JPS5931955Y2 - フリ−ホイ−リング弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はラジアルピストンポンプモータの液圧回路に
使用する弁に関するものであり、特にラジアルピストン
ポンプモータのケーシング内に液圧を供給して、シャフ
トとケーシングをフリーホイーリング状態にするための
フリーホイーリング弁に関するものである。

ラジアルピストンポンプモータではシャフトの偏心部と
ケーシングの内面との間に放射状に複数のピストンが配
列される。

シャフトとケーシングは相対的に回転し、ピストンはシ
ャフトとケーシングの相対的な回転に従って伸縮する。

この種のポンプモータではケーシング内に液圧を供給す
ると、シャフトとケーシングは自在に空転することがで
き、フリーホイーリング状態になることは周知の通りで
ある。

しかしながら、ケーシング内に高い液圧を供給すると、
ケーシングのシールなどが損傷する恐れがある。

従来はケーシング内に液圧を供給するための流路に設定
値の低いリリーフバルブを特別に設け、このリリーフバ
ルブの設定値の液圧をケーシング内に供給していた。

この考案はフリーホイーリング用のリリーフバルブを特
別に設けることなく、ラジアルピストンポンプモータの
フリーホイーリング時にケーシング内に十分に低い液圧
を供給することができるよう（こすることを目的として
なされたものである。

以下、この考案の実施例を図面について説明する。

図において、ラジアルピストンポンプモータ１はモータ
として使用され、液圧がポンプ２からモータ１に供給さ
れ、タンク３に排出される。

第２図に示されているように、ラジアルピストンポンプ
モータ１は相対的に回転可能に軸支されたケーシング４
とシャフトを含み、シャフトは偏心部５を有する。

シャフトの偏心部５とケーシング４の内面との間に放射
状に複数のピストン６が配列され、偏心部５はシリンダ
ブロック７に回転可能に嵌合され、各ピストン６はシリ
ンダブロック７に伸縮可能に挿入されている。

偏心部５は一対の切欠８ ａ 、８ ｂを有し、シャフ
トに各切欠８ ａ 、８ ｂに開口する孔９ａ、９ｂが
軸方向に形成されている。

液圧を一方の孔９ａから切欠８ａに供給し、他方の切欠
８ｂから孔９ｂに排出すると、ケーシング４と偏心部５
の間にトルクが生に、ケーシング４とシャフトが相対的
に回転し、各ピストン６が伸縮することは周知の通りで
ある。

シャフトの孔９ａ、９ｂは第１図の実施例では流路切換
弁１０．１１によってポンプ２とタンク３に選択的に接
続される。

切換弁１０を液圧供給位置１０ ａに切換え、切換弁１
１をモータ正転切換位置１１ ａに切換えると、ポンプ
２がラジアルピストンポンプモータ１のシャフトの一方
の孔９ａに接続され、シャフトの他方の孔９ｂはタンク
３に接続される。

したがって、液圧がシャフトの一方の孔９ａからピスト
ン６に供給され、他方の孔９ｂから排出され、これによ
ってケーシング４とシャフトが相対的に正方向に回転す
る。

切換弁１１をモータ逆転切換位置１１ ｂに切換えると
、ポンプ２はラジアルピストンポンプモータ１のシャフ
トの孔９ｂに接続され、孔９ａはタンク３に接続される
。

したがって、液圧がシャフトの孔９ｂからピストン６に
供給され、孔９ａから排出される。

これによって、ケーシング４とシャフトが相対的に逆方
向に回転する。

なお、ラジアルピストンポンプモータ１に供給される液
圧はリリーフバルブ１２によって制限される。

切換弁１０をフリーホイーリング位置１０ｂに切換える
と、ポンプ２をフリーホイーリング弁１３を介してラジ
アルピストンポンプモータ１のケーシング４内に接続す
ることができ、液圧をケーシング４内に供給することか
で゛きる。

ケーシング４内に液圧を供給すると、第３図に示されて
いるように、各ピストン６か゛それぞ゛れシリンダブロ
ック７内に退避し、ケーシング４とシャフトは自在に回
転することか゛でき、フリーホイーリング状態になる。

ケーシング４のシールなどの損傷を回避するため、ケー
シング４内に供給する液圧は小さくする必要があるのは
前述した通りである。

フリーホイーリング弁１３は絞り１５が形成されたスプ
ール１６を有し、スプール１６はケーシング１７内に変
位可能に内蔵されている。

ケーシング１７はラジアルピストンポンプモータ１のケ
ーシング４内に接続されたケーシングポート１８と、切
換弁１０を介してポンプ２に接続された液圧供給ポート
１９と、タンク３に接続されたドレンポート２０を有す
る。

