JPS5937428B2 - 減圧平衡加熱乾燥装置における気化水分凝結排水機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は減圧平衡加熱乾燥装置における気化水分凝結
排水機構に関する。

本出願人は、さきに密閉された中空室内の空気を回転体
の回転により強制的に吸引して排気する減圧効果と、空
気と回転体との摩擦作用により発生する摩擦熱の加熱効
果とにより石油、ガスまたは電気ヒータなどの既存の熱
源を用いない新しい゛減圧平衡加熱方法および装置を開
発した。

この発明は上述の発明を基本とし、かつ上述の発明を利
用して成されたもので中空室内で遊離した気化水分を加
圧凝縮室に強制的に導入して除水できるようにした減圧
平衡加熱乾燥装置における気化水分凝結排水機構を提供
するにある。

以下にこの発明の一実施例を図面に示される構成につい
て詳述する。

１は扉２を枢着して開閉自在とした角筒状の密閉された
中空室で、上下左右の外周壁には断熱材３を被着介在さ
せて保温できるようになっている。

４は中空室１の天井中央に開口した吸引口で、回転体ａ
を回転自在に配設した減圧摩擦熱発生機構Ｘを有する。

そして、この回転体ａは図示にあっては、電動機５によ
り回転されるプロペラファン、シロッコファンなどの回
転羽根６によって構成された所望の傾斜角度を有しかつ
、中空室１内の空気を吸引排気するように回転方向が定
められている。

そして、この回転体ａの回転領域には滞溜空気と摩擦作
用で発熱する摩擦熱発生部Ａが形成される。

７は前記減圧摩擦熱発生機構Ｘの回転体ａに僅かの間隔
を置いて対設した回転体で、前記回転体ａの回転作用に
基づく基体の粘性効果によって従動回転する従動回転機
構Ｙを構成している。

この従動回転機構Ｙは基本的ｌこは支持枠９により１個
配設して下方の気流を上方へ吸引できるピッチ翼をその
回転体γに備えさせれば良い。

そして、従動回転機構Ｙは回転体７を翼車構造（回転翼
車）となし、これと一体で回転する吸引羽根８を同軸と
して所謂、二段回転構造として形成することもある。

すなわち、吸引口４の下端に、臨設されて固定される直
交した支持枠９を取付は該枠９の中心を回転体ａの中心
と一致させて軸受部１０の上方には前記回転翼車７を、
また下方には回転羽根８を軸杆１１に螺合固定して一体
回転できる構成としている。

また、回転翼車７は吸引口４の口径より僅かに小径のリ
ング１２とそのリング１２の外周に突出した多数の羽根
１３とによって構成され、吸引口４の内壁とリング１２
と羽根１３とにより囲繞される多数の気室１４が形成で
きるようになっている。

１５は羽根１３の上端を稍々斜方向に曲折した折曲部で
、回転性能を高められるように構成している。

１６は中心取付部１７を支持する四本の支杆、１８はリ
ング１２の内側に散設した吸引羽根で、下方の気流を吸
上げできるように同じ方向の傾斜角度を保って取付けら
れている。

さらに、回転羽根８は、通常のファン構造でよく、中空
室１内の空気を上方に吸上げる方向に羽根８が回転する
ように構成してあれはよい。

なお、また回転羽根８の外方には前記支持枠９の両端を
支持できる環状部１９ａを有する陣笠状の傾斜板１９が
固定してあり、回転羽根８の吸引領域を劃然と規制しで
ある。

なお、図示しないが、この傾斜板１９を回転羽根８と同
様に軸杆１１に回転可能に固定しこの傾斜板１９の下面
にファン機能を呈する傾斜した羽根を取付けて前記した
と同様に吸引効果と吸引領域とを劃然と規制して実施し
ても差支えない。

つぎに実施例では中空室１内での気流現象を有効にして
、均一な温度分布を改善するため前記傾斜板１９と共に
吸引口４より下向きに拡開させた円錐状の案内板２０を
突設し、かつ前記傾斜板１９との間で得られる旋回流の
流れ方向を規制する規制板２１を介在させた強制旋回対
流案内機構Ｚを備える。

