JP2001132591A - スタータ装置 - Google Patents

スタータ装置

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JP2001132591A
JP2001132591A JP34786699A JP34786699A JP2001132591A JP 2001132591 A JP2001132591 A JP 2001132591A JP 34786699 A JP34786699 A JP 34786699A JP 34786699 A JP34786699 A JP 34786699A JP 2001132591 A JP2001132591 A JP 2001132591A
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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロープ引きハンドルの引き力変動が小さく、
滑らかな引き操作で容易に内燃エンジンを始動させるこ
とができるスタータ装置を提供する。 【解決手段】 スタータ装置(10)が、駆動部(A)
と従動部(B)とを備え、前記駆動部(A)と前記従動
部(B)との間の動力伝達途中に、緩衝・蓄力手段(1
5)を介在してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃エンジンのス
タータ装置に係り、特に、リコイルロープの引き力変動
が少なく滑らかに引くことができ、始動性に優れたスタ
ータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種内燃エンジンの手動のスタ
ータ装置は、リコイルロープを引くことによりロープリ
ールを回転させ、このロープリールの回転をエンジンの
クランク軸に伝達して内燃エンジンの始動を行ってい
る。また、ロープ引きハンドルの引き力を低減するため
にデコンプ装置を採用しているスタータ装置もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構造の
スタータ装置は、リコイルロープを引くロープ引きハン
ドルをある程度高速で引く必要があり、引き長さも長い
距離が必要であり、力の弱い使用者には、容易に内燃エ
ンジンを始動することができないという問題点があっ
た。また、クランク軸の回転に対して内燃エンジンの負
荷が変動するため、ロープ引きハンドルの引き力変動が
大きく滑らかな引き操作が行えず、力の弱い使用者は、
容易に内燃エンジンを始動することができなかった。さ
らに、引き力の低減のためデコンプ装置を採用すると、
生ガスが大気中へ放出される虞があり、環境上の問題も
生じる。
【0004】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、ロープ引き
ハンドルの引き力変動が小さく滑らかな引き操作が行
え、力の弱い使用者でも容易に内燃エンジンを始動させ
ることができるスタータ装置を提供することにある。ま
た、内燃エンジンの始動性に優れ、環境上の問題の少な
いスタータ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係るスタータ装置は、駆動部と従動部とを備
え、前記駆動部と前記従動部との間の動力伝達系の途中
に、緩衝・蓄力手段を介在したものであり、該緩衝・蓄
力手段が、前記駆動部の駆動の過程において、該駆動部
の駆動によって緩衝しつつ蓄力すると共に、該蓄力によ
り前記従動部を駆動するものであることを特徴としてい
る。
【0006】このように構成された本発明のスタータ装
置は、駆動部を構成するリコイルロープと、従動部を構
成する内燃エンジンのクランク軸との間に、緩衝・蓄力
手段を介在させたものであるので、リコイルロープの引
き力の全部が直接内燃エンジンの起動に関わるのではな
く、内燃エンジンの起動の過程においては、リコイリン
グの前半過程において前記リコイルロープの引き力の一
部がゼンマイ機構に蓄えられることになると共に、リコ
イリングの後半過程において、前記ゼンマイ機構に蓄え
られた引き力と、後半過程で実際に前記リコイルロープ
で引かれる引き力と、が合力となってエンジンを起動す
る力となる。このため、前記リコイルロープを引く力が
