数の
最高値Fmaxを一定にすると信号Xrn(k),4Y
rI1(k),Yrrl(n)等の語数は基本波周波数
FOにほマ逆比例することとなり、前述の如く1語に対
するデータ処理時間をほマ一定に保つことができる。た
とえばFmax−16kHzとすればFO−250Hz
のときFmax/FO=64であるから、信号XrIl
(k),Yrn(k),Yrr]−1(k)等を示すス
ペクトルでFmax=16kHzの成分まで表わすには
k−1,2,・・・・・・64に対応する64語(kの
1個の値に対し1語割当るとする)となり、T−1/2
50秒の間に64語のデータ処理を行うこととなるが、
FO−2kHzのときFmax/FO−8であるから信
号X.(k),Ym(k),YIn−1(k)等を示す
スペクトルでFmax−16kHzの成分まで表わすに
はk=1,2・・・8に対応する8語となり、T=1/
2,000秒間に8語のデータ処理を行なうこととなり
、FO=250HzのときもFO−2,000Hzのと
きも1語のデータ処理時間は同一となる。
また時間領域における信号Yrn(n)に関しても、そ
の中に含まれる最高周波数成分がFmaxであれば、そ
のサンプリング周波数Fsは基本波周波数FOには関係
なく前記最高周波数Fmaxに関連して(普通の場合F
s−2fmax)定められるので、信号Yrn(n)の
1周期内のサンプル点の総数Nは基本波周波数FOが1
オクターブ上昇するごとに半減されることとなり、1語
あたりのデータ処理時間を一定に保つことができる。
第1図の回路において、発生しようとする楽音を音名(
ノート)の周波数に対応させる手段として、データ書込
み順に読出されるメモリ装置、すなわちいわゆるFIF
O(フアスト・イン・フアーストアウト・メモリ)と称
されるメモリ装置を高速フーリエ逆変換回路2の出力に
接続し第1図におけるクロツクパルスの周波数を一定に
保ち、したがつて一定の速度で信号Yrn(n)を発生
してこれをFIFO(図示せず)に書込み、FIFOの
データをノートに相当するクロツク周波数で読出して所
望の音名周波数の楽音を発生することができる。
FIFOを用いる回路に関しては本願出願人が昭和52
年1月28日付出願した昭和52年特許願第00785
6号「電子楽器」(特開昭53−93815号)に詳述
されているのでこの明細書ではその説明を省略する。ま
た前節で説明したように、この発明の好適な実施態様と
して楽音の基本波周波数FOが1オクターブ上昇するご
とに1周期あたりの語数を半減しておけばFIFOをノ
ートに相当するクロツク周波数で読出すことによつてF
IFOに書込まれる時に定められた1周期あたりの語数
に対応するオクターブに属する基本波周波数FOの楽音
が発生され、オクターブによつてFIFO読出しのクロ
ツク周波数を変更する必要はない。
第3図はこの発明の他の実施例を示すプロツク線図であ
つて、第1図と同一符号は同一部分を示し、符号9は周
波数領域における所定の伝達特性を有する伝達関数G(
k)のレジスタであつて、符号10はタツチコントロー
ル信号の入力端子である。
伝達関数G(k)を仮に第2の伝達関数と称し、第3図
に示す実施例では第1の伝達関数H(k)も第2の伝達
関数G(k)も共にタツチコントロール信号によつて変
調される例を示し、第3図におけるデータ処理は第1図
について説明した式(1)式(4))とXIn(k)=
G(k)・Zml(k) ・・・・・・ (3)′に従
つて行なわれる。こ\にいうタツチコントロール信号と
は楽器の演奏者が鍵盤の鍵を押す時のタツチの状態、た
とえば鍵を押す力の時間的変化等を表わす信号であり、
したがつてたとえば圧力電気変換装置、速度電気変換装
置等をそれぞれの鍵に設けて検出することができる。
自然楽器においてはタツチの状態によつて音色が変化す
ることはよく知られている所であり、この発明ではタツ
チコントロール信号により第1の伝達関数H(k)と第
2の伝達関数G(k)とを変化させ、鍵タツチによつて
音色の変化する電子学器を得ることができる。またこれ
らの伝達関数H(k),G(k)を変調する信号として
タツチコントロール信号以外の信号を用い、又はあらか
じめ定めたプログラムに従つて伝達関数H(k),G(
k)を変化させ得ることは明らかである。
