JPS5932517B2 - 酵素含有液状洗浄用組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は水性液状洗浄用組成物、特に酵素を含有する液
状洗浄用組成物に関するものである。

水性液状の酵素含有洗剤組成物は当該技術分野で周知で
ある。この種の組成物における重要な問題は、この組成
物中の酵素に充分な貯蔵安定性を確実に付与する方法を
開発することである。この種の酵素含有液状洗浄用組成
物中に或特定の安定剤を配合することについて、既に種
々の提案がなされている。たとえば、硼酸または硼酸塩
、特に四硼酸ナトリウム〔特に硼砂（Ｎａ２Ｂ４０７・
１０Ｈ２Ｏ）〕を水性液状の酵素含有洗浄用組成物に使
用することが既に提案されている（たとえばカナダ特許
第９４７２１３号、仏国特許第２３６９３３８号、英国
特許第１５９０４４５号、特公昭５３一２８５１５号公
報（日本特許出願第４７／３５１９２号）を参照された
い）。

英国特許出願ＧＢ２０２１１４２Ａには別の酵素安定剤
が開示されているが、これは水中分散性酸化防止剤およ
び水溶性ポリオールを含有するものである。酵素含有液
状洗浄用組成物中にアルカリ金属五硼酸塩を配合するこ
とにより該組成物が一層効果的に安定化できることが今
や見出された。このアルカリ金属五硼酸塩はアルカリ金
属亜硫酸塩および／またはポリオールと一緒に使用する
のが好ましい。一般に、前記の五硼酸塩は１−１５重量
％、好ましくは３−１０重量？使用される（組成物重量
基準）。

本発明に使用するに好ましいアルカリ金属五硼酸塩は五
硼酸ナトリウムＮａ２Ｂ，ＯＯ，６ｌＯＨ２Ｏである。
アルカリ金属亜硫酸塩は１５重量？以下好ましくは１０
重量？以下存在させることができる（組成物重量基準）
。

好ましいアルカリ金属亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウムであ
る。本発明に使用できるポリオールはＣ−，Ｈ−および
Ｏ一原子のみを含むものである。

すなわちこれはＮ−やＳ一原子等の如き別種の（官能性
）置換原子（ＳｕｂｓｔｉｔｕｔｉｎｇａｔＯｍｓ）を
含有しなぃ。このポリオールは少なくとも２個のヒドロ
キシル基を含むべきであり、そして６個以下のヒドロキ
シル基を含有し得る。本発明に使用するのに特に適した
ポリオールの代表的な例はジオール、たとえば１，２−
プロパンジオール、エチレングリコール、エリスリタン
；およびポリオールたとえばグリセロール、ソルビトー
ル、マニトール、グリコース、フラグドーズ、ラクトー
ス等である。一般にポリオール１５重量％以下、好まし
くは１０重量％以下（組成物全量基準）存在させること
ができる。一般に、効果的な安定化はアルカリ金属五硼
酸塩を単独で６−１５重量７０、好ましくは８−１２重
量？使用することにより達成できるが、６重量？未満の
量の該五硼酸塩をアルカリ金属亜硫酸塩および／または
ポリオールと一緒に使用することもまた有利である。

できるだけ良い結果を得るために、この組成物のＰＨを
約７一８，２に保つのが好ましい。

しかしながら、五硼酸塩対亜硫酸塩の比を種々変えるこ
とによりこの組成物のＰＨを８．２より高くしてもよく
、この場合にもまた同様に良い結果が得られる。一般に
、組成物中に使用される五硼酸塩、亜硫酸塩ぉよび／ま
たはポリオールの全量（組成物重量基準）が２０重量？
を越えない値であるときに、この量は効果的な安定化達
成のために充分な量といえよう。ただしこの場合には、
この五硼酸塩含有安定剤系の全量は６重量？より下の値
でないことが好ましい。五硼酸塩の利点について説明す
る。

