JPS5947742B2 - 杼無し織機の緯糸保持部材を駆動する歯車用の作動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、杼無し織機におけるグリッパベルトまたは類
似のものによって案内される緯糸保持部材の駆動歯車用
の作動装置であって、前記駆動歯車がスリップしない引
張部材伝動装置の歯付きベルトを介してクランク駆動装
置と作用結合されており、該クランク駆動装置が、歯付
きベルトと運動結合されかつ直線案内される往復台を、
往復動せしめる形式のものに関する。

このような形式の作動装置は、例えば所謂ベルトグリッ
パ織機において、杼口内へ交互に緯糸入れをするため、
もしくは１つのグリッパから別のグリッパへ糸を引渡す
ため、グリッパベルトに必要な往復運動を与えるために
必要である。

この場合、駆動機構がグリッパベルトと共に、前後運動
するスレー上に設けられている。

前記機能に適した作動装置が、ドイツ連邦共和国特許第
２６３７８１９号明細書により公知であり、この場合ク
ランク駆動装置は、駆動歯車と同軸的にかつ該駆動歯車
と固定結合された駆動ベルト車に支承された揺動レバー
を作動し、該揺動レバーはその自由端部にベルト車に巻
掛けられた歯付きベルトの各ベルト区分用の各１つの変
向ローラを支持しており、この場合ベルト区分の端部は
それぞれ織機フレームｔこおける定置の係止部内に保持
されている。

雑誌「Ｍｅ Ｉ ｌ ｉ ａｎｄ繊維報告Ｊ６−１９７
７年、４６９ページおよび次ページ以下、ならびにドイ
ツ連邦共和国特許第２６２８４０２号明細書から前記形
式の作動装置が公知であり、この場合、駆動歯車の駆動
車に巻掛けられた歯付きベルトの各ベルト区分用の各１
つの変向ローラを備えた直線案内される滑りシューが、
クランク駆動装置によって作動せしめられ、前記滑りシ
ューと駆動ベルト車との間の各ベルト区分は、滑りシュ
ーの運動軌道の延長部内に配置された各１つの変向ロー
ラを介して案内され、かつベルト区分端部はやはりそれ
ぞれ、織機フレームにおける定置の係止部内に保持され
ている。

前記公知の作動装置は、緯糸入れ部材の運動法則が制御
不能であるという欠点を有している。

なぜならば、その都度引張力で負荷されるベルト区分が
かなりの長さを有しており、したがって著しく伸長しや
すいからである。

特に、緯糸入れ部材の死点位置が、織機の毎分回転数を
関数として変化することがある。

なぜならば、引張力ひいてはベルト伸長が公知のように
毎分回転数の二乗で変化するからである。

これにより、両側から杼口内へ進入する各１つ緯糸入れ
部材を有しかつ１つの緯糸入れ部材から他の緯糸入れ部
材へ緯糸を引渡すような織機の場合、著しい困難が生じ
る。

なせならば、グリッパヘッドの相互嵌合が、対向する進
入深さに関して、ならびに正確な糸引渡しのための相対
速度に関して、重要であるからである。

さらに緯糸入れ部材駆動装置を種々異なる織物幅に適合
せしめることは、ベルト駆動装置およびベルト端部の係
止点における面倒な後調整作業によってのみ可能であり
、緯糸引渡しならびにベルト緊張のため、杼口内の緯入
れ部材の正確な死点位置を保持することが望まれる。

さらに、前記ドイツ連邦共和国特許第２６３’７８１９
号明細書に記載の装置において、変向ローラを支持する
揺動レバーの揺動運動の経過中、前述のベルト緊張が変
化する。

なぜならば変向ローラの円形運動軌道が、変向ローラと
係止点との間のベルト部分の全長をコンスタントに維持
するため、変向ローラが描かなければならない、焦点と
して係止点を有する楕円形状から著しく偏倚するからで
ある。

したがって本発明の課題は、公知装置の欠点が取除かれ
ており、比較的簡単な構造を有していて、かつ比較的長
く使用した場合にも、常に正確に規定された死点位置を
保証し、しかも異なる織物幅ρこ簡単かつ確実に適合す
るような、初めに述べた形式の作動装置を提供すること
にある。

この課題を解決するために本発明によれば、引張部材伝
動装置の歯付きベルトがエンドレスの形状で、駆動歯車
に相対回動不能に配置された駆動円板ならびに該駆動円
板から離間した張り円板に巻掛けられており、この場合
歯付きベルトの少なくとも一方のベルト区分が該ベルト
区分と固定結合された往復台の案内と平行に延びており
、前記ベルト区分の長さが緯糸保持部材の杼口内への最
大進入深さを規定する往復台の反転点の最大間隔に相応
しており、該往復台の反転点の前記間隔が、クランク伝
動装置における長さ変化によって調節可能であるように
した。

この場合、本発明による作動装置の有利な構成によれば
、引張部材伝動装置が、織機のスレーとスレー脚部の形
状で結合可能であってかつ往復台の側が開いたボックス
内に位置しており、該ボツクスの側壁が往復台の案内を
形成している。