２２は中空室１の上部−側に設けた小さな加圧室で吸引
ポンプ２３を内蔵し、吸引管２４の先端２４ａを、前記
中空室１の従動回転機構Ｙを構成する回転羽根８のほぼ
中央に位置させて下向きに臨ませである。

２５は多数のフィン２６を突出した放熱部で、加圧室２
２内に流入した気化水分が衝突して放熱凝結できるよう
になっている。

２γは排水管で、前記加圧室２２の下部に基端が接続さ
れ、加圧室２２内に貯溜した凝結水を排水できるように
なっている。

２８はドレーンコツ久２９は加圧室２２内の遊離気体を
再び中空室１の中央下部に帰流させることができる帰流
管である。

３０は中空室１内に多段に配設した棚で、被乾燥物を載
置して吸容できるようにしである。

３１は棚３０の両側から加熱乾燥空気を強制的に平均し
て供給できる長尺なシロッコファンである。

３２は前記回転体ａを含む摩擦熱発生部Ａの保持面で、
電動機５の支持筒３３を包囲して構成され、支持筒３３
に形成される排気通路３４よりの排出空気を外部に送出
できる開口部３５を穿つである。

なお、この開口部３５は電動機５の作動が停止すれば外
部の空気が導入できる吸引部をも兼用する。

３６は電動機５の冷却用ファンで電動機５の回転軸に直
結して構成しである。

３７は加熱用の補助ヒータである。

斜上の構成について、この発明の詳細な説明する。

まず、電動機５に通電し、回転羽根６を回転させれば、
減圧摩擦熱発生機構Ｘが働き、密閉された中空室１内の
空気は回転羽根６の吸引排気作用によって、次第に排気
減圧され中空室１の内外の圧力差が次第に大きくなるが
、成る圧力差に達した時点で略平衡状態を維持する。

この略一定の平衡状態における中空室１の内外の圧力差
は、回転羽根６の回転吸引力の大きさと吸引口４と回転
羽根６との間隙の大きさなどによって定まるが、この平
衡状態は回転羽根６の回転作用が継続する限り維持され
る。

この平衡状態では回転羽根６の回転領域内にある摩擦熱
発生部Ａにおいて空気の滞溜現象が生じ、回転羽根６と
の摩擦作用が反覆継続するので、摩擦熱が発生して次第
【こその温度が上昇する。

ところで、減圧摩擦熱発生機構Ｘに相対して従動回転機
構Ｙが設けられており、回転体ａすなわち回転羽根６に
よって回転される加熱された旋回流は、流体の粘性効果
により離開しているこの従動回転機構Ｙの回転体７を同
一方向に回転させる。

そして、中空室１内の空気を排気して所望の減圧状態、
すなわち中空室１内外の圧力差がほぼ一定の平衡状態に
達するまで従動回転機構Ｙは専ら排気作用を呈する。

この一定の減圧状態に達すると、回転体ａの回転作用で
従動する回転翼車７により該（ロ）転翼車７のリング１
２と羽根１３と吸引口４の内壁とで囲繞される気室１４
内の気体を強制的に旋回させると共ｌこ回転翼車７の同
軸の回転羽根８を同一方向に回転させることメなる。

この強制的に旋回作用を受ける気室１４内の加熱気流は
、強制旋回対流案内機構Ｚにより案内板２０と傾斜板１
９とで形成される空間部に、規制板２１によって旋回流
を附勢されながら導入されさらに中空室１の外周内壁に
向って吐出されるものである。

一方、従動回転機構Ｙは回転翼車７の回転により一体回
転する回転羽根８の作用で該回転羽根８の下方に位置す
る気流は強制的に上方に吸引されリング１２の吸引羽根
１８の吸上効果と相俟って減圧摩擦熱発生機構Ｘの回転
羽根６の摩擦熱発生部Ａに強制的に送り込まれ核部で既
に昇温した気流と入れ替わりながら回転翼車７によって
前述のように下方に旋回流を形成して吐出されるもので
ある。

したがって、従動回転機構Ｙと強制旋回対流案内機構７
の働きにより中空室１内の気流は、外周方向から下降し
中央部分から上昇する強制的な対流作用と、渦巻状の旋
回作用（渦巻作用とも認められる）とを奏することがで
きる。

