JPS5942286Y2 - 可変押圧式ワイパ−装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車両のフロントガラス等を払拭する
押圧式ワイパー装置の改良に関するものである。

自動車等のワイパー装置に訃いてはフロントガラス面に
ブレードを押圧摺動させて該ガラス面の水や泥を払拭し
前方の視界を確保するものであるが、高速走行時には該
ガラス面に生ずる風圧によりブレードが浮上り、そのた
め充分な払拭ができなくなる虞れがある。

このため従来では第１図に示すようにアームヘッド１と
アームピース２０間にアームスプリング３を介装し、フ
ロントガラス４面へのブレード５の押圧力を強くする押
圧式ワイパー装置を使用していたが、この構造のもので
は低速走行時には押圧力が強すぎるため、その分ワイパ
ーモータ（図示せず）の出力を上げるなどしなければな
らず、そのためブレード５がフロントガラス４面を摺動
するとき、シャダーが発生し、充分払拭できなかったり
、又、ブレード５の摩耗が早い等の問題があつ。

６はアームヘッド１とアームピース２とを連結するりテ
ーナーである。

本考案は上記従来の問題点を解消するためになされたも
のであって、車速に応じてワイパーアームの押圧力を変
化させ、高速走行時での払拭性能を向上させると共に、
ブレードの耐摩耗性をも向上させることができるワイパ
ー装置を提供することを目的とするものである。

そのため本考案では押圧式ワイパー装置を、一端がアー
ムピースに係止されたアームスプリングの他端は、基端
がアームヘッドに枢着されたレバーの先端に係止され、
該レバーの先端側にはリンケージとなるリモコンワイヤ
ーの一端が連結され、該リモコンワイヤーの他端は、負
圧入力により該リモコンワイヤーの他端を引くアクチュ
エーターに連結され、該アクチュエーターはインテーク
マニホールド等車両の負圧源と負圧回路で接続されてい
ると共に、該負圧回路には、車速センサーによりあらか
じめ設定された車速以上になると、上記アクチュエータ
ーに上記負圧源の負圧を入力するサーボパルプが設けら
れている可変押圧式ワイパー装置とすることにより、所
期の目的を達成するようにしたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随って説明する。

１２はアームヘッド１１を固着する枢軸であって、該枢
軸１２は車体２５に回動自在に枢着され、ワイパーモー
タ（図示せず）の駆動により繰返し反転回動するように
なされている。

該枢軸１２にはアームヘッド１１が固着されている。

１３はリテーナ−であって、その基端１３ａは上記アー
ムヘッド１１に枢支されている。

１４はアームピースであって、その基端１４ａは上記リ
テーナ−１３の先端１３ｂにリベットやカシメにより固
着され、又、先端にはブレード（図示せず）が取付けら
れている。

１５はアームスプリングであって、その一端１５ａは上
記アームピース１４０基端１４ａＫ係止され、他端１５
ａは、基端１６ａが上記アームヘッド１Ｆに回動自在に
枢着されたレバー１６の先端１６ｂに係止され、該アー
ムスプリング１５のばね力により、上記アームピース１
４を押圧し、該アームピース１４の先端に取付けられた
ブレード（図示せず）で窓ガラス（図示せず）を払拭す
るようになされている。

上記レバー１６の先端１６ｂ側にはリンケージとなるリ
モコンワイヤー１７の一端１７ａが連結されている。

該リモコンワイヤー１７の他端１７ｂは、負圧入力によ
り該リモコンワイヤー１７の他端１７ｂを引くアクチュ
エーター１８に連結されている。

上記アクチュエーター１８は、インテークマニホールド
２０やバキュームタンク（図示せず）等車両の負圧源と
負圧回路２６で接続されている。

該負圧回路２６には、車速センサー２２によりあらかじ
め設定された車速以上になると、上記アクチュエーター
１８に上記負圧源（実施例ではインテークマニホールド
２０）の負圧を入力するサーボバルブ１９が設けられて
いる。

