JPS5937719B2 - 潜弧溶接用焼結型フラツクス - Google Patents
潜弧溶接用焼結型フラツクスInfo
- Publication number
- JPS5937719B2 JPS5937719B2 JP13665480A JP13665480A JPS5937719B2 JP S5937719 B2 JPS5937719 B2 JP S5937719B2 JP 13665480 A JP13665480 A JP 13665480A JP 13665480 A JP13665480 A JP 13665480A JP S5937719 B2 JPS5937719 B2 JP S5937719B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slag
- mno
- flux
- arc
- electrical conductivity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Landscapes
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は潜弧溶接用の焼結型フラックスに関し、特に多
電極潜弧溶接に適したもので、先行溶接部表面のスラグ
が固化した後も通電性を有し、後行電極によるアークの
発生を確実に行なわせることのできる焼結型フラックス
に関するものである。
電極潜弧溶接に適したもので、先行溶接部表面のスラグ
が固化した後も通電性を有し、後行電極によるアークの
発生を確実に行なわせることのできる焼結型フラックス
に関するものである。
多電極潜弧溶接を行なう場合、従来のフラックスでは先
行電極で生じたスラグが固化すると通電性が極端に低下
し、後行電極からのアークの発生が困難乃至不可能にな
る。従つて安定なアーク発生状態を得る為には、先行電
極で生じたスラグが潜融状態或は赤熱半凝固状態のとき
に後行電極を到来させなければならず、極間距離を短か
くせざるを得なかつた。その結果溶接熱影響部における
高温域の冷却速度が遅くなり、この部分の靭性が低下す
るから、特に大入熱が要求される低温用鋼の片面潜弧溶
接は困難であるとされていた。本出願人は上記の様な状
況を憂慮し、凝固スラグ上であつてもアークを発生させ
ることができる様な条件を究明し、上記条件を満足でき
る様なフラックスを開発しようと考え、その線に沿つて
研究を進めてきた。かかる研究成果の一端は特開昭54
−92538号により提案した。該先願発明のフラック
スは、TiO2やAl2O3等の高融点酸化物を多量含
有させると共に多量のCaF2を配合して融点を調整し
、生成する凝固スラグの通電性を改善したもので、極間
距離が長くとれるから熱影響部の靭性低下が抑制される
。ところがその後の研究の結果、上記先願発明は以下に
示す様な問題点を残していることが明らかになつてきた
。即ち先願発明では多量のCaF2を含有させており、
アークが不安定になるきらいがあるから、これを改善す
る為にアルカリ金属酸化物等を添加している。しかしア
ーク安定性は必ずしも十分とは言い得ない。特に多電極
潜弧溶接に適用した場合の適正溶接条件範囲は極めて狭
く、一般的なアーク電圧では短絡し易く且つビード形状
も狭くて波の粗いものとなる。これらの欠点は入熱量の
増大によつて解消できるが、反面熱影響部の靭性が低下
してくる。本発明者等は前述の様な事情に着目し、特に
多電極潜弧溶接に適用した場合でも、アーク安定性、ビ
ード形状及び熱影響部の靭性を夫々良好なレベルに維持
することができる様な焼結型フラックスを開発すべく、
フラツクスの成分組成を主体に研究を重ねてきた。
行電極で生じたスラグが固化すると通電性が極端に低下
し、後行電極からのアークの発生が困難乃至不可能にな
る。従つて安定なアーク発生状態を得る為には、先行電
極で生じたスラグが潜融状態或は赤熱半凝固状態のとき
に後行電極を到来させなければならず、極間距離を短か
くせざるを得なかつた。その結果溶接熱影響部における
高温域の冷却速度が遅くなり、この部分の靭性が低下す
るから、特に大入熱が要求される低温用鋼の片面潜弧溶
接は困難であるとされていた。本出願人は上記の様な状
況を憂慮し、凝固スラグ上であつてもアークを発生させ
ることができる様な条件を究明し、上記条件を満足でき
る様なフラックスを開発しようと考え、その線に沿つて
研究を進めてきた。かかる研究成果の一端は特開昭54
−92538号により提案した。該先願発明のフラック
スは、TiO2やAl2O3等の高融点酸化物を多量含
有させると共に多量のCaF2を配合して融点を調整し
