JPS59641B2 - ボウシンキドウコウゾウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来道床砂利を使用しない、所謂無道床直結軌道におい
ては、通常コンクリートブロック枕木にアンカ鉄筋を配
筋してこれをコンクリート道床に碇着し、前記枕木及び
道床を一体化して同枕木を介してレールを保持する構造
が使用されている。

この場合、軌道の上下方向の弾性はレール下に敷込まれ
たゴム材によってとらざるを得ないが、レール下の部分
はタイプレート等を使用したとしても面積の点から制約
を受けるので、前記ゴム材の幅をあまり広くとることが
できず、従ってこのゴム材のバネ常数を極端に低減する
ことは走行車輪の横圧によって生じるレールの小返りを
著しく増大させることとなるので、レール小返り量にお
ける車輛走行安全上からの限界の制約によって、軌道の
振動を環境保全上必要とする程度にまで減少させるのに
要するバネ常数まで低減させることは不可能である。

本発明はこのような欠陥を除去するために提案されたも
のであって、コンクリート版若しくはコンクリート道床
上にレール保持梁を載架し、同レール保持梁におけるレ
ール据付面の底面のみと前記コンクリート版若しくはコ
ンクリート道床との間に弾性材を介装するとともに、前
記レール保持梁の両端部においてのみ同梁の端面及び両
側面を包覆するコ字型断面の弾性材を配設し、同弾性材
を囲繞する立上り部を前記レール保持梁の両端部におい
てのみ前記コンクリート版若しくはコンクリート道床上
に立設してなることを特徴とする防振軌道構造に係るも
のである。

本発明においては前記したように、コンクリート版また
はコンクリート道床上に載架されたレール保持梁の両端
部に夫々端面及び両側面を掩覆するコ字型弾性材が配設
され、更に前記コンクリート版若しくはコンクリート道
床上に前記コ字型弾性材を囲繞する立上り部が立設され
ているので、同立上り部によってレール保持梁の前後左
右方向の移動が防止され、レールの小返りはレール保持
梁によって抵抗しうるように構成されており、従つてレ
ール保持梁のレール据付面の底面と前記コンクリート版
若しくはコンクリート道床との間に介装された弾性材に
よって軌道の弾性がとられるように構成されているので
、この弾性材はレールの小返りに抵抗する必要がなく、
小面積でレール保持梁を弾性的に保持することが可能と
なり、優れた防振効果が発揮され、環境保全上顕著な成
果を挙げることができるものである。

また本発明においては前記したようにレール保持梁の両
端に夫々、その端面と両側面とを掩覆するコ字型弾性材
が配設され、更に同コ字型弾性材を囲繞する立上り部が
前記コンクリート版若しくはコンクリート道床上に立設
して、レール保持梁の前後左右の移動を防止し、前記レ
ール保持梁のレール据付面底部とコンクリート版若しく
はコンクリート道床との間に介装された弾性材によって
のみレール保持梁の上下方向の弾性保持を行うようにし
たので、前記立上り部はレール保持梁の端部にのみ設け
ればよく、従って前記レール保持梁のレール据付面底面
における弾性材を外部よりよく監視できるので、取替保
守が容易に行なわれるものである。

本発明はまた前記防振軌道構造において、前記コ字型弾
性材における両側垂直片の外側には、前記コンクリート
版若しくはコンクリート道床に一体に碇止される突起を
設け、内側下部受圧部には突起を突設し、内側上部非受
圧部にはレール保持梁の両側面の抜勾配に対応して、下
方が低く、上方が高い突起を突設してなることを特徴と
する防振軌道構造に係り、前記コ字型弾性材の交換保守
を容易ならしめるものである。

以下本発明を図示の実施例について説明する。

１はレール保持梁でコンクリート道床２上に載架され、
レール３の据付面の底面と前記道床２との間にゴム版等
よりなる弾性材４が介装されている。

また前記レール保持梁１の両端にはその端面及び前後両
側面を掩覆するコ字型弾性材５が配設され、同コ字型弾
性材５を囲繞する立上り部６が前記道床２上に立設され
ている。

