JPS5850916Y2 - 揮発性液剤分与器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は揮発性液剤分与器に関する。

近時、室内大気中に芳香を発散させる芳香剤製品の分野
で極めて多様の発展をみ、いわゆるエヤー、フレッシュ
ナ−（ａｉｒ ｆｒｅｓｈｅｎｅｒ） 、またはルーム
−フラグランス（ｒｏｏｍ ｆｒａｇｒａｎｃｅ）等の
呼び名で各種製品が種々の分与器（ｄｉｓｐｅｎｓｅｒ
）に充填されて提供されている。

これらの芳香剤分与器のうち、ウィック（灯芯）式のも
のは、容器中の芳香剤の液面が低くなると、芳香剤の吸
上げ性が低下して芳香の放散が悪くなるので、残量があ
っても芳香剤を補給してその液面を高くする必要があり
、手間がかかつて面倒である。

これに対し、賦圧充填（ｐｒｅｓｓｕｒｉｚｅｄ ｐａ
ｃｋａｇｉｎｇ。

いわゆるエアゾール）式のものは、アクチュエータを押
し下げるだけで芳香剤が噴霧されて便利であるが、その
噴射剤のフロンの大気汚染が問題になってきており、ま
た容器の罐も廃棄物公害の問題を生じている。

これらに対して、手動式噴霧装置、特に蓄圧式噴霧器に
よるものは、アクチュエータを押し下げる都度芳香剤が
噴霧され、また上記のような公害問題もなく重宝されて
いる。

しかし、大気中に噴霧された芳香剤の芳香は、それ稈長
くは保たれないので、手動噴霧装置に多孔性材料を付設
し、噴霧器を時々作動して芳香剤を多孔性材料に供給し
、しみ込ませて長時間にわたって芳香を楽しむようにし
たものがある。

この装置においては通常の手動噴霧器を使用しており、
その噴口から噴霧された芳香剤の一部が多孔性材料にし
み込むようになっているので、一回の噴霧による多孔性
材料の貯留量はそれ程多くないという欠点がある。

この欠点を解消するために、手動ポンプ装置によって吐
出した芳香剤を、直接多孔性材料に供給し、しみ込ませ
、多孔性材料の芳香剤貯留量を増して、長時間にわたっ
て芳香を楽しむことを可能にした芳香分与器が提供され
ている。

しかし、上記のものの多くは、キャップを外してアクチ
ュエータを作動させ、かつ多孔性材料を容器部に収納保
持させるように構成されており、構造が複雑で、かつキ
ャップの脱着が面倒である上に、外形デザインが構造上
制約を受けるといった問題がある。

本考案者はこの点に着目して、アクチュエータ自体のな
かに多孔性材料を収納し、そのアクチュエータと容器と
を一つのまとまった形状としてデザインした構造簡単な
揮発性液剤分与器を開発した。

本考案の装置は第一義的に芳香剤の分与 （ｄｉｓｐｅｎｓｅ）を目的とするものであるが、揮発
性液剤の蒸気の空間投与にはすべて利用できることは自
明で゛ある。

本考案によれば揮発性液剤を入れた容器と；その頚部開
口に装着され、吐出口が上方を向いている手動ポンプ装
置と；帽子状体で頂部と鍔部を有するアクチュエータキ
ャップであって、その頂部中央部で前記手動ポンプ装置
のステム上端に嵌着支持され、かつ前記鍔部に複数個の
発散孔が穿設されているものと；前記アクチュエータキ
ャップを覆う蓋体であって、その内壁頂面により前記ア
クチュエータキャップの頂部に載置され、該内壁の頂面
から周面中程までに溝状の液剤通路が形成され、かつそ
の下縁が前記アクチュエータキャップの鍔部周縁に嵌着
され、またその下縁と前記容器の上部周縁との間に予め
定めたストロークの上下運動の余裕を有するものと；該
蓋体と前記アクチュエータキャップとの間の空間に満た
された多孔性材料であって、緻密度の小さいオープンポ
アの合成樹脂発泡体と、アクチュエータキャップの鍔部
に接する緻密度の大きいオープンポアの合成樹脂発泡体
の板状基部とからなるものとを備え、前記アクチュエー
タキャップ、蓋体および多孔性材料よりなるアクチュエ
ータを押し下げると、前記手動ポンプが作動し揮発性液
剤が吐出され、その液剤が前記アクチュエータキャップ
の中央孔と前記液剤通路を介して前記多孔性材料に流入
して貯留され、その液剤の蒸気が前記アクチュエータキ
ャップの発散孔を介してアクチュエータキャップと前記
容器との間の間隙より大気中に発散されるように構成さ
れていることを特徴とする揮発性液剤分与器が提供され
る。