２１は上記車速センサー２２とサーボバルブ１９とをつ
なぐ回路中に設けられたコントローラーである。

上記車速センサー２２は車速Ｖを周波数に変えてコント
ローラー２１に送り、該コントローラー２１で周波数を
電圧から電流に変えて上記サーボバルブ１９へ入力させ
る。

サーボバルブ１９は入力した電流の電流値が設定値以上
になったとき、ダイヤフラム２３が働き負圧パルプ２４
を開くようにセットされている。

したがって車がある設定された車速Ｖ１以上になると負
圧が発生し、アクチュエーター１８が働いてリモコンワ
イヤー１７が引かれ、レバー１６が第２図に示す鎖線ま
で回動すると共に、アームスプリング１５の一端も移動
して、該アームスプリング１５が伸びアームピース１４
のブレード５の押圧力Ｆを高くすることができる。

第３図は本考案と従来のワイパーの押圧力を示す比較図
であり、横軸は車速Ｖを示し、縦軸はブレードの押圧力
Ｆを示している。

又、図中実線は本考案のワイパー装置の場合を表わし、
破線は従来のワイパー装置の場合を表わしている。

従来のワイパー装置の場合、低速走行時（図では車速ｖ
１以下）においては、ブレードの押圧力Ｆが適正でフロ
ントガラスを充分払拭しうる犬ｕＪであっても、高速走
行時（図では車速Ｖ１以上）になるとフロントガラス面
に生じる風圧により押上げられ、第３図の破線で示すよ
うにブレードの押圧力は弱められ、払拭性能が低下する
。

これに対して本考案のワイパー装置の場合には、低速走
行時に釦いてはブレードの押圧力は従来の同様であるが
、高速走行時、例えば車速Ｖｉのときフロントガラス面
に生じる風圧により低下せしめられる押圧力Ｆ分、即ち
第３図の実線と破線の差分の押圧力Ｆを、インテークマ
ニホールド２０等の負圧源の負圧によってアームスプリ
ング１５を介して増大させ、ブレードの押圧力Ｆの低下
を防ぐ。

Ｖｍａｘ は最高車速を示す。

次に、第２図におけるアームスプリング１５をリモコン
ワイヤー１７で引いた場合、アームピース１４のブレー
ドが窓ガラスを押圧するためのモーメント作用について
第４図で説明する。

アームピース１４の基部に形成されたりテーナー１３が
アームヘッド１１に枢着された枢着部をＡ点とし、アー
ムスプリング１５の一端をＢ点とし、レバー１６０基端
を０点とする。

また、レバー１６の先端すなわちアームスプリング１５
の他端をＤ点とする。

ここで力の作用を簡略に説明するために便宜上レバー１
６の先端すなわちアームスプリング１５つ他端であるＤ
点にリモコンワイヤ１７の一端が連結されているものと
する。

そしてリモコンワイヤー１７でレバー１６の先端である
Ｄ点を引いたときレバー１６の先端がＤ１点に移動し、
かつ、アームスプリング１５の方向がθだけ回動したも
のとする。

そこでアームピース１４のブレードが窓ガラスを押圧す
るためＡ点まわりに作用するモーメントはアームスプリ
ング１５の引張力、アームスプリング１５の引張方向と
Ａ点の離間寸法（モーメントアーム）で表わされる。

図に釦ける三角形ＢＣＤＩにおいてレバー長さ＆ＩＣＤ
＝ＣＤ１であり三角形の二辺の和は他の一辺より犬であ
るからアームスプリング１５の長さはＢＤｌ）ＢＤとな
り、リモコンワイヤー１７を引くとアームスプリング１
５は伸びる。

したがってＤ点におけるアームスプリング１５の引張力
ＰよりもＤ１点にかけるアームスプリング１５の引張力
Ｐ１の方がアームスプリング１５の伸びた分大きくなる
。

そしてリモコンワイヤー１７でレバー１６を引いていな
いときのモーメントアームはｔ１引いたときのモーメン
トアームはｔｌとなり、図のように１１＞１となる。

従ってリモコンワイヤー１７でレバー１６を引いてない
ときのモーメントはＭ＝Ｐｔ、引いたときのモーメント
はＭにＰ１ｔ１ となってＭｌ）Ｍとなる。

このようにリモコンワイヤー１７を引くことによってア
ームスプリング１５の引張力も、モーメントアームも大
きくなりアームピース１４に作用するモーメントは相乗
的に大きくなる。

