JPS5946278B2 - 水分散型被覆用組成物 - Google Patents

水分散型被覆用組成物

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JPS5946278B2
JPS5946278B2 JP6845876A JP6845876A JPS5946278B2 JP S5946278 B2 JPS5946278 B2 JP S5946278B2 JP 6845876 A JP6845876 A JP 6845876A JP 6845876 A JP6845876 A JP 6845876A JP S5946278 B2 JPS5946278 B2 JP S5946278B2
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dispersion
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久男 小川
雅実 田口
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は疎水性ポリエステル樹脂と親水性ポリエステル
樹脂とからなる分散体は主成分とする水分散型被覆用組
成物に関する。
近年、大気汚染防止の観点から、いわゆる溶剤型被覆用
組成物に代わるものとして水系被覆用組成物が注目され
始め、このものへの関心が急速に高まりつつある。
水系被覆用組成物には、大きく分類すると水に溶解する
樹脂をバインダー成分とする、いわゆる水溶性型と、水
に溶解しない樹脂を分散状態にして用いる水分散型の二
つのタイプがある。水溶性型はそのほとんどがカルボキ
シル基および水酸基などの極性基を多く有する樹脂を用
いて、このカルボキシル基を一般の塩基で中和し、水溜
化するという方法で得られている。一方、水分散型は低
分子界面活性剤やポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸塩のような高分子乳化剤などを用いて乳化重合法によ
つて得られる分散体を用いるものがほとんどである。こ
れらのタイプのうち、水溶性型は熱安定性、顔料分散安
定性などの点に優れ、またこれを用いて得られる塗膜に
ついても、光沢、仕上り外観、物理的および化学的性能
などに優れ、従来の溶剤型被覆用組成物にほぼ匹敵する
高い評価を受けている。
しかし反面、極性の強い樹脂を用いるので溶解状態に於
ける粘度が高く、このため塗装に際して多量の水で希釈
しなければならず塗料の固形分が思いのほか低くなるこ
と、および蒸発速度の遅い水が多くなることで、塗装中
に塗料が垂れ易く、所定の膜厚を得るまでに何回も塗装
しなければならないという塗装作業の面に大きな欠点が
ありその改良が望まれている。一方、水分散型は水溶性
型と異なり、粘度が低いにも拘らず固形分が高く、その
うえ粘度と固形分の関係が、固形分の僅かの上昇で粘度
が急激に上昇するという水分散型特有の挙動を示すため
、塗装中あるいは塗装後の短い時間内に起る僅かな塗膜
内の水分の飛散で塗膜粘度が急速に増大するという性質
があつて塗装の際に塗料が垂れ難く、一回の塗装で容易
に厚い塗膜が得られる特長がある。
しかし反面、分散状態にある樹脂粒子や顔料の分散安定
性が劣り、また塗膜としての性能面では親水性の強い界
面活性剤や乳化剤の残留による耐水性の弱さという水分
散型特有の欠点があり、また乳化重合法によつて製造さ
れる関係で、樹脂原料の主たる部分は共重合可能な不飽
和結合を有するモノマー群に限られるため、ポリエステ
ル的な塗膜性能が要求される用途には適さないという制
限もある。以上のように水系被覆用組成物にはどちらの
タイプについてもなお未解決な問題が多く、それぞれに
ついて改良が求められているという状況にある。
本発明者らは各タイプの欠点について鋭意改良研究を進
めるうち、両タイプを特殊な手法で組み合せることによ
つて両タイプの欠点を一挙に解決できることを見出して
本発明を完成するに至つた。
本発明の目的はポリエステル樹脂を独特の分散方法によ
り、水媒体中に水溶性型および水分散型の両方を共存さ
せ、水分散型の欠点である耐水性、熱安定性の悪さを水
