JPS5953480B2 - カプセル型蓄熱器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はヒートパイプを利用して熱交換率を向上させ、
かつ熱交換時間を短縮したカプセル型蓄熱器に関し、さ
らに詳しくは潜熱利用方式に好適なカプセル型蓄熱器に
関する。

（従来の技術） 蓄熱器は蓄熱材の性状により顕熱利用方式と潜熱利用方
式に分けられる。

潜熱利用方式は蓄熱材の融点または凝固点付近で多量の
熱授受ができるため小型化が可能となる反面、熱授受を
すみやかに行なうことが困難である。

上記熱授受の時間を短縮するため、カプセルの中心に金
属板を挿入した蓄熱器も公知であるがこの公知技術のも
のでもなお熱投時間の短縮を十分に行ないえない。

第１図はカプセル型蓄熱器の一例を示す概略全体図、第
２図は公知のカプセルの一例を示す正面図である。

カプセル型蓄熱器は、第１図に示すように、ケーシング
１内に蓄熱材からなるカプセル２を多数固設し、ケーシ
ング１の一方側上端に設けられた通口３と他方端子端に
設けられた通口４とを介して媒体を流入、流出させる。

例えば、廃熱媒体が図の通口３からＰ。

如く流入すると、それぞれのカプセル２に熱を与えて通
口４からＰｌの如く流出する。

カプセル２に与えられた熱を利用する場合には媒体を通
口４からＰ２の如く流入させる。

すると、カプセル２に蓄えられた熱が媒体に与えられ、
高温となった媒体は通口３からＰ３の如く流出される。

従来のカプセルは第２図に示すとおりである。

ステンレス又は銅等の金属からなる管５内に蓄熱材６が
封入されている。

蓄熱材６としてはパラフィン、ナフタリン等の有機物質
、又は無機水和塩類が用いられる。

第２図に示す従来のカプセルでは、入力及び出力モード
ともに管５の表面からのみ熱Ａが授受されるので、蓄熱
材６の中心まで熱が伝達され難く熱の授受に長時間を要
する。

前記欠点を改善するために金属板をカプセルに挿入した
型も公知である。

第３図を参照して、金属管７内に蓄熱材８を封入し、同
時に金属板９と管７の直径方向に挿入する。

金属板９の両端９□、９□は管７の上下端からそれぞれ
突出している。

この方式によると、カプセルの内部からも熱授受ができ
るので時間の短縮は可能であるが、金属板９による熱の
移動量は僅かであるから熱授受時間の短縮効果は末だ不
十分である。

（発明が解決しようとする問題点） 上記の如く、従来の蓄熱器では熱授受時間のが不十分で
あった。

本発明の目的は上記欠点を改良し、ヒートパイプを利用
して蓄熱器カプセルの内部がらも大量に熱授受を行なわ
せんとするところにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の特徴とするところは、蓄熱材を封入したカプセ
ル中にヒートパイプブを設け、該ヒートパイプの放熱端
をカプセルの外側に位置させ、吸熱端は一部をカプセル
内に、他部をカプセルの外側に位置させてなるところに
ある。

（作用） 上記構成により、蓄熱材への熱の蓄熱及び蓄熱材からの
放熱をカプセルの内側からも行なわせ、熱授受時間の短
縮をはかるものである。

（実施例） 以下に本発明の一実施例について説明する。

第４図を参照して、本発明のカプセルは金属管１０内に
蓄熱材１１を封入し、管１０の中心にヒートパイプ１２
を挿通して設ける。

ヒートパイプ１２の放熱端１２□及び吸熱端１２２の下
方の一部はそれぞれカプセルの外側まで突出している。

吸熱端１２゜の上方の一部はカプセルの内側に位置され
る。

ヒートパイプ１２内には作業媒体１３が封入されている
。

このように構成されたカプセルを第１図に示すように複
数側方いに離して熱交換器のケーシング内に設けるもの
である。

ここで、カプセルを構成する材料は熱伝導性の良い材料
であれば良く、金属に限定されない。

上記の如く構成された本発明の入力モード及び出力モー
ドについて第５図の（イ）、（ロ）を参照して説明する
。

（イ）を参照して、入力モードにおいては、Ｒ１の如く
管１０から直接蓄熱材１１へ熱が与えられると同時に、
Ｒ２の如くヒートパイプ１２の吸熱端１２□へも熱が与
えられる。

Ｒ２は作動媒体１３を加熱し、Ｒ３の如く蒸発する。

蒸発した蒸気はＲ４の如く、熱を蓄熱材１１に放出して
凝縮する。

ヒートパイプ１２の内壁に凝縮した凝縮媒体はＲ５の如
く流下する。

上記作用において、Ｒ３−Ｒ４によって大量の熱が輸送
されるため、金属板９を利用した熱伝導による熱輸送と
比べてカプセル内の蓄熱が著しく早くなる。

次に（ロ）を参照して出力モードについて説明する。

蓄熱材１１に蓄えられた熱の内、管１０に接している部
分の熱はＳｌの如く放熱される。

又、ヒートパイプ１２の放熱端１２、からＳ２の如く熱
がうばわれ、放熱端１２□が冷却される。

すると、圧力が減じて作動媒体１３で蒸発が生じ、蒸気
が８３の如く凝縮して熱を放出する。

凝縮した作動媒体はヒートパイプ１２の内壁にそって流
下し、蓄熱材１１から８４の如く熱をうばって蒸発する
。

上記の如く、出力モードでは５４−８３−８２の如く大
量に熱が輸送され、カプセル内部が急速に冷却されるも
のとなる。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によると、カプセル内部を
ヒートパイプにより急速に加熱又は冷却することができ
るので、熱交換時間を大幅に短縮することができる。

又、ヒートパイプによる輸送は熱交換率をも向上させる
ことができ、廃熱利用度が高くなる。

尚、上述は本発明の一実施例であり、本発明はカプセル
内に複数本のヒートパイプを設けることができる。

又、熱授受量を増大させる方策としてヒートパイプにフ
ィンを設けることもできる。

この場合１、フィンは放熱端又は吸熱端の他に、蓄熱材
中に伸びるように取り付けることもできる。

さらに、カプセルの形状は図示の実施例に限定されるも
のではない。

【図面の簡単な説明】

第１図はカプセル型蓄熱器の概略図、第２図は従来のカ
プセルの一例を示す断面図、第３図は従来の他のカプセ
ルを示す断面図、第４図は本発明の一実施例を示す斜視
図面、第５図は（イ）、（ロ）は本発明のカプセルの作
用を説明する図である。 １０：管、１１：蓄熱材、１２：ヒートパイプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 蓄熱材を封入した熱伝導性の良い材料からなるカプ
   セル中にヒートパイプを設け、該ヒートパイプの放熱端
   をカプセルの外側に位置させ、吸熱端は一部をカプセル
   内に、他部をカプセルの外側に位置させ、該カプセルを
   熱交換器のケーシング内に複数側方いに離して設けてな
   るカプセル型蓄熱器。