JPS595539Y2 - スクイズ式ポンプを備えたモルタルミキサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスクイズ式ポンプを備えたモルタルミキサに関
するものである。

従来、モルタルミキサはモルタルを製造するという単一
の目的にのみ使用されていた。

このため、モルタル塗装工事のときは、スクイズ式ポン
プを用意する必要があった。

又、モルタルミキサから直接スクイズ式ポンプにモルタ
ルを供給することはできないので、モルタルミキサの取
出口から取出したモルタルを一組貯溜しておく貯溜槽（
フネと呼ばれている）と、このフネから取出したモルタ
ルを収容し、凝′固を抑制する攪拌機能を備えかつスク
イズ式ポンプへモルタルを供給するためのホッパーとを
使用しなけれは゛ならないという欠陥があった。

本考案の目的は、モルタルミキサの攪拌槽の底板下面に
対し、弾性チューブに押圧ローラを押圧転動させてポン
プ作用を行うように構成したスクイズ式ポンプを設け、
同スクイズ式ポンプの回転軸とモルタルミキサの回転軸
とを、前記底板を貫通しかつ同一直線上に位置する共通
軸に装着することにより、前記従来の欠陥を解消してス
クイズ式ポンプ、ホッパー及びフネ等を別途用意しなく
ても済み、装置全体を至極コンパクト化して狭い場所で
使用でき、収納、運搬も容易に行うことができ、さらに
動力消費を少なくでき製品の大幅なコストダウンを図る
ことができるスクイズ式ポンプを備えたモルタルミキサ
を提供することにある。

以下、本考案を具体化した一実施例を図面について説明
すると、図面中１は車輪２に支持される台板３に立設固
定した４本の支柱、４は同支柱１の上端部に対し斜状に
固設した有底円筒状の攪拌槽であって、水平線Ｈに対す
る底板４ａの傾斜角αをこの実施例では約１２度（これ
以外の任意の角度でもよい）にするとともに、同底板４
ａの中心には透孔４ｂが設けられ、同底板４ａの最下位
置近傍には第３図に示すようにモルタルの吸込口４Ｃが
透設され、さらに同攪拌槽４の筒状部４ｄの最下位置に
は同じく第３図に示すようにモルタルの取出口４ｅが透
設されている。

５は前記攪拌槽４の筒状部４ｄに対し蝶番６により前記
取出口４ｅを開閉し得るように取付けた蓋であって、そ
の内側にはパツキン７が接着されている。

８は前記攪拌槽４の底板４ａ下面に対し複数本のボルト
９により固着したスクイズ式ポンプを構成する円筒ドラ
ム、１０は同円筒ドラム８の内周面８ａに沿設した弾性
チューブであって、その両端を第２図に示すように円筒
ドラム８外へ突出して一端を前記底板４ａ下面に対し吸
込口４Ｃと連通ずるように固着したエルボ継手１１に接
続するとともに、他端を底板４ａ下面に対し取外し可能
に取着した吐出管１２に接続している。

１３は前記円筒ドラム８の中心部において上下一対のベ
アリング１４により回転可能に支持した円筒状の回転軸
筒、１５は同回転軸筒１３の上下三箇所に溶着した平面
三角板状をなす一対のアーム１６の各頂部間に遊転可能
に軸１７支した押圧ローラであって、回転軸筒１３及び
アーム１６が第２図Ｐ矢印方向に回転されると前記弾性
チューブ１０を押圧転動して同弾性チューブ１０にポン
プ作用を生じさせるようになっている。

１８は前記一対のアーム１６に対しそれぞれ６０度の等
角度ごとに放射状に固着した支軸１９の先端部に遊転可
能に支持した複数個の復元ローラであって、第１図に示
すように対応する上下の復元ローラ１８間に弾性チュー
ブ１０を挾持して押圧ローラ１５を境に先行する復元ロ
ーラ１８により弾性チューブ１０を適正位置に保持し後
続の復元ローラ１８により挟圧された弾性チューブ１０
を復元するようにしている。

２０は前記円筒ドラム８の底板８ｂ上面と前記下側のア
ーム１６下面との間に介装したスラストベアリングであ
って、同ベアリング２０により前記回転軸筒１３、アー
ム１６、押圧ローラ１５及び復元ローラ１Ｂ全体が支承
されている。

