JPS5936093Y2 - 閉鎖配電盤の主回路断路装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフィンガ先端から発生する部分放電を抑制して
大幅にその絶縁特性を向上させて小型化を容易にした閉
鎖配電盤の主回路断路装置に関する。

一般に閉鎖配電盤においては、しゃ断器等の可動電気機
器を配電箱の機器収納室の所定位置に収納することで、
母線室側に配設されている電源及び負荷母線に電気的に
接続するための主回路断路装置が設けられ、これは盤構
成上重要な役割を果たしている。

第１図はこのような閉鎖配電盤の代表的な盤構成を示す
ものである。

図において、１は配電箱でこの配電箱１内は、仕切板２
により機器収納室１ａ、電源及び負荷母線室１ｂ及び１
ｃが形成されている。

３は機器収納室１ａに収納される移動可能なしゃ断器で
、その背面部には電源側及び負荷側に対応する断路導体
４が備えられている。

５は電源母線室１ｂに配設された電源母線、６は負荷母
線室１ｃに配設された負荷母線で、この負荷母線６には
変流器７が設けられると共に、ケーブルヘッド８を介し
て負荷ケーブル９が接続されている。

１０は機器収納室１ａと各母線室１ｂ、ｌｃ間を仕切る
仕切板２に取付げられた詳細を後述する主回路断路部で
、この主回路断路部１０はしゃ断器３の各断路導体４を
、電源母線５、負荷母線６に電気的に接続するものであ
る。

１１は各主回路断路部１０のしゃ断器３の各断路導体４
が挿入される開口部をしゃ断器引出し時閉じるシャッタ
である。

第２図は主回路断路部の詳細な構成を示すものである。

図において１２は電気的特性の優れた例えばエポキシレ
ジンで作られたカップ状の絶縁物で、その開口部が機器
収納室側１ａに向けて仕切板２に取付げられている。

１３は絶縁物１２の底部に、負荷母線室側より機器収納
室側へ向は貫通させて設けられた棒状の固定導体である
。

一方、１４はしゃ断器側の断路導体４の端部に取付は固
定された先端が固定導体１３側に伸びるフィンガ状の接
触子で、このフィンガ状接触子１４はしゃ断器３を機器
収納室１ａの所定の位置まで移動させることにより、固
定導体１３の端部に食込むようにして接触し側導体４，
１３間を電気的に接続するものである。

従って、かかる構成の主回路断路部によれば、各導体４
，１３は着脱可能な構造となり、またフィンガ状接触子
１４により側導体４，１３間が電気的に接続されること
になる。

しかし、このような主回路断路部の構造では、各導体４
，１３間の特にフィンガ状接触子１４の先端ゝゝＡ〃部
において部分放電が発生しやすくなる。

すなわち、各導体４，１３間がフィンガ状接触子１４を
通して第２図の２点鎖線で示すような状態となる。

従ってこの等電位線の分布からも明らかなように、特に
フィンガ１４付近の等電位線の電位傾度がフィンガ５の
先端ＸＸＡ“方向に大きく変化することからこの部分で
の電気的ストレスが高くなり、部分放電が発生しやすく
なる。

そこで、このような部分放電を抑制するために、部分放
電特性に合わせて主回路断路部１０の絶縁物を構成する
には、その外径Ｂを太き（しなげればならず、このこと
は盤の縮少化を図る上で大きな障害となる。

本考案は上記のような事情に鑑みてなされたもので、固
定導体の絶縁物の底部貫通部の少なくともフィンガ状接
触子先端部よりの径が導体中心からフィンガ状接触子の
先端部までの径と略同−の径となるようにすることによ
り、フィンガ状接触子先端部から発生する部分放電を抑
制して主回路断路部の絶縁特性を大幅に向上させ、断路
郡全体の小型化を図ることができる閉鎖配電盤の主回路
断路装置を提供することを目的とする。

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第３図は主回路断路装置の構成を示すもので、第２図と
同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここ
では異なる部分についてのみ述べる。

すなわち、本実施例では第３図に示すように、絶縁物１
２の底部を貫通させて設けられる固定導体１．３−１と
して、その貫通部分１３−２の径がその全体にわたって
、導体中心からフィンガ状接角好１４の先端部ゝＡ〃ま
での径と略同−の径となるような形状のものを用いるも
のである。

かかる構成の主回路断路装置とすれば、固定導体１３−
１の絶縁物底部における貫通部の径を、導体中心からフ
ィンガ状接触子１４の先端部■Ａ“までの径とほぼ同一
に構成するようにしたので、見かげ上フィンガ状接触子
１４の先端部における電気的な突出部がなくなる。

