JPS5938298B2 - 窒化処理用マルテンサイトステンレス鋼 - Google Patents
窒化処理用マルテンサイトステンレス鋼Info
- Publication number
- JPS5938298B2 JPS5938298B2 JP13076277A JP13076277A JPS5938298B2 JP S5938298 B2 JPS5938298 B2 JP S5938298B2 JP 13076277 A JP13076277 A JP 13076277A JP 13076277 A JP13076277 A JP 13076277A JP S5938298 B2 JPS5938298 B2 JP S5938298B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- grain size
- swelling
- nitriding treatment
- ferrite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は表面硬化処理に係り、特に処理により表面層の
脹れ及び剥離現象の発生を防止した新規な窒化処理用鋼
に関する。
脹れ及び剥離現象の発生を防止した新規な窒化処理用鋼
に関する。
表面硬化処理は、機構部材の表面を硬化するので、処理
層の性質を改善する。
層の性質を改善する。
中でも500〜600℃で処理する窒化処理は、材料表
層部に窒素を浸入拡散させるが、鋼種によつては窒素の
浸入拡散した表層部を著しく硬化させることができる。
したがつて機器機構部の摩擦接触部に耐摩粍性を賦与す
る場合、その一つの方法として従来より窒化処理が行わ
れており、出願者らも上述の目的から窒化処理を施し好
結果を得ている。しかし通常の窒化処理において処理後
の性質、すなわち窒化層の硬さ及び深さには満足する結
果が得られているか、処理自体によつて発生したと考え
られる窒化層表面の点状脹れ(0.2〜2.0mmφ)
あるいは脹れ部が剥離したと思われる剥離現象がしばし
ば見られ、これらの現象の発生した部材を機器機構部に
適用した場合著し<機能を低下する。特にマルテンサイ
ト系ステンレス鋼(JISSUS403)において、こ
れらの発生頻度が著しく、これらの現象が発生した場合
その部材を不良としなければならず経済的にも損支が大
で、これらの問題に対する解決に苦慮していた。窒化処
理において、窒化層表面に発生する脹れ及び剥離現象を
皆無にし良好な窒化処理品を得る目的により、これら現
象がかなりの頻度で発生する13Crステンレス鋼(S
US403)について種々の研究を行つた。
層部に窒素を浸入拡散させるが、鋼種によつては窒素の
浸入拡散した表層部を著しく硬化させることができる。
したがつて機器機構部の摩擦接触部に耐摩粍性を賦与す
る場合、その一つの方法として従来より窒化処理が行わ
れており、出願者らも上述の目的から窒化処理を施し好
結果を得ている。しかし通常の窒化処理において処理後
の性質、すなわち窒化層の硬さ及び深さには満足する結
果が得られているか、処理自体によつて発生したと考え
られる窒化層表面の点状脹れ(0.2〜2.0mmφ)
あるいは脹れ部が剥離したと思われる剥離現象がしばし
ば見られ、これらの現象の発生した部材を機器機構部に
適用した場合著し<機能を低下する。特にマルテンサイ
ト系ステンレス鋼(JISSUS403)において、こ
れらの発生頻度が著しく、これらの現象が発生した場合
その部材を不良としなければならず経済的にも損支が大
で、これらの問題に対する解決に苦慮していた。窒化処
理において、窒化層表面に発生する脹れ及び剥離現象を
皆無にし良好な窒化処理品を得る目的により、これら現
象がかなりの頻度で発生する13Crステンレス鋼(S
US403)について種々の研究を行つた。
その結果窒化処理において最も効果のある処理温度50
0〜600℃の間において、アンモニアガスの分解度の
変化及び1処理工程において温度とガス分解度を変化さ
せる通常2段窒化処理すなわち表1における処理条件と
窒化層表面に発生する脹れあるいは剥離現象との間には
有意差はなく関係ないことがわかつた。これらの実、験
において、上述の現象の有無の窒化層深さ及びその硬さ
はほぼ同じ値を示し、窒化層深さ及び硬さには影響しな
いが、処理条件において有意差が認められないことから
脹れ及び剥離現象の発生は材質的要因に基すくものと考
えられた。そこで第1表に示す化学組成のS[JS40
3の規格範囲のものについて、材料のミクロ組織と脹れ
及び剥離現象との関係について研究した結果、材料の結
晶粒度とδフエライト量に起因していることがわかつた
。本発明の目的は、窒化層表面に発生する脹れあるいは
剥離現象を防止した窒化処理用マルテンサイトステンレ
ス鋼を提供するにある。本発明は、重量で、CO.l5
%以下、SiO.5O%以下、Mnl,OO%以下、P
O.O4OOl)以下、SO.O3O%以下、NlO.