２１は下端フランジ部２１ ａを前記攪拌槽４の底板４
ａ中心部にボルト９着して同底板４ａと直交するように
斜状に立設した円筒状の支持筒、２２は同支持筒２１．
底板４ａの透孔４ｂ及び回転軸筒１３に対しベアリング
１４ａを介して貫通させた回転軸であって、その上端部
にはフランジ部２２ ａが設けられ前記支持筒２１の上
端部にスラストベアリング２３を介して支承されている
。

２４は前記回転軸２２の上端部に形成した駆動クラッチ
爪２２ｂに被冠した被動クラッチ部材２５と、同被動ク
ラッチ部材２５に固着した複数本のアーム２６と、同ア
ーム２６の先端に止着した固定羽根２７とにより構成さ
れた攪拌部材であって、同攪拌部材２４が回転軸２２の
回転軸線Ｏ−Ｏを中心に傾斜状態で回転されると攪拌槽
４内のモルタル混線材Ｓが攪拌混練されるようになって
いる。

Ｍは前記円筒ドラム８の一側に固着したブラケット２８
と攪拌槽４の外周−側に固着したブラケット２９により
下向き斜状に固設したポールチェンジタイプのギャード
モータであって、そのプーリ３０と前記回転軸２２の下
端に止着したプーリ３１との間にはベルト３２が掛装さ
れている。

３３は前記回転軸２２の下端部りに対しキー３４により
軸線方向の移動可能に嵌合した駆動クラッチ部材であっ
て、円筒ドラム８下面にブラケット３５により傾動可能
に支持した操作レバー３６により前記回転軸筒１３の下
端部に形成した被動クラッチ爪１３ａに対し同駆動クラ
ッチ部材３３の駆動クラッチ爪３３ ａを保合離脱し得
るようにしている。

３７は前記円筒ドラム８、弾性チューブ１０及び押圧ロ
ーラ１５等により構成したスクイズ式ポンプを使用しな
い場合に、第３図に示すように攪拌槽４の吸込口４Ｃに
嵌合される密閉蓋であって、下面及び外周にゴム層３８
が接着され、中央部には把持部３７ ａが形成されてい
る。

次に、前記のように構成したスクイズ式ポンプを備えた
モルタルミキサについて、その作用を説明する。

まず、モルタルミキサとしてのみ使用する場合には、攪
拌槽４の吸込口４Ｃを密閉蓋３７により閉鎖し、操作ハ
ンドル３６を操作して駆動クラッチ部材３３の駆動クラ
ッチ爪３３ ａを回転軸筒１３の被動クラッチ爪１３
ａから離脱させた状態でギャードモータＭを起動すると
、その回転はプーリ３０、ベルト３２及びプーリ３１を
介して回転軸２２に伝達され、これにより攪拌部材２４
が回転され、攪拌槽４内に収容したモルタル混線材Ｓが
攪拌される。

充分混練されてできたモルタルは蓋５を開けて取出口４
ｅから取出され、建物の上塗り等に使・用される。

モルタルをスクイズ式ポンプによりビル等の上階へ供給
したい場合には、密閉蓋３７を吸込口４Ｃから外し、操
作レバー３６により駆動クラッチ部材３３の駆動クラッ
チ爪３３ ａを回転軸筒１３の被動クラ・ツチ爪１３
ａに係合した後、攪拌槽４内にセメントのみを煉ったい
わゆるノロを少し入れてギャードモータＭを正転させ回
転軸筒１３、アーム１６及び押圧ローラ１５を第２図Ｐ
矢印方向に回転させて前記ノロを吸込口４Ｃからスクイ
ズ式ポンプの弾性チューブ１０内へ吸込んでおく。

次に、攪拌槽４内にモルタル混線材Ｓを入れ、操作レバ
ー３６によりスクイズ式ポンプを停止した状態でモータ
Ｍを正転させ攪拌部材２４のみを回転させてモルタル混
線材Ｓを攪拌した後、モータＭを正転から逆転に一時的
に切換回転させ、この間に操作レバー３６を操作して駆
動クラッチ部材３３のクラッチ爪３３ ａを回転軸筒１
３のクラッチ爪１３ ａに係合させてアーム１６を逆転
させる。

すると、押圧ローラ１５により弾性チューブ１０内のノ
ロがエルボ継手１１を経て攪拌槽４内へ押戻され、モル
タルに混入攪拌される。

このため、スクイズ式ポンプに砂のみが侵入して弾性チ
ューブ１０が極度に摩耗するのを回避することができる
。

次に、ギャードモータＭを逆転から正転に切換えると、
攪拌槽４内のモルタルはスクイズ式ポンプにより吸込口
４Ｃから弾性チューブ１０内を通って吐出管１２へと移
送され、さらに図示しないノ々イブにより目的の場所へ
圧送供給される。