以下図面を参照して本考案を芳香剤への応用を例として
その好適実施態様について具体的に説明する。

第１図に示すように、芳香剤を入れた容器１０は、背の
低い円筒状の容器であって、上部外周には段部１１が形
成されており、また上部中央には上方に開口する筒状の
頚部１２が形成されている。

その頚部１２には手動ポンプ装置２０が装着されており
、該手動ポンプ装置２０は、そのフランジ２１によりギ
ヤスケット２２を介して容器１０の頚部１２に螺合する
固定キャップ１３により容器１０に固定されている。

前記手動ポンプ装置２０は、既知のものであって、例え
ば実願５２−１６５３１２号に開示されたような蓄圧式
のものが望ましいが、これに限られるものではない。

この手動ポンプ装置２０の上部には、ドーム状のアクチ
ュエータ３０が装着されており、該アクチュエータ３０
は、前記手動ポンプ装置２０に支持されるアクチュエー
タキャップ４０と、該アクチュエータキャップ４０を覆
う蓋体５０と、該蓋体５０とアクチュエータキャップ４
０との間の空間に満たされた多孔性材料６０とよりなっ
ている。

アクチュエータキャップ４０は、（カンカン）帽子状体
であって、筒状の頂部４１と円板状の鍔部４２よりなっ
ている。

その頂部４１の内壁上面から下方にボス４３が突設され
ており、該ボス４３に穿設された中央孔４４の下部は手
動ポンプ装置２０のステム２３上端に嵌着され、また頂
部４１の内壁は固定キャップ１３の外壁に遊嵌されてい
る一方、鍔部４２には第２図に示すように、複数個の発
散孔４５が穿設されている。

蓋体５０は容器１０の外形に連続するように形成された
ドーム状体であって、その内壁頂面５１によりアクチュ
エータキャップ４０の頂部４１に載置され、かつ内壁下
部に形成された複数個の突起５２によりアクチュエータ
キャップ４０の鍔部４２の周縁に嵌着支持され、また下
縁と容器１０の段部１１との間には、蓋体５０が手動ポ
ンプ装置２０ステム２３の作動ストロークに等しく上下
運動ができる余裕と環状の間隙５３が形成されている。

この蓋体５０の内壁の頂面５１から周面の中程までには
、中央の凹部５４から放射状溝５５が形成されており、
該凹部５４および放射状溝５５によって、アクチュエー
タキャップ４０の中央孔４４を介して、手動ポンプ装置
２０のステム２３の図示されない吐出孔を蓋体５０とア
クチュエータキャップ４０との間の空間に連通させる液
剤通路５６が形成される。

蓋体５０とアクチュエータキャップ４０との間の環状の
空間には、その空間を満たすように環状の多孔性材料６
０が収装されている。

該多孔性材料６０は、アクチュエータキャップ４０の鍔
部４２に接する部分である板状基部６１と、それ以外の
部分で゛ある貯留部６２からなっている。

前記、貯留部６２は、緻密度が小さい貯液量の大きいオ
ープンポア（この明細書においてオープンポアとは多孔
性体を液体が通過できることを意味する）の例えばウレ
タン系合成樹脂発泡体で造られ、一方板状基部６１は緻
密度の大きいオープンポアの合成樹脂発泡体で造られた
液の流下を防止することのできるものが用いられる。

いずれにしても、貯留部６２は芳香剤を貯留するに適し
、板状基部６１は芳香剤の流出を防ぎ芳香のみを通過さ
せる材料であればよい。

アクチュエータ３０の蓋体５０は低い円筒形の容器１０
の外形に連続するようなドーム状体に形成されているが
、これに限られるものではなく、円柱形、箱形あるいは
オムスビ形等であってもよい。