そのため、第３図に示すようにフィンガ状接触子１４及
び固定導体１３−１近傍の等電位線の電位傾度が略一定
、すなわち電界の集中がなくなって等電位となり、この
部分における電気的ストレスが小さくなるため、フィン
ガ状接触子１４の先端部′ＸＡ ／／からの部分放電が
抑制される。

このように、配電箱４内に形成された機器収納室１ａに
しゃ断器等の機器３を収納し、この機器３の電源及び負
荷側に対応する断路導体４を予め上記機器収納室１ａと
隣り合せの母線室１ｂに配設された電源母線５及び負荷
母線６に自動連結方式により電気的に接続する主回路断
路装置において、上記機器収納室１ａにその開口部を向
げて取付げられた略カップ状の絶縁物１２と、この絶縁
物１２の底部より上記開口部の方へ向けて貫通させて設
けられ且つ上記電源母線５、負荷母線６に接続される棒
状の固定導体１３−１と、上記絶縁物１２の開口部より
上記機器３側の断路導体４が予定の位置まで挿入される
とこの断路導体４を上記固定導体１３−１に電気的に接
続する複数個のフィンガ状接触子１４とを備え、上記固
定導体１３−１の上記絶縁物１２の底部貫通部１３−２
の径をその全体にわたって、上記導体中心から上記フィ
ンガ状接触子１４の先端部ゝＡ“までの径と略同−とな
るようにして閉鎖配電盤の主回路断路装置を構成したも
のである。

従って、絶縁物１２の径Ｂ３を大きくすることなく部分
放電を抑制することができるので、絶縁物１２の径Ｂ３
を従来のものの３分の１から２分の１程度に縮少するこ
とができる。

尚、本考案は上述した実施例に限定されるものではない
。

例えば上記実施例においては、絶縁物底部を貫通する固
定導体１３−１の貫通部全体の径を、導体中心からフィ
ンガ状接触子１４の先端部ＳＳ Ａ ／／までの径と略
同−になるように構成したが、これに限らず第４図に示
すように、固定導体１３−３の絶縁物１２の底部貫通部
分の少なくともフィンガ状接触子１４先端部よりＣＤ〃
）の径を、導体中心からフィンガ状接触子１４の先端部
までの径と略同−となるようにしても同様の効果を奏す
るものである。

以上説明したように本考案によれば、固定導体の絶縁物
の底部貫通部の少なくともフィンガ状接触子先端部より
の径が導体中心からフィンガ状接触子の先端部までの径
と略同−の径となるようにしたので、フィンガ状接触子
先端部から発生する部分放電を抑制して主回路断路部の
絶縁特性を大幅に向上させ断路郡全体の小型化を図るこ
とができる閉鎖配電盤の主回路断路装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及びｂは閉鎖配電盤の盤構成を示す構成図、第
２図は従来の主回路断路装置の構成を示す断面図、第３
図は本考案の閉鎖配電盤の主回路断路装置の一実施例を
示す断面図、第４図は本考案の閉鎖配電盤の主回路断路
装置の他の実施例を示す断面図である。 ４・・・・・・断路導体、１０・・・・・・主回路断路
部、１１・・・・・・シャッター、１２・・・・・・絶
縁物、１３・・・・・・固定導体、１４・・・・・・フ
ィンガ状接触子、４−１・・・・・・断路導体、１３−
Ｌ１３−３・・・・・・固定導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 配電箱内に形成された機器収納室にしゃ断器等の機器を
   収納し、この機器の電源及び負荷側に対応する断路導体
   を予め前記機器収納室と隣り合せの母線室に配設された
   電源母線及び負荷母線に自動連結方式により電気的に接
   続する主回路断路装置において、前記機器収納室にその
   開口部を向げて取付げられた略カップ状の絶縁物と、こ
   の絶縁物の底部より前記開口部の方へ向けて貫通させて
   設けられ且つ前記電源母線、負荷母線に接続される棒状
   の固定導体と、前記絶縁物の開口部より前記機器側の断
   路導体が予定の位置まで挿入されるとこの断路導体を前
   記固定導体に電気的に接続する複数個のフィンガ状接触
   子とを備え、前記固定導体の前記絶縁物の底部貫通部の
   少なくともフィンガ状接触子先端部よりの径を、前記導
   体中心から前記フィンガ状接触子の先端部までの径と略
   同−となるように構成したことを特徴とする閉鎖配電盤
   の主回路断路装置。