JPS5950038B2 - 熱交換器の管孔のプラグ方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、管板の管孔が管の役目をしている熱交換器の
管孔をプラグする方法に関し、特に一次側からの外圧に
充分耐えることのできるプラグ方法に関する。

一般に、第１図に示すような管板１の管孔１′が管の役
目をしている熱交換器においては、管孔１′をプラグす
る場合、プラグ溶接継手が突合せ継手で、かつ溶接部が
プラグ溶接側（すなわち一次側）からの高圧力に耐える
ものでなければならない。

本発明は、これらを満足することのできる管孔のプラグ
溶接施工法を提供するものである。

すなわち本発明は、管板の管孔が管の役目をし□ている
熱交換器の管孔をプラグするに際して、管板に管孔より
幾分大きな径となる適宜厚さの突合せ開先部を形成し、
その開先部裏面に更に該開先部より幾分大きな切込み部
を形成し、該切込み部から管孔まで緩かなテーパを形成
し、一方、プラグは上記管板の加工形状に対応した形状
で、管板の上記テーパ部にプラグのテーパ部が密着した
時開先部も一致するような形状に形成し、該プラグを前
記管板開先部に挿入し溶接することを特徴とする熱交換
器の管孔のプラグ方法に関するものである。

第２図は、本発明方法における管板の加工形状を説明す
るため図である。

第２図Ａにおいて、管板１に、管孔１′の径Ｄ４より大
きな径り。

どなる開先部（すなわち突合せ継手部）を、管板１表面
と同じ高さく以下、面一と称す）に加工する。

該開先部において、開先ルート部の厚さＴは設計条件に
よって定まるが、通常は数ｍｍ程度である。

この開先部裏面には、第２図Ａのａ部拡大図である第２
図Ｂに示す数ｍｍの平行部χと曲率γを有するように、
該開先部の径Ｄｏより幾分大きな径Ｄ１となる切込み部
を加工する。

そして該切込み部から管孔１′の管板１表面からＨ（こ
れはプラグの厚さ分）だけ下の位置まで角度θの緩かな
テーパを加工する。

第３図は、本発明方法におけるプラグの形状を説明する
ための図で゛ある。

第３図中、第２図と同一符号は第２図と同義である。

第３図Ａにおいて、プラグ２の突合せ開先部は、上記管
板１の開先部に合するような寸法（径り。

、ルート部厚さＴ）精度で加工する。なお、この開先ル
ート部は開先合せの点から溶接上問題ない程度でテーパ
状にしてもよい。

また、開先部裏面には、第３図Ａのｂ部拡大図である第
３図Ｂに示す数ｎ１ｍの平行部χ′と曲率γ′を有する
ように、ｎｌの大きさの切込み部を加工し、更に開先部
径り。

より数ｍｍ小さい径Ｄ２の位置で前記管板１のテーパ部
に密着するように平行部ｙと、角度θのテーパをプラグ
底部まで加工する。

なお、該プラグ底部の径Ｄ３は、管孔１′の径Ｄ４より
若干率さい。

第４図は、この形状のプラグ２を上記のように加工した
管板１にさし込んだ状態を示す図で、両者のテーパ部が
密着して嵌合し、この時両者の開先部も一致する。

この状態で管板１表面側からプラグ溶接を施工してもよ
いのであるが、開先隙間の裕度を高めるために、プラグ
２に次のような加工をすることもできる。

すなわち、第３図において、プラグ２の開先部の面上周
縁に幅ｍ、厚さｔの突起物を加工する。

該突起物は、溶加材の役目をして裏波ビードが形成した
量だけ表面側が凹型になるのを防ぎ、開先面を面一に保
持することができる。

また、プラグ２のテーパ部に溝Ｅを加工する。

該溝Ｅは、通気を良好とし、開先裏面の空気あるいは雰
囲気ガスが溶接熱で膨張して内圧上昇するのを防ぐこと
ができる。

なお、第３，４図中、Ｆはプラグ２取付用の掴み部で、
図示するように突起状に設けるか、あるいは溝状に設け
る。

第５図は、以上のようにして管板１、プラグ２を加工し
、両者を嵌合させ、溶接３して得られたもので゛ある。

第５図から明らかなように、管板１と、プラグ２は溶接
金属３でシールされ、また両者のテーパ部によって一次
側からの外圧Ｐに充分耐えることができる。

ところで゛、本発明方法において、第２図Ｂ、第３図Ｂ
に示すように、管板１、プラグ２の開先部裏面に切込み
部を加工するに際して、数ｍｍの平行部χ、χ′を設け
るのは、例えば第６図Ａ、 Ｂに示すような形状の切込
み部を加工すると、開先部の厚さＴが同一の場合、本発
明方法の第６図Ｃに比し、第６図Ａ、 Ｂ図中■部の
厚さ分だけ余分な量を溶かすに必要な火熱を要するので
、これを節減するためである。

また、第３図Ｂに示すように、プラグ２の切込み部の下
に平行部ｙを設けるのは、溶接トーチ側の表面状態が同
一の場合、裏面に美麗な裏波ビートを形成し易くするた
めである。

以上説明した本発明方法によれば、管板に管孔より幾分
大きな径で面一に突合せ継手開先部を加工し、該突合せ
継手開先部裏面に数ｍｍの平行部を加工し、該平行部は
適度の曲率でＵターンさせそのままテーパ状に加工し、
一方プラグもこの管板の加工形状に対応した形状に加工
するため、管板とプラグは、溶接継手形状が突合せタイ
プで完全連込みが得られ、管板側のテーパにプラグのテ
ーパが密着し、外圧に充分耐えることができる等の効果
を奏することができる。

なお、本発明方法は、原子力発電プラント用等の熱交換
器に有効に適用することかで゛きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法に適用する管板の形状を説明するた
めの図、第２図Ａ、 Ｂは本発明方法による管板の加工
形状を説明するための図、第３図Ａ、 Ｂは本発明方
法によるプラグの形状を説明するための図、第４図は第
２，３図に示す管板とプラグを嵌合させた状態を示す図
、第５図は本発明方法で得られた態様を示す図、第６図
Ａ、 Ｃは本発明方法の一つの効果を説明するための図
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 管板の管孔が管の役目をしている熱交換器の管孔を
   プラグするに際して、管板に管孔より幾分大きな径とな
   る適宜厚さの突合せ開先部を形成し、その開先部裏面に
   更に該開先部より幾分大きな切込み部を形成し、該切込
   み部から管孔まで緩かなテーパを形成し、一方、プラグ
   は上記管板の加工形状に対応した形状で、管板の上記テ
   ーパ部にプラグのテーパ部が密着した時間先部も一致す
   るような形状に形成し、該プラグを前記管板開先部に挿
   入し溶接することを特徴とする熱交換器の管孔のプラグ
   方法。