JPS5950333B2 - 外科手術用縫合材料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプラスチック七ノフィラメントより成る外科手
術用の縫合材料に関する。

外科手術用の縫合材料には１連の種々の物質が使用され
、これら物質がこれから製造された縫合材料にその特徴
ある用法を与える。

１方で、クロムガツト、ヨードガツト、プレーンガツト
のような吸収性の縫合材料、および他方で、リネン糸、
コツトン糸、絹、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレ
フィン、ポリグリコール酸、タンタルまたはスチールよ
り成る非吸収性の縫合材料が公知である。

例えば絹より成る縫合材料の抜群の特性は、その大きＱ
弓１張り強さ、柔軟性、良好な結素性および非吸収性で
ある。

欠点は、結果として人体組織の拒絶反応を生じる爆心作
用、組織中での縫合材料の分解およびそれに伴なう組織
の強度低減である。

リネン糸は、絹と類似の欠点および利点を有するが、価
格の低いことにより極めて久しくその地位を維持するこ
とができた。

種々の縫合材料およびその利点および次点並びにその用
法に関する概要は、例えば、ノツケマン著「外科縫合Ｊ
（Ｐ、 Ｆ、 Ｎｏｃｋｅｍａｎｎ″ＤｉｅＣｈｉ
ｒｕｒｇｉｓｃｈｅ Ｎａｈｔ、”ゲオルク・ティー７
・フエルラーク・シュツットガルト・ニューヨーク（Ｇ
ｅｏｒｇ Ｔｈｉｅｍｅ Ｖｅｒｌａｇ
Ｓｔｕｔｔｇａｒｔ、 ＮｅｗＹｏｒｋ） １９８０） プラスチックより成る外科手術用の縫合材料は、それら
の特性が多くの点で天然繊維並びにガツトより成る“縫
合材料を凌ぐ。

最も優れた特性は、その明白に大きい引張り強さである
。

この点で、プラスチック繊維は金属繊維さえも凌いでい
・□る。

この場合、プラスチックより成る繊維は、天然物質より
成る繊維と反対にその強度を組織中でも不変に維持する
。

例えば、ポリアミド系の引張り強さは絹または撚糸のそ
れを３０％上廻る。

ポリエステル糸はさらに大きＱ弓Ｉ張り強さを有する。

糸太さに依存しかつ、縫合材料の結節強度の尺度である
引張り強さとともに、また表面状態、弾性および膨潤性
が結紮信頼性にとって重要である。

さらに、滅菌性および組織相容性が保証されなけれは゛
ならない。

引張り強さの大きいプラスチック糸の場合、その同時の
柔軟性が特別な利点である。

とりわけ、柔軟性は大きい弾性と結び付いている。

合成モノフィラメント縫合材料の場合、大き１／弓１張
り強さと対をなす大きい弾性が著るしい欠点を生じる。

手術にとって、プラスチック糸の大きい弾性が結紮の際
に有害であると実証された。

これは、適当な縫合張力の見積りを困難ならしめるにす
ぎない。

さらに、引締めた際に伸長した糸の切断終端部が結節中
へ逆スリップしかつこうして結節が開かれるという惧れ
がある。

全てのプラスチック糸の場合、このわずかな結紮安定性
が、程度の差はあっても大いに特殊結紮技術を必要とす
る。

弾性伸びのため、糸は、結紮前またはその間に殊に強く
引締められなければならない。

このことは、他方で大きい糸強度により、さらに他の糸
がすでに破断する張力を使用し可能である。

この方法で、結紮に際し挾み込まれた組織が全く容易に
過大な圧力下に圧迫され、その結果組織が損傷される。

従って、プラスチックより成る外科手術用縫合材料の作
業性および伸びの低減を改善するため、またマルチフィ
ラメント糸が開発された。

編組またはマルチフィラメント糸はモノフィラメント糸
よりも柔軟であるが、そのためにまた手術用縫合材料と
して使用した際に組織に対するある種の切断作用を有す
る。

従って大ていの場合、マルチフィラメント糸のこの欠点
となる粗面度が付加的な滑剤を施こすことにより阻止さ
れる。

本発明の根底をなす課題は、わずかな伸び率およびそれ
とともに改善された作業性を有する、プラスチックより
成るモノフィラメントの外科手術用縫合材料を得ること
である。

