JPS5941082Y2 - 射出成形機の金型クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、射出成形機の金型クランプ装置の改良に関
するものである。

従来、第１図に示した射出成形機においては、金型を射
出成形機側に着脱自在に取付ける手段として、一般に、
ボルト締め手段が適用されている。

すなわち、１は固定盤、２は可動盤（以下、両者を「定
盤」と総称する）、３は固定金型、４は可動金型、５，
６は金型支持板であり、前記固定及び可動金型３，４は
、金型支持板５，６を介して定盤１，２にボルト（図示
してない）で締付ゆられるものであるが、このボルト締
めによる取付手段は、その取付は作業に多大の時間と労
力とを必要とするので、作業能率が悪く、シかも、金型
の重量が大きくなると、その作業に危険が伴うことが欠
点とされている。

上記のボルト締めによる手段に代る取付は手段として、
定盤に対して傾斜する角度部位に流体圧シリンダを設け
、そのピストンロッドの先端ニ固定した楔形の固定具を
案内体内で往復動できるようにし、前記楔形固定具で金
型支持板を定盤に圧着保持する手段が提案されているが
、この流体圧式のダイクランパによる取付は手段は、そ
の作動油または圧縮空気の漏れ、あるいは停電による駆
動源の停止などが起きて、作動流体圧力の急低下により
、クランプ力が落ちた場合、金型の脱落事故が発生し、
射出成形機本体の損傷を招くおそれがある。

この考案は、上述した従来の金型取付は手段の欠点を解
消するためになされたものであって、とくに金型取付作
業の簡易化が図れると共に金型が脱落するおそれを確実
に防止することのできる金型クランプ装置を提供するこ
とを主たる目的としているものである。

以下、この考案を、その実施の一例を示した図面に基い
て詳しく説明する。

第２図ないし第５図において、７はクランプ装置を構成
しているフレームであり、これは前記各定盤１，２の金
型取付げ盤面上において、複数個所に配置され、それぞ
れボルト８により、定盤に固定されるものである。

前記フレーム７には、所要の間隔をとって並ぶ３つの軸
受部９，１０，１１があり、一端にある軸受部９には、
流体シリンダ１２がトラニオン１３で傾動自在に支持さ
れている。

中央の軸受部１０には、側方軸１４が装架され、その側
方軸１４に一対のリンク１５，１５の一端が回動自在に
支持され、リンク１５．１５の他端には、中心軸１６を
介して別の一対のリンク１７．１７が連結され、この中
心軸１６に、前記流体シリンダ１２のピストンロンド先
端に固着しである金具１８が回動自在に連結されている
。

前記軸受部１１には、軸１９が装架され、その軸１９に
金型抑え腕２０が、その中途部位で回動自在に支持され
、金型抑え腕２００基端部位には側方軸２１を介して前
記リンク１７，１７が回動自在に連結されている。

しかして、上記した構成において、中心となる中心軸１
６と、その両側に位置する側方軸１４゜２１と、リンク
１５．１７と、軸１９と、金型抑え腕２０とからなる機
構は、いわゆるトグル機構に構成され、それにより後記
する作用効果が得られるようになっている。

第６図および第７図は、成形機への金型搬入方向（矢印
）と、上記クランプ装置の配置との関係を示したもので
あって、クランプ装置は、金型が成形機の上方からクレ
ーンなどで吊り下げて搬入されるものに対しては、第６
図に示すように配置し、ローラコンベアなどで成形機の
側方から搬入されるものに対しては、第７図に示すよう
に配置する。

図中、２２はタイバーである。次に上記の如く購或され
た金型クランプ装置の操作ならびにその作動について説
明する。

まず、金型を搬入する前に、定盤１，２の対向間隔を金
型の厚さより若干広くあげておく。

次に流体シリンダ１２を操作してピストンロンドを前進
させると、リンク１５．１７は金型側へ屈折転回し、そ
の結果、金型抑え腕２０は、第３図において、矢印Ｐの
方向に回動され、定盤から離隔される。

次に金型を搬入して芯出し後、可動盤を固定盤へ向けて
移動させ、あるいは又、可能であれば所定の締付力で型
締めを行ない、そのあと、流体シリンダを操作してピス
トンロンドを後退させると、リンク１５．１７はシリン
ダ側に屈折転回し、同時に金型抑え腕２０は金型支持板
５゜６に当接される。