弱くとも、エンジンを始動することができる。即ち、前
記緩衝・蓄力手段は、前記リコイルロープの引き力に対
して緩衝して該引き力を蓄える作用をすると共に、該蓄
えた力を解放してエンジンを始動させる力とせしめて、
内燃エンジンを始動させることができる。
【0007】そして、本発明の好ましい具体的な他の態
様としては、前記駆動部がリールを含むものであり、前
記従動部が連動プーリを含むものであり、該連動プーリ
が、伝達機構を備え、該伝達機構を介して駆動側と連動
連結していることを特徴としている。また、前記緩衝・
蓄力手段が、ゼンマイ機構であり、該ゼンマイ機構を、
駆動側のゼンマイ香箱と従動側の起動プーリとの間にゼ
ンマイを配設して構成し、前記ゼンマイ香箱を一方向に
のみ回転させる手段を有することを特徴としている。
【0008】更に、前記一方向にのみ回転させる手段
が、ワンウェイクラッチで構成され、前記伝達機構が、
遠心クラッチであり、前記ゼンマイ機構の伝達係合突部
と前記連動プーリに支持され前記係合伝達突部に係合す
る始動爪とから構成され、前記リールの回転を前記ゼン
マイ機構を介して内燃エンジンのクランク軸に連結され
ている前記連動プーリに伝達することを特徴としてい
る。
【0009】このように構成された本発明の具体的な態
様のスタータ装置は、ロープ引きハンドルにより手動の
リールを回転させ、この回転力を一旦ゼンマイ機構に伝
達してから起動プーリを回転させるため、内燃エンジン
の作動行程により変動する負荷を前記ゼンマイ機構で吸
収できて、滑らかにロープ引きハンドルを引くことがで
き、力の弱い使用者でも容易に内燃エンジンを始動させ
ることができる。また、ゼンマイ機構を介してクランク
軸を回転させることで、常に始動条件的に最良なタイミ
ングで始動させ得るので、始動特性が良くなる。また前
記ゼンマイ機構を、ワンウェイクラッチで一方向にのみ
回転させることにより、スタータ装置の動作を確実に
し、小型化を達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスタータ装置
の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、
本発明に係るスタータ装置の一実施形態の断面図、図2
は、図1のII−II線断面図、図3は、図1のIII−III線
断面図である。図1〜3において、本発明に係るスター
タ装置10は、小型空冷2サイクルガソリンエンジン等
の内燃エンジン1のクランク軸2の一端部2aに近接し
て配置される。前記スタータ装置10は、前記内燃エン
ジン1の一側部に取付け可能なケース11を有し、該ケ
ース11は二部材より構成され、一方のカップ状ケース
部材11aの底部中央に固定軸12の一端12aがナッ
ト13によりねじ止めされている。
【0011】前記スタータ装置10は、駆動部Aと従動
部Bとを備えると共に、前記駆動部Aを構成する手動の
リール20と、従動部Bを構成する連動プーリ35と、
の間に、緩衝・蓄力手段としてのゼンマイ機構15を介
在させ、前記リール20の回転を、前記ゼンマイ機構1
5と前記連動プーリ35とを介して、前記内燃エンジン
1の前記クランク軸2に伝達する。
【0012】前記ゼンマイ機構15は、入力側のゼンマ
イ香箱16と出力側の起動プーリ17との間に配設され
たゼンマイ18を有し、前記ゼンマイ香箱16と前記起
動プーリ17とは同軸的に位置し、相対的に回転可能に
構成され、詳細は図示しないが、従来周知の態様で前記
ゼンマイ18の外端は前記ゼンマイ香箱16に係止さ
れ、前記ゼンマイ18の内端は前記起動プーリ17に係
止され、前記ゼンマイ香箱16と前記起動プーリ17と
の一方を他方に対して相対回転させることにより、その
他方に回転力が付与されるよう構成されている。
【0013】前記ゼンマイ機構15の前記ゼンマイ香箱
16は、中心に円筒部16aが形成され、該円筒部16
aの内周と前記固定軸12の外周との間にワンウェイク
ラッチ19が配設され、前記ゼンマイ香箱16は、前記
固定軸12の回りに一方向にのみ回転可能に支持され
る。前記起動プーリ17は、中心に円筒部17aが形成
され、該円筒部17aは、前記固定軸12に遊嵌し、前
記固定軸12の他端12b側から保持用ボルト14がね
じ込まれて、前記起動プーリ17は前記固定軸12上で
