JPS5937739B2 - 熱処理時の細粒維持安定性に優れる粉末圧密肌焼鋼およびその製造方法 - Google Patents

熱処理時の細粒維持安定性に優れる粉末圧密肌焼鋼およびその製造方法

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JPS5937739B2 JP6520980A JP6520980A JPS5937739B2 JP S5937739 B2 JPS5937739 B2 JP S5937739B2 JP 6520980 A JP6520980 A JP 6520980A JP 6520980 A JP6520980 A JP 6520980A JP S5937739 B2 JPS5937739 B2 JP S5937739B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は、熱処理時の細粒維持安定性に優れる粉末圧
密肌焼鋼およびその製造方法に関し、特に本発明は、合
金鋼粉を原料とし、粉末鍛造法などにより密度比98%
以上に圧密加工して得られ、熱力学的に比較的安定な酸
化物が微細均一に分散されているため熱処理時の細粒維
持安定性に優れる粉末圧密肌焼鋼およびその製造方法に
関するものである。
従来の溶製法による合金肌焼鋼は、C量が0212〜
0125%10量が0.005%以下の低炭素、低酸素
材が普通であって、細粒化処理を目的として、Alが0
602%以上(通常0005%程度)合金され2ている
が、それでもなお、熱処理時に十分な細粒維持安定性を
確保することが難しく、これが原因して、例えば浸炭焼
入時に熱処理歪のバラツキがしばしば生ずるという欠点
があった。
本発明は、従来の溶製法により製造される合金肌焼鋼の
有する前記欠点を除去、改善した肌焼鋼とその製造方法
を提供することを目的とするもので、熱処理時の細粒維
持安定性に優れる肌焼鋼を粉末圧密加工法により製造す
る方法を提供する。
次に本発明を詳細に説明する。まず本発明の粉末圧密肌
焼鋼は、熱力学的に比較的安定な酸化物系非金属介在物
を組織中に微細に分散されたため母材が細粒化状態にあ
り、その結果浸炭処理中に浸炭層オーステナイト結晶粒
子が微細なままで維持され、また高温加熱時においでも
オーステナイト結晶粒子が微細なままで維持されるので
、結果的に材質が安定、改善された粉末圧密肌焼鋼とな
ったものである。
次に本発明鋼において微細に分散されている熱力学的に
比較的安定な酸化物系非金属介在物について説明する。
今、金属を一般的にMで表わし、この酸化反応を2M+
0 →2M0(1) とす6と・0・ト″当り0酸化反応0自由”7″キー変
化JET.l−E−/1z当り0酸イヒ反応0自由”ネ
ルギ一変化ΔETはΔE’T=RTlnPO2(Kca
l/モル02) (2)と表わされ、これはまた各元
素毎に、それぞれある一定の温度範囲において、ΔET
=A+BTAOgT+CT(Cal/”jレ02)
(3)とも表示できる。
ここでA,B,Cは定数であり、Tは絶対温度(0K)
である。この(2)式又は(3)式の関係は、既に各元
素毎に具体的に求められている。そこで、このような関
係を用いて、例えば1000℃における主要合金元素の
酸化反応の自由エネルギー変化を求めると、次のように
なる。2C+0 → 2C0(4) の反応の自由エネルギー変化は、1000℃において−
107Kca1/モル0?であり、(1)式と(4)式
からMO+C−)M+CO(5) なる反応式が導かれる。
本発明者等は、本発明鋼の成分組成の範囲内で前記II群
元素の1種または2種以上を主成分として含有した合金
鋼粉末を、1000℃以上乃至溶融温度未満の温度範囲
内で熱間圧密加工し、C:0,26〜0.39%,o:
0.is〜0,35%にすると、前記含有されたII群元
素はその酸化物の一部が(5)式の反応により還元され
るものの熱間加工により大部分が10μm以下の微細な
酸化物となって基質中に分散し、このためオーステナイ
ト結晶粒子が微細化していることを新規に知見して本発
明に想到した。
ところでI群元素の酸化物は熱間圧密加工中に(5)式
により還元されてしまうので微粒維持安定性は悪いが、