溶性型の働き?枚良し、また水溶性型の塗装作業面の欠
点を水分散型の働きで改良した有用な水分散型被覆用組
成物を供給することにある。即ち第1の発明は、酸価3
0以下でヒドロキシル価30〜200のポリエステル樹
脂10〜80重量部と、酸価30〜150でヒドロキシ
ル価30〜200のポリエステル樹脂20〜90重量部
とからなる分散体を主成分とする水分散型被覆用組成物
である。
また第2の発明は、酸価30以下でヒドロキシル価30
〜200のポリエステル樹脂10〜80重量部と、酸価
30〜150でヒドロキシル価30〜200のポリエス
テル樹脂20〜90重量部と、アミノプラスト樹脂1〜
50重量部とからなる分散体を主成分とする水分散型被
覆用組成物である。
本発明の水分散型被覆用組成物の特徴は、それぞれ単独
でも有用な被覆用組成物を形成し得る親水性樹脂と疎水
性樹脂が安定に共存すること、組成物の主たる構成要素
がポリエステル樹脂からなることおよびその製造方法の
単純さならびに合理性の3つの点にある。
以下本発明の組成物について説明する。
本発明で用いる酸価30以下でヒドロキシル基30〜2
00のポリエステル樹脂(以下成分Aという)はそのカ
ルボキシル基を塩基により中和しても水に溶解しない通
常のポリエステル樹脂からなり、酸価30以上となると
樹脂の親水性が強くなつて分散体となり難く、たとえ分
散体となつても従米の水溶性ポリエステル樹脂と極めて
近い性質となり本発明の目的に適さない。
また成分Aはカルボキシル基のほかにヒドロキシル基を
有し、そのヒドロキシル価は30〜200の範囲が好ま
しい。ヒドロキシル価が200以上では親水性が強くな
り過ぎて塗膜とした場合に耐水性が低下し適当でない。
また30以下ではポリエステル樹脂の極性が過度に低下
するため、酸価30以上の極性の強いポリエステル樹脂
との相互溶解性に問題があるほかアミノプラスト樹脂と
の架橋点としてのヒドロキシル基が少なすぎて耐候性、
耐アルカリ性、耐油性の良い塗膜が得られないなどの点
から好ましくない。また酸価30〜150でヒドロキシ
ル価30〜200のポリエステル樹脂(以下成分Bとい
う)は成分Aおよびアミノプラスト樹脂を安定かつ微細
に分散するに必須の成分であつて、このためには酸価3
0〜150の範囲にあることが好ましい。
酸価30以下では水溶性が十分でなく、安定な分散体を
得難いばかりか、たとえ得られたとしてもチキソトロピ
ツクな粘性挙動を示すものとなり被覆用組成物として不
適である。また酸価150以上では安定な分散体は得ら
れるものの親水性が高過ぎ塗膜とした場合に耐水性、耐
アルカリ性に問題があり適当でない。成分Bはカルボキ
シル基以外に極性基としてヒドロキシル基を有し、その
ヒドロキシル価は30〜200の範囲にあることが好ま
しく、30以下では樹脂が水溶性になるための補助効果
に欠け、さらにアミノプラスト樹脂との架橋点が不足し
十分な高分子塗膜を得難い。方、ヒドロキシル価200
以上では親水性が強すぎ塗膜の耐水性に有害である。成
分Aと成分Bの相互溶解性は極めて重要で、両者を所定
の比率に混合したとき濁りがなく透明に溶解していなけ
ればならないが、混合比率によらず透明に溶解し合うこ
とが望ましい。
溶解性が悪く濁りを示す場合ぱ塗膜としたとき光沢が悪
く表面欠陥などを示し易い。成分Aは常温における形態
が粘調樹脂であるかまたは固体樹脂であるかに制限はな
いが、分散状態での粒子間の凝集に対する安定性の点か
らは剛直な固体状のものが望ましい。
しかし剛直に過ぎると分子間の凝集力が強すぎて成分B
との相互溶解性に欠けたり塗膜とした場合に粒子間の融
着が円滑に行なわれず光沢、平滑性などの問題を生じ好
ましくない。成分Aは溶剤を含まない状態で用いてもよ
いが、これでは余りに高粘度で取扱いにくいために、水
系被覆用組成物としての利点が損われない程度に有機溶
剤を加えて用いてもよい、一般には固形分70〜90%
の濃度で取扱うことが望ましい。
使用する有機溶剤としては水に混和性のあるものが望ま
しいが、本発明の被覆用組成物中に乳化作用、可溶化作
用などにより安定に共存できるものであれば疎水性溶剤
であつてもかまわない。成分Aと成分Bの総量に占める
成分Aの比率は10〜80重量%の範囲が好ましく、成
