JPS5937251Y2 - 揮発性液剤分与器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は揮発性液剤分与器に関する。

近時、室内大気中に芳香を発散させる芳香剤製品の分野
で極めて多様の発展をみ、いわゆるエヤー・フレッシュ
ナー（ａｉｒ ｆｒｅｓｈｅｎｅｒ ）、またはルー
ム“フラグランス（ｒｏｏｍ ｆｒａｇｒａｎｃｅ
）等の呼び名で各種製品が種々の分与器（ｄｉ ５ｐｅ
ｎｓｅｒ ）に充填されて提供されている。

これらの芳香剤分与器のうち、ウィツク（灯芯）式のも
のは、容器中の芳香剤の液面が低くなると、芳香剤の吸
上げ性が低下して芳香の放散が悪くなるので、残量があ
っても芳香剤を補給してその液面を高くする必要があり
、手間がか五つて面倒である。

これに対し、賦圧充填（ｐｒｅｓｓｕｒｉｚｅｄｐａｃ
ｋａｇｉｎｇ ％いわゆるエアゾール）式のものは、ア
クチュエータを押し下げるだけで芳香剤が噴霧されて便
利であるが、その噴射剤のフロンの大気汚染が問題にな
ってきており、また容器の缶も廃棄物公害の問題を生じ
ている。

これらに対して、手動式噴霧装置、特に蓄圧式噴霧器に
よるものは、アクチュエータを押し下げる都度芳香剤が
噴霧され、また上記のような公害問題もなく重宝されて
いる。

しかし、大気中に噴霧された芳香剤の芳香は、それ稈長
くは保たれないので、手動噴霧装置に多孔性材料を付設
し、噴霧器を時々作動して芳香剤を多孔性材料に供給し
、しみ込ませて長時間にわたって芳香を楽しむようにし
たものがある。

この装置においては通常の手動噴霧器を使用しており、
その噴口から噴霧された芳香剤の一部が多孔性材料にし
み込むようになっているので、−回の噴霧による多孔性
材料の貯留量はそれ程多くないという欠点がある。

この欠点を解消するために、手動ポンプ装置によって吐
出した芳香剤を、直接多孔性材料に供給し、しみ込ませ
、多孔性材料の芳香剤貯留量を増して、長時間にわたっ
て芳香を楽しむことを可能にした芳香分与器が提供され
ている。

しかし、上記のものの多くは、キャンプを外してアクチ
ュエータを作動させ、かつ多孔性材料を容器部に収納保
持させるように構成されており、構造が複雑で、かつキ
ャンプの脱着が面倒である上に、外形デザインが構造上
制約を受けるといった問題がある。

本考案者はこの点に着目して、アクチュエータ自体のな
かに多孔性材料を収納し、そのアクチュエータを挺子腕
によって押し下げて手動ポンプ装置を作動させるように
し、かつアクチュエータをカバーで覆い、そのカバーと
容器とを一つのまとまった形状としてデザインした構造
簡単な揮発性液剤分与器を開発した。

本考案の装置は第−義的に芳香剤の分与 （ｄｉｓｐｅｎｓｅ ）を目的とするものであるが、揮
発性液剤の蒸気の空間投与にはすべて利用できることは
自明である。

本考案によれば揮発性液剤を入れた容器と；その頚部開
口に装着され、吐出口が上方を向いている手動ポンプ装
置と；前記容器の上部周縁に嵌着されるケースであって
、周壁に項数スリットが設けられたものと；その中に収
められ筒状の頚部と周壁が立設された鍔部を有するアク
チュエータであって、その頚部の天井中央部に設けられ
たボス孔によって前記手動ポンプ装置のステムに嵌着支
持され、かつ頚部の頂面から周面までに溝状の液剤通路
が形成されているものと；前記アクチュエータの鍔部に
載置される多孔性材料と；前記ケースの一部に支点を有
する挺子腕であって、中程が前記アクチュエータの頚部
両側に突設された筒耳に接触し、端部がケースの一部に
設けられた開口に臨み、該開口がなかった場合のケース
の該開口部の形状に一致する形状を有するものとを備え
ていること、を特徴とする揮発性液剤分与器が提供され
る。