しかしI群元素は鋼中に合金されて焼入性、耐食性、靭
性のより一層の向上ならびに耐熱性等の材質改善に有効
に寄与する。
一方、III群元素の酸化物は熱間加工中に(5)式によ
っては全く還元されず、しかもSiを合金したものにあ
ってはIII群系元素との複合酸化物が生成し易く、長大
な介在物となり、またAd,Tiを合金したものにあっ
てはII群系の酸化物を核としてクラスター状の大きな介
在物が形成される傾向にある。
本発明は、上記の如くI〜III群元素の酸化物挙動につ
き新規な知見を得て完成したものである。
本発明にあってはII群元素中のMn,Crの何れか少な
くとも1種を含有合金させる必要があり、かつV,Nb
,Bのなかから選ばれる何れか少なくとも1つを含有合
金化さ・=J−71。Mn,CrはV,Nb,Bに較べ
て低廉であること、ならびにMn,Crの何れをも含有
合金せずにVおよびまたはNbを含有合金したものにあ
っては、V,Nbの炭化物、窒化物の生成傾向が強いた
め、酸化物の形成量が減少するので、先ず低廉なMn,
Crを用いて微細分散酸化物を形成させることを主体と
し、V.NbおよびBは補助的に含有合金させることが
有利である。
本発明鋼にあっては、MO+Crおよびさらにはそれら
と同効のものである補助的に加えるV,Nb,B等の合
金元素が、部分的あるいは完全に酸化して微細に分散し
ているにもかかわらず、これら合金元素の酸化物の分散
強化の効果は期待できない。
その理由はこれら元素の酸化によって、これら元素の有
効固溶量が減少し、その減少分だけ焼入性、強度が低下
するからである。したがって本発明鋼においては、微細
分散酸化物は鋼の結晶粒の細粒化効果に主として寄与し
でいると言える。次に本発明鋼の成分組成を限定する理
由を説明する。
CO.26〜0.39%についで; 本発明鋼は、前記II群元素の一部もしくは全部の酸化に
よる酸化物により結晶粒の細粒化が得られるから、これ
らII群元素の有効固溶量ば減少し、そのため焼入性が低
下すると同時に母材硬さも減少するので、浸炭熱処理し
た場合、浸炭層の耐スポーリング性が劣化する。
これを補うために、母材硬さを上げる狙いからC合金量
を、溶製肌焼鋼より相対的に高目とし、その下限量を0
.26%とした。また、II群元素酸化物の微細分散を図
る上からも、Cは最低0.26%必要である。このよう
な酸化物の微細分散化により、転勤疲労特性が向上する
ほか耐摩耗性も優れ、オーステナイト結晶粒度の細粒化
を通じで、衝撃破面遷移温度も低くなるなど材料の機械
的特性が改善される。このほか浸炭時に、酸化物の多量
含有により浸炭性が阻害されて浸炭に長時間を要するよ
うになるので、浸炭時間の短縮の上からも、この下限C
量が必要である。一方、C量の上限は、浸炭材芯部の靭
性を考慮しで、0.39%に決めた。C量がこの値を超
えて多くなると、芯部の靭性は急激に低下する。さらに
、母材C量が、この値を超えて多くなると、浸炭焼入時
に、表面層に好適な圧縮残留応力を発生させることが不
可能きなり、疲労特性や耐ピッチング性が低下する。従
ってC量の上限に0.39%でなければならない。00
.18〜0.35%について: 前述の如く、II群元素の微細分散酸化物を形成させて、
浸炭層および高温加熱時における母材の各オーステナイ
ト結晶粒度を、微細安定に維持し、浸炭熱処理あるいは
通常の熱処理後の機械的特性を良好に保持又は改善する
上から、0量は、最低0.18%が必要である。
一方、0量が0.35%を超えて多い場合には、当然、
介在物量も多くなるので、母材の焼入性、浸炭性が劣る
ほか、引張強さや衝撃値も低下し、浸炭熱処理材の機械
的性質も又劣化する。このほか、転勤疲労寿命も短かく
なるので好ましくない。このように機械的特性が劣化す
る原因は、酸化物量が増加することに加えて、そのサイ
ズが大型化し、微細分散化が困難になることによる。従
って、0量の上限は0.35%でなければならない。次
に、結晶粒微細化効果元素について説明する。
(1) MnO.35〜2.3%についで;Mnは、
焼入性を向上させるのに有効で低廉な合金元素であり、
かつ本発明鋼にあっては、その一部又は全部が酸化され
て生ずる酸化物は微細に分散しており、これによって浸