分Aが10重量%以下では分散粒子の比率が少な過ぎて
本発明の被覆用組成物の固形分の上昇が望めないばかり
か、その粘度挙動も従来の水溶性型と差がなくなり、分
散型に特徴的な塗装作業面での効果が期待できない。ま
た成分Aが80重量%以上では成分Bとの混合物に水を
加えて分散する工程でゲル化を起し易く分散体を得がた
い、またたとえ分散体が得られたとしても粒子径が粗大
化し安定性が悪く実用価値も乏しくなる。成分Bはその
カルボキシル基を塩基によつて中和することにより水溶
性型となし得るポリエステル樹脂からなり通常の水溶性
型ポリエステル樹脂と本質的に異るところはない。
成分Bは成分Aと同様に溶剤を含まない形であつてもよ
いし、水系被覆用組成物の利点が損われない程度に有機
溶剤を含むものであつてもよい。また場合によつては既
に塩基により中和された形であつてもよいし、さらに中
和されたあと、水を溶剤として希釈されたものでもよい
。本発明に用いる成分Aおよび成分Bは上述の条件を満
していれば特に制限はなく、被覆用組成物として市販さ
れている一般のポリエステル樹脂を用いることができる
またこれらを特に製造して用いる場合はポリエステル樹
脂を構成する通常の原料であるポリオール成分と多塩基
酸およびまたは脂肪酸とを組合せ、公知のエステル化反
応によつて容易に得ることができる。即ちポリオール成
分としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、2・2−ジメ
チルペンタンジオール−1●3、水添ビスフエノールA
1へキシレングリコール、グリセリン、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン 1・2・6ヘキサン
トリオール、トリメチロールシクロヘキサン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール、ジグリセロール、ジペン
タエリスリトールなどを挙げることができる。
またこれ以外にもトリス(2−ヒドロキシエチル)イソ
シアヌレート、2・2−ジメチル−3−ヒドロキシプロ
ピル−2・2ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート
なども使用できる。また脂肪酸としては、大豆油、アン
油、サフラワ一油、綿実油、ヌカ油、ヒマシ油、脱水ヒ
マシ油、桐油、アマニ油、トール油などから得られる脂
肪酸を挙げることができる。
また多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、テトラハイドロ無水フタル酸、ヘキサハ
イドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸
、セバチン酸、ジメヂロールプロピオン酸、無水トリメ
リツト酸、ブタンテトラカルボン酸などを挙げることが
できる。
またマレイン化脂肪酸、マレイン化油、フエノールマレ
イン化油、マレイン化ポリブタジエンなどの多塩基酸も
用いることができる。本発明で用いるアミノプラスト樹
脂は成分Aおよび成分Bをそれぞれ単独又は相互に架橋
させ、塗膜の高分子化に寄与し、硬度が高く、耐候性、
耐油性、耐水性、耐化学薬品性に富む塗膜を得るために
重要であつて、メラミン、尿素またはベンゾグアナミン
などにホルムアルデヒドを反応して得られるメチロール
化アミノ化合物をメタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどでエーテル化したものであつて、水可溶性、有機
溶剤可溶性のいづれでも良く、また両者の混合物であつ
ても良い。
このアミノプラスト樹脂は成分Aと成分Bの総量の10
0重量部に対し1〜50重量部の範囲にあることが好ま
しく、50重量部以上においては塗膜とした場合に柔軟
性が不足し、また1重量部以下では効果が認められない
。本発明の分散体を製造するに際して用いられる塩基は
成分Aおよび成分Bが有するカルボキシル基を中和し、
これらを水中に安定に分散するために重要で、アンモニ
ア、アルキルアミン、アルカノールアミンなどである。
アルキルアミン類としてはモノメチルアミン、ジメチル
アミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、プロピルアミン、ジメチルプロピルアミンな
どを挙げることができる。またアルカノールアミン類と
してはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N
−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノ
ールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどを挙げ
ることができる。このほかヒドロキシルアミン、モルホ
リンなども用いることができる。この塩基の量は成分B
が本発明の分散体中において安定に溶解するために必要
な下限量以上であることを必須とし、成分Aおよび成分
Bの各々に含まれるカルボキシル基の40〜120モル
%を中和するに必要な量を用いることが好ましい。
中和率が40モル%に満たない場合は成分Bが水に溶解
されず、また中和率が120モル%以上になるとポリエ
ステル樹脂の加水分解を促進し安定性を損うので好まし
くない。次に本発明の分散体の製造について説明する。
第一の工程は成分Aと成分B、または成分A、成分Bお
よびアミノプラスト樹脂を均一に混合し、さらに塩基を
加えて中和するものである。第二の工程は中和後、水ま
たは水に混和性の有機溶剤と水との混合物を加えて水媒
体中に安定な分散体を形成せしめることである。第一の
工程における成分Aと成分B1または成分A1成分Bお
よびアミノプラスト樹脂の混合の順序は重要ではないが
、混合の程度は極めて重要で分子レベルの混合状態にあ
ることが望ましい。混合状態が十分でないと、第二の工
程で得られる分散体の粒子が粗大化し、安定なものを得
難い。成分Aと成分B、または成分A、成分Bおよびア
ミノプラスト樹脂の混合物が取扱いに支障をもたらすほ
ど高粘度であれば、水に混和性のある有機溶剤を加えて
も良く、まは塩基により中和した後であれば溶剤として
水を用いても良い。有機溶剤を用いる場合は水系被覆用
組成物の利点からも必要最小限度に抑えることが望まし
いが、これ以外に本発明の分散体は有機溶剤量が過度に
多くなると分散状態にある成分Aの分散安定性が悪くな
り、粒子間での凝集が顕著になるという性質があるため
、この点からも必要最小限度に抑えることが好ましい。
これらの理由から有機溶剤の量は本発明の分散体の揮発
分中30重量%以下であることが望ましい。第二の工程
における撹拌の強さは安定かつ微細な粒径の分散体を得
るために決定的な重要性をもつものではないが、攪拌が
強いほど微細なものを得易い。
しかし単純な混合操作でも十分に微細でかつ安定なもの
を得ることができる。これは分散のメカニズムが物理的
な粉砕によるものではなく成分Bが加えられる水により
水相に抽出される際に成分Aが微細な状態に取り残され
るということに基づくためであろう。攪拌の目的には通
常の単純な攪拌機からホモミキサー、ホモゲナイザ一の
ようなものまで使用することができる。本発明の分散体
を着色してエナメルとする場合は、分散体に顔料を加え
て分散させるほか、塩基で中和した前述の第一の工程後
に顔料を加えサンドミル、ボールミル、アトライターな
どで分散してから、第二の工程で希釈しても良い。
また塗料工業で通常おこなわれているように、成分A1
成分Bの単独またはその一部、あるいはこれらを特定の
比率で配合したものに顔料を高濃度に分散したいわゆる
マスターバツチを作つてから残余の成分を追加する方法
でもよい。本発明の分散体を主成分とする水分散型被覆
用組成物は刷毛塗り、スブレ一塗り、ローラー塗装、浸
漬塗装、電着塗装、流し塗りなどの方法によつて塗装す
ることができ、家庭電器、一般機械、自動車などの金属
素材を始め、木質素材の塗装にも用いることができ、ま
た従来の水系被覆用組成物では不可能とされていた塗装
作業性と塗膜性能の両立を可能ならしめた。
即ち塗装において塗料の垂れがなく、厚膜の塗装を容易
にすると同時に、性能面の重大な欠点であつた耐水性を
改良した。以下に実施例を挙げて本発明を詳述する。以
下において部は重量部を、また%は重量%を表す。実施
