JPS5936340Y2 - ねじ立て工具のタツプホルダクランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ねじ立て盤等の機械主軸に取り付けて使用す
るねし立て工具のタップドライバ一本体に対するタップ
ホルダのクランプ装置に関するものである。

従来のねし立て工具では、タップホルダのクランプ装置
はタップドライバ一本体の外周部に設けられているので
、タップの径に比べてドライバ一本体の外径が大きくな
っている。

このため多軸のねし立て工具で同時加工する際、ねじ孔
間のピッチが制限され、また、段差のある部品にねし立
てする場合には外径を細長くした特別のタップホルダを
使用しなけれは゛ならなかった。

本考案は上記従来の欠点を解消することを目的としてな
されたものであり、タップドライバ一本体の外径寸法を
非常に小さくできるタップホルダクランプ装置を提供す
ることを目的とする。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図は、ねじ立て工具の主要部をなすタップ
ドライバ一本体１の先端部分を示しており、該ドライバ
一本体１は細長い円筒形をなし、その後部をタップ盤等
の機械主軸に連結して、回転駆動及び軸方向へ移動せし
められるようになっている。

ドライバ一本体１の先端部にはタップホルダ取付孔２を
有し、該取付孔２の開口部に取付孔２の軸芯に対して僅
かな距離ｅだけ偏心した凹穴状の偏心段部３が設けられ
ている。

凹入状偏心段部３はドライバ一本体１からタップホルダ
に回転Ｉ・ルクを伝達するために設けられている。

４はドライバ一本体１のタップホルダ取付孔２に内蔵し
たクランプ機構であって、ドライバ一本体１に固定され
た筒状体５、筒状体５の先端部外周に適当間隔をおいて
設けたテーパ孔６に遊嵌された鋼球７、筒状体５の外側
に摺動可能に嵌装され筒状体５の鍔部との間に介装した
ばね８の作用で常時押し出され勝手になっているブツシ
ュカラー９、筒状体５に摺動自在に嵌装されたクランプ
ピン１０、クランプピン１０の後端に固着した円盤状の
スライダ１１．スライダ１１に直径方向に貫設されドラ
イバ一本体１に穿設した長孔１２を貫通する作動ピン１
３、作動ピン１３の両端突出部と連結されドライバ一本
体１のくびれ部１ａに摺動自在に嵌合された作動カラー
１４、スライダ１１の後方においてドライバ一本体１に
固定したばね受け１５、及びばね受け１５に内装されス
ライダ１１を常時前方に付勢しているばね１６とから成
り、常時は第１図のように、ブツシュカラー９により半
径方向外方への移動を抑止されている鋼球７がクランプ
ピン１０の先端の小径段部１０ ａに係合し、ばね１６
によるクランプピン１０の突出を制限している。

タップホルダ２０は、第３図に示すように、タップ２３
の把持手段を備えた頭部２１と筒状のシャンク部２２と
から成り、中心部にタップ２３の嵌合孔２４が貫設され
、シャンク部２２先端の嵌合孔２４内周面に前記クラン
プ機構４の鋼球７が係合する係合溝２５が設けられてい
る。

またシャン、り部２２の基端外周にはドライバ一本体１
の凹入状偏心段部３に合致する円筒状偏心段部２６が設
けられていて、両偏心段部３，２６の嵌合によりドライ
バ一本体１からタップホルダ２０へ回転トルクが伝達さ
れるようになっている。

頭部２１の内側には逆テーパの円錐壁面２７と凹入段部
２８を有し、該頭部２１に摺動可能に嵌装した保持筒２
９がその鍔部３０と凹入段部２８との間に介装したばね
３１の作用で常時突出勝手になっており、かつ保持筒２
９の周部に適当間隔をおいて設けた透孔３２に嵌め込ま
れた鋼球３３が円錐壁面２７と係合しており、保持筒２
９を貫通して嵌合孔２４に挿嵌したタップ２３を鋼球３
３により圧接保持するようになっている。

タップホルダ２０からタップ２３を取り外す場合には、
ばね３１に抗して保持筒２９を内方へ後退させ鋼球３３
による圧接保持を解除させればよい。

ドライバ一本体１の取付孔２にタップホルダ２０のシャ
ンク部２２を挿入し、シャンク部２２の嵌合孔２４の先
端開口を筒状体５に嵌め合わせて更に挿嵌すると、シャ
ンク部２２の先端面でブツシュカラー９が押されて後退
し、更にシャンク部２２の係合溝２５が鋼球７と対向す
る位置まで挿入されると、第４図に示すように、ばね１
６の作用で突き出されたクランプピン１０が鋼球７を半
径方向外方へ押し出し、押し出された鋼球７が保合溝２
５に係合してタップホルダ２０がドライバ一本体１にク
ランプされる。