6O%以下、Crll.5O〜13.00%及び残部F
eからなる鋼の結晶粒の大きさをJIS規格のオーステ
ナイト結晶粒度番号で4〜10とし、更に鋼のδフエラ
イト量を面積率で301)以下とすることを特徴とする
。ここで結晶粒度を.I;.4〜10としたのは、δフ
エライト量との関連性からで、結晶粒度?4以下では、
δフエライト量の有無に関係なく上述の現象が発生する
ためである。また結晶粒度Fi).10以下としたのは
、これ以上としても脹れ及び剥離現象に対する効果はほ
ぼ同じであるためである。次にδフエライト量を30t
)以下としたのは、結晶粒度煮4〜10の範囲において
、これ以上では、脹れ及び剥離現象が発生するためであ
り、望むならばO(16が最も良い。13Crステンレ
ス鋼において、δフエライトとC%との間には関係あり
、δフエライト量をC%から限定するならば焼入加熱温
度約930〜1100℃の間において、C(!)0.0
9以上とすればδフエライト量は3%以下となる。
0〜600℃の間において、アンモニアガスの分解度の
変化及び1処理工程において温度とガス分解度を変化さ
せる通常2段窒化処理すなわち表1における処理条件と
窒化層表面に発生する脹れあるいは剥離現象との間には
有意差はなく関係ないことがわかつた。これらの実、験
において、上述の現象の有無の窒化層深さ及びその硬さ
はほぼ同じ値を示し、窒化層深さ及び硬さには影響しな
いが、処理条件において有意差が認められないことから
脹れ及び剥離現象の発生は材質的要因に基すくものと考
えられた。そこで第1表に示す化学組成のS[JS40
3の規格範囲のものについて、材料のミクロ組織と脹れ
及び剥離現象との関係について研究した結果、材料の結
晶粒度とδフエライト量に起因していることがわかつた
。本発明の目的は、窒化層表面に発生する脹れあるいは
剥離現象を防止した窒化処理用マルテンサイトステンレ
ス鋼を提供するにある。本発明は、重量で、CO.l5
%以下、SiO.5O%以下、Mnl,OO%以下、P
O.O4OOl)以下、SO.O3O%以下、NlO.
6O%以下、Crll.5O〜13.00%及び残部F
eからなる鋼の結晶粒の大きさをJIS規格のオーステ
ナイト結晶粒度番号で4〜10とし、更に鋼のδフエラ
イト量を面積率で301)以下とすることを特徴とする
。ここで結晶粒度を.I;.4〜10としたのは、δフ
エライト量との関連性からで、結晶粒度?4以下では、
δフエライト量の有無に関係なく上述の現象が発生する
ためである。また結晶粒度Fi).10以下としたのは
、これ以上としても脹れ及び剥離現象に対する効果はほ
ぼ同じであるためである。次にδフエライト量を30t
)以下としたのは、結晶粒度煮4〜10の範囲において
、これ以上では、脹れ及び剥離現象が発生するためであ
り、望むならばO(16が最も良い。13Crステンレ
ス鋼において、δフエライトとC%との間には関係あり
、δフエライト量をC%から限定するならば焼入加熱温
度約930〜1100℃の間において、C(!)0.0
9以上とすればδフエライト量は3%以下となる。
したがつてSUS4O3鋼では、窒化処理における窒化
層表面に発生する脹れ及び剥離現象を防止するためには
、結晶粒度を▲4〜10とし、本鋼のC%を0.09〜
0.15としても達成できることが知られる。実施例 第1表に示す化学組成(重量%)の材料について、第2
表に示すガス窒化処理条件、すなわちNH3ガスの分解
度及び処理温度を変化させ、窒化層表面に発生する脹れ
及び剥離現象との関係を求めた。
層表面に発生する脹れ及び剥離現象を防止するためには
、結晶粒度を▲4〜10とし、本鋼のC%を0.09〜
0.15としても達成できることが知られる。実施例 第1表に示す化学組成(重量%)の材料について、第2
表に示すガス窒化処理条件、すなわちNH3ガスの分解
度及び処理温度を変化させ、窒化層表面に発生する脹れ
及び剥離現象との関係を求めた。
その結果処理条件による有意差は認められず処理条件が
影響するものでないことがわかつた。図は、第1表の化
学組成内にある材料について、第2表の石6窒化条件に
より処理し、各材料の結晶粒度及びδフエライト量と脹
れ及び剥離現象との関係を示したものである。
影響するものでないことがわかつた。図は、第1表の化
学組成内にある材料について、第2表の石6窒化条件に
より処理し、各材料の結晶粒度及びδフエライト量と脹
れ及び剥離現象との関係を示したものである。
この場合のδフエライト量は、面積率で3%以下を無し
(●印)、それ以上のものを有(▲印)として整理した
ものである。これより知られるように結晶粒度煮4を境
いにして、これより微細では脹れあるいは剥離現象は発
生しにくくなつていることがわかる。これら現象の発生
度合は、結晶粒度ばかりでなくδフエライト量とも関係
していることがわかる。すな・わちδフエライトが存在
しても結晶粒度が微細になるほど脹れ及び剥離現象の発
生度合は低下することがこの図から知られ、結晶粒度が
?3と大きい場合、脹れ及び剥離現象発生度合として区
分した最大の4を示し著しく発生することがわかる。こ
のことから脹れ及び剥離現象の発生を皆無にするために
は、δフエライトを無くし、また結晶粒度を煮4以上と
すれば良いことがわかる。脹れ及び剥離現象の発生度合
は大(4).小(3)、微小(2)、まだら状(1)、
なし(0)の等級で表わした。δフエライト量は、本組
成範囲内においては、C(fl)と密接な関係があり、