さて、本考案実施例においては、攪拌槽４の底板４ａを
傾斜させ、この底板４ａに対し円筒ドラム８、弾性チュ
ーブ１０、回転軸筒１３、押圧ローラ１５及び復元ロー
ラ１Ｂ等により構成されるスクイズ式ポンプを装着した
ので、攪拌槽４と攪拌部材２４よりなるモルタルミキサ
がスクイズ式ポンプへモルタルを供給するためのホッパ
ーの機能及びモルタルの凝固防止用の攪拌機とし７ての
機能を発揮し、従って従来のようにスクイズ式ポンプを
別設したり、フネやホッパーを用意したりしなくても済
み、装置全体を至極コンパクト化でき、この結果運搬、
収納が容易であるうえに狭い場所でも使用でき、さらに
製品の大幅なコストダウンを図ることができる。

又、本考案においてはモルタルミキサの回転軸とスクイ
ズ式ポンプの回転軸とを同一直線上に位置する共通の回
転軸としたので、両者の駆動源を一つにすることができ
、消費動力を非常に少なくできるとともに、この点から
も構造を簡素化してコストダウンを図ることがで゛きる
。

、なお、本考案は次のような実施例を具体化するにとも
で゛きる。

（１）前記実施例では攪拌槽４の底板４ａを傾斜させて
、同攪拌槽４がホッパーとしての機能を発揮し易いよう
にしたが、この底板４ａを水平にすること。

（２）前記実施例では攪拌部材２４が回転する状態と、
同攪拌部材２４及びスクイズ式ポンプの押圧ローラ１５
がともに回転する状態との二つの駆動切換を行うように
したが、これに加えて別途動力切換手段により前記押圧
ローラ１５のみを回転で゛きるようにすること。

（３）前記実施例では攪拌槽４の吸込口４Ｃに密閉蓋３
７を嵌合するようにしたが、この代わりに開閉弁（図示
しない）を外部操作可能に取付けること。

以上詳述したように、本考案はモルタルミキサとスクイ
ズ式ポンプを一体化し、かつホッパーやフネ等を不要に
して装置全体を至極コンパクト化でき、収納、運搬を容
易に行うことができ、さらに狭い場所でも使用でること
ができるとともに、消費動力を少なくでき製品の大幅な
コストダウンを図ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化したスクイズ式ポンプを備えた
モルタルミキサの縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第３図は攪拌槽の取出口付近の拡大断面図であ
る。 攪拌槽・・・・・・４、円筒ドラム・・・・・・８、弾
性チューブ・・・・・・１０、回転軸筒・・・・・・１
３、押圧ローラ・・曲１５、アーム・・・・・・１６、
支持筒・・曲２１．回転軸・曲・２２、攪拌部材・・・
・・・２４、 ギャードモータ・・曲Ｍ０

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ モルタルミキサの攪拌槽の底板下面に対し、弾性チ
   ューブに押圧ローラを押圧転動させてポンプ作用を行う
   ように構成したスクイズ式ポンプを設け、同スクイズ式
   ポンプの回転軸とモルタルミキサの回転軸とを、前記底
   板を貫通しかつ同一直線上に位置する共通軸にしたこと
   を特徴とするスクイズ式ポンプを備えたモルタルミキサ
   。 ２ モルタルミキサの攪拌槽の底板は傾斜している実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のスクイズ式ポンプを備
   えたモルタルミキサ。 ３ スクイズ式ポンプはモルタルミキサの攪拌槽の底板
   下面に対し固着された円筒ドラムと、同円筒ドラムの内
   周面に沿設した弾性チューブと、同円筒ドラムの中心部
   に支持された回転軸筒と、同回転軸筒に固着した上下一
   対のアームと、同アームの外端部に遊転可能に軸支され
   た押圧ローラと、前記アームに支持され前記弾性チュー
   ブの上下両側を挾持し得るようにした復元ローラとによ
   り構成されたものである実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のスクイズ式ポンプを備えたモルタルミキサ。 ４ 前記回転軸筒と回転軸の間にはクラッチ機構が設け
   られている実用新案登録請求の範囲第３項記載のスクイ
   ズ式ポンプを備えたモルタルミキサ。 ５ 弾性チューブの吸込側は攪拌槽の底板下面の最下位
   置付近に透設した吸込口に接続されている実用新案登録
   請求の範囲第２項記載のスクイズ式ポンプを備えたモル
   タルミキサ。