JPS5940524B2 - 調質圧延方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、冷延鋼板の製造工程において、電解消浄ライ
ンを省略した場合の鋼板表面に生ずるスマツジの発生を
防止させる方法に関し、特に清浄性の高い鋼板を得るた
めの調質圧延方法に関する。

冷延鋼板は通常第１図に示すような製造工程を経て熱延
コイルａから冷延コイルｂに処理される。

冷間圧延工程では、潤滑と冷却のために圧延油を使用す
るが、鋼板に付着している圧延油は焼純工程の高温雰囲
気中で分解し、炭化物としてのスマツジ（汚れ）となっ
て残留する。

このスマツジは製品外観やメッキの付着を悪くするため
除去する必要があり、一般的には焼純工程前にアルカリ
性洗浄液を用いたブラッシングおよび電気分解による洗
浄ラインを通過させて鋼板表面の圧延油を除去させるよ
うにしている。

しかしながら、清浄工程は比較的コスト高になるため、
通常の冷延過程においては表面品質が厳しく要求される
ものだけ清浄ラインを通し、それ以外のものは、圧延油
の組成を改良したり、または冷間圧延機の最終スタンド
通過後に鋼板表面を洗浄液で噴射洗浄させることによっ
て、電解消浄ラインを省略して焼鈍炉へ直送する方法を
とっていた。

しかしながら、改良圧延油に頼る手段においては、本来
の圧延性の向上をめぢす観点に逆行することとなるため
に、自ずから限界があって大きな清浄効果を期待するこ
とができず、また、冷延最終スタンドにおける清浄手段
は、コストの割には清浄効果が上がらない難点があった
。

本発明の目的は、元来清浄のための機能を要求されてい
なかった調質圧延工程に鋼板清浄化機能を組込んだ調質
圧延方法を提供し、従来のクリーン・シート製造技術に
おける上述の問題点を解決したことにある。

本発明の主眼は、調質圧延の直前工程において鋼板表裏
面に除湿気体を高圧で噴射し、鋼板面に付着している炭
化スマツジ粉を吹飛ばして清浄性の高い成品をつくるこ
とにある。

本発明の方法は、第２図に示すように調質圧延機Ｔの入
側において、鋼板Ｓの上下両面に対向する噴射ノズル１
を設け、例えば空気などの気体を高圧で噴射させるよう
にする。

噴射洗浄に使用する空気は除塵器２によって予め塵芥等
を除去したのち、除湿器３によって除湿と冷却とを行っ
ておく。

噴射ノズル１を取囲む噴射、洗浄空間をハウジング４に
よって他の空間部から隔絶しておき、このハウジング内
を鋼板Ｓが通過できるようにしておく。

ハウジング４には排気ダクト５を連設し、ハウジング内
の空気を適当な時機に吸引して好ましくは除塵器６を通
過させてから大気に放散させる。

本発明法においては、調質圧延工程に入る直前位置で空
気などの除湿気体を高圧で鋼板面に噴射し、鋼板ダル面
などに残留しているスマツジを吹飛ばし、清浄化した鋼
板に対して直ちに調質圧延を施す。

洗浄用気体の噴射圧力は、定常調質圧延速度が１０００
ｍ、７分前後の場合で５０ｋｇ／ｃ１ｒＬ以上とし、噴
射流量は１００ ｌ／−以上とする。

なお、本発明法において噴射する洗浄用の高圧気体は、
除湿と同時に冷却を行わせることもできるので、焼鈍後
の１２０°Ｃ付近にあるコイルを常温の４０℃付近まで
冷却することができ、従って調質圧延に適した温度条件
に導くことができる。

本発明法の利用により、電解清浄ラインを省略した冷延
鋼板の清浄度が一段と向上し、スマツジ減少による成品
歩留は０．０５％の向上をみた。

また、本発明法の利用によって、電解清浄ライン処理を
必要とする成品の一部を主情ライン省略工程に組入れる
ことも可能となり、生産ラインの合理化を図ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷延鋼板製造工程の概要を示すブロック図。 第２図は本発明に係る調質圧延力法の構成説明図。 １：噴射ノズル、２：除塵器、３：除湿器、４：ハウジ
ング、５：排気ダクト、６：除塵器、Ｔ：調質圧延機、
Ｓ：鋼板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 調質圧延機αつ入側に加圧気体の噴射装置を設けて
   鋼板の表裏面に加圧気体を噴射すること、前記加圧気体
   の圧力は５０ｋｇ／ｉ以上とし、除湿した気体番使用す
   ること、加圧気体の噴射部は他の空間から隔絶したハウ
   ジングに形成し鋼板は該ハウジング内を通過させること
   、加圧気体による噴射洗浄を行ったのち直ちに調質圧延
   を行うことを特徴とする調質圧延方法。