JPS5938961Y2 - 同時倣い旋削装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は同時に複数ケ所の倣い旋削を可能とした倣い旋
削装置に関する。

従来から旋削加工による外径旋削において、両端部分や
中間部分に径の異なるＲ加工または角度加工等の形状の
複雑な加工の場合は倣い装置を用いて旋削することが効
果的であることは一般的に知られてい、る。

しかし、被加工物が長尺であり振れ止めを使用しなげれ
ば加工が困難である場合には端面加工時と中間部分の倣
い旋削加工時とでは、端面加工後、倣い装置の移動や振
れ止めの入替え等の附随作業が必要であり、倣い装置を
用いる効果が半減するとともに煩雑な作業であった。

本考案はかかる従来の欠点を解消し、長尺被加工物であ
っても端面加工時と中間部加工時に振れ止めを移動した
り入替えることなく、同時に複数ケ所の倣い旋削加工を
可能とした同時倣い旋削装置を提供することを目的とし
、かかる目的を達成する本考案の構成はベッドの上方に
ベッドの長手方向と平行に支持される長尺の被加工物の
外径を倣い旋削する装置であって、ベッド上にベッド長
手方向に往復動可能に往復台を搭載し、被加工物の複数
の加工個所の加工形状に合った形状の複数のテンプレー
トを各加工個所に対応させてベッド側に固定し、テンプ
レートに当接させるスタイラスと、テンプレートに倣う
スタイラスの動きに応じて被加工物に対し進退移動し且
つ被加工物の切削に供される刃物が具え付けられる刃物
台とを有する放い装置を−のテンプレートにスタイラス
を当接させて往復台上に一台設置すると共に他のテンプ
レートにスタイラスを当接させてベッドの長手方向に沿
って移動可能に他のテンプレートに応じた台数設け、更
に、往復台とベッド長手方向に沿って移動自在に設置さ
れた倣い装置とにまたがってこれらを連結あるいは分離
し連結時には往復台と当該倣い装置とを一体移動可能と
する連結・分離手段を設けてなることを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に説明する
。

第１図およびそのＡ＝、Ａ線断面を示す第２図は本考案
の同時倣い旋削装置の一実施例にかかり、長尺旋盤に倣
い装置を２台設けたものを示した。

１は旋盤チャック、２は被加工物、３は芯押し台センタ
、４は振れ止め、５は往復台である。

２台の倣い装置６，６′のうち一方の倣い装置６は旋盤
の往復台５に取付けられ、テンプレート７によって被加
工物２の外径を倣い旋削する。

この往復台５の横送りは旋盤の送り機構にまり行々う。

また、他方の倣い装置６′は旋盤のベッド上に設けられ
ている往復台５用の案内面に沿って摺動可能の他方の倣
い装置６′の横送りは往復台５の送り機構を用いるため
、往復台５と倣い装置６′との間に連結・分離手段とし
ての連動機構が設けられるこの連動機構は送り駆動バー
９とコレット装置１０とで構成されており、送り駆動バ
ー９の一端部が往復台５に固着してあり、他端部が取付
台８゜８′上に設けたコレット装置１０で把持される。

したがって、倣い装置６，６′の間隔を任意に変えて送
り駆動バー９をコレット装置１０で固定できる。

また、取付台８，８′と倣い装置６′との間には被加工
物２の軸方向に移動可能な摺動機構が設けられハンドル
１２を回すことで被加工物２の外径加工位置にあらかじ
め刃物の先端を合わせることができ、ハンドル１２に取
付けたピニオンＩ２ａが取付台８，８′に固着しである
ラック８ａと噛み合って取付台８，８′をベッド上の案
内面に沿って移動させ加工位置に刃物を合わせる。