、生成する凝固スラグの通電性を改善したもので、極間
距離が長くとれるから熱影響部の靭性低下が抑制される
。ところがその後の研究の結果、上記先願発明は以下に
示す様な問題点を残していることが明らかになつてきた
。即ち先願発明では多量のCaF2を含有させており、
アークが不安定になるきらいがあるから、これを改善す
る為にアルカリ金属酸化物等を添加している。しかしア
ーク安定性は必ずしも十分とは言い得ない。特に多電極
潜弧溶接に適用した場合の適正溶接条件範囲は極めて狭
く、一般的なアーク電圧では短絡し易く且つビード形状
も狭くて波の粗いものとなる。これらの欠点は入熱量の
増大によつて解消できるが、反面熱影響部の靭性が低下
してくる。本発明者等は前述の様な事情に着目し、特に
多電極潜弧溶接に適用した場合でも、アーク安定性、ビ
ード形状及び熱影響部の靭性を夫々良好なレベルに維持
することができる様な焼結型フラックスを開発すべく、
フラツクスの成分組成を主体に研究を重ねてきた。
本発明はかかる研究の結果完成されたものであつて、そ
の構成とは、TiO2: 20〜60%(重量%:以下
同じ)、CaF2:12〜35%、Al2O3:10〜
50%、SlO2:25%以下、MnO:0.2〜10
e及びMgO:5%以下を含み、更に(TiO2+Ca
F2+Al2O3+SiO2+MnO)が70〜95%
、(SlO2+MnO)が10〜25%、SiO2/M
nO比が1〜50となる様に成分調整したところに要旨
が存在する。
の構成とは、TiO2: 20〜60%(重量%:以下
同じ)、CaF2:12〜35%、Al2O3:10〜
50%、SlO2:25%以下、MnO:0.2〜10
e及びMgO:5%以下を含み、更に(TiO2+Ca
F2+Al2O3+SiO2+MnO)が70〜95%
、(SlO2+MnO)が10〜25%、SiO2/M
nO比が1〜50となる様に成分調整したところに要旨
が存在する。
以下本発明における成分範囲設定の理由を説明する。
スラグの通電性を高めると共に溶接金属からのスラグの
浮上分離を促進する作用がある。
浮上分離を促進する作用がある。
特にスラグに対し、小入熱条件でもアークの発生が可能
な電気伝導度を与える為には、フラツクス中に20%以
上のTiO2を配合しなければならない。しかし60%
を越えるとビード形状及びなじみ等が悪くなるので好ま
しくない。ちなみに第1図は、TiO2含有率の異なる
数種のフラツクスを用いたときに生成するスラグの、温
度と電気伝導度の関係を示したグラフである。
な電気伝導度を与える為には、フラツクス中に20%以
上のTiO2を配合しなければならない。しかし60%
を越えるとビード形状及びなじみ等が悪くなるので好ま
しくない。ちなみに第1図は、TiO2含有率の異なる
数種のフラツクスを用いたときに生成するスラグの、温
度と電気伝導度の関係を示したグラフである。
但し電気伝導度の測定は、第2図に示した端子法(図中
A:温度計、B:スラグ、C:電圧計、D:発振器、E
:標準抵抗器、F:電圧計)に従い、第1表に示す各フ
ラツクスの溶融物中に電極を浸漬し、徐冷しながら各温
度における電気伝導度を測定した。第1図からも明らか
な様にスラグ温度が下るに従つて電気伝導度は小さくな
るが、TlO2量を増加すると低温におけるスラグの屯
気伝導度は大幅′?古−+7 −+4−1、1舶欧憶嘔
マ一h^Δ+招笛印な電気伝導度は、500℃において
10gK≧−2.0程度であるから、これから逆算する
と20%以上のTiO2が必要であることが分る。
A:温度計、B:スラグ、C:電圧計、D:発振器、E
:標準抵抗器、F:電圧計)に従い、第1表に示す各フ
ラツクスの溶融物中に電極を浸漬し、徐冷しながら各温
度における電気伝導度を測定した。第1図からも明らか
な様にスラグ温度が下るに従つて電気伝導度は小さくな
るが、TlO2量を増加すると低温におけるスラグの屯
気伝導度は大幅′?古−+7 −+4−1、1舶欧憶嘔
マ一h^Δ+招笛印な電気伝導度は、500℃において
10gK≧−2.0程度であるから、これから逆算する
と20%以上のTiO2が必要であることが分る。
溶接金属の精練反応を促進すると共に清浄度を上げて衝
撃性能を高め、更にはスラグの融点を調整する作用があ
る。
撃性能を高め、更にはスラグの融点を調整する作用があ
る。
TiO2及びAl2Osを多量含有する本発明のフラツ
クスにおいて上記の効果を有効に発揮させる為には12
%以上含有させなければならない。しかしCaF2はア
ーク安定性を阻害する性質があり、35%を越えるとア
ークの短絡現象が頻発し作業性が著しく低下する。↓↓
