JPS5943169Y2

JPS5943169Y2 - テイルトステアリング装置

Info

Publication number: JPS5943169Y2
Application number: JP794280U
Authority: JP
Inventors: 和夫豊島
Original assignee: 日野自動車株式会社
Priority date: 1980-01-28
Filing date: 1980-01-28
Publication date: 1984-12-20
Also published as: JPS56110063U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車のティルトステアリング装置に関し、そ
の目的は、ステアリングホイールの前後、上下位置の調
整操作を簡単にすると共に、その調整位置を確実に保持
させるようにしたことである。

さらに他の目的は、衝突時等車両に衝撃が加わりたとき
、乗員へのステアリングホイール及びコラムからの衝撃
を緩和することである。

従来、ステアリングホイールの前後、上下位置を運転者
の体格や好みに応じて自由に調整することのできるティ
ルトステアリング機構は周知である。

しかしながら、従来の機構はステアリングコラムの前後
調整と上下調整をそれぞれ独立した別個の操作ノブによ
って行うものであった。

従って調整操作に手間が掛り、また調整機構も複雑でス
ペースを大きく必要としていた。

さらに、運転時に運転者が握っているステアリングホイ
ールには制動時にかなりの力が加わるために調整位置か
ら前後、上下方向に変位するおそれがあり、それを防止
するには操作ノブの大きな締付トルクを必要としていた
。

また、ティルトステアリング機構に衝突時の衝撃エネル
ギーを吸収緩和する手段を備えているものはなかった。

本考案はこのような従来の不具合を解消したもので、そ
の特長は、１個の操作ノブによって前後、上下何れの方
向にも調整を可能とし、調整後の位置を確実にロック状
態とし、変位を防止したことである。

さらに、この調整機構に衝突時に塑性変形による衝撃エ
ネルギーの吸収手段を組込んだことである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

１はステアリングコラム（以下単にコラムと云う）であ
り、同時の操舵機構に前後並びに上下方向に移動自在に
連結されている。

このコラム１の上方位置にコの字形のコラムサポート２
を一体的に固着する。

このコラムサポート２の両側面にはコラム１の軸線に沿
う長孔２ａが開設され、両側面又は−側面にゴム、合成
樹脂等の高摩擦係数材３を貼着する。

そして、ボルト８とコラム１とには上下調整用の補助ス
プリング１１が掛は止めされている。

一方、キャブ（同時）には前記コラム１を支持するため
の左右一対のブラケット４．５が固設されている。

このブラケット４．５にはコラム１の軸線とは直交する
前後方向の円弧長孔４ａ、５ａが開設してあり、一方の
ブラケット５の外側面の前記円弧長孔５ａ位置に歯形６
ｂを有する固定歯形プレート６を固設する。

この固定歯形プレート６を固設に当たってはアルミ合金
等の塑性変形可能な材質よりなるリベット１２によって
定着する。

尚リベット１２の頭部がブラケット５と干渉し九いよう
に第１図及び第２図に示すようにスペーサ１３をブラケ
ット５に溶接するか、または第３図に示すようにブラケ
ット５に屈曲部分を形成する。

また、固定歯形プレート６にはブラケット５０円弧長孔
５ａと対応する円弧長孔６ａが開設されている。

そして、この円弧長孔６ａの長さ１２は前記ブラケツ）
５ａの長さｔ、よりも若干短く形成されている。

斯る左右一対のブラケット４．５間に、前記コラム１に
固着しているコラムサポート２とを介装し、二面とり８
ａで回り止め可能としたボルト８をブラケット４０円弧
長孔４ａより長孔２ａ、円弧長孔５ａ、６ａと挿通し、
ボルト８の挿通端部に前記固定歯形プレート６の歯形６
ｂと噛合する歯形７ｂとボルト挿通孔７ａとを有する可
動歯形プレート７をボルト軸方向に移動可能に挿通し、
その背面に抑圧スプリング９を介して操作ノブ１０を螺
装したものである。