また、送り駆動バー９の倣い装置６′側での固定を行な
うコレット装置１０は、第３図に抽出・拡大して示した
ように、取付台８，８′上に設けられ、ねじブツシュ１
３、スラストベアリング１４、コレットチャック１５で
構成され、送り駆動バー９の一端部をねじフッシュ１３
内に挿入し、ねじブツシュ１３に取付ゆられたハンドル
１１を回転させることでねじブツシュ１３をスラストベ
アリング１４に押付け、コレットチャック１５を押す。

このときコレットチャック１５は外径テーパにより送り
駆動バー９外径を締付は固定させる。

従って、送り駆動バー９の挿入長さを適当に選ぶことで
倣い装置６，６′を同時に送り駆動させて倣い旋削を実
施できる。

尚、倣い装置の内部構造については説明を省略したが従
来から使用されている機構であって良い。

倣い装置の一例として、第４図に油圧式のものを示す。

当該倣い装置６，６′の基部をなす取付摺動台１６は往
復台５の取付面、コレット装置１０の取付色にそれぞれ
取付けられる。

ここでは、倣い装置６と６′は同じもの、を採用してい
るので、以下にはおもに往復台５上の倣い装置６をもと
にその構造を説明する。

被加工物２の加工個所の加工形状と同形状をなすテンブ
レー）７．７’は加工個所に対応させて旋盤ベッド１７
側に位置決め固定されている。

テンプレート７はテンプレート取付板７ａに取付けられ
、更に固定台γｂによって旋盤ベッドＪＴに固定されて
いる。

テンプレート７′はコレット装置１０、取付台８，８′
を介して旋盤ベッド１７に固定されていることになる。

テンプレート７に当接したスタイラス（トレー＋Ｊ）１
Ｂは、ヒンジ１８ａを中心に回動することによって、コ
ントロールバルフ１９を操作し、シリンダ２０の流体室
２０′及び２０″に供給される圧力流体を制御する。

ピストン２１は中空ピストンロッド２２と一体固定化さ
れ、中空ピストンロッド２２の軸端部２２′は取付摺動
台１６にナツト２３で一体に固着されている。

又、シリンダ２０は、刃物台３０を先端に具える上部摺
動台２４と一体の上部ケーシング２５に設けられたクラ
ンプ用ハンドル２６の操作によって、上部ケーシング２
５と一体化又は解放される。

上部ケーシング２５にはねじ棒２８の一端が回転自在に
支持されると共にハンドル２７が一体的に取付けられ、
とのねじ棒２８の他端はシリンダ２０の蓋２９に螺合さ
れている。

よって、クランプ用ハンドル２６を操作して上部ケーシ
ング２５とシリンダ２０とを解放する一方、シリンダ２
０の流体室２０’、 ２０”に圧力流体を供給してシリ
ンダ２０とピストン２１とを一体固定した状態で、ハン
ドル２７を回転させると、ねじ棒２８とシリンダ蓋２９
との螺合によって、上部ケーシング２５と共に上部摺動
台２４がシリンダ２０及び取付摺動台１６に対して縦方
向（被加工物２の軸線に対し交差する方向）に摺動移動
し、上部摺動台２４と一体の刃物台３０に取付げられる
切削工具３１の刃先の被加工物２に対する切削切込み調
整が行なえるのである。

又、取付摺動台１６に組付けられているつまみハンドル
３２を操作回転して、スパイラル歯車３３及びラック棒
３４を介してスタイラス１８を連動させてコントロール
バルブ１９を制御することにより、上部摺動台２４を摺
動移動させることもできる。

尚、倣い装置としては、上記のような油圧式のもののほ
か、電気にらい式、空気−油圧ならい式電気−油圧なら
い式などが一般に使用されている。

このような同時倣い旋削装置による外径旋削は次のよう
にして行なう。

テンプレート７．７’は被加工物２の切削個所の形状と
一致したものを選定し、・被加工物２の切削個所と対応
させてそれぞれ旋削ベッド１７、コレット装置１０に固
定する。