これを前記の規定量で使用した時に、一般にこれは当該
液状組成物に最適ＰＨ条件下にそれ自身が緩衝効果を奏
し、そしてこれは該組成物の希釈時に最適洗浄性を発揮
させるに充分なアルカリ性ＰＨを付与する。この効果は
、四硼酸塩やメタ硼酸塩の如き他種硼素化合物では到底
得られない独特なものである。本発明の安定剤系は水性
の酵素含有液状組成物に使用できるが、これは特に、液
状の酵素含有ビルト洗剤組成物のために適している。配
合すべき酵素は、蛋白質分解酵素、澱粉加水分解酵素、
セルロース分解酵素およびその混合物であつてよい。

これらは、適当な生成源たとえば野菜、動物、バクテリ
ア、菌類、イーストの如き生成源から得られたものであ
つてよい。しかしながら酵素の選択は、最適の活性およ
び／または安定性を示すＰＨ領域（「最適活性および／
または安定性ｐ町と称する）、熱安定性、活性洗剤やビ
ルダ一等に対する安定性等のいくつかの因子を考慮して
行うべきである。この点からみて、バクテリア源酵素ま
たは菌源酵素（Ｆｕｎｇａｌｅｎｚｙｍｅｓ）たとえば
バクテリア源アミラーゼ、−プロテアーゼ、菌源セルラ
ーゼが好ましい。本発明の液状組成物は中性ＰＨ値付近
のＰＨ値を有するものであつてもよいが、本発明では、
７一８．２のＰＨ値を有する酵素含有洗剤組成物が有利
であり、最適ＰＨ値が８．０−１１．０であるバクテリ
ア源プロテアーゼを配合した洗剤組成物が特に好ましい
。しかしながら、上記の値よりも多少高いかまたは低い
最適ＰＨ値を有する酵素も本発明の組成物に使用でき、
充分な酵素配合効果が得られることが理解されるべきで
ある。適当なプロテアーゼの例には、特定の種類のＢ．
スブチリス（Ｂ．ｓｕｂｔｉｌｉｓ）やＢ．リケニホル
ミス（Ｂ，ｌｉｃｈｅｎｉｆＯｒｍｉｓ）から得られる
スブチリシンがあげられ、しかして市販スブチリシンの
例にはマキサターゼ（Ｍａｘａｔａｓｅ）〔登録商標：
ギストープロカデス社（オランダ国デルフト）〕および
アルカラーゼ（ＡＩｃａｌａｓｅ亘登録商標；ツボ・イ
ンダストリ社（デンマーク国コペンハーゲン）〕があげ
られる。

既述の如く本発明では、８．０より上の最適活性および
／または安定性ＰＨを有する酵素を配合した酵素含有洗
剤が特に好ましい。

このような酵素は一般に高アルカリ性酵素と称されてい
る。或種のバチルスから得られ、８−１２のＰＨ範囲全
域にわたつて最高活性を示し、ツボ・インダストリ社か
らエスペラーゼ（Ｅｓｐｅｒａｓｅ）なる商品名（登録
商標）で市販されているプロテアーゼが特に適当である
。

この酵素およびそれに類似の酵素の製法は英国特許第１
２４３７８４号明細書（ツボ）に記載されている。高ア
ルカリ性のアミラーゼやセルラーゼも使用でき、その例
には或種のＢＪケニホルミスから得られるアルフアーア
ミラーゼがあげられるが、これらの酵素の詳細は英国特
許第１２９６８３９号明細書（ツボ）に記載されている
。

酵素は任意の適当な形で配合でき、たとえば粒状物〔マ
ルム（Ｍａｒｕｍｅ）、フリル（Ｐｒｉｌｌｓ）等〕ま
たは液状濃縮物の形で配合できる。

粒状物の形で配合するのが有利な場合が多い。液状組成
物中に存在させる酵素の量は、酵素の活性に応じて０．
００１−１０重量？の範囲内で、好ましくは０．０１−
５重量％の範囲内で種々変えることができる。

蛋白質分解酵素の活性度は一般にアンソンユニツトまた
はグリシンユニツトという単位を用いて表わされる（１
アンソンユニツト／９＝７３３グリシンユニツト／ｍｌ
？）。本発明の液状の酵素含有組成物が洗剤組成物であ
る場合には、この液状洗剤組成物は、含有成分としてさ
らに活性洗剤物質をも含有するが、この活性洗剤物質は
アニオン系、ノニオン系、カチオン系、双生イオン系、
両性系の洗剤物質、Ｃ，Ｏ−Ｃ２４脂肪酸のアルカリ金
属一またはアルカノールアミン石鹸またはその混合物で
あつてよい。