易ZVOl轟 VVV′▼ 高温安定性の優れた酸化物で且つアークの集中性を高め
る作用があり、先行電極によつて生成したスラグを後行
電極で再溶融させるのに不可欠の成分である。
クスにおいて上記の効果を有効に発揮させる為には12
%以上含有させなければならない。しかしCaF2はア
ーク安定性を阻害する性質があり、35%を越えるとア
ークの短絡現象が頻発し作業性が著しく低下する。↓↓
易ZVOl轟 VVV′▼ 高温安定性の優れた酸化物で且つアークの集中性を高め
る作用があり、先行電極によつて生成したスラグを後行
電極で再溶融させるのに不可欠の成分である。
また前記TiO2及びCaF2の共存下で適当な粘性の
スラグを生成する。10%未満ではアークの集中性が不
十分になり、溶込み不良、スラグの巻込み、融合不良等
が現われる。
スラグを生成する。10%未満ではアークの集中性が不
十分になり、溶込み不良、スラグの巻込み、融合不良等
が現われる。
一方50%を越えるとビード外観及びアーク安定性が低
下すると共に、生成スラグの電気抵抗が大きくなり電極
間距離を大きくした多電極溶接ができなくなる。溶接性
の優れたスラグを与えビードの外観及び形状を整える作
用があるが、25%を越えると生成スラグがガラス質化
し通電性が急激に低下する。
下すると共に、生成スラグの電気抵抗が大きくなり電極
間距離を大きくした多電極溶接ができなくなる。溶接性
の優れたスラグを与えビードの外観及び形状を整える作
用があるが、25%を越えると生成スラグがガラス質化
し通電性が急激に低下する。
従つて高い通電性の凝固スラグを得る為には、粘結剤中
に含まれるSiO2を含めて25%以下にしなければな
らない。スラグの流動性を改善すると共に、特に極間距
離を大きくとつた多電極溶接における後行電極のアーク
の維持・安定化に極めて重要な成分である。
に含まれるSiO2を含めて25%以下にしなければな
らない。スラグの流動性を改善すると共に、特に極間距
離を大きくとつた多電極溶接における後行電極のアーク
の維持・安定化に極めて重要な成分である。
即ち相当量のCaF2を含む本発明フラツクスにおいて
、アークの短絡を防止し且つ溶接金属とのなじみを良く
する為には、MnOを0.2?以上含有させなければな
らない。しかし10%を越えるとスラグの流動性が高く
なりすぎて、スラグの巻込みやアンダーカツト等が発生
し易くなる。ては、粘性調整剤として有効であり、且つ
スラグの剥離性を高める作用もある。
、アークの短絡を防止し且つ溶接金属とのなじみを良く
する為には、MnOを0.2?以上含有させなければな
らない。しかし10%を越えるとスラグの流動性が高く
なりすぎて、スラグの巻込みやアンダーカツト等が発生
し易くなる。ては、粘性調整剤として有効であり、且つ
スラグの剥離性を高める作用もある。
しかし凝固スラグの通電性を阻害するので5%以下にす
る必要がある。ところでSiO2及びMnO量を増加す
ると、溶接金属中の酸素量が増大して衝撃性能が低下す
る。
る必要がある。ところでSiO2及びMnO量を増加す
ると、溶接金属中の酸素量が増大して衝撃性能が低下す
る。
即ち第3図は、本発明の要件を満足する成分系において
、(SiO2+MnO)量と溶接金属中の酸素量及び耐
衝撃性(吸収エネルギー)の関係を示したグラフで(S
iO2+MnO)量が増加するにつれて酸素量が増大し
耐衝撃性は低下する。ここで耐衝撃性が、低温用鋼の溶
接材料に関する規格例えばNK(日本海事協会)の造船
用鋼材規格:VE−50≧3.0k9・mを満足する為
には、艙接金属中の酸素量を400ppm以下にしなけ
ればならず、その為には、第3図より(SlO2+Mn
O)量を25%以下にすべきであることが分る。また前
記したSiO2及びMnOの添加効果を有効に発揮する
為には、(SiO2+MnO)を10?以上含有させな
ければならない。更に、SiO2とMnOを配合比の観
点からみた場合、MnO量がSiO2量よりも多いと(
SiO2/MnOく1)、スラグが電極よりも先行して
後行電極の溶込みが浅くなり、耐高温割れ性が低下する
ので、SiO2/MnO比は1以上にすべきである。
、(SiO2+MnO)量と溶接金属中の酸素量及び耐
衝撃性(吸収エネルギー)の関係を示したグラフで(S
iO2+MnO)量が増加するにつれて酸素量が増大し
耐衝撃性は低下する。ここで耐衝撃性が、低温用鋼の溶
接材料に関する規格例えばNK(日本海事協会)の造船
用鋼材規格:VE−50≧3.0k9・mを満足する為
には、艙接金属中の酸素量を400ppm以下にしなけ
ればならず、その為には、第3図より(SlO2+Mn
O)量を25%以下にすべきであることが分る。また前