そこでピストンロンドをさらに後退させると、トグル作
用により、金型抑え腕２０は金型支持板を強大な力で矢
印Ｑの方向に押しつげるので、金型はクランプされる。

このとき、第８図に示すように、トグル機構の中心軸１
６がその両側の側方軸１４．２１を結ぶ直線を越えた位
置で、ピストンロンドはその後退限となるように設定さ
れており、そのために、金型抑え腕２０はそのクランプ
位置に保持される。

したがって、上記の金型クランプ装置の構成によれば、
金型を金型支持板５，６を介して定盤１゜２にトグル作
用で押しつげたあと、流体シリンダの流体圧が解放され
ても、トグル機構の中心軸１６が、その両側の側方軸１
４．２１を結ぶ直線を越えているので、リンク１５．１
７が逆方向へ回動したり、また、ピストンロンドの後退
限が設定されているので、リンク１５．１７が進み過ぎ
その結果金型抑え腕が金型支持板から離隔する方向へ動
き、その押圧力が減少し、それがため金型が脱落するよ
うなことは全く無い。

よって、従来の流体圧式クランプ装置のように、成形運
転中の停電などにより、流体シリンダの流体圧が落ち、
金型への押圧力の低下による金型脱落事故の発生を確実
に防止できる。

また、金型フラング終了後は、流体圧を解放してもよく
、その間、油圧ポンプの運転を停止できるので、省エネ
ルギー効果もある。

以上に述べたように、この考案によれば、成形機の固定
盤および可動盤側に固定されるフレームに、流体シリン
ダが傾動自在に支持され、そのピストンロンド先端は、
リンクを介して相互に連続している３つの軸のうちの中
心軸に回動自在に連結され、一方の側方軸はフレーム側
に支持され、他方の側方軸には、フレームに回動支点を
有する金型抑え腕の基端部が回動自在に支持され、前記
中心軸と両側方軸とリンクとでトグル機構が構成され、
前記流体シリンダの操作により、前記中心軸が両側方軸
を結ぶ直線を越えて停止するように構成されているので
、金型取付は作業の簡易化と金型脱落防止にすぐれた効
果がある金型クランプ装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は射出成形機の要部の構成を示す側面図、第２図
はこの考案の一実施例を示す金型クランプ装置の正面図
、第３図は第２図のＡ−Ａ線の縦断面図、第４図は第２
図のＢ−Ｂ線の横断面図、第５図は要部の拡大斜視図、
第６図および第７図はクランプ装置の配置図、第８図は
トグル機構部の説明図である。 １・・・・・・固定盤、２・・・・・・可動盤、３・・
・・・・固定金型、４・・・・・・可動金型、５，６・
−・・・・金型支持板、７・・・・・・フレーム、８・
・・・・・ボルト、９，１０．１１・・・・・・軸受部
、１２・・・・・・床体シリンダ、１３・・・・・・ト
ラニオン、１４・・・・・・側方軸、１５，１７・・・
・・・リンク、１６・・・・・・中心軸、１８・・・・
・・金具、１９・・・・・・軸、２０・・・・・・金型
抑え腕、２１・・・・・・側方軸、２２・・・・・・タ
イバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 射出成形機の固定盤１および可動盤２上に複数個のフレ
   ームＩを固定し、該フレームの一端の軸受部９はトラニ
   オン１３を介して流体シリンダ１２を傾動自在に軸支し
   、該フレームの中央の軸受部１０は側方軸１４を介して
   リンク１５を軸支し〜 リンク１５の他端は中心線１６
   を介してリンク１Ｔと回動自在に連結し、前記流体シリ
   ンダ１２のピストンロッド先端部は中心軸１６に回動自
   在に連結し、さらに該フレームの他端の軸受部１１は軸
   １９を介して金型抑え腕２０の中央部を回動自在に支持
   し、金型抑え腕２００基端部はリンク１７の他端と側方
   軸２１を介して回動自在に支持されるとともに金型抑え
   腕２０の先端部が金型取付板５，６を押圧するようにし
   、中心軸１６と、側方軸１４．２１と、軸１９と、リン
   ク１５゜１７および金型抑え腕２０とでトグル機構を構
   成し、前記流体シリンダ１２の操作により、中心軸１６
   が両側方軸１４．２１を結ぶ直線を越えて停止するよう
   に構成したことを特徴とする射出成形機の金型クランプ
   装置。