アニオン系合成洗剤の例には次のものがあげられる：Ｃ
，−Ｃ２Ｏアルキルベンゼンスルホネート、Ｃ８−Ｃ２
２第１または第２アルカンスルホネート、Ｃ８−Ｃ２４
オレフインスルホネ・一ト、スルホン化ポリカルボン酸
（たとえば英国特許第１０８２１７９号明細書に記載の
方法によりアルカリ土類金属のクエン酸塩の熱分解生成
物のスルホン化によつて製造されたもの）、Ｃ８−Ｃ２
２アルースルフエート（ａ１−Ｓｕｌｐｈａｔｅｓ）、
アルキルポリグリコールエーテルースルフエート（エチ
レンオキサイドを１０モル以下含むもの）などの塩類、
たとえばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、
置換アンモニウム塩（たとえばモノ一、ジ一およびトリ
エタノールアミン塩）。さらに別の例は″Ｓｕｒｆａｃ
ｅＡｃｔｉｖｅＡｇｅｎｔｓａｎｄＤｅｔｅｒｇｅｎｔ
ｓ″（ＶＯｌ．Ｉａｎｄ）ＢｙＳｃｈｗａｒｚ，Ｐｅｒ
ｒｙａｎｄＢｅｒｃｈに記載されている。

ノニオン系合成洗剤の例にはエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイドおよび／またはブチレンオキサイドと
Ｃ８−Ｃｌ８アルキルフエノール、Ｃ８−Ｃｌ８第１ま
たは第２脂肪族アルコール、Ｃ８−Ｃｌ８脂肪酸アミド
との縮合物があげられる。

ノニオン系洗剤の別の例は、１つのＣ８−Ｃｌ８アルキ
ル鎖と２つのＣ１−３アルキル鎖とを有する第３アミン
オキサイドである。ノニオン系洗剤のさらに別の例は前
記の文献に記載されている。上記のノニオン系洗剤中に
存在するエチレンオキサイドおよび／またはプロピレン
オキサイドのの平均モル数は１−３０個の範囲内で種々
変化するであろう。

種々のノニオン系洗剤の混合物、たとえばアルコキシル
化度の高いノニオン系洗剤と低いノニオン系洗剤との混
合物もまた使用できる。カチオン系洗剤の例にはアルキ
ルジメチルアンモニウムハロゲニドの如き第４級アンモ
ニウム化合物があげられるが、このようなカチオン系洗
剤は、酵素含有洗剤組成物に配合する洗剤としてあまり
好ましいものではない。両性系または双生イオン系洗剤
の例にはＮ−アルキルアミノ酸、スルホベタイン、なら
びに脂肪酸と蛋白質加水分解生成物との縮合物があげら
れる。

しかしながらこれらは比較的高価であるため一般にアニ
オン系またはノニオン系洗剤と一緒に使用される。種々
の種類の活性洗剤の混合物もまた使用できが、アニオン
系活性洗剤とノニオン系活性洗剤との混合物が好ましい
。

重合した脂肪酸等の物質のナトリウム塩、カリウム塩ま
たは置換アンモニウム塩の形の石鹸もまた使用できるが
、これはアニオン系および／またはノニオン系合成洗剤
と一緒に使用するのが好ましい。活性洗剤物質の量は１
−６０％、好ましくは２一４０７０、特に好ましくは５
−２５％の範囲内で種々変えることができる。

たとえばアニオン系のものとノニオン系のものとの混合
物を使用する場合には、この種の洗剤の相対的重量比は
１０：１ないし１：１０好ましくは６：１ないし１：６
の範囲内で種々変えることができる。石鹸もまた配合す
る場合には、その量は１−４０重量％である。特に好ま
しい活性洗剤混合物は、水溶性アニオン系スルホン酸塩
または硫酸塩洗剤とノニオン系洗剤とを約６：１ないし
１：１の重量比で含む混合物であつて、しかしてこの混
合物はさらに石鹸を２：１までの比率（／ニオン系洗剤
成分基準）で含むものであつてもよく、あるいは含まな
いものであつてもよい。さらに本発明の液状組成物は、
適当なビルダ一を６０重量以下、好ましくは５−５０重
量７０含有し得、しかして適当なビルダ一の例には次の
ものがあげられる：ピロ一またはトリポリ燐酸、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、エーテルポ
リカルボン酸、クエン酸、炭酸、オルト燐酸、ゼオライ
ト、カルボキシメチルオキシコハク酸のナトリウム塩、
カリウム塩および非置換一または置換アンモニウム塩。