この際タップホルダ２０をねじ込むように少し回し乍ら
挿入すると、シャンク部２２が取付孔２２に対して同軸
をなして案内機能を果すから、シャンク部２２の円筒状
偏心段部２６がドライバ一本体１の凹入状偏心段部３に
スムーズに合致し、両偏心段部３，２６を通じてドライ
バ一本体１からタップホルダ２０へ回転トルクが伝達さ
れる。

ドライバ一本体１からタップホルダ２０を取り外す場合
、作動カラー１４を手動操作にて後退させ、クランプピ
ン８をばね１６に抗して第１図に示す位置まで後退させ
ると、鋼球７と係合溝２５との係合が解放され、同時に
ブツシュカラー９がばね８の作用で飛び出してタップホ
ルダ２０を外方へ押し出すので、タップホルダ２０は簡
単に抜き取れるようになる。

上述のように、本考案のタップホルダクランプ装置は、
細長い円筒形をなすタップドライバ一本体のタップホル
ダ取付孔の先端開口に回転トルクを伝達する凹入状偏心
段部３を設けると共に、その内奥にクランプ機構を内蔵
し、該取付孔に挿嵌されるタップホルダのシャンク部を
筒状に形威し、その先端開口部内周面に前記クランプ機
構の保合部を設けたから、タップドライバ一本体の外径
を非常に小さくでき、しかもタップの把持手段を備える
タップホルダの頭部はドライバ一本体とほぼ同一径まで
大きくできるので、タップドライバ一本体の外径が小さ
いにもかかわらず大きなタップを把持できる。

したがって、多軸のねし立て工具で同時加工する際、ね
じ孔間のピッチを小さくとれる有利性があり、また、段
差のある部分のねじ立て作業にも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図はタップドライバ一本体先端部の縦断正面図、第
２図は同右側面図、第３図はタップホルダの縦断正面図
、第４図はタップホルダをドライバ一本体に装着した状
態を示す要部縦断正面図である。 １・・・・・・タップドライバ一本体、２・・・・・・
タップホルダ取付孔、４・・・・・・クランプ機構、２
０・・・・・・タップホルダ、２２・・・・・・シャン
ク部、２３・・・・・・タップ、２４・・・・・・嵌合
孔、２５・・・・・・係合溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 細長い円筒形をなすタップドライバ一本体１の先端部に
   タップボルダ取付孔２を有し、該取付孔２の開口部に取
   付孔２の軸芯に対して僅かに偏心した凹入状偏心段部３
   が設けられると共に、その内奥にクランプ機構４が設け
   られ、該クランプ機構４は、ドライバ一本体１に固定さ
   れた筒状体５の先端部外周に適当間隔をおいて設けたテ
   ーパ孔６に遊嵌された鋼球７、筒状体５の外側に摺動可
   能に嵌装され筒状体５の鍔部との間に介装したばね８の
   作用で常時押し出され勝手になっているブツシュカラー
   ９、筒状体５に摺動自在に嵌装されたクランプピン１０
   、クランプピン１０の後端に固着した円盤状のスライダ
   １１．スライダ１１に直径方向に貫通されドライバ一本
   体１に穿設した長孔１２を貫通する作動ピン１３、作動
   ピン１３の両端突出部と連結されドライバ一本体１のく
   びれ部１ａに摺動自在に嵌合された作動カラー１４、ス
   ライダ１１の後方においてドライバ一本体１に固定した
   ばね受け１５、及びばね受け１５に内装されスライダ１
   １を常時前方に付勢しているばね１６とから威り、 一方、取付孔２に装着されるタップホルダ２０は、タッ
   プ２３の把持手段を備えた頭部２１と筒状のシャンク部
   ２２とを有し、シャンク部２２先端の開口部内周面に前
   記クランプ機構４の鋼球７が係合する係合溝２５が設け
   られると共に、シャンク部２２の基端外周にドライバ一
   本体１の凹入状偏心段部３に合致する円筒状偏心段部２
   ６が設けられていて、両偏心段部３，２６の嵌合により
   ドライバ一本体１からタップホルダ２０へ回転トルクが
   伝達されるようになっているねし立て工具のタップホル
   ダクランプ装置。