回転可能に支持されている。
【0014】前記カップ状ケース部材11aと前記ゼン
マイ香箱16との間には、前記手動のロープリール20
が配設されており、該ロープリール20は、前記ゼンマ
イ香箱16の前記円筒部16aの外周に回転可能に支持
されている。前記ロープリール20は手動にて回転され
る手動リールであり、外周にはロープ21が巻回される
溝部20aが形成されている。前記ロープ21は、従来
周知の構成のリコイル式スタータ装置におけるものと同
様に、一端が前記溝部20aの底部に係止され、前記カ
ップ状ケース部材11aから外部へ引き出された他端に
はロープ引きハンドル22が係止されている。また、前
記ロープリール20と前記カップ状ケース部材11aと
の間には、外端が前記ロープリール20に係止され、内
端が前記カップ状ケース部材11aの中心部に係止され
たリコイル用ゼンマイ23が配設され、前記ロープリー
ル20が手動にて前記ロープ21を外部へ引き出すこと
により回転されたあと、前記リコイル用ゼンマイ23の
復元力により元位置に復帰させて、前記ロープ21を自
動的に巻き取る様にされている。
【0015】前記ロープリール20と前記ゼンマイ香箱
16との連動機構について、図1、3を参照して説明す
る。前記ロープリール20の内周には六つの係止突部2
4が突設されている。前記ゼンマイ香箱16の前記ロー
プリール20との対向面には枢支軸16bが一体的に突
設され、該枢支軸16bには連動爪25が回転可能に支
持されており、外方に向けて押圧する押圧バネ26によ
り、前記係止突部24に弾接している。このため、前記
ロープリール20が一方向(図3においては時計方向)
Rに回転すると、前記ゼンマイ香箱16も連動して同方
向Rへ回転し、前記ロープリール20が前記リコイル用
ゼンマイ23により他方向(図3においては反時計方
向)Lに回転すると、前記連動爪25が反時計方向に揺
動して空転する構成となっている。
【0016】前記起動プーリ17の中心部には、前記内
燃エンジン1の前記クランク軸2との伝達機構30の一
方を構成する二つの伝達係合突部31が形成されてい
る。該二つの伝達係合突部31は、円周部32により連
結されている。そして、前記内燃エンジン1側には、前
記クランク軸2の前記一端部2aに前記連動プーリ35
が固着され、該連動プーリ35には、前記伝達機構30
の他方を構成する四つの始動爪36が揺動可能に支持さ
れている。該各始動爪36は、通常は図示していないバ
ネにより内方に向けて付勢され、前記伝達係合突部31
に係合しているが、前記内燃エンジン1が始動される
と、前記連動プーリ35の回転による遠心力で外方に揺
動して、前記係合が解除されるよう構成されている。な
お、前記した始動爪は、最低限一つあれば良いものであ
るが、作動時に生じる衝撃を適宜分散せしめるととも
に、作動をより確実にせしめるため、本実施態様におい
ては、四つ備えている。
【0017】前記の如く構成された本実施形態のスター
タ装置の動作について以下に説明する。前記内燃エンジ
ン1を始動するときは、前記ロープ引きハンドル22を
手で引いて前記ロープリール20を回転させる。該ロー
プリール20の回転は、前記係止突部24に弾接する前
記連動爪25を介して伝達され、前記ゼンマイ香箱16
が同期して回転する。前記ロープ引きハンドル22の引
張力を緩めると、前記ロープリール20は前記リコイル
用ゼンマイ23の蓄力により逆転して元位置に復帰し、
前記ロープ21は自動的に巻き取られるが、前記ゼンマ
イ香箱16は前記ワンウェイクラッチ19により逆転は
阻止され、前記ゼンマイ18に回転力が付与される。前
記ロープ引きハンドル22の引き力は、前記ゼンマイ1
8に回転力を付与するだけなので負荷の変動が小さく、
前記ロープ21の滑らかな引き操作を行うことができ
る。
【0018】前記ゼンマイ18に付与された回転力は、
該ゼンマイ18の内端が係止された前記円筒部17aを
介して前記起動プーリ17に付与される。そして、前記
した回転力は、前記起動プーリ17の前記伝達係合突部
31に係合している前記始動爪36により前記連動プー
リ35に伝達され、前記クランク軸2に伝達される。と
ころが、前記内燃エンジン1側からの混合気圧縮の為の
負荷は大きく、しかも前記クランク軸2の一回転の間に
その負荷は変動しており、前記した回転力による前記連