焼入加熱温度約930〜1100℃の範囲では、0.0
9%以上含有すればδフエライトは無くなる。したがつ
てδフエライトを無くするためにはC%を0.09(f
)以上とし、その上限を本鋼の組成規格範囲の最大値0
.150/)とすれば良い。C%を0.15%以上にし
たくないのは、規格ノ値化のみならず、これ以上になる
と遊離セメンタイトが析出湯合があること、また本鋼を
窒化処理後高温状態で用いると機械的性質を低下させる
からである。
(●印)、それ以上のものを有(▲印)として整理した
ものである。これより知られるように結晶粒度煮4を境
いにして、これより微細では脹れあるいは剥離現象は発
生しにくくなつていることがわかる。これら現象の発生
度合は、結晶粒度ばかりでなくδフエライト量とも関係
していることがわかる。すな・わちδフエライトが存在
しても結晶粒度が微細になるほど脹れ及び剥離現象の発
生度合は低下することがこの図から知られ、結晶粒度が
?3と大きい場合、脹れ及び剥離現象発生度合として区
分した最大の4を示し著しく発生することがわかる。こ
のことから脹れ及び剥離現象の発生を皆無にするために
は、δフエライトを無くし、また結晶粒度を煮4以上と
すれば良いことがわかる。脹れ及び剥離現象の発生度合
は大(4).小(3)、微小(2)、まだら状(1)、
なし(0)の等級で表わした。δフエライト量は、本組
成範囲内においては、C(fl)と密接な関係があり、
焼入加熱温度約930〜1100℃の範囲では、0.0
9%以上含有すればδフエライトは無くなる。したがつ
てδフエライトを無くするためにはC%を0.09(f
)以上とし、その上限を本鋼の組成規格範囲の最大値0
.150/)とすれば良い。C%を0.15%以上にし
たくないのは、規格ノ値化のみならず、これ以上になる
と遊離セメンタイトが析出湯合があること、また本鋼を
窒化処理後高温状態で用いると機械的性質を低下させる
からである。
窒化処理により、窒化層表面に点状(約0.2〜2.0
mInφ)脹れ及び剥離現象の発生したものを摩擦接触
部に適用した場合異常摩耗の原因となつていた。
mInφ)脹れ及び剥離現象の発生したものを摩擦接触
部に適用した場合異常摩耗の原因となつていた。
したがつてこれら現象の発生を防止でき異常摩耗等の問
題がなくなつた。またこれらが発生した場合、それら部
品を再表しなければならなかつたので経済的にも有利で
ある。
題がなくなつた。またこれらが発生した場合、それら部
品を再表しなければならなかつたので経済的にも有利で
ある。
図は結晶粒度と膨れ発生度との関係を示す線図である。
Claims (1)
- 1 重量で、C0.15%以下、Si0.50%以下、
Mn1.00%以下、P0.040%以下、S0.03
0%以下、Ni0.60%以下、Cr11.50〜13
.00%及び残部Feからなる鋼の結晶粒の大きさがJ
IS規格のオーステナイト結晶粒度番号で4〜10であ
り、前記鋼のδフェライト量が面積率で3%以下である
ことを特徴とする窒化処理用マルテンサイトステンレス
鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13076277A JPS5938298B2 (ja) | 1977-11-02 | 1977-11-02 | 窒化処理用マルテンサイトステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13076277A JPS5938298B2 (ja) | 1977-11-02 | 1977-11-02 | 窒化処理用マルテンサイトステンレス鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5465140A JPS5465140A (en) | 1979-05-25 |
JPS5938298B2 true JPS5938298B2 (ja) | 1984-09-14 |
Family
ID=15042039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13076277A Expired JPS5938298B2 (ja) | 1977-11-02 | 1977-11-02 | 窒化処理用マルテンサイトステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5938298B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106637057A (zh) * | 2016-12-21 | 2017-05-10 | 滨中元川金属制品(昆山)有限公司 | 一种高硬度不锈钢的制备工艺 |
-
1977
- 1977-11-02 JP JP13076277A patent/JPS5938298B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106637057A (zh) * | 2016-12-21 | 2017-05-10 | 滨中元川金属制品(昆山)有限公司 | 一种高硬度不锈钢的制备工艺 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5465140A (en) | 1979-05-25 |
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