JPS5947619B2

JPS5947619B2 - 異形断面形状を有する急冷凝固材料の製造方法

Info

Publication number: JPS5947619B2
Application number: JP7077077A
Authority: JP
Inventors: 徹夫新井
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1977-06-15
Filing date: 1977-06-15
Publication date: 1984-11-20
Also published as: JPS544822A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は溶融金属を溝状型を有する回転冷却型ロールと
、それに対になるように凸状型を有する回転冷却型ロー
ルの組合わせからなる一対の冷却ロール（以後回転冷却
型ロールと称す）を用いて、急速に凝固せしめ、製品の
一部あるいは全体に異形断面を有する連続的急冷金属フ
ィラメントを製造する方法に関するものである。

最近繊維強化あるいは積層複合材が進歩しつつあり、そ
の素材の高品質化と安価な提供が強く要望されている。

特に金属は一般に強度、靭性などの面ですぐれた材料で
あるが、繊維または箔状にすることは多くの工程を必要
とし多額の製造費用を必要とする。

たとえば金属のひげ結晶は高い強度を有する理想的な繊
維材料であるが溶液から析出、還元、蒸気の凝集など化
学反応や相変化によって作られるため高価であり、また
量産も困難である。

また金属細線たとえばピアノ線は冷間伸線と中間焼鈍と
をくり返す工程をとるため価格は高い。

また金属箔についても同様である。

そこで、最も安価な製造方法の一つとして期待される手
段として、金属を溶融状態からガス、液体等冷媒中、ま
たは回転ドラム、回転ロール等冷却体を介して直接繊維
または箔状（フィラメント）に凝固させることが考えら
れる。

特に一対のロール間隙に溶融金属をノズルより噴出し、
凝固する方法（以後ロール法と称す）は冷却部（一対の
ロール）の構造が簡単なため多（用いられる方法である
。

そこで溶融すべき材料を選択することにより、凝固材は
非晶質状態となり、（このときの冷却速度は１０５〜１
０７０Ｃ／秒の範囲に入る）、強度耐食性が向上するこ
とが知られている。

ここで非晶質状態とは通常のＸ線回折で結晶に特有な回
折線が得られず、液体状態に類似した・・ローパターン
が得られる状態をいう。

しかしロール法でノズルを使用してフィラメントを製造
すると、急冷凝固時フィラメント巾方向に温度差を生じ
るため、できたフィラメントも山中央部（゛第６図ｄと
端部第６図Ｃでは多少の結晶構造の変化がみられ、特性
、特に靭性に悪影響を与える。

また、非晶質化するため、凝固時の冷却速度を速＜（１
０５〜１０７°Ｃ／秒）する必要から、得られる材料は
厚さが数十μｍと薄く、長さ方向には高強度であるが、
厚さ方向に剛性が小さい。

そこで本発明は上記問題点を解決するために、巾方向中
央部に異形断面（溝形、山形、波形、不規則な凹凸等）
を有する急冷凝固材料（フィラメント）と製造方法を提
供することにある。

第１図は本発明の巾方向中央部に山形凹凸状型１１．１
２を有する回転冷却ロール１．２を油圧シリンダー３、
モーター１０等と組合わせ装置化したものの平面図を示
すもので、回転冷却ロール１．２は高速回転軸受４．４
及びユニバーサルジヨイント６．６を介しさらに、ギヤ
ボックス７、プーリー８、タイミングベルト９を介して
、モーター１０に接続し、高速回転するようになってい
る。

さらにロール２側の高速回転軸受４には、油圧シリンダ
ー３が接続されており、該シリンダーの作用によりロー
ル間隔を調節するようにしである。

５はロール１．２内に冷却水をじゆんかんさせるための
回転継手である。

又１３はロール表面冷却装置である。

第２図は山形凹凸状型つきロールのａ −ａ’断面図を
示す。

図に示すようにロール１．２の中央部は空洞になってお
り、水、ガス等を通しロールを冷却する。

ロール材質は耐熱性、高硬度等が要求されることがら超
硬合金が良好であるが、ステンレス、工具鋼等でもよい
。

第３図、第４図はノズル１４、溶融金属ジュツト流１５
、急冷凝固成形品１６との関係を示し、第７図、第８図
は本法で製造した種々の急冷凝固材料の断面形状１７〜
２０を示す。