動プーリ35の回転は、大きい負荷の位置(吸入行程の
上死点近傍)で一旦止められようとする。
【0019】ここで、前記ロープ引きハンドル22をさ
らに引いて前記ロープリール20を回転させると、前記
ゼンマイ18にはさらに回転力が付与されて、前記起動
プーリ17を回転させようとするトルクが徐々に大きく
なる。このときも、前記ゼンマイ18が介装されている
ので、前記ロープ引きハンドル22の引き力変動が小さ
く、滑らかな引き操作が行える。そして、前記起動プー
リ17のトルク値が前記内燃エンジン1側からの負荷よ
り大きくなると、前記クランク軸2を介して前記内燃エ
ンジン1を回転させて始動させる。前記した如く、該内
燃エンジン1は、上死点近傍で停止した状態から始動さ
れるため、吸入行程から爆発行程に移行し、前記内燃エ
ンジン1をタイミング良く確実に始動できる。
【0020】前記内燃エンジン1が始動すると、前記ク
ランク軸2側からの駆動力により前記連動プーリ35が
回転され、所定回転数を越えると前記始動爪36は、遠
心力により外周側に向け揺動して前記伝達係合突部31
との係合は解かれ、前記内燃エンジン1は、前記スター
タ機構10との連係を断ち、安定して回転を継続する。
本実施形態によれば、前記内燃エンジン1を始動しよう
とするときには、該内燃エンジン1の負荷の大きい位置
で前記ゼンマイ機構15のトルク値が大きくなるため、
同様に、常に最良のタイミングで前記内燃エンジン1を
確実に始動することができる。
【0021】次に、本実施形態のスタータ装置と従来の
スタータ装置(リコイルロープを引くことによりロープ
リールを回転させ、このロープリールの回転をエンジン
のクランク軸に直接伝達して内燃エンジンの始動を行う
もの)との比較実験について説明する。
【0022】実験は、排気量の異なる三つの実施例(実
施例1、実施例2、実施例3)の小型空冷2サイクルガ
ソリンエンジンを用いて、リコイルロープの引き力、再
起動性、初起動性、一回のリコイリングに対するクラン
キング回数と初期回転数との関係、及び、引き力と引き
時間との関係、について行った。前記本実施形態のスタ
ータ装置と従来例のスタータ装置との実験結果は、表1
〜3及び図4の(a)、(b)のようになった。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】該表1〜3及び図4から理解されるよう
に、本実施形態のスタータ装置は、従来例のスタータ装
置に比べて、前記三つの実施例のNon Firing 及びFirin
gの総てにおいて、そのリコイルロープの引き力が小さ
くて良いことが明らかになった。本実施形態のスタータ
装置は、従来例のスタータ装置に対して、引き力が平均
で30〜40%減少、局所的には1/4に迄減少する
が、再起動性及び初起動性については、いずれの場合で
も遜色がなく、リコイリングのフィーリングはゴツゴツ
感がなく、スムーズに行なえる。
【0027】また、本実施形態のスタータ装置は、従来
例のスタータ装置に比べて、リコイルロープによる一回
のリコイリングに対する内燃エンジンのクランキング回
数が、そのリコイルワイヤーの引き速度(普通引き、ゆ
っくり引き、早引き)にかかわらず多くなると共に、該
内燃エンジンの初期回転数も前記リコイルロープの引き
速度にかかわらず、高くなることが理解される。本実施
形態のスタータ装置のリコイルワイヤーの引き速度を早
くした場合は、7回のクランキング回数、1740回/
分の回転数となり、スタータ装置内のゼンマイ付きプー
リの慣性の効果が大きいと推測される。
【0028】特に、図4に示されているグラフから理解
されるように、従来のスタータ装置と本実施形態のスタ
ータ装置とを比較した場合、従来のスタータ装置は、リ
コイルロープを早い引き速度でかつ引き力の強い力で内
燃エンジンを始動させる必要があるのに対して、本実施
形態のスタータ装置は、リコイルロープをゆっくりとし
た引き速度で、かつ引き力の弱い力であっても、内燃エ
ンジンを確実に始動させることができる。前記実験結果
から、本実施形態のスタータ装置は、従来のスタータ装
置に比べて、次の特徴があると云える。
【0029】従来のリコイルスタータ装置においては、
マグネトロータの回転スピードをエンジンを点火するに
必要な起電力を発生し得る数値以上にしなければならな