以下図面を参照して本考案を芳香剤への応用を例として
その好適実施態様について具体的に説明する。

第１図および第２図に示すように、芳香剤を入れた容器
１０は本実施態様の場合下方が少し小さい截頭矩形角錐
の筐体であって、上部外周には段部１１が形成されてお
り、また上部中央には上方に開口する筒状の頚部１２が
形成されている。

その頚部１２には手動ポンプ装置２０が装着されており
、該手動ポンプ装置２０は、その７ランジ２１によりギ
ヤスケット２２を介して容器１０の頚部１２に螺合する
固定キャンプ１３により、容器１０に固定されている。

前記手動ポンプ装置２０は既知のものであって、例えば
実願昭５２−１６５３１２号に開示されたような蓄圧式
のものが望ましいが、これに限られるものではない。

前記容器１０の上部には、容器１０と連続して筐体をな
すケース３０が設けられている。

該ケース３０は、上方がやや小さいさい頭矩形角錐であ
って、その周壁下縁で容器１０の段部１１に嵌着支持さ
れ、片方の角部を切欠くように長方形の開口３１が設け
られる一方、周壁には複数個の縦方向の発散スリット３
２が設けられている。

このケース３０の内部には、直方体のアクチュエータ４
０が収められ、該アクチュエータ４０は筒状の頚部４１
と、長方形盆状で周壁４２が立設された鍔部４３とより
なっている。

その頚部４１は段部４４により小径部４５と大径部４６
とに画成される。

その小径部４５の天井の下面中央部から下方にボス４７
が突設されており、該ボス４７に穿設された中央孔４８
の下部は、前記手動ポンプ装置２０のステム２３に、嵌
着され、また大径部の内壁は固定キャンプ１３の外壁に
遊嵌されている一方、頚部４１の表面には、第３図に示
すような液剤通路５０が形成される。

その液剤通路５０は上端部４８Ａが閉じられた中央孔４
８に達するように小径部４５の頂面に形成された複数個
の放射状溝５１と、それに連続して頚部４１の外壁に形
成された側溝５２よりなっている。

また小径部４５０両側には、筒耳（トラニオン）４９が
突設され、後出の挺子腕７０に当接するようになってい
る一方、鍔部４３の下面と容器１０の上面との間には、
アクチュエータ４０が手動ポンプ装置２０のステム２３
の作動ストロークに等しく上下運動できる余裕が設けら
れている。

多孔性材料６０は、アクチュエータ４０の頚部４１と鍔
部４３より形成された凹部を満たすように載置された中
央に円孔を有する環状直方体であって、緻密度の小さい
オープンボア（ここでオープンボアとは多孔性材料を流
体が貫通できることを意味する）の例えばウレタン系合
成樹脂発泡体で造られる。

しかしこれに限られるものではなく、流体保持力が充分
な材料であればよい。

一方、ケース３０の開口３１と対向する角部の内方には
、一対のリブ３３が突設され、リブ３３に凹所をなす支
点３４が形成される。

この支点３４には挺子腕７０がその支軸７１により下方
よりはまって回動自在に軸支される。

その挺子腕７０は、支軸７１０両端から延びる一対の腕
部７２でアクチュエータ４０の小径部４５を囲み、筒耳
４９に上方から当接し、さらに横方向に延び両方の腕部
７２をつないで鍔部をなす指圧部７３は、ケース３０の
開口３１に臨んでいる。

その指圧部７３は、ケース３０の外形に沿う形状に形成
され、アクチュエータ４０の非作動時に、上面がわずか
に開口３１に貫入し、側面が開口３１下縁内側で係止さ
れる。