この課題が本発明により解決される。

本発明は、外科手術用の縫合材料において、ポリ弗化ビ
ニリデン（ＰＶＤＦ）より成る延伸プラスチックフィラ
メントを使用することである。

本発明によりＰＶＤＦより成るモノフィラメント糸は太
きり弓！張り強さおよび柔軟性を有するが、但し公知の
プラスチックモノフィラメントと比べわずかな弾性およ
びそれとともにわずかな伸び率を有する。

これら特性の組合せが、手術用縫合材料としての作業性
を改善する。

さらに、このようなＰＶＤＦより成るモノフィラメント
糸は、例えばポリプロピレンより成る材料と比べ低減さ
れた裂開性により優れている。

従って、本発明による糸は作業性および結節安定性が優
れている。

他の材料と区別するため、これは適当な着色剤で着色さ
れてもよい。

糸太さは、有利に０．０７〜０、５ｍｍである。

一般にこの材料は、その強度が、結晶化度を調節するこ
とにより、例えばモノフィラメント押出後の冷却条件に
より最適化されることができる。

結紮せる糸の結節引張り強さおよび引張り伸び率は、延
伸率の関数として得られかつ相応に調節されることがで
きる。

有利に、本発明による縫合材料としてのモノフィラメン
トは、１：３〜１：８有利に１：４〜１：６の比の軸方
向延伸率を有する。

重要なのは、明白にモノフィラメントの太さに依存する
引張り強さないしは結節引張り強さが、縫合材料に課せ
られ、その場合２倍〜３倍に維持された条件を満たすこ
とである。

本発明によるモノフィラメントの場合、結節引張り伸び
率が８〜２０％有利に８〜１８％であるにすぎない。

従ってこの伸び率は、縫合材料用のポリオレフィンまた
はポリアミドより成る比較可能なモノフィラメントより
も平均値で５０％下廻る。

さらに検査試験の結果、ＰＶＤＦモノフィラメントが極
めて良好な組織相容性を有しかつ炎症を生じないと判明
した。

以下に、本発明を図面および付表につき詳説する。

第１図において、ＰＶＤＦモノフィラメント１０を結紮
状態で示す。

このＰＶＤＦモノフィラメントは、極めて大きい引張り
強さ、結節引張り強さ、耐スリップ性、相対的にわずか
な引張り伸び、極めて大きい柔軟性および平滑な表面を
有し、裂開せずかつ良好な直径安定性を有する。

以下の第１表および第２表に、種々の太さの本発明によ
るＰＶＤＦモノフィラメントおよび普通市販のポリプロ
ピレン（ｐｐ）モノフィラメントの結節引張り強さ、引
張り強さおよび引張り伸び率の測定値をまとめた。

ＰＶＤＦの手術用縫合材料としての使用に関する全ての
値で、ＰＰと比べ明白な改善が認められる。

またさらに第２表に、手術用縫合材料の結節引張り強さ
の目標値をまとめた。

第２図は、モノフィラメントの引張り強さを太さとの関
連において示す図表である。

この場合、曲線１はＰＶＤＦモノフィラメントの引張り
強さ、曲線１ａはＰＶＤＦモノフィラメントの結節引張
り強さ、曲線２はＰＰモノフィラメントの引張り強さお
よび曲線３は結節引張り強さの目標値を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による縫合材料の結節構造の１実施例を
略示する平面図、第２図は本発明による縫合材料の引張
り強さをポリプレンモノフィラメントと比較し、太さと
の関連において示す図表である。 １０・・・・・・ＰＶＤＦモノフィラメント。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラスチックより成る延伸モノフィラメントより成
   る縫合材料において、プラスチックがポリ弗化ビニリデ
   ンであることを特徴とする外科手術用縫合材料。 ２１：３〜１：６の比で延伸されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の外科手術用縫合材料。 ３ 結節引張り伸び率８〜２０％、有利に８〜１８％を
   有することを特徴とする特許請求の範囲第１項または第
   ２項のいずれかに記載の外科手術用縫合材料。