JPS5941483B2 - 高炉用熱風炉のライニング方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高炉用熱風炉のライニング方法に関するも
のである。

例えば高炉用熱風炉のライニングは、従来第１図に一部
を拡大縦断側面図で示しであるように、蓄熱室と燃焼室
の周壁１の構造を、外側の鉄皮２の内面に、厚さ５０〜
５０間のキャスタブ）レライニング３を吹付け、塗布し
、その内側に、岩綿、セラミックファイバ等を挿入する
膨張代４を介し、所要の厚みに耐火断熱煉瓦５を積み、
その内側に断熱煉瓦６を積み、更にその内側に耐火煉瓦
７を積んだ構造としている。

即ち、従来の熱風炉の壁構造は、多数の成形レンガを、
モルタルで接着しながら積上げてゆく構造であって、建
設あるいは改修に際し、数ケ月に及び長い工期を必要と
し、また重筋作業である上、機械による省力化が困難で
多くの労力を必要としていた。

このようにして構築する熱風炉は、煉瓦積み施工に高度
の技術が要求さね、その良否が、熱風炉としての耐用命
数を大きく左右するので、高度の技術をもった技能者を
確保し、良質の煉瓦を使用した上に、厳密な施工管理を
行うことになって、建設費が割高となることは避けられ
なかった。

また構造面では、多数の目地を有するため、この目地に
よって熱が鉄皮に伝達し、鉄皮赤熱の原因となり、構造
強度は弱く、目地部の強度によってライニング寿命が決
定される等の問題を有していた。

上記の鉄皮赤熱を防１トするため、鉄皮内面に、厚さ５
０ｍｍ程度のキャスタブルライニングを施すことも行な
われているが、従来のキャスタブルライニングは、吹付
は施行のため、粉塵の発生により著しく作業環境が悪い
上、キャスタブルの充填塵は不十分であり、ライニング
材は吹付けできる品質に限定され、施工能率は悪く、吹
付はロスによってライニングコストは高く、シかも施工
精度は作業員の技量に左右される等、多くの問題かあｉ
つた。

この発明は、上述のような観点から、大幅な省力化が可
能で、重筋作業を解消でき、熟練作業者を要せず、短い
１期により低コストで施工ができる高炉用熱風炉のライ
ニング方法を提供するもので、鉄皮内側に、表面に耐水
塗料が塗布された熱膨張吸収用のボードを貼設する工程
と、前記ボードの内側全周に所定の空間を設けて、不定
形耐火物の流し込み用枠体を周設する工程と、前記空間
に断熱質不定形耐火物を流し込む工程と、前記断熱質不
定形耐火物の養生後、前記流し込み用枠体を撤去する工
程と、前記断熱質不定形耐火物の内側全周に所定の空間
を設けて、不定形耐火物の流し込み用枠体を周設する工
程と、前記空間に耐火質不定形耐火物を流し込む工程と
、前記耐火質不定形耐火物の養生後、前記流し込み用枠
体を撤去する工程とにより、鉄皮内側に順次炉心方向に
向け、熱膨張吸収層、断熱質不定形耐火物層、耐火質不
定形耐火物層をライニングすることに特徴を有するもの
である。

次に、この発明を図面と共に説明する。

第２図にはこの発明のライニング方法の一例が、その施
工順序を示す一部拡大縦断側面図により示されている。

この発明においては、第２図Ａに示ず如く、先づ鉄皮２
の内周面に熱膨張吸収用のボード８を、モルタル等を使
用して貼設し、その表面に耐水塗料９を塗布する。

なお、耐水塗料９は予めボード８の表面に塗布しておい
てもよい。

次いで、第２図Ｂに示す如く、前記ボード８の内側全周
に所定の空間１０を設けて、不定形耐火物の流し込み用
枠体１１を周設する。

しかる後、第２図Ｃに示す如く、前記空間１０内に断熱
質不定形耐火物１２を流しこみ、その成形養生を行なう
。

上記断熱質不定形耐火物１２の養生完了後、前記枠体１
１を撤去する。

そして、第２図りに示す如く前記断熱質不定形耐火物１
２の内側全周に所定の空間１３を設けて、耐火質不定形
耐火物の流し込み用枠体１４を周設する。

しかる後、第２図Ｅに示す如く、前記空間１３内に耐火
質不定形耐火物１５を流しこみ、その成形養生を行なう
。

上記耐火質不定形耐火物１５の養生完了後、前記枠体１
４を撤去することによりライニング作業が完了し、以降
チェッカー煉瓦１６の積上げ作業が行なわれる。

第３図には、上記方法によるライニング作業の全体が概
略縦断側面図により示されている。

図面において１７は鉄皮２の高さ方向に数段にわたって
架設された作業デツキ、１８はパケット１９を捲き上げ
鉄皮２側に水平移動し得る、作業デツキ１７に取付は自
在のホイスト、２０は鉄皮２内にパケット２１を昇降し
得るホイスト、２２は不定形耐火物混練用のミキサーで
ある。