ポリ燐酸のビルダ一塩、ニトリロトリ酢酸塩、ゼオライ
トおよびその混合物が特に好ましい。本発明の洗剤組成
物中に存在する水の量は、５ー７０重量？の範囲内で種
々変えることができる。

本発明の液状洗剤組成物中には他の慣用物質を存在させ
ることもでき、その例には次のものがあげられる：汚物
沈澱防止剤、ハイドロドローブ剤、腐蝕防止剤、染料、
香料、珪酸塩、光学的明度向上剤（０ｐｔｉｃａＩｂｒ
ｉｇｈｔｅｎｅｒｓ）、泡沫発生促進剤（ＳｕｄｓｂＯ
Ｏｓｔｅｒ）、消泡剤〔たとえば、保護された（ＰｒＯ
ｔｅｃｔｅｄ）シリコーン化合物〕、殺菌剤（Ｇｅｒｍ
ｉｃｉｄｅｓ）、防錆剤、艶消剤（ｏμＣｉｆｉｅｒｓ
）、織物柔軟化剤、酸素発生漂白剤（漂白用前駆体を使
用するかまたは使用しないもの：たとえば過酸化水素、
過硼酸一または過炭酸ナトリウム、ジパーイソフタル酸
無水物）、緩衝剤等。本発明では最終組成物のＰＨは中
性付近好ましくは７一８．２に保つことができるけれど
も、本発明の組成物の使用時の洗浄液のＰＨは、約１％
の使用濃度の場合には８を完全に越えたアルカリ性範囲
の値になるであろう。

本発明を一層具体的に例示するために、次に実施例を示
す。

例１− 下記の組成の酵素含有液状組成物を調製し、３７℃にお
いて貯蔵した。

土表に示したように、本発明に係る五硼酸塩含有組成物
１および川における酵素安定化作用は非常に良好である
。

例 例１および例１の場合と同じ基本組成の液状洗剤組成物
を用いて下記の実験を行い、しかして安定剤系の組成は
各実験毎に種々変えた。

＊上記の結果から明らかなように、本発明に｛つて使用
された五硼酸塩安定剤系は、本発リの範囲外の他種硼酸
塩安定剤系よりも効果ｉ全般的にはるかにすぐれている
。

例−Ｖ 下記の組成物を調製した。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 酵素と、アルカリ金属五硼酸塩１−１５重量％とを
   含有することを特徴とする酵素含有液状洗浄用組成物。 ２ さらに、アルカリ金属亜硫酸塩を１５重量％以下含
   有する特許請求の範囲第１項記載の組成物。 ３ さらに、ポリオールを１５重量％以下含有する特許
   請求の範囲第１項または第２項に記載の組成物。 ４ アルカリ金属五硼酸塩が五硼酸ナトリウム（Ｎａ＿
   ２Ｂ＿１＿０Ｏ＿１＿６・１０Ｈ＿２Ｏ）であり、アル
   カリ金属亜硫酸塩が亜硫酸ナトリウムであり、ポリオー
   ルがグリセロールである特許請求の範囲第１項−第３項
   のいずれか１項に記載の組成物。 ５ 組成物のｐＨが約７−８．２である特許請求の範囲
   第１項−第４項のいずれか１項に記載の組成物。 ６ 活性洗剤物質１〜６０重量％と、酵素０．００１−
   １０重量％と、水５−７０重量％と、安定剤系６−２０
   重量％とを含有し、しかしてこの安定剤系が五硼酸ナト
   リウムと、亜硫酸ナトリウム０−１０重量％と、グリセ
   ロール０−１０重量％とを含有するものである、液状の
   酵素含有洗剤組成物である特許請求の範囲第１項−第５
   項のいずれか１項に記載の組成物。 ７ さらに、ビルダーを６０重量％以下含有する特許請
   求の範囲第６項記載の組成物。