記したSiO2及びMnOの添加効果を有効に発揮する
為には、(SiO2+MnO)を10?以上含有させな
ければならない。更に、SiO2とMnOを配合比の観
点からみた場合、MnO量がSiO2量よりも多いと(
SiO2/MnOく1)、スラグが電極よりも先行して
後行電極の溶込みが浅くなり、耐高温割れ性が低下する
ので、SiO2/MnO比は1以上にすべきである。
またMnOが前記範囲を満足していても、SiO2量が
増加してSlO2/MnOの比が50を越えると、Mn
Oによりなじみの良い溶接ビードを得るという効果が発
揮されなくなるのでSiO2/MnOの比を50以下に
しなければならない。上記SiO2及びMnO量の規定
範囲を総合すると第4図の様になり、斜線で示した領域
が両者の好適配合範囲となる。
増加してSlO2/MnOの比が50を越えると、Mn
Oによりなじみの良い溶接ビードを得るという効果が発
揮されなくなるのでSiO2/MnOの比を50以下に
しなければならない。上記SiO2及びMnO量の規定
範囲を総合すると第4図の様になり、斜線で示した領域
が両者の好適配合範囲となる。
本発明では上記6成分を必須成分とするが、更に実験の
結果、上記各成分の作用効果を総合的に再現性良く発揮
させる為には、MgOを除く各成分の総和即ち(TlO
2+CaF2+AI2O3+SiO2+MnO)が全フ
ラツクス成分の70〜95%を占める様に成分調整すべ
きことが分つた。
結果、上記各成分の作用効果を総合的に再現性良く発揮
させる為には、MgOを除く各成分の総和即ち(TlO
2+CaF2+AI2O3+SiO2+MnO)が全フ
ラツクス成分の70〜95%を占める様に成分調整すべ
きことが分つた。
即ち本発明では上記の必須成分と共に、5〜30%の範
囲で以下に示す様な副成分を配合することができ、これ
らの副成分の種類や配合率は、その時々に応じて最も必
要なフラツクス特性(スラグの電気伝導度、融点、粘性
或はアーク安定性等)の程度を考慮しつつ任意に決めれ
ばよい。CaO及び/又はBaO:夫々5%以下 何れも塩基性成分であり、溶接金属の耐衝撃性を高める
作用があるが、MgOと同様凝固スラグの通電性を阻害
するので、夫々5%以下にしなければならない。
囲で以下に示す様な副成分を配合することができ、これ
らの副成分の種類や配合率は、その時々に応じて最も必
要なフラツクス特性(スラグの電気伝導度、融点、粘性
或はアーク安定性等)の程度を考慮しつつ任意に決めれ
ばよい。CaO及び/又はBaO:夫々5%以下 何れも塩基性成分であり、溶接金属の耐衝撃性を高める
作用があるが、MgOと同様凝固スラグの通電性を阻害
するので、夫々5%以下にしなければならない。
尚CaO(及び/又は)BaOをMgOと併用する場合
もあるが、これらは凝固スラグの通電性に相剰的な悪影
響を及ぼすから、これらを併用(2成分又は3成分)す
る場合、各成分の総和は12%以下にすべきである。
もあるが、これらは凝固スラグの通電性に相剰的な悪影
響を及ぼすから、これらを併用(2成分又は3成分)す
る場合、各成分の総和は12%以下にすべきである。
またCaO,BaO及びMgOは炭酸塩の形で配合して
もよく、その場合は熱分解によつて生成するCO2によ
り溶接金属の耐気孔性も改善される。しかしCO2の発
生量が5%を越えるとビード表面にアバタやホックマー
クが発生するので注意を要する。アルカリ金属酸化物:
5%以下 代表的なものとしてNa2O,K2O,Li2Oが挙げ
られ、アーク安定性を高めると共に溶接金属の耐衝撃性
を高める作用がある。
もよく、その場合は熱分解によつて生成するCO2によ
り溶接金属の耐気孔性も改善される。しかしCO2の発
生量が5%を越えるとビード表面にアバタやホックマー
クが発生するので注意を要する。アルカリ金属酸化物:
5%以下 代表的なものとしてNa2O,K2O,Li2Oが挙げ
られ、アーク安定性を高めると共に溶接金属の耐衝撃性
を高める作用がある。
しかし5%を越えるとアークが却つて不安定になり、短
絡したりビード幅が不揃いになる等の欠陥が現われる。
このほかZrO2は通電性を高める作用があり、場合に
よつてはTlO2の一部と置換することも可能である。
しかし通電性向上効果はTiO2よりも相当劣つており
、TiO2の60%以上をZrO2で置換すると通電性
が損なわれる。また鉄粉は溶着金属量を増大し溶接速度
を高めると共に、脱酸性元素と併用することによつて脱
酸を促進し、更にはビード外観を美麗にしスラグの剥離
性を向上する等多くの作用を有しており、特に厚板を潜
弧溶接する場合に顕著な効果が得られるが、本発明独自
の作用効果には殆んど影響しない。