尚図中の符号Ａは車両の前方方向を矢示する。

本考案は上記の通りの構造であるから、操作ノブ１０を
締付けた状態においては、可動歯形プレート７の歯形７
ｂが固定歯形プレート６の歯形６ｂと噛合し、コラム１
０前後方向の移動をロックする。

また、コラムサポート２は、該コラムサポート２の側面
に貼着されている高摩擦係数材３とブラケット４の内側
面との当接締付による摩擦力発生面でコラム１の上下方
向の移動を強力に拘束するものである。

前記締付状態により操作ノブ１０を緩めると、コラムサ
ポート２の締付力は緩みコラム１の上下方向の位置調整
は自由に得られ、また前後方向は、コラム１を前後方向
に力を加えることにより可動歯形プレー）７は抑圧スプ
リング９の押圧力に抗して歯形７ｂが固定歯形プレート
６の歯形６ｂの山を乗り越えるときに後退移動し、円弧
長孔４ａ６ａの許容範囲内で前後方向の位置調整が自由
に得られる。

さらに、車両に衝突等によって衝撃力が作用すると乗員
によりコラム１にコラム軸線に対し直交する方向に衝撃
力が働くが、この衝撃力はリベット１２の塑性変形（せ
ん断）によりエネルギーを吸収し、同時に高摩擦係数材
３とブラケット５との相対摺動摩擦によってもエネルギ
ー吸収を行って衝撃を緩和し、乗員の身体に高荷重がか
かるのを防止するものである。

このように本考案装置によると、ステアリングホイール
の前後、上下位置の調整は１個の操作ノブを緩、締する
ことによって自由に得られ、締付時にむいては歯形プレ
ートによって前後方向をロックし、コラムサポートの側
面に貼着した高摩擦係数材とブラケットとの摩擦発生面
により上下方向の移動を強力に拘束し、前後、上下何れ
の方向も調整位置を確実に保持するものである。

また、上下調整用の補助スプリングの装備によりステア
リングコラムの重量をバランスさせ、上下方向の操作力
を軽減する利点も有している。

さらに、調整機構の組付部品自体のリベット等の結合部
材を塑性変形可能な材質によって構成したものであるか
ら、別個独立した専用の衝撃エネルギーの吸収機構を必
要とすることなく衝突時等における乗員に対する衝撃を
緩和することができ、安全性を確保している利点がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の分解斜視図、第２図は組立状態に
訃ける第１図の■−■線断面図、第３図は同梱の実施例
を示す断面図である。１・・・・・・ステアリングコラム、２・・・・・・コ
ラムサポート、３・・・・・・高摩擦係数材、４．５・
・・・・・ブラケット、６・・・・・・固定歯形プレー
ト、７・・・・・・可動歯形プレート、８・・・・・・
ボルト、９・・・・・・押圧スプリング、１０・・・・
・・操作ノブ、１２・・・・・・リベット。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上下並びに前後方向に移動自在に連結したステアリング
コラムにおいて、該ステアリングコラムにコの字形のコ
ラムサポートを固着し、該コラムサポートの両側面にコ
ラム軸線方向に沿う長孔を開設すると共に、少くとも一
方の側面に高摩擦係数材を取付け、キャブに固設した左
右一対のブラケットにコラム軸線に対し直交する方向の
円弧長孔を開設し、該円弧長孔と対応し、且つ該円弧長
孔より短い長さの円弧長孔を有する固定歯形プレートを
前記ブラケットの側面にアルミ合金等の塑性変形可能な
材質よりなるリベット等の結合部材で定着し、両ブラケ
ット間に前記コラムサポートを介装してボルトをブラケ
ット、コラムサポート及び固定歯形プレートに貫通させ
、前記固定歯形プレートに噛合する可動歯形プレートを
介してボルト端に操作ノブを螺着して成るティルトステ
アリング装置。