JPS5934215Y2 - 時間軸変動成分除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカラーテレビジョン信号を記録再生する磁気記
録再生装置において、再生信号に含まれる時間軸変動成
分（以下ジッタと称す）を簡易にしかも有効的に補償せ
んとするものである。

特に色信号を低域に変換して記録する、いわゆる低域変
換記録再生方式において、輝度信号及び色信号をジッタ
除去する手段に関するものである。

従来低域変換方式の簡易形ＶＴＲにおいては輝度信号は
ジッタ除去せず、色信号のみヘテロダインを用いＡＰＣ
回路によりジッタ補正を行なっていた。

一方、最近、ＢＢＤ（バケットブリケートデバイス）、
ＣＣＤ（チャージカップルドディバイス）等の電荷転送
素子よりなる遅延素子が発達し、はぼ実用になるものが
あられれてきた。

本考案はそうした電荷転送素子を用い、安価にしかも伝
送特性の劣化を少なくして精度良く輝度信号および色信
号のジッタ除去を行なうことができる装置を提供する。

従来の磁気記録再生装置の時間軸補正方式として周知の
技術として、例えば米国特許第３４１９６８１号のごと
き固定遅延線切換方式や可変遅延線方式があり、ダイレ
フ）ＦＭ方式の磁気記録再生装置に用いられていた。

しかし、この技術は非常に高価で複雑であり、しかも低
域変換記録再生方式に適用できない欠点があった。

第１図にその低域変換記録方式の基本ブロック図を示す
。

１はカラーテレビジョン信号入力端子、２はローパスフ
ィルタ、３はバンドパスフィルタ、４はローパスフィル
タ２で分離された輝度信号をＦＭ変調するＦＭ変調器、
５は色信号の周波数変換器で、７の固定周波発振器の出
力により、バンドパスフィルタ３で分離された色信号を
周波数変換し、色信号を低域に変換する。

８１ｄローパスフイルタで低域変換された色信号ｆ を
通過させる。

９は混合器でバイパスフィルタ６を通したＦＭ輝度信号
と低域変換色信号を混合し、その出力は記録用増幅器１
０に印加され、ビデオヘッドで記録される。

この記録信号セペクトラムを第２図イに示す。

なお、口は標準カラーテレビジョン信号のスペクトラム
である。

ここで低域変換色信号周波数をｆ 、カラーテレビジョ
ン色信号周波数をｆとし、ダイレフ）ＦＭ方式の色信号
の時間軸変動をＩｆとすれば、この低域変換色信号のジ
ッタ量Ｓ は ＩｆとなりダイレクトＦＭ方式より少なアＴ くなる。

このように、低域変換記録再生方式では、再生された色
信号と輝度信号ではジッタ量が異なり、従来の方式では
色信号と輝度信号の両者とも正確にジッタを補正するこ
とは困難なものであった。

本考案は、このような低域変換色信号記録方式において
、電荷転送素子を遅延回路に使用して安価に、しかも伝
送特性の劣化を少なくして精度良く、輝度信号および色
信号の両方のジッタを除去せんとするものである。

第３図に本考案の基本ブロック図を示す。

１１は磁気ヘッドよりの再生信号である第２図イに示す
スペクトラムを有する信号が印加される入力端子であり
、印加された再生信号はバイパスフィルタ１２とローパ
スフィルタ１３によりそれぞれＦＭ輝度信号と低域変換
された色信号に分離される。

ＦＭ輝度信号はＦＭ復調器１４により復調された後に、
ＢＢＤ、ＣＣＤ等の電荷転送遅延素子１５と水平同期分
離回路１６に印加される。

前記水平同期分離回路１６よりの水平同期信号と基準発
振器１Ｔの出力である基準水平同期信号周波数の信号と
を位相比較器１８により位相比較し、その位相差出力を
ローパスフィルタ１９を介して、可変発振器２０に印加
し、その発振周波数を制御する。

この可変発振器２０の出力により前記電荷転送遅延素子
１５を駆動する。

すなわち、ジッタ成分に応じた出力レベルが得られる位
相比較器１８の出力に応じて可変発振器２０の発振周波
数を制御し、その発振周波数の変化により遅延素子１５
の遅延時間を変化せしめることにより輝度信号のジッタ
を除去する。