この芳香剤分与器の作動は、アクチュエータ３０を下方
に押し下げると、ステム２３が押下げられて手動ポンプ
装置２０が作動し、容器１０内の芳香剤が吐出され、ア
クチュエータキャップ４０の中央孔４４および液剤通路
５６を経て多孔性材料６０の貯留部６２に流入して貯留
され、貯留された芳香剤の芳香は、板状基部６１を経て
アクチュエータキャップ４０鍔部４２の発散孔４８を介
して、蓋体５０と容器１０の段部１１との間の環状の間
隙５３から大気中に長時間にわたって発散される。

この芳香剤分与器の手動ポンプ装置２０がいわゆる蓄圧
式であれば吐出後にもポンプ装置内に芳香剤が残留し、
その次にはアクチュエータ３０の押し下げによって直ぐ
に芳香剤が吐出される。

以上述べたことから明らかなように、本考案は簡単な構
造で手動ポンプ装置のアクチュエータ自体の中に揮発性
液剤を貯留する多孔性材料を収納し、そのアクチュエー
タと容器とを一つのまとまった形状としてデザインする
ようにしたので、長時間にわたって芳香を楽しむことが
でき、かつテ゛ザインの優れた揮発性液剤分与器を商品
として成功させた。

本考案はこの好適実施態様について具体的に説明したが
、本考案の技術範囲内で種々の変法が可能である。

例えば蓋体４０の外面にさらに発散孔を設けることもで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の好適実施態様を示す縦断面図、第２図
はこの実施態様の蓋体を一部アクチュエータキャップお
よび多孔性材料を除いて示す平面図である。 １０・・・・・・容器、１１・・・・・・段部、１２・
・・・・・頚部、２０・・・・・・手動ポンプ装置、２
３・・・・・・ステム、３０・・・・・・アクチュエー
タ、４０・・・・・・アクチュエータキャップ、４１・
・・・・・頂部、４２・・・・・・鍔部、４４・・・・
・・中央孔、４５・・・・・・発散孔、５０・・・・・
・蓋体、５１・・・・・・内壁頂面、５２・・・・・・
突起、５３・・・・・・環状の間隙、５４・・・・・・
凹部、５５・・・・・・放射状溝、５６・・・・・・液
剤通路、６０・・・・・・多孔性材料、６１・・・・・
・板状基部、６２・・・・・・貯留部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．揮発性液剤を入れた容器と；その頚部開口に装着さ
   れ、吐出口が上方を向いている手動ポンプ装置と、帽子
   状体で頂部と鍔部を有するアクチュエータキャップであ
   って、その頂部中央部で前記手動ポンプ装置のステム上
   端に嵌着支持され、かつ前記鍔部に複数個の発散孔が穿
   設されているものと；前記アクチュエータキャップを覆
   う蓋体であって、その内壁頂面により前記アクチュエー
   タキャップの頂部に載置され、該内壁の頂面から周面中
   程までに溝状の液剤通路が形成され、かつその下縁が前
   記アクチュエータキャップの鍔部周縁に嵌着され、また
   その下縁と前記容器の上部周縁との間に予め定めたスト
   ロークの上下運動の余裕を有するものと；該蓋体と前記
   アクチュエータキャップとの間の空間に満たされた多孔
   性材料であって緻密度の小さいオープンポアの合成樹脂
   発泡体と、アクチュエータキャップの鍔部に接する緻密
   度の大きいオープンポアの合成樹脂発泡体の板状基部と
   からなるものとを備え；前記アクチュエータキャップ、
   蓋体および多孔性材料よりなるアクチュエータを押し下
   げると、前記手動ポンプが作動し揮発性液剤が吐出され
   、その液剤が前記アクチュエータキャップの中央孔と前
   記液剤通路を介して前記多孔性材料に流入して貯留され
   、その液剤の蒸気が前記アクチュエータキャップの発散
   孔を介してアクチュエータキャップと前記容器との間の
   間隙より大気中に発散されるように構成されていること
   を特徴とする揮発性液剤分与器。 ２、実用新案登録請求の範囲第１項記載の揮発性液剤分
   与器であって、手動ポンプ装置が蓄圧式ポンプ装置であ
   ることを特徴とするもの。 ３、実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   揮発性液剤分与器であって、容器が低い円筒状の容器で
   あり、かつアクチュエータの蓋体が前記容器の外形に連
   続するようなドーム状体に形成されていることを特徴と
   するもの。