例 1(a)成分Aの製造 撹拌機、温度計、還流冷却器および窒素導入管を取りつ
けた40フラスコに無水フタル酸40部アジピン酸13
部、ジメチロールプロピオン酸5部、ネオペンチルグリ
コール27部、トリメチロールプロパン15部をとり、
窒素気流下で加熱攪拌しながら、180℃で3時間、さ
らに230℃で5時間エステル化反応を行ない、酸価1
8、ヒドロキシル価114、数平均分子量約2200と
ポリエステル樹脂を得た。
この樹脂はそのカルボキシル基に対して過剰の塩基を添
加しても水溶化しなかつた。(b)成分Bの製造 (a)に記載したと同様の合成装置にトール油脂肪酸2
5部、無水トリメリツト酸31部、アジピン酸5部、ネ
オペンチルグリコール39部を仕込み、窒素気流下で撹
拌しながら160℃で2時間、続いて180℃に4時間
加熱し、ヒドロキシル価127で酸価が62になるまで
反応した。
この後反応物の温度を70℃に下げイソプロピルアルコ
ール23部を加え、固形分80%、カードナー気泡粘度
Z3のポリエステル樹脂を得た。このものの100部に
対し、そのカルボキシル基の80モル%に当る7部のト
リエチルアミンを加えて中和し、水400部で希釈した
ところ透明に溶解した。上記の成分A44.4部に成分
B55.6部を加え50〜60℃に保つて両成分が均一
、かつ透明に溶解しあうまで混合した。
次にこの混合物100部に対し、架橋剤としてメラミン
樹脂サイメル#350(アメリカン・サイアナミド社製
)25部を加え、さらに成分Aと成分Bの混合物に存在
するカルボキシル基の総量の80%を中和するに足るジ
メチルエタノールアミン4.4部を加え均一に混合した
。次にこれを40〜50℃に保ち攪拌しながら116部
の脱イオン水を徐々に加えて溶解し、固形分41%、フ
オードカツプ粘度(250℃)45秒、分散粒子の粒径
0.5ミクロン前後の乳白色分散体を得た。この分散体
は熱安定性に優れ、50〜80℃に於ても安定であり、
また室温に一週間放置したが分散粒子の沈降は認められ
るものの粒子間の融着はなく、僅かの攪拌で容易に再分
散することができた。この分散体をリン酸亜鉛処理軟鋼
板上にドクターブレードを用いて乾燥塗膜が30ミクロ
ンになるように塗装し、15『Cで30分間焼付けたと
ころ、透明で平滑な硬度3Hをもつ塗膜が得られた。こ
の塗膜を5『Cの温水中に5日間浸漬したところ、なん
らの変化も認められず、優れた耐水性を示し、またガソ
リンおよび機械油にそれぞれ48時間浸漬したところ変
色、膨潤、艶引けなどいづれも認められず優れた耐油性
があつた。実施例 2 (a)成分Aの製造 実施例1VC記載したと同様の装置に大豆油脂肪酸57
.8部、無水フタル酸21.5部、ペンタエリスリトー
ル20部、無水マレイン酸0.7部、キシレン3部を仕
込み、窒素気流下で撹拌しつつ180〜200℃に3時
間、250℃で4時間加熱し、酸価が7になるまでエス
テル化を行ない、この後キシレンを減圧で除去し、反応
物の温度を80℃に下げイソプロピルアルコール13部
、ブチルセロソルブ10部を加えて希釈し、酸価7、ヒ
ドロキシル価50、カードナー気泡粘度Z6、固形分8
0%のポリエステル樹脂を得た。
(b)成分Bの製造 実施例1に記載の装置に大豆油脂肪酸45部、アジピン
酸3部、無水トリメリツト酸23部、ネオペンチルグリ
コール18部、トリメチロールプロパン11部を仕込み
、180〜200℃に7時間保ち、酸価49の時点で加
熱を止め、冷却してからイソブタノール23部で希釈し
、酸価49、ヒドロキシル価64、カードナー気泡粘度
Z2、固形分80%のポリエステル樹脂を得た。
上記の成分A5O部と成分B5O部を混合し、これに酸
化重合の触媒としてナフテン酸コバルトおよびナフテン
酸鉛を金属換算値でそれぞれ0.08部、0.7部加え
た。
次にこの混合物に28%アンモニア水2.3部を加えて
中和し、攪拌しながら50部の脱イオン水で希釈した。
更にホモミキサーで混合しつつ10部の脱イオン水を添
加し、固形分50%、粘度801Q1(25℃)を有す
る安定な乳白色の分散体を得た。この分散体を刷毛でガ
ラス板に塗布して室温に放置したところ、1時間で指触
乾燥し、24時間で鉛筆硬度Fに硬化し、一般の酸化重
合型の水系塗料に比べて優れた硬化性を有していた。