このように中空室１内の空気圧が回転羽根６の回転によ
る減圧作用を受けた状態において、旋回する気流を外周
方向から下降させ一旦下降した後中空室１の下部外周よ
り中心側に向って移行する気流の対流作用を強制的に生
起させているので、室内１の温度を所望の設定された温
度に急速に均一化できる。

しかも、中空室１にはその両側壁に沿ってシロッコファ
ン３１を設けて、両側壁に沿って下降する加熱空気を両
方向に均一に移送させているので多段の棚３０内に気流
が侵入して被乾燥物全体を減圧加熱できる。

したがって、被乾燥物は水分を遊離し気化水分となって
気流と共に上昇させられる。

ところで、中空室１には回転羽根８の下方に、吸引管２
４の先端２４ａを開口して吸引ポンプ２３により中空室
１内の減圧空気を吸引しているので気化水分は減圧空気
と共に吸引されて加圧室２２に導出させられる。

すると、この加圧室２２には多数のフィン２６を突・出
した放熱部２５を備えるので、気化水分は直ちに放熱凝
結して水となり加圧室２２の下部に貯溜させられる。

したがって、排水管２７よりドレーンコック２８を介し
て加圧室２２内の凝結水は有効に排水させられる。

また、加圧室２２内の高圧空気は帰流管２９により乾燥
空気となって中空室１内へ帰流させられる。

なお、凝結水が排水管２７より外部へ排水される状態に
なると吸引ポンプ２３の作用力が電動機５の回転力に打
ちがち、中空室１内の減圧度が高くなり外部の空気が開
口部３５より吸引口４を通って空中室１内に侵入して再
び前と同じ減圧平衡状態に復帰する。

またこのように外気が侵入すると中空室１内の温度を降
下させるように働くので中空室１内の温度制御を行わせ
ることができる。

なお、吸引管２４によって吸引されない気化水分の一部
は吸引口４より排気通路３４を経て外部に排出されるも
のもある。

また、回転体ａの回転を停止すれば減圧平衡状態を保持
できないので外部の空気は開口部３５より中空室１内に
侵入して大気圧の中空室１となる。

以上、この発明の実施例においては、回転体ａによる摩
擦熱発生部Ａを備えた減圧摩擦熱発生機構Ｘの外に、従
動回転機構Ｙおよび強制旋回対流案内機構Ｚを具備した
構成について記神したが、従動回転機構Ｙおよび強制旋
回対流案内機構Ｚの二つの構成を省略しても良く、また
シロッコファン３１も必要に応じて省略しても良い。

この発明は斜上のようになるので、中空室内の被乾燥物
より気化した遊離水分は専ら吸引管によって加圧室内へ
送給され、そこで放熱凝結して水となって排水できるの
で、被乾燥物より気化した水分は中空室内で浮遊するこ
となく、たえず連続して加圧室内へ送給されてきわめて
有効に凝結除水することができる。

なお、中空室は任意の形状でよく、また加圧室も中空室
と一体でなく離開して構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る減圧平衡加熱装置（こおける気
化水分凝結排水機構の一実施例を示す全体の説明図、第
２図は同上要部の拡大断面図、第３図および第４図は同
上のＩＩＩ−ＩＩＩ線および■−ＩＶ線断面図である。 １・・・・・・密閉された中空室、４・・・・・・減圧
摩擦熱発生機構Ｘの吸引口、ａ・・・・・・回転体を示
し、電動機５と回転羽根６で構成される、Ａ・・・・・
・摩擦熱発生部、２２・・・・・・加圧室、２４・・・
、・・吸引ポンプ、２５・・・・・・放熱部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉された中空室に回転体による減圧摩擦熱発生機
   構を設けると共に前記中空室に一端を開口した吸引管を
   吸引ポンプを介して加圧室内に導ひき、該加圧室で気化
   水分を放熱凝結して排水管により排水できるようにしか
   つ加圧室より帰流管を中空室に導ひいて成る減圧平衡加
   熱乾燥装置における気化水分凝結排水機構。