炭時の細粒維持と浸炭熱処理材の機械的特性改善が達成
されるので、MnはCrと共に少なくとも何れか一方が
必要なきわめて重要な元素である。この元素の下限量合
金化は、酸化物の好ましい微細分散状態の現出および好
適な焼入性と、母材および浸炭材の良好な機械的特性確
保の上からも必要であり、種々検討した結果、0.35
%以上であれば十分なことがわかった。一方、上限量は
、焼入硬化深度や脆化傾向を考慮して2.3%と決めた
。なお、Mn量が2、3%を超えで多くなる酸化物量も
多くなり勝ちであり、前記0量の上限値を超え易くなる
ので、この意味からもMn量の上限は、2.3%でなけ
ればならない。(2) CrO.3〜5.0%ニツイ
テ;Cr量の下限値、上限値もまたMnの場合と同様の
理由により決定したが、Crは、許容し得る上限量を比
較的高くとり得る点でMnとやや異なっており、種々検
討した結果、この値を5.0%と決定した。(3)
NbO.Ol〜1.0%,VO.Ol〜1.0%ニツイ
テ:Nb,Vの細粒化効果は溶製鋼と同じであり、ただ
高価な元素であるので、微細分散状の酸化物形成元素と
しては、あくまでも補助的に使用することが望ましく、
それも耐摩耗性や耐熱性など特殊性能を要求される場合
に併用するときに効果的である。
こうように、上限量の1.0%は、肌焼鋼という立場を
考慮して、経済性を主な理由として決めたものであるが
、そのほかに、Nb,Vは炭化物、窒化物を形成し易い
ため、余り大量に用いると材料の脆化を招くので、この
意味からも1.0%とした。下限量の0.01%は、添
加して効果の認められる最低量であり、溶製鋼における
通常の微量合金の場合と同様の量である。(4)BO.
OOOl〜0.5%について;Bは鋼中で酸化物、窒化
物を生成し易いこと溶製鋼と変りなく、またオーステナ
イト中に固溶した場合には0.0001%程度の合金量
でも焼入性の向上に寄与することが知られており、本発
明においてもこの程度の合金量で十分効果が認められる
ので下限量は0.0001%とした。
一方Bは0、5%より多く合金させると鋼材の脆化が著
しくなるので、上限量を0.5%に限定した。なお合金
したBの大半は酸化物として存在していることは、前記
他のII群元素と同様である。Siを、0.1%以下、A
i.Ol%以下、TiO.Ol%以下についで:Siを
、0.1%を超えて合金すると、前述の如く、長大な介
在物が生成し、機械的特性が著しく劣化するので好まし
くない。
従って、S1の合金量は0.1%以下に抑制する必要が
ある。また、A/!!,Tiも同様に、0.01%を超
えて合金された場合に .は、クラスター状の大きな介
在物を生成し、機械的特性を劣化さす、とくに転勤疲労
寿命が著しく短かくなるので好ましくない。なお、その
他種々の目的で、Cu,Ni,CarSn,MO,W各
0.1〜2.0%加えることを防げな 、[/10但し
、これは本発明の効果を阻害しない限度とする。
これらの元素は、前記C,O,Si,Al,Ti,Mn
,Cr,V,Nbの各元素の共同効果を助長こそすれ、
阻害するものではなく、例えば焼入性や機械的特性、そ
の他を向上せしめるので、必要に応じて何れか1種又は
2種以上を適宜合金してさしつかえない。
ただし、これらの元素は高価なものが多いので、一応上
限量を2.0%とし、下限量は、添加効果の現われる最
低量という意味から0.1%とした。次に本発明の製造
方法について説明する。
本発明によれば、MnO.35〜2.3%,CrO.3
〜5.0%の何れか少なくとも1種:必要に応じで、V
O.Ol〜1.0%,NbO.Ol〜1.0%, BO
.OOOl〜0.5%のなかから選ばれる何れか少なく
とも1種;SiO.l%以下;A7O.Ol%以下;T
iO.Ol%以下;CO.45%以下;00.55%以
下を含み残部実質的にFeよりなる合金鋼粉末に上記O
量に応じた量の黒鉛粉末を加えて混合したのち、100
0℃以上乃至溶融温度未満の温度範囲内で圧密加工して
、密度比を98%以上で、鋼粉中にCO.26〜0.3
9%,00.18〜0.35%残留するようになすこと
によって、Mn,Crの何れか少なくとも1種の酸化物
と必要により含まれるV,Nb,Bのうちから選ばれる
何れか少なくとも1種の酸化物とより主としてなる非金