この芳香分与器の作動は、ケース３０の開口３１に臨ん
でいる挺子腕７０の指圧部７３を押し下げると、該挺子
腕７０は支点３４のまわりに下向き回動し、腕部７２に
当接している筒耳４９を有スるアクチュエータ４０が押
し下げられ、手動ポンプ装置２０が作動し、容器１０内
の芳香剤が吐出される。

その芳香剤がアクチュエータ４０の中央孔４８と液剤通
路５０を経て、多孔性材料６０に流入して貯留され、貯
留された芳香剤の芳香はケース３０の発散スリツト３２
から大気中に長期にわたって発散される。

この芳香分与器の手動ポンプ装置２０がいわゆる蓄圧式
であれば、吐出後にもポンプ装置内に芳香剤が残留し、
その次には挺子腕７０の押し下げによって芳香剤が吐出
される。

以上述べたことから明らかなように、本考案は簡単な構
造で手動ポンプ装置のアクチュエータ自体の中に揮発性
液剤を貯留する多孔性材料を収納し、そのアクチュエー
タをケースで覆い、そのケースと容器とを一つのまとま
った形状としてデザインするようにしたので、長時間に
わたって芳香を楽しむことができ、かつデザインの優れ
た揮発性液剤分与器を商品として成功させた。

本考案はその好適実施態様について具体的に説明したが
、本考案の技術範囲内で種々の変法が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好適実施態様を示す縦断面図、第２図
は第１図のケースの一部を切欠いて示す上面図、第３図
は第１図のアクチュエータ小径部を示すもので、同図ａ
は縦断同図、同図すは上面図である。 １０・・・・・・容器、１１・・・・・・段部、１２・
・・・・・容器の頚部、２０・・・・・・手動ポンプ装
置、２３・・・・・・ステム、３０・・・・・・ケース
、３１・・・・・・開口、３２・・・・・・発散孔、３
４・・・・・・支点、４０・・・・・・アクチュエータ
、４１・・・・・・アクチュエータの頚部、４２・・・
・・・鍔部、４５・・・・・・小径部、４８・・・・・
・中央孔、４９・・・・・・筒耳、５０・・・・・・液
剤通路、５１・・・・・・放射状溝、６０・・・・・・
多孔性材料、７０・・・・・・挺子腕、７１・・・・・
・支軸、７２・・・・・・腕部、７３・・・・・・指圧
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■、揮発性液剤を入れた容器と：その頚部開口に装着さ
   れ、吐出口が上方を向いている手動ポンプ装置と；前記
   容器の上部周縁に嵌着されるケースであって、周壁に発
   散スリットが設けられたものと；その中に収められ筒状
   の頚部と周壁が立設された鍔部を有するアクチュエータ
   であって、その頚部の天井中央部に設けられたボス孔に
   よって前記手動ポンプ装置のステムに嵌着支持され、か
   つ頚部の頂面から周面までに溝状の液剤通路が形成され
   ているものと；前記アクチュエータの鍔部に載置される
   多孔性材料と：前記ケースの一部に支点を有する挺子腕
   であって、中程が前記アクチュエータの頚部両側に突設
   された筒耳に接触し、端部がケースの一部に設けられた
   開口に臨み、該開口がなかった場合のケースの該開口部
   の形状に一致する形状を有するものとを備えていること
   を特徴とする揮発性液剤分与器。 ２、実用新案登録請求の範囲第１項記載の揮発性液剤分
   与器であって、手動ポンプ装置が蓄圧式ポンプ装置であ
   ることを特徴とするもの。 ３、実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   揮発性液剤分与器であって、容器とケースの外形が連続
   して筐体に形成されていることを特徴とするもの。 ４、実用新案登録請求の範囲第１〜３項のいずれかに記
   載の揮発性液剤分与器であって、各孔性材料が緻密度の
   小さいオープンポアの合成樹脂発泡体であることを特徴
   とするもの。