JPS5947182B2

JPS5947182B2 - 自動車用自動変速機の潤滑油供給機構

Info

Publication number: JPS5947182B2
Application number: JP54081109A
Authority: JP
Inventors: 豊多賀; 邦夫森沢
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1979-06-27
Filing date: 1979-06-27
Publication date: 1984-11-17
Also published as: US4333359A; JPS566955A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、自動車用自動変速機の潤滑油供給機、構に関
するものである。

一般に、エンジンによって駆動されるオイルポンプから
吐出した潤滑油は、自動車の前部に装着さハたオイルク
ーラを経由した後に、トランスミッションケースの最後
部に設められたアウトプットシャフト貫通部からアウト
プットシャフトの軸中心部に、軸線に沿って設けられた
潤滑孔へ供給される。

さらに、この潤滑油は、この潤滑孔に連通した半径方向
の孔を介して、自動変速機の構成要素であるプラネタリ
ギヤ、ベアリング、摩擦材、及びブツシュ等に供給され
、それらの機能を維持するように成っている。

そして、前述のアウトプットシャフト貫通部の内径寸法
とアウトプットシャフトの外径寸法との差、すなわち、
これらの間のクリアランスが大きいとき、これらの間よ
り潤滑油の洩れが生じる。

従って、この洩れ量を少なくするために、トランスミッ
ションケースのアウトプットシャフト貫通部とアウトプ
ットシャフトとの間にオイルシーリングを設けて、これ
らの間を密封することが行なわれている。

しかるに、アウトプットシャフトにオイルシールリング
を装着するだめの環状溝を設ければ、このシャフトの有
効断面積を著しく減少させ、かつ強度を低下させる。

さらに、アウトプットシャフトをトランスミッションケ
ースに組み付ける際に、このオイルシールリングが、す
でにトランスミッションケースに組み付けられている構
成部品のブツシュを傷付けたり、オイルシールリングが
、他の構成部品と干渉して破損するので、アウトプット
シャフトに直接オイルシールリングを装着することは望
ましくない。

上述したことに鑑みて、本発明の目的は、アウトプット
シャフトの強度の低下をきたすことなく。

トランスミッションケースの油路からアウトプットシャ
フトの軸中心部に、軸線に沿って設けられた潤滑孔へ潤
滑油を供給する際の洩れ量を少なくし、かつアウトプッ
トシャフトの組付性をよくすることにある。

よって、本発明の要旨は、アウトプットシャフトの外周
にアウトプットシャフトと一体的に回転するスリーブを
設け、スリーブに設けた孔を介してトランスミッション
ケースの油路とアウトプットシャフトの潤滑孔とを連通
せしめて、トランスミッションケースの油路からの潤滑
油をアウトプットシャフトの潤滑孔へ供給するようにし
た潤滑油供給機構にある。

以下１本発明の一つの実施例を図面に基づいて詳細に説
明する。

第１図は、エンジン縦置式の前輪又は、後輪駆動用自動
変速機で、その要部を断面で示した外観図である。

図において、１は内燃機関で、これの−４Ｋ）ルクコン
バータケース２が装着されている。

また、底部に油圧制御装置を覆うオイルパン３を装着し
たトランスミッションケース４が、トルクコンバータケ
ース２の他端に取り付けられ、エクステンションケース
５が、トランスミッションケース４の他端に取り付けら
れている。

トルクコンバータケース２は、内燃機関１の出力軸に連
結した一般に周知の３要素１段形のトルクコンバータを
その上部に内蔵し、また、内燃機関１の下方部に位置す
る部分に自動車の駆動輪に連結する一般に周知のディフ
ァレンシャルを内蔵する。

トランスミッションケース４Ｕ、）ルクコンバータの出
力軸に連結した駆動歯車をその上部に内蔵し。

下方部分にこの駆動歯車とサイレントチェーンで連結し
た被駆動歯車を内蔵する。

さらに、ケース４は、２つのクラッチ、２つの遊星歯車
機構と、反力要素としての３つのブレーキ装置から成る
自動変速機の要素を内蔵し、これら要素は前述の被駆動
歯車と有機的に作用して、前進３速後進１段を達成する
。