異なる織物幅に装置を簡単かつ迅速に適合せしめるため
、有利な構成によれば、クランク伝動装置のクランク棒
が、長さ調節可能な中間棒を介して、往復台と結合され
ており、さらに、往復台の行程長さを変えるために、ク
ランク棒のクランク駆動車と共に偏心的に回転する支承
ピンが、クランク駆動車に、半径方向で調節可能に支持
されている。

本発明による作動装置のさらに有利な実施例によれば、
クランク棒と中間棒との間のヒンジ継手に付加的に、往
復台にかかるクランク棒の有効側方力を軽減しかつ中間
棒の運動軌道を規定する揺動レバーが支持されており、
該揺動レバーの他端部が機械フレームに枢支されている
。

このような構成により、往復台の反転点ひいては当該緯
糸保持部材の杼口内への進入深さを正確に規定し、かつ
コンスタントに保つことができる。

なぜならば、伝達機構における長さ変化を有効ならしめ
ることなしに、往復台がその規定された行程運動を直接
伝達機構を介してベルト車に伝達するからであり、前記
長さ変化は張り円板が補償する。

さらに本発明による構成は、緯糸保持部材の最大進入深
さにおいて、往復台の反転点を駆動歯車に接近せしめる
ことを可能にし、この結果、生じる反転力に基づく伝達
機構に２ける伸長を無視することができる。

さらに、往復台の行程ひいては当該緯糸保持部材の杼口
内への進入深さが、中間棒の長さ変化およびクランク棒
における支承ピンの半径方向摺動によって、簡単かつ迅
速に調節可能である。

さらに、本発明の作動装置の簡単な構成により、従来の
織機に取付は可能である。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

上糸３と下糸４とから成る杼口により略示された杼無し
織機におけるグリッパニードル２用の駆動歯車１のため
の作動装置はボックス５を有しており、該ボックスはス
レー脚部の形状で織機の図示されていないスレーと固定
結合されている。

この場合、前記装置全体はスレーと共に、樋口−への緯
入れもしくは織り前での筬打ちのため前後に揺動し、こ
のことは公知であるので、ここでは詳説しない。

ボックス５は杼口近くの端部において支承ヘッド６に移
行しており、該支承ヘッド内には駆動歯車１が図示され
ていない公知の支承部材を介して回転可能に支持されて
いる。

ボックス５は、織機の外側、に向かって開いたＵ字形の
輪郭を有してＦ向きに延びており、この場合前記ボック
ス５の内室には、歯付きベルト７と駆動円板８と張り円
板９とを有する引張部材伝動装置が収納さ；ｉ ’ｒい
る。

この場合、駆動円板８は相対回動不能に駆動歯車１の軸
１０上に、かつ張り円板９はボックス５の下端部に自由
回転可能にそれぞれ支承されている。

このような支承部は、公知の部材により得ることができ
、かつ歯付きベルト７を張るための手により操作可能な
または自動的な後調整部材を有している。

この場合前述のような配置形式は公知であるので、詳細
な図面および説明は省略する。

特に第２図から明らかなように、歯付きベルト７の一方
のベルト区分は、ボックス５における側壁ｌＬ１２の上
縁部近くにかつ該側壁に平行に延びている。

この場合側壁１１，１２は同時に往復台１３用のレール
ガイドを形成しており、前記往復台は歯付きベルト７と
固定的に緊締されている。

したがって往復台１３の図面における上下運動により、
駆動歯車１は周期運動し、この際にグリッパニードル２
が杼口内に進入もしくはこれから進出するように運動す
る。

この場合明らかなように、ベルト車８と９との間の距離
すなわち歯付きベルト７のベルト区分の長さが、往復台
の最も外側の反転点を規定し、かつ緯糸保持部材の杼口
内への緯入れ深さの値を決定する。

この場合さらに言及すれば、ボックスの形状、往復台１
３の構成およびそのガイド部材は異なる形式で実施可能
であり、例えばボックスが閉じられていて、かつ往復台
との結合が外側から縦方向スリットにより行なわれてい
る。

さらに例えば、往復台はガイド棒に沿って往復走行可能
である。

グリッパニードル２の往復運動もしくはこのために必要
な往復台１３の上下運動は、クランク駆動装置によって
行なわれ、該クランク駆動装置はまず第一にクランク駆
動車２１を有しており、該クランク駆動車は通常の形式
でフレーム部分２０に回転可能に支持されていて、かつ
やはり通常の形式で図示されていない機械主軸により、
一点鎖線で示すようにベルト２２により駆動されている
。

前記クランク駆動車２１によって、クランク棒２４用の
支承ピン２３が偏心的に回転する。

既述の行程変化のため支承ピン２３を半径方向で摺動可
能にするため、クランク駆動車２１の端面が直径方向の
溝２５を有しており、この直径方向溝内に、支承ピン２
３を支持する摺動可能なキャリッジ部分２６が嵌め込ま
れている。