硬化塗膜は透明かつ平滑で優れた光沢を示した。また塗
装後10日経た塗膜を50℃、湿度100%の環境でそ
の耐湿性を調べたところ、120時間後においてもなん
らの異状も認めなかつた。
実施例 3 (a)成分Aの製造 実施例1に記載の装置にヌカ油脂肪酸20部、無水フタ
ル酸41部、ネオペンチルグリコール12部、トリメチ
ロールプロパン27部、キシレン3部を仕込み、窒素気
流下で撹拌しつつ180℃に3時間、200℃に2時間
、230℃に約6時間保ち、酸価が3.5になるまでエ
ステル化を行ない、その後減圧下でキシレンを除去し、
反応物の温度が80℃に冷却してからn−ブタノール2
1部、エチルセロソルブ10部を加えて固形分75%、
カードナー気泡粘度Z4、酸価3.5、ヒドロキシル価
121のポリエステル樹脂を得た。
(b)成分Bの製造 実施例1に記載の装置にトール油脂肪酸2.6部、アジ
ピン酸24部、無水トリメリツト酸17部、ブチレング
リコール14部、トリメチロールエタン19部を仕込み
、撹拌しつつ190〜200゜Cで7時間反応し、70
℃に冷却してからn−プロピルアルコール7部、セカ
トンダリーブチルアルコール8部で希釈し、固形分85
%、カードナー気泡粘度Z6、酸価42、ヒドロキシル
価97のポリエステル樹脂を得た。
この樹脂のカルボキシル基の80%を中和するに足るト
リエチルアミンを樹脂に加え、これを j水で希釈した
ところ透明に溶解した。ここで得られた成分Bl3.4
部にトリエチルアミン0.8部、ルチル型酸化チタン5
6.6部、脱イオン水29.2部を加えてサンドミルで
分散してミルベースを製造した。
一方で、成分All.8部、成分B7.8部、メラミン
樹脂サイメル#303(アメリカン・サィァナミッド社
製)5.5部とトリエチルアミン0.5部を均一に混合
した。
この混合物25.6部に先に得たミルベース58.8部
を加え均一に混 4合し、脱イオン水10部を加えてホ
モミキサーで攪拌し攪拌中さらに脱イオン水5.6部を
加えた。このようにして得られた白エナメルは固形分6
1%、フオードカツプ(#4)粘度30秒(25℃)の
低粘度で高い固形分を有していた。
なおこの白エナメルは顔料と樹脂の比が1.2対1で、
成分Aと成分Bの比は4対6、ポリエステル樹脂と水溶
性メラミン樹脂の比は8対2で、また揮発成分中の水と
有機溶剤の比は86対14であつた。この白エナメルを
25℃にして、温度25℃湿度75%の塗装ブースに於
て、塗料吐出量毎分500m1、塗料霧化圧5k9/C
dの条件で垂直にした軟鋼板上にスプレー塗装した。
このとき軟鋼板上で過剰に塗装された塗料が垂れ始める
膜厚(以下タレ限界膜厚と℃・う)を調べたところ乾燥
塗膜で表現して45〜50ミクロンであつた。また塗装
後10分間セツトしたあと150℃に25分焼付けたと
きに塗膜にピンホールの生じ始める膜厚(以下ワキ限界
膜厚という)を調べたところ約50ミクロンであつた。
これらの数値は市販の水溶性樹脂からなる塗料に比べて
相当に高いもので本発明の組成物が塗装作業性に優れて
いることを示すものである。またこの白エナメルをリン
酸亜鉛処理鋼板に塗装し、150℃で25分焼付けたも
のについて、塗膜性能を調べたところ、光沢87、硬度
H、ゴバン目試験で剥離せず、エリクセン値6龍の伸び
があり、デユポン式耐衝撃試験で500y撃芯を50C
m落下させても異状なかつた。
また50℃の温水中に5日間浸漬したが軟化、艶引け、
ブリスタ一など全く認められず、また沸騰水に2時間浸
漬しても異状がなかつた。耐アルカリ性は5%苛性ソー
ダ水溶液に24時間浸漬したが浸漬前と全く差が認めら
れなかつた。比較例 1 実施例3に記載の白エナメルの組成中の成分Aを固形分
で換算して同量の成分Bに置き換え、またトリエチルア
ミンを総量で1.6部に増した以外は総て実施例3に記
載の方法と同様に白エナメルを製造し、更に脱イオン水
を加えて実施例3に記載の白エナメルと同じフオードカ
ツプ#4粘度30秒(25℃)に調整した。
トリエチルアミンの増量は成分Aを成分Bに変えたため
その酸価の差によるもので中和率は実施例3に記載の白
エナメルと同じである。この白エナメルの固形分は44
%となり実施例3に記載の白エナメルより著しく低くな
