JPS5940250Y2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は合成樹脂製容器に関し、蓋体を被せた多数の
容器を積重ねた１１の状態でも収納物の視認が容易で使
用に至便なものを提供しようとしている。

従来より発泡シート製のトレイ状容器が食品収納用等に
使用されており、軽量で安価なことなど多くの長所を有
するものとして広く普及している。

ところが上記トレイ状容器に蓋を被せて多数の容器を積
重ね保管あるいは陳列する場合、蓋を透明に形成してお
いても、積重ねた下部の容器については上部の容器が邪
魔になって容器内が見えず、収納物の検品等に不便であ
ると共に陳列効果上も不都合なものであった。

そこでこの考案においては、上記容器の積重ね状態であ
っても容器内の収納物の視認が可能なものを提供するも
のであり、その構成としては、全体が不透明な合成樹脂
シートからなる容器本体と全体が透明な合成樹脂シート
からなる蓋体とを組合せてなる容器であって、容器本体
の周縁一部を下方へ凹入形成すると共に、蓋体の略平坦
な上面から垂下形成された側壁にて上記容器本体に形成
した凹入縁部の上部を被覆可能になすことを特徴として
いる。

次いでこの考案の実施態様について図を参照しながら以
下に例示する。

１は容器本体であり、発泡ポリスチレン等の合成樹脂の
発泡シートからなる。

そして略長方形状の容器本体１の開口上面において、シ
ート材の端部付近が弧状に彎曲形成され、彎曲部より外
方へとテーパー状に拡がったフランジ状の周縁１０を形
成しており、この周縁１０のうち前後に続く長手方向の
辺部において、周縁１０の一部を下方へゆるやかな弧形
等の曲線状に凹入形成１１している。

２は蓋体であり、透明なポリスチレンシート等の合成樹
脂シートからなり、略平坦な上面２０と、この上面から
下方へとテーパー状に拡がって垂下形成した側壁２１を
有し、側壁２１の途中には容器本体１の周縁１０外側へ
嵌合できる嵌合段部２２を形成している。

２３は蓋体２の上面２０の中央をわずかに凹入形成した
凹部であり、容器の積重ね時に上下の位置ズレを防止す
るものである。

２４はリプであり、蓋体２の上面２０端部近くから側壁
２１へかけて、複列の小凸条が各辺二個づつ計へ個所に
形成してあり、補強と共に意匠的な効果をも有するもの
である。

以上のごとき容器のうち、容器本体１を形成する素材と
しては、発泡ポリスチレンシートのほか、ポリエチレン
、ポリプロピレン、その他の合成樹脂の単独重合体ある
いは共重合体からなる発泡シートが緩衝性、軽量性、断
熱性等に優れ好適であり、特に上記発泡シートの片面ま
たは両面に上記同様の各種合成樹脂からなる非発泡のフ
ィルム、シートを積層したものが食品収納時の衛生上あ
るいは耐水性、強度等の点で優れており、また勿論非発
泡の合成樹脂シートでも不透明なものについては上記同
様の形状にて実施可能である。

なお、上記シート材に適宜着色を施したり、種種の模様
を印刷したりすれば一層外観良好になり好適である。

次に蓋体２の素材としては、ポリスチレンの透明シート
のほか、透明性および強度に優れたハイインパクトポリ
スチレンシートあるいはその他の合成樹脂からなる透明
なシートが使用できる。

容器全体の形状としては図示した長方形のほか、六角形
等の角形あるいは円形その他自由な形状で実施でき、容
器本体１に形成する凹入縁部１１としては、図示した位
置あるいは個数に限らず自由変更して実施でき、その形
状としても実施例のごときゆるやかな弧曲線状をなすも
ののほか直線的な段状をなすもの、凹入部分に小さな凹
凸を有するものなど種々の形状で実施できる。

その他蓋体２に形成した凹部２３、リブ２４等について
も実施上種々変更できる。

上記のごとき容器によれば、容器本体１に収納物を入れ
て蓋体２を被せ、これを順次積重ねて保管あるいは陳列
する際、下部の容器の平如な蓋体２上面に上部の容器の
容器本体１が載って、上方からは容器内部を視認できな
くなった場合でも、容器の上部側面において、容器本体
１の凹入縁部１１の上方部分から透明な蓋体２の側壁２
１を通して内部が視認でき、収納物の有無あるいは種別
を確認したり、収納物が食品等の場合に鮮度や量を適宜
検品する作業の際に、いちいち積重ねた容器を取除いた
り、蓋をあける手間が省は取扱い至便となる。

また販売時においては、積重ねた１１陳列しても各容器
内の収納物が見えるので購買者の品選びが行ない易く、
しかも外観的に独特の意匠による効果もあり容器として
の商品価値を高めることが出来る等、種々の実用的効果
に優れた合成樹脂製容器を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであり、第１図
は開蓋時の斜視図、第２図は積重ね状態の正面図、第３
図は同上の断面図である。 １・・・容器本体、１０・・・周縁、１１・・・凹入縁
部、２・・・蓋体、２０・・・上面、２１・・側壁。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）全体が不透明な合成樹脂シートからなる容器本体
   と全体が透明な合成樹脂シートからなる蓋体とを組合せ
   てなる容器であって、容器本体の周縁一部を下方へ凹入
   形成すると共に、蓋体の略平坦な上面から垂下形成され
   た側壁にて上記容器本体に形成した凹入縁部の上部を被
   覆可能になすことを特徴とする合成樹脂製容器。
2. （２）容器本体となる合成樹脂シートが、合成樹脂の発
   泡シートに合成樹脂の非発泡フィルムが積層されたもの
   からなる上記実用新案登録請求の範囲第１項記載の合成
   樹脂製容器。
3. （３）容器本体の周縁としては、合成樹脂シートの端部
   付近を弧状に彎曲形成したフランジ状周縁からなる上記
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の合成樹脂製容器。