絡したりビード幅が不揃いになる等の欠陥が現われる。
このほかZrO2は通電性を高める作用があり、場合に
よつてはTlO2の一部と置換することも可能である。
しかし通電性向上効果はTiO2よりも相当劣つており
、TiO2の60%以上をZrO2で置換すると通電性
が損なわれる。また鉄粉は溶着金属量を増大し溶接速度
を高めると共に、脱酸性元素と併用することによつて脱
酸を促進し、更にはビード外観を美麗にしスラグの剥離
性を向上する等多くの作用を有しており、特に厚板を潜
弧溶接する場合に顕著な効果が得られるが、本発明独自
の作用効果には殆んど影響しない。
従つて本発明においては、鉄粉はフラツクスの1成分と
言うよりもフラツクスとの併用材料と考えるのが適切で
あり、その配合量は本発明フラツクスに対して等量以下
が好ましい。次に本発明のフラツクスにおいても、従来
の潜弧溶接用フラツクスと同様粒度構成及び嵩比重がア
ーク安定性やビード外観に影響するので、これらについ
て簡単に説明する。
言うよりもフラツクスとの併用材料と考えるのが適切で
あり、その配合量は本発明フラツクスに対して等量以下
が好ましい。次に本発明のフラツクスにおいても、従来
の潜弧溶接用フラツクスと同様粒度構成及び嵩比重がア
ーク安定性やビード外観に影響するので、これらについ
て簡単に説明する。
まず粒度構成であるが、粒径250〜840μのものが
60%以上で且つ500μ以下のものが30%以上とな
る様に粒度調整すれば、アーク安定性を高めると共に吹
き上げやビード表面の凹凸等を回避することができる。
また嵩比重は0.6〜1.5が最も好ましく、0.6未
満では溶接中に発生するガスによつてフラツクスの吹き
上りが起こり、ビード表面が粗い波状になり易い。一方
1.5を越えると溶融金属や溶融スラグがフラツクスの
重さで絞られる状態をこなり、ビードが凸状になる。本
発明は概略以上の様に構成されており、特に多電極潜弧
溶接用フラツクスとして以下示す様な諸種の利益を享受
できる。
60%以上で且つ500μ以下のものが30%以上とな
る様に粒度調整すれば、アーク安定性を高めると共に吹
き上げやビード表面の凹凸等を回避することができる。
また嵩比重は0.6〜1.5が最も好ましく、0.6未
満では溶接中に発生するガスによつてフラツクスの吹き
上りが起こり、ビード表面が粗い波状になり易い。一方
1.5を越えると溶融金属や溶融スラグがフラツクスの
重さで絞られる状態をこなり、ビードが凸状になる。本
発明は概略以上の様に構成されており、特に多電極潜弧
溶接用フラツクスとして以下示す様な諸種の利益を享受
できる。
(1)凝固スラグは高い通電性を有しているから、凝固
スラグを剥離せずともその上から直接アークを発生させ
ることができ、溶接作業性が良い。
スラグを剥離せずともその上から直接アークを発生させ
ることができ、溶接作業性が良い。
(2)凝固スラグの上からでも小入熱で確実にアークが
発生するから、電極間距離を長くとることができ、熱影
響部の熱劣化が最小限に抑制される。(3)その結果、
従来困難とされていた低温用鋼の潜弧溶接も支障なく行
なえることになつた。
発生するから、電極間距離を長くとることができ、熱影
響部の熱劣化が最小限に抑制される。(3)その結果、
従来困難とされていた低温用鋼の潜弧溶接も支障なく行
なえることになつた。
(4)更に本発明のフラツクスを使用すると、アーク安
定性及びビードの外観・形状が良好になり、しかも熱影
響部のみならず溶接金属の低温靭性も向上する。次に実
験例を挙げて本発明の構成及び作用効果を明確にする。
定性及びビードの外観・形状が良好になり、しかも熱影
響部のみならず溶接金属の低温靭性も向上する。次に実
験例を挙げて本発明の構成及び作用効果を明確にする。
実験例
第2表に示す成分組成の焼結型フラツクスを使用し、第
5図に示す方法に準じて2電極潜弧溶接を行ない、溶接
作業性、溶接金属中の酸素量及び低温靭性を調べた。
5図に示す方法に準じて2電極潜弧溶接を行ない、溶接
作業性、溶接金属中の酸素量及び低温靭性を調べた。
結果を第2表に一括して示す。尚第5図において1はフ
ラツクス、2は母材、3は先行電極、13は後行電極、
4,14は溶融プール、5,15は溶接金属、6,16
は溶融スラグ、7,17は赤熱軟化状態のスラグ、8,
18は凝固スラグを夫々示す。また溶接条件は下記の通
りとした。
ラツクス、2は母材、3は先行電極、13は後行電極、
4,14は溶融プール、5,15は溶接金属、6,16
は溶融スラグ、7,17は赤熱軟化状態のスラグ、8,
18は凝固スラグを夫々示す。また溶接条件は下記の通
りとした。