一対の平ロールに溶融金属を噴射して、急冷凝固フィラ
メントを製造する場合、溶融金属はノズルより噴射して
、ロールに衝突すると、ロール接線方向に薄く伸ばされ
ると同時に、ロール巾方向にも伸ばされ、急冷凝固され
る。

このとき、直接溶融金属流の衝突するロール表面部分は
温度上昇し、その結果、成形されるフィラメントの中央
部第６図ｄはフィラメント端部第６図Ｃより冷却速度が
遅（、巾方向に不均一な結晶構造、特性（靭性、硬度等
）を有する製品ができる。

（巾中央部はもろい）そこで本発明は直接溶融金属流の衝突するロール表面部
分に、それぞれ溝状型１１と、凸状型１２をつけ、熱伝
導効果をあげ、さらに冷却装置（ガス吹きつけまたは冷
却体を押しつけ抜熱する）第１図１３により冷却するこ
とにより、急冷凝固されるフィラメント第４図１６の巾
方向冷却速度が均一化され、結晶構造、特性の一様な製
品が得られる。

そして本法により製造された急冷凝固フィラメント（非
晶質フィラメント）は平ロールにより製造された急冷凝
固フィラメント第５図とは異なりフィラメント厚さ方向
の剛性が大きくなる。

次に本発明の動作について説明する。

第９図は動作説明図で、溶融材料供給装置２１、急冷凝
固フィラメント回収部２５等を合わせ示しである。

通常回転冷却用型ロール１．２０回転速度は外径５０〜
１００ｆｉφで、コントロールボックス２４により５０
０〜５０００回転／分位に設定しておき、さらに該コン
トロールボックス２４により溶融材料供給装置２１を９
０°回転させノズル１４から溶融金属流をガス調整部２
２からのガスにより回転冷却用型ロール１．２の接線中
央部、あるいは溝状型を有する回転冷却用型ロール１の
方に噴射し、急冷凝固成型されたフィラメントはロール
１．２の下部より飛び出し、回収部２５に補集される。

以下に本発明の特徴を列記する。

（１）溝状、凸状型を有する一対の回転冷却型ロールを
使用するので結晶構造、特性の均一（長さ方向、巾方向
共に）な急冷凝固フィラメントが得られる。

（２）フィラメントの一部または全体に異形断面を有す
ることになり、フィラメント厚さ方向の剛性が太き（、
補合材料素材（スケールコードその他）としての適用範
囲が広くなる。