この場合キャリッジ部分２６のクランク駆動車２１にお
ける固定は、長手方向スリット２７を貫通するねじ２８
（１個のみ図示）によって行なわれる。

さらに第１図および第２図から判るように、クランク棒
２４の自由端部は、長さ調節可能な中間棒３０を介して
、往復台１３と結合されている。

このため、中間棒３０の第１部分３１とクランク棒２４
との間には、ヒンジピン３２を有する適当なヒンジ継手
が設けられている。

さらに、第２部分３３の自由端部は回転可能に、往復台
１３から突出したピン３４上に嵌め込まれている。

中間棒３０の両部会３１および３３は、既述の長さ変化
のため互いなこ内外に嵌合可能に構成されていて、かつ
第１図および第２図において一点鎖線で示すねじ３５に
より取外し可能に結合されている。

この場合もまた、前記中間棒３０が図示の構成とは異な
る構成を有していることができ、例えば中間棒の長さ変
化をスリーブ部材またはスピンドル部材を用いて行なう
ことも可能である。

さらに第１図および第２図から明らかなように、クラン
ク棒２４と中間棒３０との間のヒンジピン３２には、付
加的に揺動レバー４０が支持されており、該揺動レバー
の他端部はボルト４１を介して機械フレーム部分２０に
枢支されている。

前記揺動レバー４０は、往復台１３においてクランク棒
２４の有効側方力の負荷を軽減し、かつ中間棒３０の運
動軌道を規定する。

第１図、第２図および第３図から判るように、前述の作
動装置はきわめて簡単かつ頑丈な構造を有し、この場合
、第２図に示す往復台１３の両極位置間で実際上変化し
ない正確な行程運動が生ぜしめられ、かつ最も外側の両
極位置間で、変化する織物幅に行程長さを常に適合せし
めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は杼無しグリッパ織機のスレーにおける本発明の
作動装置を示す略示側面図、第２図は第１図の１−１線
に沿った部分断面図、および第３図は２−２線に沿った
部分略示断面図である。 １・・・・・・駆動歯車、２・・・・・・グリッパニー
ドル、３・・・・・・上糸、４・・・・・・下糸、５・
・・・・・ボックス、６・・・・・・支承ヘッド、７・
・・・・・歯付きベルト、８・・・・・・駆動円板、９
・・・・・・張り円板、１０・・・・・・軸、１１，１
２・・・・・・側壁、１３・・・・・・往復台、２０・
・・・・・フレーム部分、２１・・・・・・クランク駆
動車、２２・・・・・・ベルト、２３・・・・・・支承
ピン、２４・・・・・・クランク棒、２５・・・・・・
溝、２６・・・・・・キャリッジ部分、２７・・・・・
・スリット、２８．３５・・・・・・ねじ、３０・・・
・・・中間棒、３１・・・・・・第１部分、３２・・・
・・・ヒンジピン、３３・・・・・・第２部分、３４・
・・・・・ピン、４０・・・・・・揺動レバー、４１・
・・・・・ボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 杼無し織機におけるグリッパベルトまたは類似のも
   のによって案内される緯糸保持部材の駆動歯車用の作動
   装置であって、前記駆動歯車がスリップしない引張部材
   伝動装置の歯付きベルトを介してクランク駆動装置と作
   用結合されており、該クランク駆動装置が、歯付きベル
   トと運動結合されかつ直線案内される往復台を、往復動
   せしめる形式のものにおいて、前記引張部材伝動装置の
   歯付きベルト７がエンドレスの形状で、駆動歯車１に相
   対回動不能に配置された。 駆動円板８ならびに該駆動円板８から離間した張り円板
   ９に巻掛けられており、この場合、歯付きベルト７の少
   なくとも一方のベルト区分が、該ベルト区分と固定結合
   された往復台１３の案内１１，１２と平行に延びており
   、前記ベルト区分の長さが、緯糸保持部材の杼口内への
   最大進入深さを規定する往復台１３の反転点の最大間隔
   に相応しており、該往復台１３の反転点の前記間隔が、
   クランク伝動装置２１〜２８における長さ変化によって
   調節可能であることを特徴とする杼無し織機の緯糸保持
   部材を駆動する歯車用の作動装置。 ２ 前記引張部材伝動装置７，８．９が、織機のスレー
   とスレー脚部の形状で結合可能であってかつ往復台１３
   の側が開いたボックス５内に位置しており、該ボックス
   の側壁１１および１２が往復台１３の案内を形成しでい
   る特許請求の範囲第１項記載の作動装置。 ３ クランク伝動装置２１〜２８のクランク棒２４が、
   長さ調節可能な中間棒３０を介して、往復台１３と結合
   されている特許請求の範囲第１項記載の作動装置。 ４ 往復台１３の行程長さを変えるために、クランク棒
   ２４のクランク駆動車２１と共に偏心的に回転する支承
   ピン２３が、クランク駆動車２１に、半径方向で調節可
   能に支持されている特許請求の範囲第３項記載の作動装
   置。 ５ クランク棒２４と中間棒３０との間のヒンジ継手３
   ２に付加的に、往復台１３にかかるクランク棒２４の有
   効側方力を軽減しかつ中間棒３０の運動軌道を規定する
   揺動レバー４０が支持されており、該揺動レバーの他端
   部が機械フレーム２０に枢支されている特許請求の範囲
   第３項記載の作動装置。