JPS5934894B2 - クラツチデイスク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はクラッチディスクに関し、殊にヒステリシスト
ルク特性を改良したクラッチディスクに ３係り、長期
間に亙ってその特性を継持させることを目的とするもの
であり、以下図面にしたがって本発明の詳細な説明する
。

第１図乃至第４図を参照して、クラッチハブ１の７ラン
ジ部２を挾んで離間リベット３により互 ３いに同体的
に結合された主１駆動板４及び従駆動板５がクラッチハ
ブ１に対し相対回動可能に配設されている。

主駆動板４の外周部にはクラッチフェーシング６が固定
される。

又、主従駆動板４，５及びフランジ部２には共通窓４ａ
、５ａ、２ａが穿設されており、フランジ部２と主・従
駆動板４゜５との間の動力伝達が可能に回転方向の緩衝
材例えば護膜弾性部材７が介装されている。

フランジ部２０両側面部に摩擦盤８，９が擦接されてお
り、従駆動板５の内径部に爪１０にて係合した押圧板１
１が摩擦盤９と従駆動板５との間に配設されている。

抑圧板１１と従駆動板５との間には皿ばね１２が弾装さ
れている。

此の皿ばね１２の内径側は抑圧板１１に突設された平頭
面１３を有する支持部１４０半径方向外側の角部１５に
当接係合されており、又外径側は従駆動板５の内径側部
分１６から左方（皿ばね１２方向）へ段付突設された平
面１７を有する支持部１８の半径方向内側の角部１９に
当接係合されている。

この為皿ばねの内外径端部は何れも平頭面１３、平面１
７から離間して初期組付されている。

以上の如き構成に於いて、長期間の使用で摩擦盤９が摩
耗し、押圧板１１と従駆動板５との距離が広がると皿ば
ね１２の支点となっている角部１５と１９との軸方向（
左右方向）距離が変わり、第５図から第６図更に第７図
へと皿ばねが（自身の弾発力にて）反転移動する。

この時第６図状態を境として支点間距離（角部１５と１
９との半径方向距離）がａからＡに変転し、大きくなる
。

即ち第５図状態では、支点は角部１５，１９であるが第
７図では皿ばね１２の内外径端部と平頭面１３、平面１
７との当接点となる。

此のように摩擦盤９の摩耗により皿ばね１２の撓み一荷
重特性は第８図に於いて離線２０の点２１から点２２と
変化し次いで離線３０に移り点３１から点３２へと変化
する。

この場合撓み量がＭ以下（含むＮ）のときが第５図状態
、又撓み量がＭ以下（含むＬ）のときが第１図状態であ
る。

此の様な撓み一荷重特性について具体的に説明を加える
。

先ず一般的な皿ばねの荷重と撓みとの関係は、第９図を
参照して、皿ばねの支点部位置がｒｌ Ｅ！・びｒ２の
近傍にあるとき即ちｒ２ ｒｌ−αのとき（第７図状
態のとき）実用的には次のように求められる。

δ：タワミ、１／ｍ：ポアソン比、Ｅ：縦弾性係数、α
””２／ｒｔ。

又、支点位置ｒ１及びｒ２から半径方向にずれている場
合（第５図状態のとき）に支点間距離をａとすれば荷重
と撓みとの関係は次のように補正される。

此の式からａが小さいほど荷重は犬になり、撓みは逆に
小になることが解かる。

而して、第５図と第７図との支点間距離は、Ａ＞ａの関
係にあり、支点間距離がＡのまま変化しない（従来のク
ラッチディスク）とすれば曲線３０の如くなり、撓みが
ＭからＮへ増加すると荷重変化は点３１から破線で示す
如く（右下方へ）減少する。

又、支点間距離がａのまま変化しないとすれば曲線２０
の如くなり撓みがＭからＬへと減少すると荷重変化は点
２２から２点鎖線で示す如く（左上方へ）増大し続いて
減少するが上記Ｐ１δとａとの関係からａがＡより小の
為撓みがＬに至ると荷重は点３２（曲線３０上）よりも
低い値をとる。

熟年、撓みＭを境いに皿ばね１２が反転するとともに支
点間距離がａからＡへと変転する。

この為荷重変化は撓みがＮ−Ｍ−Ｌと変ると曲線２０の
点２１一点２２と変化し、次いで曲線３゜に移り点３１
一点３２へと変化する。

今、仮にＰｓ以上の荷重を保障するとした場合従来のク
ラッチディスクに於ては曲線３０のみの特性のため撓み
量がＬからＭの範囲でしか使用できず摩擦盤９の摩耗限
度はＳｌ であった。

しかしながら本発明のクラッチディスクでは撓み量がＭ
以上のＮの範囲まで使用でき摩耗限度はＳ２と大きくな
る。

従って、その差８３分だけＰｓ以上の荷重保障の時間が
伸びる。

即ち摩擦盤９０作用を長期に亙って保ちヒステリシス特
性を所定値に継持出来る。

尚、実用的には支点間距離ａはＡに対し０，８５〜０．
６０の範囲であれば必要に応じて最適な特性が設定出来
るものである。

又、押圧板１１の支持部１４を半径方向外側に、従１駆
動板５の支持部１８を半径方向内側に設け、皿はね１２
の取付方向を逆にした場合でも同等の効果が得られる。

以上詳細に説明した如く本発明によれば、摩擦盤をクラ
ッチバブのフランジ方向へ押圧する押圧板と駆動板との
間に皿ばねを配設し、押圧板と駆動板との間隔が所定値
以上になると皿ばねが反転するとともに皿ばねの支点位
置が変転し、支点間距離を変化すべく駆動板と押圧板と
に夫々平面支持部を設けたことにより要求する荷重範囲
での皿ばねの撓みが大きくなり摩擦盤の摩耗限度が大き
く出来長期に亙ってヒステリシストルク特性を継持出来
る。

又、撓みが大きくなることにより、効果的には部品の組
付誤差が大きくても従来と同程度の保障が出来るため部
品精度を粗くし安価に製作出来る。

更には皿ばね設計の自由度が広がり、必要に応じたヒス
テリシストルク特性を容易に設定出来る等の勝れた効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるクラッチディスクの縦断面図、第
２図は本発明の要部の一部の正面図、第３図は第２図の
線■−■断面図、第４図は本発明の要部拡大断面図、第
５図乃至第７図は作用状態を示す拡大断面図、第８図は
皿ばねの荷重と撓みとの関係を示す特性図、及び第９図
は皿ばねの状態を示す模式図である。 １・・・・・・クラッチハブ、２・・・・・・フランジ
部、４，５・・・・・・主従２つの駆動板、１１・・・
−・・押圧板、９・・・・・・摩擦盤、１４，１８・・
・・・・突出支持部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ クラッチハブ、該クラッチハブの７ラン２部 １を
   挾んで互いに同体的に結合された主従２つの駆動板、該
   ２つの駆動板の内の一方の駆動板に係合するとともに前
   記フランジ部方向へ移動能に配設された抑圧板、該抑圧
   板と前記フランジ部との間で挟圧され摩擦抵抗作用する
   摩擦盤１．前記一方の ２駆動板と前記押圧板との間に
   配設された皿ばねを有し、前記一方の駆動板と前記押圧
   板との間隔が所定値以上になると前記皿ばねが反転する
   とともに前記皿ばねの支点位置が変転し、支点間距離を
   変化すべく前記一方の駆動板と前記押圧板とに夫 工夫
   突出支持部を設けて成ることを特徴とするクラッチディ
   スク。