被加工物２の切削位置とテンプレート７及び７′の関係
位置をハンドル１２及び往復台５のハンドル５′を各々
操作して位置決めを行ない。

コレット装置１０のハンドル１１をクランプ側に回転さ
せて送り駆動バー９をコレットチャック１５で固定する
。

この状態では、往復台５とコレット装置１０とは送り駆
動バー９で一体化されることにより往復台５の切削機械
送りがコレット装置１０側にも連動されることになる。

この状態で、旋盤チャック１に切削回転を与えて被加工
物２を回転させ、往復台５及びそれと一体の倣い装置６
′を横送り（ベッド１７の長手方向への送り）したがら
、倣い装置６及び６′を操作して、各刃物台３０の切削
工具３１により二個所を同時に倣い切削加工を行！よう
。

各倣い装置のスタイラス１８がそれぞれテンプレート７
゜Ｔ′に沿って移動し、スフ１２２１８０回動に応じて
コントロールバルブ１９を介してシリンダ２０を操作し
、シリンダ２０と共に上部ケーシング２５、上部摺動台
２４、刃物台３０は被加工物２に対し進退移動し、切削
工具３１によりテンブレー）？、７’に倣った形状に被
加工物１が切削加工されるのである。

この倣い装置６′での加工完了後はハンドル１１をゆる
め送り駆動を解放する。

また、加工長の長い倣い装置６側の加工完了後は往復台
５の送り駆動バー９を外し送りを停止させる。

また、この場合テンブレー）？、７’で加工長の長いも
のに両テンブレー）７，７’の全長を合せておけばハン
ドル１１の操作は不要でコレット装置１０に送り駆動バ
ー９を固定したまま倣い装置６側の往復台５の送り操作
のみで同時倣い加工を実施できる。

以上説明した実施例では倣い装置を旋盤のベッド上に２
台設置した場合であるが、倣い装置は２台に限らず被加
工物の長さと倣い旋削の必要ケ所に応じて複数台設置し
ても良いことは言うまでもない。

以上、実施例とともに具体的に説明したように本考案に
よれば長尺被加工物の倣い旋削上の問題となっていた往
復台の移動や振れ止めの取外し、入替え等の段取り作業
、さらにテンプレートの取替え等の附随作業が減少し機
械の稼動率が向上するとともに加工工数を低減すること
もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の同時倣い旋削装置の一実施例
にかかり、第１図は平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線
断面図、第３図は連動機構のコレット装置を抽出・拡大
して示す断面図であり、第４図は倣い装置の一例の破断
斜視図である。 図面中、１は旋盤チャック、２は被加工物、３は芯押台
センタ、４は振れ止め、５は往復台、６゜６′は倣い装
置、７ 、７’はテンプレート、８゜８′は取付台、８
ａはラック、９は送り駆動バー１０はコレット装置、１
１はそのハンドル、１２はハンドル、１２ａはピニオン
、１３はねじプッシュ １４はスラストベアリング、 １５はコレラ トチャックである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ベッドの上方にベッドの長手方向と平行に支持される長
   尺の被加工物の外径を倣い旋削する装置であって、 ベッド上にベッド長手方向に往復動可能に往復台を搭載
   し； 被加工物の複数の加工個所の加工形状に合った形状の複
   数のテンプレートを各加工個所に対応させてベッド側に
   固定し、 テンプレートに当接させるスタイラスと、テンプレート
   に倣うスタイラスの動きに応じて被加工物に対し進退移
   動し且つ被加工物の切削に供される刃物が具え付けられ
   る刃物台とを有する倣い装置を−のテンプレートにスタ
   イラスを当接させて往復台上に一台設置すると共に他の
   テンプレートにスタイラスを当接させてベッドの長手方
   向に沿って移動可能に他のテンプレートに応じた台数設
   け、更に、 往復台とベッド長手方向に沿って移動自在に設置された
   倣い装置とにまたがってこれらを連結あるいは分離し連
   結時には往復台と当該倣い装置とを一体移動可能とする
   連結・分離手段を設けてなることを特徴とする同時倣い
   旋削装置。