つていた。この白エナメルを実施例3に記載したと同じ
塗装条件で軟鋼板上に塗装して、メレ限界膜厚およびワ
キ限界膜厚を求めたところ、それぞれ25ミクロンと3
0ミクロンであつた。この数値は実施例3に記載の白エ
ナメルに比べてかなり低く、塗装作業性の良くないこと
を示す。またこの白エナメルをリン酸亜鉛処理軟鋼板上
に30ミクロンの厚さに塗装し、150℃で25分間焼
付けた塗装板を沸騰水中に2時間浸漬したところ塗装板
に微小なブリスタ一の発生が認められ耐水性の劣つてい
ることが認められた。比較例 2 実施例3に記載の白エナメルの組成中の成分Aおよび成
分Bを固形分で換算して同量の実施例1に記載の成分B
に置き換え、またトリエチルアミンを総量で2.3部に
増量した以外は総て実施例3に記載の方法と同様に白エ
ナメルを製造し、更に脱イオン水を加えて実施例3に記
載の白エナメルと同じ粘度を有する、実施例1の成分B
を樹脂分とした白エナメルを製造した。
この白エナメルの固形分は45%であつた。また実施例
3に記載したと同じ塗装条件で軟鋼板上に塗装して、タ
レ限界膜厚およびワキ限界膜厚を測定したところ共に2
5ミクロンであつて、一般の水溶性塗料と同じ低いレベ
ルであつた。またこの白エナメルをリン酸亜鉛処理軟鋼
板上に25ミクロンの厚さに塗装し、150℃で25分
間焼付けた塗装板を50℃の温水中に5日間浸漬したと
ころ塗膜の軟化と艶引けが認められた。
比較例 3実施例1に記載したと同様の装置に、大豆油
脂肪酸58部、ペンタエリスリトール18.4部を仕込
み、窒素気流下に加熱攪拌しながら180〜190℃に
2時間40分保ち、エステル化を行なつた。
この後、内容物温度を約100℃まで下げ、これに無水
フタル酸16.9部、無水トリメリツト酸6.7部、キ
シレン3部を追加し、再度昇温し、190℃で2時間、
さらに220℃で2時間保ち、酸価が52になるまでエ
ステル化反応を進めた。反応完了後、減圧下で残存キシ
レンを除去し、反応物温度90℃の時点でブチルセロソ
ルブ10部、イソプロピルアルコール13部を加え、最
終的に酸価52、ヒドロキシル価54、固形分80%、
カードナー気泡粘度Z4〜Z5のポリエステル樹脂を得
た。この樹脂100部に対し、実施例2と同様にナフテ
ン酸コバルトおよびナフテン酸鉛を金属換算値でそれぞ
れ0.08部、0.7部加え、均一に溶解した。次に、
この混合物に28%アンモニア水4.5部を加え、均一
に混合し中和した。更に攪拌下に脱イオン水を加えて実
施例2に記載したと同一の粘度(80ku125℃)に
なるまで希釈したところ透明な水溶性型の樹脂溶液が得
られた。この樹脂溶液の固形分は28%であつて、実施
例2に記載した本発明の分散体と同一の粘度であるにも
拘らず固形分は著しく低い。この樹脂溶液を刷毛でガラ
ス板に塗布し、室温で乾燥性を調べたところ、指触乾燥
までに約3時間を要し、また24時間後の硬度は3Bで
あつて、また塗装後10日を経過した硬化塗膜を50℃
、湿度100%の条件下で耐湿性を調べたところ、試験
開始後48時間で表面がやや軟化し、120時間後には
部分的な白化を起し、実施例2に記載した本発明の分散
体の塗膜と顕著な差を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸価30以下でヒドロキシル価30〜200のポリ
    エステル樹脂10〜80重量部と、酸価30〜150で
    ヒドロキシル価30〜200のポリエステル樹脂20〜
    90重量部とからなる分散体を主成分とする水分散型被
    覆用組成物。 2 酸価30以下でヒドロキシル価30〜200のポリ
    エステル樹脂10〜80重量部と、酸価30〜150で
    ヒドロキシル価30〜200のポリエステル樹脂20〜
    90重量部と、アミノプラスト樹脂1〜50重量部とか
    らなる分散体を主成分とする水分散型被覆用組成物。
JP6845876A 1976-06-11 1976-06-11 水分散型被覆用組成物 Expired JPS5946278B2 (ja)

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