熱膨張吸収用のボード８の内側全周に、所定の空間を設
けて周設された枠体１１の上面にはシュート２３が設け
られてあり、パケット１９に入れられた不定形耐火物１
２は、ホイスト１８により鉄皮２内を昇降するホイスト
２０に吊り下げられたパケット２１内に移され、前記パ
ケット２１により、シュート２３から枠体１１とボード
８との間に形成された空間１０内に落下し充填される。

以下同様の作業を繰り返すことによって、容易にライニ
ング作業を行なうことができる。

次に、高炉用熱風炉蓄熱室周壁下部を、この発明でライ
ニングした場合の実施例について説明する。

第１層目の断熱質不定形耐火物としてライトキャスタブ
ル（Ａ１２０３：４０％、ＳｉＯ□：４０％）を、また
第２層目の耐火質不定形耐火物としてキャスタブル（Ａ
１２０３：４４係、ＳｉＯ□：５１％）を使用し、夫々
厚さ３００ｍｍ、高さ２５ｍにわたってライニングした
。

第１表には、その物性が示六ノってい乙− 施工日数は、養生時間を含めて２５日であり、従来の煉
瓦積上げ工法による場合は約５０日を要することと比較
し、半分の日数で施行ができた。

また施工に要する作業員は２５人／日であり、従来工法
が３０人／日を要していたことと比較して小人数でよく
、施工費は従来工法の約半額近くで済んだ。

またその寿命は７−Ｖｌ ０年間保持でき、更に従来工
法の場合と比べ熱伝導率が向上し、優れた熱効率を発揮
することができた。

第４図はこの発明方法の他の実施例で、この実施例にお
いては、鉄皮２の内面に炉心方向に向は所定の鉄筋２４
を突設し、不定形耐火物１２．１５の中に埋没せしめて
強度の向上を図っている。

なお、不定形耐火物層１２．１５間における鉄筋２４の
接続は、相互の端部をボルト、ナツト等により行なえば
よい。

次に、この発明の効果を記す。

（１） 目地部がなく、ライニング面が均一となるか
ら、鉄皮内面へのキャスタブル吹付施］Ｉ ｉｉ不要と
なり、作業環境は改善され、施工Ｔ数も削減できる。

また、目地部のないことにより、鉄皮赤熱現象が生ずる
ことはなく、ライニング寿命が延びる。

（２）不定形耐火物を一時に多量に流しこむことができ
るから、作業能率に優れ工期を短縮できる。

（３）作業に高度の熟練を要せず、機械化が可能で重筋
労働は削減され、大幅な省力化が可能となる。

（４）成形煉瓦に比べ廉価な不定形耐火物を使用できる
ので、材料費が節減される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高炉用熱風炉の壁構造の一部分を示す拡
大縦断側面図、第２図はこの発明の施工順序の一例を示
す部分拡大縦断側面図、第３図はライニング作業の全体
を示す概略縦断側面図、第４図はこの発明の他の実施例
を示す部分拡大縦断側面図である。 図面において、１・・・・・・周壁、２・・・・・・鉄
皮、３・・・・・・キャスクプルライニング、４・・・
・・・膨張代、５・・・・・・耐火断熱煉瓦、６・・・
・・・断熱煉瓦、７・・・・・・耐火煉瓦、８・・・・
・・ボード、９・・・・・・耐水塗料、１０．１３・・
・・・・空間、１１．１４・・・・・・流し込み用枠体
、１２・・・・・・断熱質不定形耐火物、１５・・・・
・・耐火質不定形耐火物、１６・・・・・・チェッカー
煉瓦、１７・・・・・・作業デツキ、１８．２０・・・
・・・ホイスト、１９．２１・・・・・・パケット、２
２・・・・・・ミキサー、２３・・・・・・シュート、
２４・・・・・・鉄筋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鉄皮内側に、表面に耐水塗料が塗布された熱膨張吸
   収用のボードを貼設する工程と、前記ボードの内側全周
   に所定の空間を設けて、不定形耐火物の流し込み用枠体
   を周設する工程と、前記空間に断熱質不定形耐火物を流
   し込む工程と、前記断熱質不定形耐火物の養生後、前記
   流し込み用枠体を撤去する工程と、前記断熱質不定形耐
   火物の内側全周に所定の空間を設けて、不定形耐火物の
   流し込み用枠体を周設する工程と、前記空間に耐火質不
   定形耐火物を流し込む工程と、前記耐火質不定形耐火物
   の養生後、前記流し込み用枠体を撤去する工程とにより
   、鉄皮内側に順次炉心方向に向け、熱膨張吸収層、断熱
   質不定形耐火物層、耐火質不定形耐火物層をライニング
   することを特徴とする高炉用熱風炉のライニング方法。