従ってアームピース１４のブレードで窓ガラスを押圧す
る押圧力も相乗的に大きくなる。

尚、インテークマニホールド２０やバキュームタンク（
図示せず）等車両の負圧源の場合車両のアイドリング状
態あるいは低速走行状態でも負圧を発生する。

そしてこの負圧はアイドリング状態には小さく、車速に
応じて大きくなるというものではない。

従って、アイドリンク状態あるいは低速走行状態でこの
負圧をアクチュエーター１８に入れると、常にブレード
の押圧力を高めることになり、従来と同様ブレードの摩
耗が早い等という問題が解消されない。

そのため、インテークマニホールド２０等の負圧源とア
クチュエータ１８を接続する負圧回路２６の途中にサー
ボバルブ１９を設け、このサーボバルブ１９であらかじ
め設定された車速以上になると負圧バルブ２４を開くよ
うにする。

これによりアイドリンク状態あるいは低速走行状態では
ブレードの押圧力が低く、高速走行時にはブレードの押
圧力が高くなる。

以上述べたように本考案によれば、車速に応じてワイパ
ーの押圧力を変化させるようにしたので、高速でのワイ
パーの押圧不足、及び低速でのワイパー装置のシャダー
が解消され車速に関係なく常に適正な押圧力でフロント
ガラスを払拭することができるだけではなく、ブレード
の耐摩耗性も向上させることができる等の効果を有する
ものである。

さらに、アームスプリングとアームヘッドの間にレバー
を介して、このレバーをリモコンワイヤー等のリンケー
ジで引くようにしたので比較的小さい引張力でリンケー
ジを引くことにより大きな押圧力をグレードに生じさせ
ることができる。

また、リンケージを作動させる出力としてインテークマ
ニホールドの負圧を利用するようにし、比較的電力を要
しないサーボバルブでインテークマニホールドとアクチ
ュエータの間の負圧回路を開閉するようにしたので電力
消費量が少なくて済む。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の押圧式ワイパー装置を示す側面図、第２
図は本考案による押圧式ワイパー装置を示す部分拡大側
面図、第３図は本考案と従来のワイパーの押圧力を示す
比較図で、実線が本考案によるもの、点線が従来のもの
を示している。 第４図はアームピースのブレードが窓ガラスを押圧する
ためのモーメントを示す作用説明図である。 １１はアームヘッド、１４はアームピース、１５はアー
ムスプリング、１６はレバー、１７はリモコンワイヤー
１８はアクチュエーター、１９はサーボバルブ、２２
は車速センサー、２６は負圧回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ワイパーモータの駆動により繰返し反転回動する枢軸が
   車体に設けられ、該枢軸にアームヘッドが固着され、該
   アームヘッドにはアームピースの基端に枢支されたリテ
   ーナが枢支され、アームスプリングのばね力により該ア
   ームピースを押圧し、該アームピースに取付けられたブ
   レードで窓ガラスを払拭するようになした自動車の押圧
   式ワイパー装置にトいて、 一端が上記アームピースに係止された上記アームスプリ
   ングの他端は、基端が上記アームヘッドに枢着されたレ
   バーの先端に係止され、該レバーの先端側にはリンケー
   ジの一端が連結され、該リンケージの他端は、負圧入力
   により該リンケージの他端を引くアクチュエーターに連
   結され、該アクチュエーターはインテークマニホールド
   等車両の負圧源と負圧回路で接続されていると共に、該
   負圧回路には、車速センサーによりあらかじめ設定され
   た車速以上になると、上記アクチュエーターに上記負圧
   源の負圧を入力するサーボバルブが設けられていること
   を特徴とする可変押圧式ワイパー装置。