JPS5943501Y2 - 内燃機関のリコイルスタ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、小型内燃機関に用いられるリコイルスタータ
に関する。

周知のりコイルスタータを、先ず第１，２図により説明
する。

スタートノブ１を引くとりコイルロープ２がリコイルリ
ール３から引出され、軸４と摺動するスプリング７の働
きによって爪５が突出し、この爪５がクランク軸端（あ
るいはフライホイール）に取付けられたりコイルプーリ
６の穴に係合し機関を回転させる。

この従来のりコイルスタータは構造が複雑なためコスト
が高く、爪５と穴とのかみ合いまでにリコイルリールが
回転するため、かみ合った瞬間の衝撃が太きい。

さらに軸４が片持ちぼり構造のため故障が多く、軸４と
クランク軸の芯が合致していなければ旨く作動しないた
め芯出しの手間がかかりコスト高となる等の欠点がある
。

本考案は、従来装置の上述のような欠点を解消したリコ
イルスタータの提供を目的とするものであり、リコイル
ロープを捲回したりコイルリールの軸と、フライホイー
ルに突設した軸とを同径とし、かつ両軸を、その端面間
に少許の間隙を設は互いに接近させて対向状に配置する
と共に、両軸間に両軸の外径より少し小径の内径をもち
、かつリコイルリールの始動時における回転方向に巻か
れたスプリングを両軸の外側に嵌着して介設した点を特
長とするものである。

第３図は本考案のスプリングクラッチの原理を説明する
もので、入力軸１０と出力軸１１とを対向して配置し、
（入力軸１０と出力軸１１とは同径とする）、両軸の間
に、両軸の外径よりわずかに小径の内径をもつスプリン
グ１２を両軸の外側に嵌着して介在させる。

そして入力軸１０と出力軸１１とを間にスプリング１２
を介在させて互に接近させ（第３図Ｂ）で配置すること
によりスプリングクラッチを組立てる。

そうすると、入力軸１０にスプリング１２の巻方向と同
じむき（矢印１３）の回転力が加えられると、スプリン
グ１２は両方の軸にがたく巻き付き、トルクを出力軸１
１に伝える。

しかし回転方向がスプリングの巻方向と逆なときはスプ
リングは巻き戻されてトルクは伝わらない。

本考案はこのようなスプリングクラッチをリコイルリー
ルとフライホイール（又はクランク軸）との間に介設し
たもので、その実施例を第４図により説明する。

第４図において、リコイルロープ１４を捲回したりコイ
ルリール１５の軸１７（入力軸１０に相当する）はフラ
イホイール１６側の軸１８（出力軸１１に相当する）に
少許の間隙をおいて対向状に配置され、両者間には両軸
の外径よりも小径の内径をもち、かつリコイルリール１
５の始動時における回転方向に巻かれたスプリング１９
が両軸の外側に嵌着して介設され、軸１７、軸１８、ス
プリング１９とで前述のスプリングクラッチが構成され
る（なお軸１７と軸１８とが同じ外径である点は勿論で
ある）。

図中２０はスプリングクラッチケース、２１はリコイル
スプリング、２２はエンジンケースである。

作動において、リコイルローブ１４を引くとりコイルリ
ール１５の軸１７が回転し、スプリング１９を介してク
ランク軸が回転し機関は起動する。

機関が起動すると軸１８の方が軸１７よりも回転速度が
速くなるから、このときにはスプリング１９が巻き戻さ
れ軸１８の回転が軸１７に伝わることはない。

本考案は、上記のように構成され、入力軸に相当するり
コイル、リールの軸と、出力軸に相当するフライホイー
ル側の軸との間にスプリングを介設して該スプリングに
よりトルク伝達を行なうようにしたので、両輪の芯に狂
いがあっても入力軸から出力軸にトルクを伝えることが
でき、また従来のように爪と係合穴によらないので、両
軸の芯出しの必要もない。

また、両輪間に両輪の外径より少し小径の内径をもち、
かつリコイルリールの始動時における回転方向に巻かれ
たスプリングを両軸の外側に嵌着して介在されているの
で、入力軸にスプリングの巻方向と同じ向きの回転力を
加えて該スプリングを両軸にかたく巻き付けることによ
るトルク伝達を効率よく行なうことかで２き、また逆む
きのトルク伝達はないので、機関停止時に機関が逆回転
せず、常に同じクランク位置で機関を停止させることが
できる。

また、リコイルスタータの構造が簡単になるので、冷却
風をリコイルリールの中心から取入れることもできる。

従って、本考案によれば、リコイルリールの軸と、フラ
イホイール側の軸との間にスプリングクラッチを介在さ
せることにより、構造が簡単でかつ芯出しの必要のない
、コンパクトなりコイルスタータを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のりコイルスタータの側面図、第２図は同
要部切断正面図、第３図Ａ、Ｂは本考案のスプリングク
ラッチの原理図、第４図は本考案のりコイルスタータの
要部切断正面図である。 ２．１４・・・・・・リコイルロープ、３，１５・・・
・・・リコイルリール、１８・・・・・・フライホイー
ルの軸、１７・・・・・・リコイルリールの軸、１６・
・・・・・フライホイール、１９・・・・・・スフリン
グ、２０・・・・・・スプリングクラッチケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リコイルロープを捲回したりコイルリールの軸と、フラ
   イホイールに突設した軸とを口径とし、かつ両軸を、そ
   の端面間に少許の間隙を設は互いに接近させて対向状に
   配置すると共に、両軸間に両軸の外径より少し小径の内
   径をもち、かりリコイルリールの始動時における回転方
   向に巻かれたスプリングを両輪の外側に嵌着して介設し
   た内燃機関のりコイルスタータ。