第2表からも明らかな様に、本発明の要件を1つでも欠
く比較フラツクス(/F6.l〜15)は、溶接作業性
やビード外観が悪かつたり、或はこれらが良好であつて
も溶接金属中の酸素量が多くて低温靭性が乏しく、本発
明の目的を達成できない。
く比較フラツクス(/F6.l〜15)は、溶接作業性
やビード外観が悪かつたり、或はこれらが良好であつて
も溶接金属中の酸素量が多くて低温靭性が乏しく、本発
明の目的を達成できない。
これに対し本発明の要件を満足するフラツクス(滝16
〜23)を使用すると、溶接作業性、ビード外観共に良
好であり、且つ溶接金属中の酸素量も少なく良好な低温
靭性が得られる。
〜23)を使用すると、溶接作業性、ビード外観共に良
好であり、且つ溶接金属中の酸素量も少なく良好な低温
靭性が得られる。
第1図は溶融スラグの温度と電気伝導度の関係を示すグ
ラフ、第2図は電気伝導度の測定法を示す説明図、第3
図は(SiO2+MnO)量と溶接金属の酸素量及び耐
衝撃性(吸収エネルギー)の関係を示すグラフ、第4図
はSiO2とMnOの好適配合率範囲を示すグラフ、第
5図は実験例で採用した2電極潜弧溶接法を示す説明図
である。 1・・・・・・フラツクス、2・・・・・・母材、3・
・・・・・先行電極、13・・・・・・後行電極。
ラフ、第2図は電気伝導度の測定法を示す説明図、第3
図は(SiO2+MnO)量と溶接金属の酸素量及び耐
衝撃性(吸収エネルギー)の関係を示すグラフ、第4図
はSiO2とMnOの好適配合率範囲を示すグラフ、第
5図は実験例で採用した2電極潜弧溶接法を示す説明図
である。 1・・・・・・フラツクス、2・・・・・・母材、3・
・・・・・先行電極、13・・・・・・後行電極。
Claims (1)
- 1 固化スラグの表面が通電性を有する様に調整した潜
弧溶接用焼結型フラックスであつて、TiO_2:20
〜60%(重量%:以下同じ)、CaF_2:12〜3
5%、Al_2O_3:10〜50%、SiO_2:2
5%以下、MnO:0.2〜10%及びMgO:5%以
下を含み、更に(TiO_2+CaF_2+Al_2O
_3+SiO_2+MnO)を70〜95%、(SiO
_2+MnO)を10〜25%、SiO_2/MnOを
1〜50にしてなることを特徴とする潜弧溶接用焼結型
フラックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13665480A JPS5937719B2 (ja) | 1980-09-29 | 1980-09-29 | 潜弧溶接用焼結型フラツクス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13665480A JPS5937719B2 (ja) | 1980-09-29 | 1980-09-29 | 潜弧溶接用焼結型フラツクス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5762889A JPS5762889A (en) | 1982-04-16 |
JPS5937719B2 true JPS5937719B2 (ja) | 1984-09-11 |
Family
ID=15180378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13665480A Expired JPS5937719B2 (ja) | 1980-09-29 | 1980-09-29 | 潜弧溶接用焼結型フラツクス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5937719B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61502715A (ja) * | 1984-07-07 | 1986-11-20 | ロ−ベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 高周波変成器 |
CN103447715A (zh) * | 2013-08-14 | 2013-12-18 | 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 | 一种镍基合金埋弧焊用烧结焊剂及制备方法 |