そして、内燃機関１からの動力は、トルクコンバータ、
駆動歯車、サイレントチェーン、被駆動歯車及び自動変
速機の要素を介して。

前述ディファレンシャルのドライブピニオンに連結する
アウトプットシャフト６へ伝達される。

このように説明した自動車用自動変速機の内容は、本件
出願人と同一の出願人の出願にかかる特願昭５０−９５
８８８号（特開昭５２−０１９８６０号）に詳細に開示
されている。

次に、本発明の要部とその周辺を詳細に説明する。

アウトプットシャフト６は、トランスミッションケース
４の最後部に設けられたアウトプットシャフト貫通部８
のアウトプットシャフト貫通孔９を貫通し、一端を前述
したドライブピニオンに連結し、これの他部は、その外
周に形成された外スプライン歯１０に嵌合する内スプラ
イン歯１３を有スる７ランジ１２、及びブツシュ１４を
介してトランスミッションケース４に回転可能に支持さ
れている。

また、アウトプットシャフト６は、フ□ ランジ１２を
介して遊星歯車機構のリングギヤ１１に連結する。

リングギヤ１１は、ピニオンギヤ１５を介してサンギヤ
シャフト１６に形成されたサンギヤ１７に噛合っている
。

このサンギヤシャフト１６は、その軸中心に貫通孔１８
が設けられた空中軸で、その貫通孔１８にアウトプット
シャフト６を貫通せしめている。

また、このサンギヤシャフト１６は、ブツシュ１９を介
してアウトプットシャフト６に回転可能に支持されてい
る。

さらに、スラストニードルベアリング２０は、サンギヤ
シャフト１６の端面とフランジ１２との間に設けられ、
これらの相対回転を容易にしている。

よって、内燃機関１からの動力は、トルクコンバータ、
駆動歯車、サイレントチェーン、被駆動歯車、及びリン
グギヤ１１及びフランジ１２等を含む自動変速機の要素
を介して、アウトプットシャフト６に伝達される。

スリーブ２１は、円筒形をしていて、アウトプットシャ
フト貫通孔９内に位置するアウトプットシャフト６に、
アウトプットシャフトの外径寸法とスリーブ２１の内径
寸法との間に最大５０μの差をもって装着され、ピン２
９で軸方向及び、周方向に動かないようにアウトプット
シャフト６に固定される。

また、スリーブ２１は、その外周面に環状溝２２が設け
られていて、この溝２２は、トランスミッションケース
４に設けられてアウトプットシャフト貫通孔９に開孔す
る油孔７に対向する位置に設けられている。

この環状溝２２の底には、半径方向の油孔２３が設けら
ね、アウトプットシャフト６と係合するスリーブ２１の
内周面に開孔する。

油孔２３は、アウトプットシャフト６の軸中心部に、軸
線に沿って設けられた潤滑孔２４に、アウトプットシャ
フト６の半径方向に伸びた半径方向孔２６を介して連通
ずる。

潤滑孔２４は、アウトプットシャフト６の軸線に沿って
延び、その一端はフロントクラッチが設けられている位
置まで延び、その他端はアウトプットシャフト６の端面
に開孔するが、断面コ字状のプラグ２５によって塞がれ
ている。

そして、潤滑孔２４は、アウトプットシャフト６の半径
方向に延びた半径方向孔３０に連通し、この孔３０はア
ウトプットシャフト６の外周面に開孔する。

これによって、油孔７に供給された潤滑油は、環状溝２
２、油孔２３、半径方向孔２６、潤滑孔２４、及び半径
方向孔３０を介してブツシュ１９、ニードルベアリング
２０へ供給され、ブツシュ１９、及びニードルベアリン
グ２０を潤滑する。

アウトプットシャフト６は、ブツシュ１４の内径寸法と
ブツシュ１４と係合するフランジ外周面外径寸法との誤
差や、フランジ１２の内スプライン歯１３とアウトプッ
トシャフト６の外スプライン歯１０との歯隙、及び自動
変速機の要素の芯ズレ等のために、その軸中心がずれた
りする。