属介在物が基地中に微細に分散しており、前記介在物の
粒子中10μm以下の粒子が個数比率で95%以上であ
る熱処理時の細粒維持安定性に優れる粉末圧密肌焼鋼を
得ることができる。
本発明は密度比が98%より小さいと機械的諸特性が劣
化するので、密度比は98%以上にする必要があり、ま
た介在物の粒子中10μm以下の粒子が個数比率で95
%より少ないと転勤疲労特性ならびに靭性が劣化するの
で95%以上にする必要がある。
なお本発明において上記個数比率を95%以上にするた
めの1つの条件として合金鋼粉末の成分組成を前述の如
く限定する必要がある。本発明において非金属介在物の
個数比率を求めるに当って、低倍率でカウントしたので
は、より微細なものを数え落すおそれがあるので、顕微
鏡などで、必ず1000倍以上に拡大してカウントする
ことが重要である。次に本発明を実験データに基づいて
説明する。
水アトマイズ法により製造したMnO.85%,Crl
%, MOO.25%,SiO.O23%, Al!0
.005%,TiO.OO2%および小量のCとOを含
み残部実質的にFeよりなる成分組成のA−Eの銅粉を
、所謂バック鍛造法によって粉末鍛造して得た密度比1
00%の鋼材のCおよび0の含有量を第1表に示す。同
表中記号B,Eは本発明方法により製造した本発明鋼で
あり、記号A,C,DはC,Oの含有量の何れか少なく
とも1種が本発明鋼のそれから外れている比較鋼である
なお、粉末鍛造鋼のC,O量の調節は、銅粉に予め合金
および混合させたC量の合計と鋼粉0量および鍛造時の
加熱温度とによって行なう。
その際、加熱温度が高くなるにつれて脱酸、脱炭が進行
するが、通常1000℃以上では、C1原子に対して0
1原子の割合で脱炭、脱酸が進むので、粉末鍛造鋼のC
,O量調節は容易に行ない得る。つまり、鋼粉のO量に
対してどの程度のC量を混合し、何度に加熱して鍛造す
るかで本発明になる鋼材のC,O量が決まってくる。第
1表中の記号A,B,Cの3試料についてジョミニ一試
験を行なった結果を第1図に示す。
この図によれば、Bが肌焼鋼として、ほぼ好適な焼入性
をもっていることがわかる。なお、図中一点鎖線で示し
た2本の曲線は、溶製肌焼鋼ASCMl7HのHバンド
上限および下限(いずれも規格値)を示したものである
。次に試料D,Eと溶製肌焼鋼ASCMI7Hを、カー
ボンポテンシャル1%,930℃X3hの条件でガス浸
炭して油焼入れした場合の浸炭層硬さ曲線を第2図に示
す。ASCMI7Hと本発明鋼Eは、ほぼ等しい有効浸
炭深さ(Hv5l3を示す深さ)であり、十分な厚さの
浸炭硬化層が形成されることがわかる。これに対して、
試料Dは、有効浸炭深さが浅い上、芯部の硬さが低いな
ど、浸炭性および浸炭材特性の上から見て問題がある。
次にA,B,C3試料を880℃で焼準処理した後、9
25〜12008Cの各温度に3時間保持しで、加熱温
度によるオーステナイト結晶粒度の変化を調べた結果を
第3図に示す。
同図より0含有量の少ない試料Aは、すでに950℃か
ら粗粒化が観察されるが、0量の多いB,Cでは120
0℃においても、なお十分な細粒状態を保っていること
がわかる。次に試料AとBに880℃X4Omin.油
焼入れ、600℃X9Omin.水冷焼戻しの通常強靭
鋼並みの熱処理を施しで、衝撃靭件の温度依存性を調べ
た結果を第4図に示す。
これによると本発明鋼Bは、Aに較べて衝撃飽和値が幾
分低いものの、破而遷移温度は、Aの+5℃に対して−
41℃と十分に低く、かつ低温側試験温度においては、
A以上の衝撃値を示し、本質的に低温靭性に優れている
ことがわかる。本発明鋼において非金属介在物は大部分
が酸化物であることをEPMAにより確認したが、第1
表の本発明鋼Bの非金属介在物のサイズ分布をQTMに
より調べた結果を第2表に示す。
同表から酸化物の大半すなわち99%が、大きさ10μ
m以下であることがわかる。次に試料D,Eの母材およ
び浸炭材をそれぞれ熱処理した後の機械的性を第3表に
示す。
同表より本発明鋼Eは、比較鋼Dと較べて、母材の引張
強さが優れているものの、伸び、絞り、衝撃値は低く、
総体に靭性に劣っている。
この理由は、Dより炭素含有量が多いにも拘らず、Dと
同一の低温焼戻しにとどめているためと考えられる。こ