一般に、前記電荷転送遅延素子１５がＮ段で構成されて
いる場合の遅延時間ＴＤは７ｆで表わされる。

但し、ｆはクロック周波数（発振器２０の発振周波数）
。

このジッタの除去された輝度信号は以下に述べる色信号
とのタイミングを調整するための固定遅延回路２１を介
して混合器２２に導かれる。

一方、ローパスフィルタ１３で分離された低域変換色信
号は電荷転送素子２３に印加され、前述の輝度信号と同
様に、ローパスフィルタ２４を介して印加される位相比
較器１８の出力に応じて発振周波数が変化する可変発振
器２５の出力により、前記電荷転送遅延素子２３の遅延
時間が制御されて、低域変換色信号のジッタが除去され
る。

しかし、この低域変換色信号のジッタは水平同期信号に
もとづいてなされるため、低域変換色信号の周波数ｆ
がｆ 二ｎｆ （ｎは整数、ｆは水平走査周波数）の場
合は原理的には、正確なジッタの除去が行なわれるが、
実際には色信号の位相まで正確に補正することは困難で
ある。

しかし、本考案では、この遅延素子２３の出力をパース
トゲート回路２７と周波数変換回路２６に印加し、その
パーストゲート回路２７により分離されたバースト信号
に位相同期した連続信号をＡＰＣ回路２８により作成し
、その連続信号と前記遅延素子２３の出力とを周波数変
換回路２６でヘテロダインし、低域変換色信号を元の高
周波帯域まで周波数変換するとともに、ジッタ成分を更
に除去して帯域Ｐ波器２９を介して前記混合器に導き、
輝度信号成分と混合している。

なお、輝度信号帯域に比べ、低域変換色信号の帯域は狭
く、低周波であるため、電荷転送遅延素子２３の帯域は
遅延素子１５の帯域より狭いものであり、また、発振器
２５の発振周波数も発振器２０より低くて良いものであ
る。

以上のように、本考案によれば、まず輝度信号と低域変
換色信号を、それぞれ別々の遅延素子１５．２３により
再生水平同期信号を使用してジッタを除去するものであ
るので、輝度信号については、正確なジッタ補正が行な
われ、また、この補正後においてもジッタを含むような
色信号においては、さらにバースト信号に位相同期した
連続信号を使用して再度ジッタ補正をしているので、輝
度信号、色信号ともに精晩良くジッタ補正が出来るもの
である。

従って、低域変換色信号の周波数ｆ を、電磁変換系で
生じる混変調による再生面上の悪影響を視覚的に軽減せ
しめるために、ＮＴＳＣ方式のテレビジョン信号におい
てｆ＝＝ ２ ｎ ＋ １ ｆＨ （但し、ｎは整数、ｆ は水平走査周波数）に設定する
方式においても、輝度信号、色信号とも精度良くジッタ
補正が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は色信号低域変換方式の記録系を示すブロック図
、第２図は同信号スペクトラムを示す図、第３図は本考
案の一実施例を示す電気的ブロック図である。 １２・・・バイパスフィルタ、１３，１９，２４・・・
ローパスフィルタ、１４・・・ＦＭ復調器、１５゜２３
・・・電荷転送遅延素子、１６・・・水平同期分離回路
、７・・・発振器、１８・・・位相比較器、２０，２５
・・・可変発振器、２２・・・加算器、２６・・・周波
数変換器、２７・・・バースト ゲート、２８・・・Ａ
ＰＣ回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カラーテレビジョン信号の色信号を低域に変換し、周波
   数変調された輝度信号に重畳して起録再生された再生信
   号より前記周波数変調輝度信号と低域変換色信号とを分
   離する手段と、前記周波数変調輝度信号を復調する手段
   と、第１．第２の可変発振器の発振周波数にそれぞれ応
   じて遅延時間が制御される第１．第２の電荷転送素子よ
   りなる遅延回路に前記復調輝度信号と低域変換色信号を
   それぞれ導く手段と、前記復調輝度信号中の水平同期信
   号の時間軸変動成分に応じて前記第１および第２の可変
   発振器の発振周波数を変化せしめる手段と、前記第２の
   遅延回路の出力色信号中のバースト信号に位相同期した
   連続信号を作成する手段と、前記連続信号と前記第２の
   遅延回路の出力である低域変換色信号をヘテロダインす
   る周波数変換手段と、その周波数変換された色信号を前
   記第１の遅延回路の出力である前記復調輝度信号に混合
   する手段とよりなる時間軸変動成分除去装置。