このため、アウトプットシャフト６にスリーブ２１を装
着するとき、スリーブ２１とアウトプットシャフト貫通
孔９が干渉しないように、スリーブ２１の外周面外径寸
法とアウトプットシャフト貫通孔９の内径寸法との公差
は、非常に大きく設定され、これは約０．６ｍ／ｍ設け
られる。

このスリーブ２１とアウトプットシャフト貫通孔９間の
隙間を補なうため、鋳鉄製のオイルシールリング２７が
、トランスミッションケース４とスリーブ２１との間に
設けられている。

この鋳鉄製のオイルシールリング２７は、環状溝２２と
ピン２９との間のスリーブ２１の外周面に形成された環
状溝２８に挿入され、この溝２８の側面とオイルシール
リング２７の側面が係合している。

また、オイルシールリング２７の円筒外周面は、アウト
プットシャフト貫通孔９の内周面（オイルシールリング
当り面）に係合する。

これにより、アウトプットシャフト６の軸中心がずれて
も、スリーブ２１の溝２８に遊嵌されているオイルシー
ルリング２７は溝２８と遊びがあるためアウトプットシ
ャフト６に追従してずれることはなく、スリーブ２１と
アウトプットシャフト貫通孔９との間の隙間から潤滑油
が大量に洩れ、エクステンションケース５内に大量に流
出するのを防いでいる。

トランスミッションケース４Ｋｉ入したブツシュ１４と
アウトプットシャフト貫通孔９は、同時に加工が行なわ
わるため、その内径寸法は同一で。

かつ同軸上にあり、加工工程の簡略イ―及び加工精度の
向上が図られている。

また、スピードメータ用のドライブギヤ３１は、スリー
ブ２１の他端面に係合し、アウトプットシャフト６にボ
ール３２を介して装着され、さらに。

スナップリング３３によって軸方向に移動しないように
固定されている。

以上、詳述したように、本発明によればアウトプットシ
ャフトにオイルシールリングを装着するための環状溝を
設けることが不要になり、アウトプットシャフトの強度
を向上させることができる効果を有する。

また、アウトプットシャフトをトランスミッションケー
スに組み付けた後、アウトプットシャフトの後部からス
リーブとオイルシールリングを一体にしてアウトプット
シャフトに組み付けることができるので、オイルシール
リングによってブツシュを傷付けたり、オイルシールリ
ングが他の構成部品と干渉して破損するのを防ぐことが
できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る一つの実施例であり、エンジン
縦置式の前輪、又は後輪駆動用自動車に適用される自動
車用自動変速機で、その要部を断面で示した外観図であ
る。１・・・内燃ｉ関、２・・・トルクコンバータケース
、４・・・トランスミッションケース、５・・・エクス
テンションケース、６・・・アウトプットシャフト、７
・・・油路、２１・・・スリーブ、２２・・・環状溝、
２３・・・油孔、２４・・・潤滑孔、２７・・・オイル
シールリング、２８・・・環状溝。

Claims

【特許請求の範囲】

１トランスミッションケースの油路からアウトプット
シャフトの軸中心部に軸線に沿って設けられた潤滑孔へ
潤滑油を供給する自動変速機の潤滑油供給において、該
アウトプットシャフトは該アウトプットシャフトの外周
に設けられた外スプライン歯に嵌合する内スプライン歯
を有するフランジを介して該トランスミッションに支持
され、該アウトプットシャフトの外周には該アウトプッ
トシャフトと一体的に回転するスリーブを設け、該スリ
ーブと該トランスミッションケースとの間にオイルシー
ルリンクを設け、該オイルシールリンクは該スリーブに
設けた環状溝に遊嵌され、該スリーブの外径は該トラン
スミッションケースのアウトプットシャフトの貫通孔と
該スリーブとの間に空隙をもたせるために該貫通孔内径
よりも小さくし、該アウトプットシャフトに設けた半径
方向の溝及び該スＩＪ、ブに設けた孔を介してトラン
スミッションケースの油路と該アウトプットシャフトの
潤滑孔とを連通せしめて成る潤滑油供給機構。