JPS5939566Y2 - 太陽熱利用温水器の貯湯タンク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は太陽熱利用温水器の貯湯タンクに関するもの
である。

従来、太陽熱を利用することにより冷水を温水化する太
陽熱利用温水器が広く使用されているが、この太陽熱利
用温水器として一定量の水をタンク内に貯わえておき、
この水を太陽熱集熱板（コレクター）に循環させ、タン
ク内の水をしだいに温水化していく、いわゆる据置型温
水器が経済的であるとして広く使用されている。

ところで、この種構造の温水器は、貯湯タンクに初期給
水を行う場合、タンク内に流入する水勢により生じた気
泡が循環系内へ流入していくことがあり、この気泡が循
環系内に滞溜してしまうと、貯湯タンクとコレクターと
の間の自然循環が著しく阻害され、熱効率が非常に悪く
なるといった不具合が生じる欠点があった。

このような難点を解消するため給水をできるだけ静かに
行うか、あるいは給水口を基準水面（循環口水面より以
下の水面）以下に設け、上昇した水面が循環口レベルに
達した時点では、給水口が水面下にあるようにすること
などが考えられるが、前者の場合、満水に至る所要時間
が長く掛りすぎ、後者の場合は、中間給水を行う場合、
タンク内にせっかく温められて貯えられている温湯層を
攪乱し、効率の良い採湯が行えなくなるといった難点が
ある。

この考案は上記に鑑み、初期給水、あるいは中間給水時
において、給水時の流勢によって生じた気泡が循環系内
に流入していくのを有効に防止し得る太陽熱利用温水器
の貯湯タンクを得ることを目的としてなされたものであ
って、全体がプラスチックにより一体形成されたタンク
本体の側壁に一体的に突設形成された流出入口用パイプ
が、その軸線を下方向へ傾斜させて形成されていること
を特徴とするものである。

次に、この考案を実施例により説明する。

第１図はこの考案の実施列の断面図、第２図は実施例の
要部断面図である。

この考案の太陽熱利用温水器の貯湯タンク（以下貯湯タ
ンクと言う）１は、全体がプラスチックにより例えばプ
ロー成形等により成形されており、この貯湯タンク１の
側壁２に一体的に形成された流出入口用パイプ３Ａ、３
Ａが、その軸線３Ｂ。

３Ｂを下方向へ傾斜させて形成されて構成されている。

尚、図において、流出入口用パイプ３Ａ、３Ａの軸線３
Ｂ、３Ｂの傾斜角θは説明のためやや誇張して示したが
、実質的には、傾斜角θは１〜５゜程変、好ましくは３
とされる。

又、図中４はタンクケーシング、５はボールタップであ
ってこのボールタップ５によりタンク内の水位規制が行
われる。

そして、上記流出入口用パイプ３Ａ、３Ａがコレクター
（図示せず）に接続され、循環系を構成する。

そして、貯湯タンク１内に貯えられた湯水は、別に設け
た流出口６より適宜取り出されるのである。

この考案は以上のように構成されているので、給水時の
流勢による気泡が、流出入口用パイプ３Ａ、３Ａ内に流
入しても、その傾斜角のため、流出入口用パイプ３Ａ、
３Ａの天井壁に沿って上昇し、貯湯タンク内へ戻されて
しまい、湯水循環系内へと流入していくのが有効に防止
されるのである。

尚、第３図に示すように、流出入口用パイプ３Ａの基部
の上面部３Ａを大きな曲率を有する形状にしておけば、
気泡排除の効果が一層増強される。

以上述べたように、この考案によれば、湯水循環系内に
気泡が混入するのを有効に防止できるため、新規給水を
基準水面以上に設定することができ、特に、中間給水時
ｒおける温湯層の撹乱も防止でき、効率の良い採湯を行
うことが可能となるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の断面図、第２図は実施例の
要部断面図、第３図は他の実施例の要部断面図である。 １・・・・・・太陽熱利用温水器の貯湯タンク、２・・
・・・・側壁、３Ａ・・・・・・流出入口用パイプ、３
Ｂ・・・・・・軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 全体がプラスチックにより一体形成されたタンク本体の
   側壁に一体的に突設形成された流出入口用パイプが、そ
   の軸線を下方向へ傾斜させて形成されていることを特徴
   とする太陽熱利用温水器の貯湯タンク。