JPS5949976B2 - 合成樹脂製スペ−サの製法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂製スペーサに関するものであり、殊に
鉄筋コンクリート製品の製作に際して鉄筋を定置配設す
るために使用され、最終的には鉄筋コンクリート製品内
に埋設される合成樹脂製スペーサに関する。

この種のスペーサであってスペーサ本体の内部に発泡空
隙を有している合成樹脂製スペーサは、鉄筋コンクリー
トが高温に曝される場合に生じる合成樹脂製スペーサの
熱膨張が内部空隙に吸収され、従ってその膨張圧がコン
クリート層のひび割れ、延いては破壊をもたらさないと
謂う利点を有していることが判明した。

しかしながら、内部に発泡空隙を有しているこの合成樹
脂製スペーサはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン等の熱可塑性合成樹脂を樹脂原料として製作され
ているために、鉄筋コンクリートが加熱されスペーサの
温度が１２５℃程度になると軟化し合成樹脂製スペーサ
自体の強度が低下して鉄筋を挾持する力が弱化し、従っ
てこのような軟化合成樹脂製スペーサの埋設されている
鉄筋コンクリートの強度を自から低下させると謂う欠点
を有している。

従って、本発明の目的は、上記の欠点に鑑みて耐熱性に
優れた合成樹脂製スペーサを提供することにある。

本発明によれば、この目的は、発泡による内部空隙を有
し且つ放射線照射による架橋構造を分子鎖間に有してい
ることを特徴とする、合成樹脂製スペーサにより達成さ
れる。

本発明による合成樹脂製スペーサとしては内部空隙とし
ての空隙率が約４０％であるのが有利である。

何故ならば、これによって材料の節減を図りつつ熱膨張
吸収能を充分なレベルに保ち得るからである。

本発明による合成樹脂製スペーサを製作するだめの原料
として熱可塑性合成樹脂、発泡剤及び流動パラフィンが
使用される。

熱可塑性合成樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等が使用され、発泡剤としてはアゾジ
カルボンアミド等の化学的発泡剤や１．２−ジクロロテ
トラフルオロエタン等の物理的発泡剤等が使用される。

流動パラフィンは合成樹脂の付着率を高めるために用い
られる。

空隙率を既述のように約４０係になすには合成樹脂と発
泡剤と流動パラフィンの配合量を重量比で約１０００：
１０：ｌとするのが適当である。

添加配合された諸原料は混練され常法により発泡成形に
付されるが、成形完了時に急冷すれば成形体の外面は平
滑を呈し、又徐冷すれば成形体の外面は粗面を呈する。

本発明による合成樹脂製スペーサは、このようにして得
られたスペーサ成形体に放射線を照射して合成樹脂の分
子鎖間を架橋することにより製作される。

放射線としては中性子線、α線、β線、γ線、Ｘ線、紫
外線、陽子線、重陽子線等であり、照射条件は空気中又
は窒素ガス雰囲気下で約３〜５時間である。

以下に製造例及び耐熱実験例を示す。

製造例 １ 粉末状の中低圧ポリプロピレン１００ ｆに発泡剤とし
てアゾジカルボンアミド１．０Ｏｆ及び流動パラフィン
ｏ、ｉを加えて練合した後、射出成形機で発泡成形し、
可及的速やかに冷却固化させた。

その後冷却固化したスペーサ本体の表面に空気中で３
Ｍ ｅ Ｖのγ線を５時間にわたって照射し、約４０係
の空隙率を有する耐熱化された合成樹脂製スペーサを得
た。

製造例 ２ 製造例１と同じ方法で射出成形し、冷却固化されたスペ
ーサ本体の表面に窒素ガス気流下で５ＭｅＶのγ線を３
時間にわたって照射し、約４０％の空隙率を有する耐熱
化された合成樹脂製スペーサを得た。

実験例 製造例１及び２により製造された合成樹脂製スペーサ及
びその対照体としての放射線未照射の合成樹脂製スペー
サをオーブンにより１２５℃で２時間及び１８０℃で２
時間加熱したところ下記表に示される通りの結果が得ら
れた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発泡による内部空隙を有し且つ放射線照射による架
   橋構造を分子鎖間に有していることを特徴とする、合成
   樹脂製スペーサ。 ２ 空隙率が約４０％であることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載の合成樹脂製スペーサ。