いために、リコイルロープを、ある一定以上のスピード
(クランク軸を回転させるスピード)で引く必要がある
と共に、リコイルロープの巻き付け径を小さくすれば、
所定の回転スピードとするために引き力を強くしなけれ
ばならず、巻き付け径を大きくすれば、所定の回転スピ
ードとするために引き速度を早くしなければならないと
いう、相容れない状態になっていしまうものであった
が、本実施形態のスタータ装置は、引き速度をゆっくり
としても、前記従来のスタータ装置の通常の引き速度で
生じるマグネトロータの回転速度と同等以上の回転速度
(エンジンの点火に必要な起電力が得られる回転速度)
が得られる。
【0030】従来のリコイルスタータ装置においては、
リコイルロープを引くことで、直接、クランク軸(マグ
ネトロータ)を回転させていたので、リコイルロープの
引き速度が、直接、エンジンの起動性に大きく関わって
いたが、本実施形態のスタータ装置は、リコイルロープ
とクランク軸との間にゼンマイ機構(緩衝・蓄力手段)
を介在させたものであるので、リコイルロープの引き力
が直接エンジンの起動に関わるのではなく、リコイリン
グの前半過程においては前記リコイルロープの引き力の
一部をゼンマイ機構に蓄えることになると共に、リコイ
リングの後半過程においては、該蓄えられた引き力と後
半過程で実際引かれる引き力とが合力となってエンジン
を起動する力となる。このため、リコイルロープを引く
力が弱く、遅くても、エンジンを始動することができ
る。即ち、ゼンマイ機構(緩衝・蓄力手段)は、リコイ
ルロープの引き力に対して緩衝して該引き力を蓄える作
用をすると共に、該蓄えた力を解放してエンジンを始動
させる付加力となし得るものである。以上、本発明の一
実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態
に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された
発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の
変更ができる。
【0031】前記した実施形態においては、緩衝・蓄力
手段としてゼンマイ機構を用いたが、該緩衝・蓄力手段
は、ゼンマイ機構に限らず、リコイリングの前半過程に
おいて駆動側の力の一部を緩衝して蓄え、後半過程にお
いて該蓄えた力をその時点での駆動側の引き力と一緒に
なって従動側に出力するものであれば、どのようなもの
でも良い。
【0032】また、前記した実施形態では、ゼンマイの
外周を支持するゼンマイ香箱を手動で回転させ、ゼンマ
イの内周を支持する起動プーリによりクランク軸を回転
させる構成を示したが、これとは逆に、ゼンマイの内周
を支持するプーリを手動で回転させ、ゼンマイの外周を
支持するゼンマイ香箱によりクランク軸を回転させる構
成としてもよいのは勿論である。
【0033】更に、一方向にのみ回転させる手段として
ワンウェイクラッチの例を示したが、ラチェット機構等
の他の手段で構成してもよい。手動のリールとして、ロ
ープを引くことにより回転させるリコイル式ロープリー
ルの例を示したが、クランク等により手動でリールを回
転させる構成としてもよい。伝達機構はラチェット機構
を用いる構成とすることもできる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明のスタータ装置は、ロープ引きハンドルの引き力変動
が小さく、滑らかな引き操作で始動させることができ
る。このため、力の弱い使用者でも容易に内燃エンジン
を始動させることができる。また、常に最良のタイミン
グで内燃エンジンを始動することができるので、始動性
にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスタータ装置の一実施形態の断面
図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【符号の説明】
1 内燃エンジン 2 クランク軸 10 スタータ装置 15 ゼンマイ機構(緩衝・蓄力手段) 16 ゼンマイ香箱 17 起動プーリ 18 ゼンマイ 19 ワンウェイクラッチ(一方向回転手段) 20 ロープリール(手動のリール) 30 伝達機構 31 伝達係合突部 35 連動プーリ 36 始動爪 A 駆動部 B 従動部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月6日(2000.1.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスタータ装置の一実施形態の断面