（３）断面が凹形、−ロー形、山形等のものは内部に破
損しやすい材料を収納、保護するケースとしても使用で
きる。

（４）ロール巾方向に平行な溝をつげることにより、断
続した短いフィラメントの製造もできる。

（５）溶融凝固材料を選択することにより非晶質フィラ
メントの製造ができる。

（６）ノズル形状は丸形からスリットノズルにすればそ
れだけ巾の広い、異形断面形状を有するフィラメントが
できる。

（７）ノズルの数を多くし、それに見合う溝をロール表
面に作っておけば生産能率が上がる。

以上本発明は巾方向の一部または全体に異形断面を有す
る各部にわたって結晶構造、特性の均一な連続、または
断続フィラメントを得ることができる。

実施例それぞれ平滑部ロール直径７０８φで、一方は巾２ｒＩ
ａｎ、深さ１．５ｗｒｒＬ、先端半径１１ＭＬＲの溝を
有する溝状回転冷却型ロールと、他方は巾２１ＭＬ、高
さ１．５問、先端半径１ｍＲの突起を有する、凸状回転
冷却型ロールで、超硬合金ＪＩＳＤ２からなる一対の回
転冷却型ロールで、ロール内部を水冷、ロール表面凹凸
部をガス吹きつげ冷却を行ない、回転速度を２４００
ｒ、ｐ、ｍに設定しておき０．６ｒｒｍＬφの細孔を有
する石英ノズルを使用しＮｉ７５〜ＳｉＢ〜Ｂ□７（原
子％）を１１５０°Ｃで溶融、噴出圧力１．６ｋｇ／Ｃ
ｒｒＬ２で回転冷却型ロール１．２の接線中央部に噴出
、冷却凝固成型した結果、第１２図に示すような形状寸
法の巾中央部に異形断面を有する非晶質フィラメントを
得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の回転冷却型ロールとロール加圧用油圧
シリンダ−、モーター等を組合わせ装置化した説明図、
第２図は回転冷却型ロールのａ−ａ′断面図、第３図、
第４図は溶融金属が回転冷却型ロールによって急冷凝固
成形される状態を示す説明図、第５図は一般的平面ロー
ルで冷却凝固したフィラメントの断面図、第６図は同じ
くフィラメントの平面図、第７図は本発明の回転冷却型
ロールを使用して急冷凝固成形した巾方向の一部に異形
断面を有するフィラメントの断面図、第８図は全体が異
形断面となる形材料の断面図、第９図は回転冷却型ロー
ル、材料溶融供給部、急冷凝固フィラメント回収部等と
合わせ示し、巾方向の一部または全体に異形断面を有す
る連続凝固フィラメントを製造する状態を示す説明図、
第１０図は実施例に使用した溝状型を有する回転冷却型
ロール表面の溝形状を示し、第１１図は同じく凸状型を
有する回転冷却型ロール表面の凸部の形状を示し、第１
２図は実施例で製造されたフィラメントの断面形状を示
す断面図である。１・・・表面円滑方向に一つあるいは複数個の溝状型を
有する回転冷却型ロール、２・・・表面円周方向にロー
ル１と同数の凸状型を有する回転冷却型ロール、３・・
・ロール加圧用シリンダー（油圧、空圧等）、４・・・
高速回転用軸受、５・・・回転継手（ロール内部に冷却
水を給入、排出用）、６・・・ユニバーサルジヨイント
、７・・・ギヤーボックス、８・・・プーリー、９・・
・タイミングベルト、１０・・・モータ、１１・・・ロ
ール円周方向にある溝状型、１２・・・ロール円周方向
にある凸状型、１３・・・ロール表面冷却用装置（ガス
吹きつげ式、熱伝導接触式等）、１４・・・溶融金属噴
出用ノズル（石英、セラミック、カーボン、ＳｉＣ，Ｓ
ｉＮ等）、１５・・・溶融金属流、１６・・・急冷凝固
フィラメント、１７・・・急冷凝固フィラメント断面形
状（巾中央部に山形溝を３つ有する場合）、１８・・・
急冷凝固フィラメント断面形状（巾中央部に台形溝を有
する場合）、１９・・・急冷凝固フィラメント断面形状
（Ｕ状溝形材）、２０・・・急冷凝固フィラメント断面
形状（山形材）、２１・・・溶融材料供給部、２２・・
・ガス調整機構部、２３・・・温度制御部、２４・・・
コントロールボックス、２５・・・急冷凝固フィラメン
ト回収部。

Claims

【特許請求の範囲】

１溶融金属を急冷凝固成形するに際し、ロール表面円
周方向に一つあるいは複数個の溝状型を有する回転冷却
型ロールと、それに対になるようにロール表面に同数の
凸状型を有する回転冷却型ロールの組合わせからなる、
一対の冷却ロールに溶融金属流を衝突させ急冷凝固成形
することを特徴とする、異形断面形状を有する急冷凝固
フィラメントの製造方法。