JPH0422822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高速用及び低速用の駆動軸を有する２
軸ミキサーに関する。

従来、２軸ミキサーとしては、２本の軸を偏芯
して設けた偏芯２軸ミキサーが使用され、高速軸
にはタービンブレード等の攪拌体を設け、低速軸
にはバタフライブレード、錨型ブレード等を設け
て攪拌するようになつているが、高速軸に対して
流動が極めて不均一であり、往々にして軸曲りの
原因となることがあつた。

本考案はそのような欠点を解決し、その他の
種々の特長を有するようにしたもので、下部に攪
拌体を有する中心軸を回転自在に回転筒内に軸支
し、該回転筒の下部に上記攪拌体の外側に位置す
る攪拌体を設け、上記中心軸及び回転筒をそれぞ
れ駆動するようにした同芯２軸ミキサーに係り、
低速軸によりゆつくり攪拌することにより高速軸
のローカルミキシングを防止し、流動性の悪い材
料の処理を可能にでき、また従来の偏芯２軸ミキ
サーに比べて軸受やベアリングケースが簡略化さ
れ、構造を簡単にすることができる。

以下実施例と共に説明する。

図において、攪拌槽本体１の上部には、ベアリ
ングボツクス２，３を設け、該ボツクス内に設け
た軸受４，５により回転筒６を回転自在に軸支し
ている。該回転筒６は、中間部にスプロケツトや
プーリ等の伝導車７を固着してあり、チエーン、
ベルト等の無端帯８を介し、図において低速用モ
ータ９により低速回転する。

上記回転筒６の内部には中心軸１０を貫挿して
あり、該回転筒内に設けた軸受１１，１２により
回転自在に軸支している。なお、図において中心
軸１０の上方を軸支する軸受１１は、上記回転筒
の上部外方に位置した適宜のベアリングボツクス
１３により本体１に支承させるようにすることも
できる（第２図）。該中心軸１０は、先部にスプ
ロケツトやプーリ等の伝導車１４を固定してあ
り、チエーン、ベルト等の無端帯１５を介し、図
において高速用モータ１６により高速回転する。

上記中心軸１０の下部にはタービンブレード等
の高速用攪拌体１７を設けてあり、また上記回転
筒６の下部には上記攪拌体１７の外側に位置する
低速用の攪拌体１８をキー１９により取付けてあ
る。なお、図において、低速用の攪拌体１８は槽
壁に近接する枠型のブレードを用いているが、第
３図のようにスパイラルリボンを用いたり、第４
図のように適宜の突起１９を設けたり、種々用途
に応じた攪拌体を用いることができる。

上記攪拌槽本体１の周囲には、公知のようにジ
ヤケツト２０を設けてあり、下部には適宜の排出
口や移動可能にする場合はキヤスター等を用ける
ことができ、またシール機構が上記回転筒の下部
等に設けられている。

而して、上記各モータ９，１６を始動すれば、
上記中心軸１０及び回転筒６はそれぞれ別々に駆
動され、中心軸に設けた高速用攪拌体１７及び上
記回転筒に設けた低速用攪拌体１８により流動性
の悪い材料も効率よくミキシングすることができ
る。なお、従来の偏芯２軸ミキサーでは、材料に
応じて、先ず高速軸を回転してから低速軸を回転
して運転を始め、停止する場合は低速軸を停止し
てから高速軸を停止させなければ高速軸の軸が曲
つてしまうことがあつたが、本考案のものでは同
芯に２軸を設けてあるから、そのような制限なく
運転することができる。

処理後、材料を排出するには、低速軸を回転し
ながら排出することができるので、排出操作も容
易である。なお、偏芯２軸ミキサーの場合は、材
料のフローパターンの関係上、低速軸の液面附近
に粉体等が付着することが多いが、本考案の場合
はそのような付着がみられなかつた。

上記回転筒、中心軸は、同方向に回転させた
り、逆方向に回転させたり、図に示す場合とは逆
に各軸が高速、低速回転するようにすることもで
きる。

本考案は上記のように構成され、ブレード径に
比べて比較的大きなタンク内径を有するミキサー
において、タービンブレード等の高速攪拌体１７
によつて生じやすいローカルミキシングは、該高
速攪拌体１７の外側に低速で回転する低速攪拌体
１８を設けたことにより抑制され、攪拌槽内の材
料は万遍なく攪拌動力を受けるように流動し、攪
拌効率を上げることができ、また槽壁に付着して
流動しにくい材料も、低速で攪拌槽の内壁に密接
して回動する低速攪拌体により掻取られ、均一な
混合材料が得られ、該攪拌体１８は大径であつて
も低速で回転させるため所要動力は少なくて済
み、その上、回転筒６を攪拌槽本体の上部で軸受
４，５により回転自在に軸支すると共に該回転筒
内に中心軸１０を回転自在に軸支し、上記回転筒
６の軸受４，５間に低速駆動用の伝導車７を設け
かつ上記回転筒の上端から突出する上記中心軸１
０に高速駆動用の伝導車１４を設けたので、低速
用の回転筒と高速用の中心軸の芯合せ及び製作は
極めて容易であり、また回転筒及び中心軸は極め
て安定状態に支持され、振動の発生も少ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は断面
図、第２図は変形例の一部の断面図、第３図、第
４図は攪拌体の説明図である。 １……攪拌槽本体、６……回転筒、１０……中
心軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 攪拌槽本体１の上部に設けた軸受４，５により
   回転筒６を回転自在に軸支し、該回転筒６内に下
   部に攪拌体１７を有する中心軸１０を回転自在に
   軸支しかつ該攪拌槽本体１内に存する回転筒６の
   下部に上記中心軸の攪拌体１７の外側に位置し上
   記攪拌槽本体１の内壁に密接する攪拌体１８を設
   け、上記回転筒６の軸受４，５間に低速用モータ
   により駆動される伝導車７を設けると共に該回転
   筒６の上端から突出する上記中心軸１０に高速用
   モータにより駆動される伝導車１４を設けた同芯
   ２軸ミキサー。