のような本発明鋼も浸炭熱処理した場合には、比較鋼と
の間で靭性の差がなくなり、従って強度的に高い分だけ
本発明鋼が優れていると言える。このことは、第3表の
浸炭材に関してDとEを比較すれば明らかである。以上
述べたところから、総合的に本発明鋼の有利性が明らか
となるが、このような本発明鋼のもう一つの有利性は、
本発明鋼を圧密加工するに当って、比較的高酸素(例え
ば0.15〜0.55%O程度)の鋼粉が利用できると
いうことである。
もつとも、原料鋼粉の0量が、必ずしもこの範囲になけ
ればならないということではなく、例えば熱間加工中に
部分的に酸化させて、最終圧密材におけるO量を、特許
請求範囲に記載の限度内に収めればそれで十分である。
以上本発明鋼は熱力学的に比較的安定な酸化物が微細均
一に分散して存在しているため機械的諸特性が損なわれ
ないだけでなく、オーステナイト結晶粒度がより高温度
まで安定して微細に維持され、また浸炭処理中の浸炭層
においても同様にオーステナイト結晶粒度が安定して微
細に維持されるという大きな特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は比較鋼を含む本発明鋼のジョミニーー端焼入硬
化曲線を示す図、第2図は溶製鋼、比較鋼を含む本発明
鋼の浸炭層硬さ曲線を示す図、第3図は比較鋼と本発明
鋼の加熱温度とオーステナイト結晶粒度との関係を示す
図、第4図は比較鋼と本発明鋼の温度と脆性破面率なら
びに衝撃値との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.26〜0.39%およびO:0
    .18〜0.35%を含み、かつMn:0.35〜2.
    3%およびCr:0.3〜5.0%のうちの1種または
    2種を微細酸化物形成元素として含有させ、そしてSi
    を0.1以下、Alを0.01%以下、Tiを0.01
    %以下の量に抑えて含有させ、残部が不可避不純物とF
    eよりなる基地中に、10μm以下の粒子が個数比率に
    して95%以上を占める上記主成分として含有させたM
    n、Crの微細酸化物を分散させたものよりなる、密度
    比が98%以上の熱処理時の細粒維持安定性に優れる粉
    末圧密肌焼鋼。 2 重量%で、C:0.26〜0.39%およびO:0
    .18〜0.35%を含み、かつ微細酸化物形成元素と
    して主にMn:0.35〜2.3%およびCr:0.3
    〜5.0%のうちの1種または2種を含有させる一方、
    補助的に同効の0.01〜1.0%のNb、0.01〜
    1.0%のVおよび0.0001〜0.5%のBのなか
    から選ばれる何れか少なくとも1種以上を上記Mn、C
    rとともにそれらに代るものとして一部含有させ、そし
    てSiを0.1以下、Alを0.01%以下、Tiを0
    .01%以下の量に抑えて含有させ、残部が不可避不純
    物とFeよりなる基地中に、10μm以下の粒子が個数
    比率にして95%以上を占める上記主成分として含有さ
    せたMn、Cr、Nb、VおよびBの微細酸化物を分散
    させたものよりなる、密度比が98%以上の熱処理時の
    細粒維持安定性に優れる粉末圧密肌焼鋼。 3 重量%で、C:0.45%以下およびO:0.55
    %以下を含み、かつMn:0.35〜2.3%およびC
    r:0.3〜5.0%のうちの1種または2種を含有さ
    せ、そしてSiを0.1%以下、Alを0.01以下、
    Tiを0.01%以下の量に抑えて含有させ、残部が不
    可避不純物とFeよりなる合金鋼粉末に、上記O量に応
    する量の黒鉛粉末を混合し、その後該混合粉末を密度比
    が98%以上となる圧密加工を1000℃以上の温度で
    行うことにより、鋼粉中にC:0.26〜0.39%、
    O:0.18〜0.35%残留するようになすことを特
    徴とする熱処理時の細粒維持安定性に優れる粉末圧密肌
    焼鋼の製造方法。
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