US10950293B2 (en) | 2017-04-19 | 2021-03-16 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Signal processing circuit, distributed memory, ROM, and DAC which signal processing circuit is embedded |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5847573A (ja) * | 1981-09-16 | 1983-03-19 | Nippon Steel Corp | サブマ−ジア−ク溶接法 |
KR100355580B1 (ko) * | 2000-08-17 | 2002-10-12 | 고려용접봉 주식회사 | 서브머지드 아크 용접용 소결형 플럭스 |
-
1980
- 1980-09-29 JP JP13665480A patent/JPS5937719B2/ja not_active Expired
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61502715A (ja) * | 1984-07-07 | 1986-11-20 | ロ−ベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 高周波変成器 |
JPH0571125B2 (ja) * | 1984-07-07 | 1993-10-06 | Bosch Gmbh Robert | |
CN103447715A (zh) * | 2013-08-14 | 2013-12-18 | 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 | 一种镍基合金埋弧焊用烧结焊剂及制备方法 |
US10950293B2 (en) | 2017-04-19 | 2021-03-16 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Signal processing circuit, distributed memory, ROM, and DAC which signal processing circuit is embedded |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5762889A (en) | 1982-04-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3177340A (en) | Flux-cored electrode and process of welding | |
JP5874068B2 (ja) | 片面サブマージアーク溶接用フラックス | |
JPS6313694A (ja) | サブマ−ジア−ク溶接用焼成型フラツクス | |
JPH0130597B2 (ja) | ||
US3424626A (en) | Low silica welding composition | |
KR900009218B1 (ko) | 서브머어지드 아아크 용접 플럭스 | |
JPS5937719B2 (ja) | 潜弧溶接用焼結型フラツクス | |
JPS6249155B2 (ja) | ||
JP6071797B2 (ja) | 片面サブマージアーク溶接用フラックス | |
JPS6064792A (ja) | 高速サブマ−ジア−ク溶接用焼成型フラツクス | |
JPS6250235B2 (ja) | ||
JP3577995B2 (ja) | サブマージアーク溶接用焼成型フラックスの製造方法 | |
JP6152316B2 (ja) | 片面サブマージアーク溶接用フラックス | |
JPH0513040B2 (ja) | ||
JP2015033701A (ja) | 片面サブマージアーク溶接用フラックス | |
JPH0122078B2 (ja) | ||
JPH07100689A (ja) | 下向すみ肉サブマージアーク溶接用ボンドフラックス | |
JPH07100692A (ja) | ステンレス鋼フラックス入りワイヤ | |
JPS63207493A (ja) | A1系ろう材用フラツクス | |
JPS63207494A (ja) | Zn系ろう材用フラツクス | |
WO2019188122A1 (ja) | サブマージアーク溶接用フラックス | |
JPH06285679A (ja) | 高塩基性溶融型フラックス | |
JPS6352794A (ja) | サブマ−ジア−ク溶接用焼成型フラツクス | |
JPH0985488A (ja) | サブマージアーク溶接用溶融型フラックス | |
JP6071834B2 (ja) | 片面サブマージアーク溶接用フラックス |