図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】スタータ装置のロープ引き力と引き時間との関
係を示した図であって、(a)は従来例のスタータ装置
の関係図であり、(b)は本発明実施形態のスタータ装
置の関係図。
【符号の説明】 1 内燃エンジン 2 クランク軸 10 スタータ装置 15 ゼンマイ機構(緩衝・蓄力手段) 16 ゼンマイ香箱 17 起動プーリ 18 ゼンマイ 19 ワンウェイクラッチ(一方向回転手段) 20 ロープリール(手動のリール) 30 伝達機構 31 伝達係合突部 35 連動プーリ 36 始動爪 A 駆動部 B 従動部 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月28日(2000.12.
28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 博路 東京都青梅市末広町一丁目7番地2 株式 会社共立内 (72)発明者 赤池 隼一 東京都青梅市末広町一丁目7番地2 株式 会社共立内 (72)発明者 菅谷 真樹 東京都青梅市末広町一丁目7番地2 株式 会社共立内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動部(A)と従動部(B)とを備えた
    スタータ装置(10)であって、前記駆動部(A)と前
    記従動部(B)との間の動力伝達系の途中に、緩衝・蓄
    力手段(15)を介在したことを特徴するスタータ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記緩衝・蓄力手段(15)は、前記駆
    動部(A)の駆動の過程において、該駆動部(A)の駆
    動によって緩衝しつつ蓄力すると共に該蓄力により前記
    従動部(B)を駆動するものであることを特徴とする請
    求項1に記載のスタータ装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動部(A)が、リール(20)を
    含むものであり、前記従動部(B)が、連動プーリ(3
    5)を含むものであることを特徴する請求項1又は2に
    記載のスタータ装置。
  4. 【請求項4】 前記プーリ(35)は、伝達機構(3
    0)を備え、該伝達機構(30)を介して駆動側と連動
    連結していることを特徴とする請求項3に記載のスター
    タ装置。
  5. 【請求項5】 前記緩衝・蓄力手段は、ゼンマイ機構
    (15)であることを特徴する請求項1乃至4のいずれ
    か一項に記載のスタータ装置。
  6. 【請求項6】 前記ゼンマイ機構(15)は、駆動側の
    ゼンマイ香箱(16)と従動側の起動プーリ(17)と
    の間にゼンマイ(18)を配設して構成され、前記ゼン
    マイ香箱(16)を一方向にのみ回転させる手段(1
    9)を有することを特徴とする請求項5に記載のスター
    タ装置。
  7. 【請求項7】 前記一方向にのみ回転させる手段は、ワ
    ンウェイクラッチ(19)で構成されることを特徴とす
    る請求項6に記載のスタータ装置。
  8. 【請求項8】 前記伝達機構(30)は、遠心クラッチ
    であり、前記ゼンマイ機構(15)の伝達係合突部(3
    1)と前記連動プーリ(35)に支持され前記係合伝達
    突部(31)に係合する始動爪(36)とから構成さ
    れ、前記リール(20)の回転を前記ゼンマイ機構(1
    5)を介して内燃エンジン(1)のクランク軸(2)に
    連結されている前記連動プーリ(35)に伝達すること
    を特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載のス
    タータ装置。
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