スプール１６は第４図に示されている第１位置と第５図
に示されている第２位置の間を変位することができ、常
時はスプリング２１によって付勢され、第１位置に配置
される。

第１位置では第４図に示されているように、ラジアルピ
ストンポンプモータ１のケーシング４内に接続されたケ
ーシングポート１８はドレンポート２０に直接連通し、
液圧供給ポート１９には絞り１５を介して連通ずる。

第２位置では第５図に示されているように、ケーシング
ポート１８は液圧供給ポート１９に直接連通し、ドレン
ポート２０には絞り１５を介して連通ずる。

前記のように構成された液圧回路において、常時、すな
わちラジアルピストンポンプモータ１の正転、逆転時に
はフリーホイーリング弁１３のケーシングポート１８は
直接ドレンポート２０に連通ずるため、ラジアルピスト
ンポンプモータ１のケーシング４内に漏れた液体はフリ
ーホイーリング弁１３を介してタンク３に排出される。

ラジアルピストンポンプモータ１のフリーホイーリング
時に切換弁１０をフリーホイーリング位置１０ ｂに切
換えると、ポンプ２がフリーホイーリング弁１３の液圧
供給ポート１９に接続され、液圧が液圧供給ポート１９
に供給される。

このとき、フリーホイーリング弁１３のスプール１６の
絞り１５によってスプール１６の両端、すなわち液圧供
給ポート１９とスプリング２１が配置されている室との
間に差圧が生じ、この差圧によってスプール１６が第４
図の第１位置から第５図の第２位置に自動的に変位する
。

したがって、液圧供給ポート１９はラジアルピストンポ
ンプモータ１のケーシング４内に接続されたケーシング
ポート１８に直接連通し、液圧がケーシング４内に供給
される。

したがって、第３図に示されているように、ラジアルピ
ストンポンプモータ１の各ピストン６はシリンダブロッ
ク７内に退避し、フリーホイーリング状態になる。

ケーシング４内に接続されたケーシングポート１８及び
液圧供給ポート１９は絞り１５を介してドレンポー）
２０に連通ずるため、ケーシングポート１８の液圧の一
部は絞り１５を介してタンク３に排出される。

したか゛つて、ケーシング４内に供給される液圧は所望
の低い値に維持され、ケーシング４のシールなどが損傷
する恐れはない。

前記実施例で明らかなように、この考案はラジアルピス
トンポンプモータのフリーホビーリング時にフリーホイ
ーリング弁のスプールをその絞りによって得られる差圧
で自動的に変位させ、ポンプモータのケーシング内に液
圧を供給するケーシングポートを絞りを介してドレンポ
ートに連通させるようにしたから、ポンプモータのケー
シング内に十分に低い液圧を供給することができる。

したがって、前記従来のようにフリーホビーリング時に
ポンプモータのケーシング内に供給する液圧を低くする
ためのリリーフバルブを特別に設ける必要がない。

この結果、液圧回路の構成を簡単にすることができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す液圧回路図、第２図
は第１図のラジアルピストンポンプモータの断面図、第
３図は第２図のラジアルピストンポンプモータのフリー
ホイーリング状態を示す断面図、第４図は第１図のフリ
ーホイーリング弁を示す断面図、第５図は第４図のフリ
ーホイーリング弁のスプールが第１位置から第２位置に
変位した状態を示す断面図である。 １・・・・・・ラジアルピストンポンプモータ、４・・
・・・・ケーシング、５・・・・・・偏心部、６・・・
・・・ピストン、１３・・・・・・フリーホイーリング
弁、１５・・・・・・絞り、１６・・・・・・スプール
、１８・・・・・・ケーシングポート、１９・・・・・
・液圧供給ポート、２０・・・・・・ドレンポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シャフトの偏心部とケーシングの内面との間に放射状に
   複数のピストンを配列したラジアルピストンポンプモー
   タの液圧回路に使用し、前記ケーシング内に液圧を供給
   して前記シャフトとケーシングをフリーホイーリング状
   態にするためのフリーホイーリング弁であって、絞りを
   形成したスプールを有し、前記スプールは前記ケーシン
   グ内に接続されたケーシングポートをドレンポートに直
   接連通させ、液圧供給ポートには前記絞りを介して連通
   させる第１位置と、前記ケーシングポートを液圧供給ポ
   ートに直接連通させ、前記ドレンポートには前記絞りを
   介して連通させる第２位置との間を変位することができ
   、常時は前記スプールを前記第１位置に位置させ、フリ
   ーホイーリング時に前記液圧供給ポートに液圧を供給し
   、前記スプールを前記絞りによって得られる差圧で１動
   的に前記第２位置に変位させるようにしたことを特徴と
   するフリーホイーリング弁。