なお図中７はレール締結ボルト、８は前記道床２に埋設
された埋込栓、９は発泡スチロールの如き間隔材で、列
車荷重によって比較的容易に変形するようになっている
。

かくして前記コ字型弾性材５とコンクリート道床２の立
上り部６とによってレール保持梁１の前後左右の移動を
防止し、弾性材４でレール保持梁１の上下方向の弾性保
持を行うものである。

而して前記コ字型弾性保持材５はその外側面にコンクリ
ート道床２内に一体に碇着される突起５ａが突設され、
前記道床２からの抜出しを防止されている。

而して前記レール保持梁１はコンクリート製の場合、製
造を容易ならしめるために第５図に示す如き抜き勾配を
附した断面とせざるを得ない。

このような場合、レール保持梁１に前記弾性材５をテー
プ等を用いて仮固定し、レール３にレール保持梁１を取
付けて軌框を組立てて正規の位置に仮固定したのち、コ
ンクリート道床のコンクリート打込みを行って防振軌道
を構築する場合、前記弾性材５の側面を同一厚みの垂直
面にしておくと、コンクリート道床２の立上り部５の打
込みの際の生コンクリートの圧力で、第６図に示すよう
な形状に変形する。

また前記弾性材５の側面の厚さをレール保持梁１の側面
勾配に即応して上方部を厚くすると第７図に示すような
形状に変形する。

このような場合、列車走行時に生起するレールの上方変
位に対して第６図の場合には両側上部５′、第７図の場
合には両側上方厚肉部５″が夫々抵抗する結果、極端に
大きな圧力がレール保持梁１に作用し、異常な曲げモー
インドを生じる結果となるし、また補修等の目的で上方
に取外そうとすると前記各部５′、５″が同じように抵
抗し、簡単には抜取れなくなる。

このため本発明においては、第５図に示すように、前記
弾性材５の下部受圧部においては、略々垂直に作用する
圧力に十分に耐え得るだけの密に配設された或いは幅の
広い水平突起５ｂを内側に突設し、上方非受圧部におい
ては、レール保持梁１の抜勾配に即応させて下方が低く
上方が高い水平突起５ｃを内側に突設し、且つ生コンク
リートの圧力に耐える程度の粗くて細い突起として、レ
ール保持梁１を上方に抜上げるとき殆んど抵抗のないよ
うにするものである。

以上本発明を実施例について説明したが、本発明は勿論
このような実施例にだけ局限されるものではなく、本発
明の精神を逸脱しない範囲内で種種の設計の改変を施し
うるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る防振軌道構造の一実施例を示す左
半部従断正面図、第２図はその平面図、第３図及び第４
図は夫々第１図の矢視ＩＩＩ−Ｉ図並に矢視ＩＶ−ＩＶ
図、第５図はコ字型弾性材装着部の縦断側面図、第６図
及び第７図はコ字型弾性材の作用説明図、第８図はコ字
型弾性材の部分斜面図である。 １・・・・・・レール保持梁、２・・・・・・コンクリ
ート道床、３・・・・・・レール、４・・・・・・弾性
材、５・・・・・・コ字型弾性材、５ａ、５ｂ、５ｃ・
・・・・・突起、６・・・・・・立上り部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンクリート版若しくはコンクリート道床上にレー
   ル保持梁を載架し、同レール保持梁におけるレール据付
   面の底面のみと前記コンクリート版若しくはコンクリー
   ト道床との間に弾性材を介装するとともに、前記レール
   保持梁の両端部においてのみ同梁の端面及び両側面を包
   覆するコ字型断面の弾性材を配設し、同弾性材を囲繞す
   る立上り部を前記レール保持梁の両端部においてのみ前
   記コンクリート版若しくはコンクリート道床上に立設し
   てなることを特徴とする防振軌道構造。 ２、特許請求の範囲第１項に所載の防振軌道構造におい
   て、前記コ字型弾性材における両側垂直片の外側には、
   前記コンクリート版若しくはコンクリート道床に一体に
   碇止される突起を設け、内側下部受圧部には突起を突設
   し、内側上部非受圧部にはレール保持梁の両側面の抜勾
   配に対応して、下方が低く、上方が高い突起を突設して
   なることを特徴とする防振軌道構造。