次に信号Ynl(n)は時間領域における信号であるか
ら、時間領域における信号処理に関して従来公知のどの
ような処理を信号Ynl(n)に加えてもよいことは申
すまでもない。
また第1図及び第3図について説明した実施例では、第
1の信号X[Tl(k)は周波数領域における信号Zr
r)(k)から形成されたが、時間領域における信号を
高速フーリエ変換回路等によつてフーリエ変換して第1
の信号Xr]1(k)を形成することもできる。
以上の説明によつて明らかなように、この発明では楽音
形成のデータ処理の重要な部分を周波数領域で行なうの
で、所望のフイルタ特性を極めて簡単な回路によつて実
現することができ、豊富な変化に富んだ好ましい音色の
楽音を簡単な回路によつて形成する楽音形成方法を得る
ことができる。特に周波数応答の複雑なフイルタを時間
領域におけるデイジタルフイルタで構成する場合は所要
演算時間が甚しく長くなるが、この発明の方法によつて
周波数領域で演算を行なつた後高速逆プーリ工変換すれ
ば所要演算時間を著しく短縮することができる。更に楽
音の音色に関しては楽音波形そのものより、楽音の周波
数スペクトルの方がより直観的に対応しているので、周
波数領域においてデータ処理を行なうこの発明の方法は
好ましい音色を発生し又は自然楽器の音色をシミユレー
トするための設計を容易ならしめるという効果をも有し
ている。
また以上の説明を通じて時間の関数である楽音波形を周
波数の関数に変換し、周波数領域においてデータ処理を
行なう例について説明したが、この発明の精神を逸脱す
ることなく時間の関数である楽音波形をたとえばHad
amard変換によりWalsh関数に変換してWal
sh関数の形でデータ処理し、又はFermat変換に
よりFermat数に変換してFermat数の形でデ
ータ処理を行なうことも可能である。なおFermat
数は整数論的変換の一種であり、実用的にはフーリエ変
換より優れている面もあることを付記しておく。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示すプロツク線図、第2
図は周波数領域の信号のスペクトルの一例を示すグラフ
、第3図はこの発明の他の実施例を示すプロツク線図で
ある。 1・・・・・・加算回路、2・・・・・・高速逆フーリ
エ変換回路、3・・・・・・RAMl4・・・・・ルジ
スタ、5・・・・・・乗算回路、6・・・・・・メモリ
装置、7・・・・・・レジスタ、8・・・・・・乗算回
路、9・・・・・ルジスタ、Xrr](k)・・・・・
・第1の信号、YITl(k)・・・・・・第3の信号
、Yrrl(n)・・・・・・第4信号、H(k)・・
・・・・第1の伝達関数、G(k) ・・・・・・第2
の伝達関数。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第1の周波数スペクトルを表わす第1の信号を所定
    の繰返し周期で発生する段階と、第2の周波数スペクト
    ルを表わす第2の信号を前記第1の信号に加算して第3
    の信号を形成する段階と、前記第3の信号を遅延しかつ
    周波数領域内において所定の伝達特性を有する第1の伝
    達関数を乗算して前記第2の信号とする段階と、前記第
    3の信号を前記繰返し周期ごとに時間の関数である波形
    を表わす第4の信号に変換する段階と、前記第4の信号
    から所望の楽音を形成する段階とを備えたことを特徴と
    する電子楽器の楽音形成方法。 2 特許請求の範囲第1項記載の電子楽器の楽音形成方
    法において、前記第1の信号を発生する段階は前記第1
    の周波数スペクトルに対応するディジタル符号を記憶す
    るメモリ装置を前記繰返し周期で読出す段階を有するこ
    とを特徴とする電子楽器の楽音形成方法。 3 特許請求の範囲第1項記載の電子楽器の楽音形成方
    法において、前記第1の信号を発生する段階は、時間の
    関数として表わされる波形を周波数の関数に変換する段
    階を有することを特徴とする電子楽器の楽音形成方法。
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