JPS593489Y2 - マグネトロン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、陽極筒体の少なくとも一方の開口端面に磁極
片の内端面の外周縁部分を突き合わせてこの突き合わせ
面をその外側から溶接または鑞付けしてなり、前記磁極
片の外端面上に直接または磁束集中用環状継鉄板を介し
て永久磁石が積み重ねられるマグネトロンに関する。

一般に、電子レンジ等に用いられるマグネトロンは、第
１図に示すように陽極筒体１と、その一方の開口端面に
封着された第１の磁極片２と、陽極筒体１の他方の開口
端面に封着された第２の磁極片３と、陰極４と、陰極端
子導出用ステム５と、陽極ベイン６から延び出た導体７
の端部たる電磁波放出端子８を備える。

そして、第１の磁極片２の外端面上に磁束集中用の環状
継鉄板９を介して同軸的に積み重ねられた環状の永久磁
石１０、第２の磁極片３の外端面上に磁束集中用の環状
継鉄板１１を介して同軸的に積み重ねられた環状の永久
磁石１２およびこれらを包囲する枠状継鉄１３は励磁回
路を構成し、陽極筒体１の外周面に多段にとりつけられ
た多数の放熱板１４は、その板間を空冷用気流が流通す
ることによって空冷型ラジェータとして作用する。

ところでかかるマグネトロンの製造にさいし、第２図に
示すように陽極筒体１の一方の開口端面１５に第１の磁
極片２の内端面の外周縁部分１６を突き合わせ、この突
き合わせ面をその外側から溶接または鑞付けすると、肉
だより１７を生じ、この肉だます１７の一部分が磁極片
２の外端面側へ不規則的に突出することがある。

そしてこのようなことがあると、磁極片２の外端面と同
外端面上に積み重ねられた環状継鉄板９との間に空隙１
８を生じ、磁気回路における磁気抵抗が増大するのみな
らず、磁気回路の軸がマグネトロンの管軸から偏倚した
り傾斜したりし、装置の特性が低下する。

本考案は、このような従来の欠点を除去するためになさ
れたもので、本考案のマグネトロンを以下図面の参照に
より説明する。

第３図および第４図において、陽極筒体１９の一方の開
口端面２０は、第１の磁極片２１の内端面の外周縁部分
２２と突き合わされて突き合わせ面を形成しており、こ
の点は従来と同様であるが、前記突き合わせ面は管軸に
平行な軸２３に対して鋭角θ１で傾斜している。

また、磁極片２１の外端面のうち外周縁部分２４が管軸
に平行な軸２５に対して鋭角θ２で傾斜している。

すなわち、前記突き合わせ面および外周縁部分２４は、
管軸から遠ざがるに従って継鉄板９および永久磁石１０
から遠ざかるように管軸に対し鋭角で傾斜している。

このため、前記突き合わせ面をその外側がら溶接または
鑞付けすることにより生じた肉だまり１７の一部分が継
鉄板９側へはみ出しても、継鉄板９に当接する危惧が解
消される。

また、前記突き合わせ面が前述のように傾斜するため、
溶接または鑞付は面が陽極筒体および磁極片を径大化す
ることなく拡大され、それだけ気密性を高めることが出
来る。

なお、前記実施例では第１の磁極片側の突き合わせ面と
外端面外周縁部分とを、管軸に対し鋭角で傾斜させたが
、第２の磁極片側または両磁極片側における突き合わせ
面と外端面外周縁部分とを前述と同様に管軸に対し鋭角
で傾斜させてもよい。

また、環状継鉄板を使用しない形式のマグネトロンにも
適用し得るのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のマグネトロンの一部破断側面図、第２図
は同マグネトロンの一部分を拡大した断面図、第３図は
本考案のマグネトロンの一実施例の一部破断側面図、第
４図は第３図の一部分の拡大した断面図である。 １．１９・・・・・・陽極筒体、２，２１・・・・・・
第１の磁極片、３・・・・・・第２の磁極片、４・・・
・・・陰極、９，１１・・・・・・継鉄板、１０．１２
・・・・・・環状永久磁石、１３・・・・・・枠状継鉄
、１５゜２０・・・・・・開口端面、１６．２２・・・
・・・内端面の外周縁部分、１７・・・・・・肉だまり
、２４・・・・・・外端面の外周縁部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 陽極筒体の少なくとも一方の開口端面に磁極片の内端面
   の外周縁部分を突き合わせてこの突き合わせ面をその外
   側から溶接または鑞付けしてなり、前記磁極片の外端面
   上に直接または磁束集中用環状継鉄板を介して永久磁石
   が積み重ねられるマグネトロンにおいて、前記外端面の
   外周縁部分および前記突き合わせ面は、管軸から遠ざか
   るに従って前記永久磁石から遠さ゛かるように前記管軸
   に対し鋭角で傾斜していることを特徴とするマグネトロ
   ン。