JPS5931393B2 - リン化合物含有水の処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、リン化合物含有水からリン化合物を除去する
方法に関するもので、吸着剤として、鉄。

亜鉛またはマンガンあるいはその酸化物を用いるもので
ある。

リン化合物は、窒素化合物とともに富栄養化の主たる原
因物質の１つに挙げられている。

特に最近は、合成洗剤９合成肥料の使用量増加による家
庭下水中のリン濃度の増加（合成洗剤の使用により家庭
下水に排出される全リン量は１日約４１／人ともいわれ
ている）、工場排水などにより富栄養化は湖沼や海域等
の閉鎖水域にその多（が飲料水、漁業へ悪影響を与えて
いる。

その典型的な事例が琵琶湖や瀬戸内海における赤潮問題
、悪臭問題となり大きな社会問題としてクローズアップ
され、その対策が強（望まれている。

現在、リン化合物を含有する水Ｑ処理法として一般的に
使用されている方法は、ＢＯＤなどの有機物の除去を目
的としているため、リンの除去ニ対しては余り効果は期
待できない。

したがって、リンなどの栄養塩類を除去するため、いわ
ゆる三次処理に対する関心が深まっており、すでに実用
可能な段階まで技術の確認が行われている。

しかし処理の安定化、経済性の向上、省熟練、省労力化
などの面でまだ十分とはい瓦かたいのが現状といえる。

二次あるいは三次のリン除去方法としては、生物学的除
去法と物理化学的除去法に大別される。

これをさらに分別すると、前者は活性汚泥による方法が
一般的に用いられているが、この方法は返送汚泥をいっ
たん嫌気的状態にしてリンを放出させて、活性汚泥をリ
ン欠乏状態にした後、エアレーションタンクに返送し、
さらに過剰摂取を促進させて処理する方法である。

この処理の小米の目的はＢＯＤ処理法であるため、リン
を高率で処理することは困難である。

したがって、高率でリンを除去するためには、この処理
操作後にリン除去の設備を設ける必要がある。

このため活性汚泥の改良法として活性汚泥処理装置にア
ルミニウム塩や鉄塩などの凝集剤を添加して凝集沈殿を
行いリンを除去する方法が行われている。

この方法は活性汚泥処理単独に比べ、高い除去率で処理
可能であるが、急速攪拌、緩速攪拌および沈殿を生成さ
せるための施設が必要であるため、建設費および処理コ
ストも大となる。

また石灰凝集沈殿法はスケール生成のため、維持管理が
困難である。

後者の物理化学的除去法のうち代表的な方法に、選択的
イオン交換法がある。

この方法は活性化アルミナを充てんした固定床を用いて
リン除去を行う方法で、凝集沈殿法と異なり汚泥の発生
がない反面、多量の下水を処理するには装置的に問題が
あると考えられる。

また使用した樹脂は下水中の有機物による汚染と性能低
下が起こり、これを防止するため、塩酸とメタノール混
液を使用し、待時再生を行う必要がある。

以上に述べた方法以外にも数件の処理法があるが、いず
れも、先に記した内容を改良したものである。

本発明は、上記の様な問題を解消するもので、リン化合
物を含有する水中のリン化合物を簡便で、かつ経済的に
除去する方法を提供するものである。

すなわち、本発明は、リン化合物含有水のＰＨを５〜８
に調節し、これに、鉄、亜鉛およびマンガンよりなる群
から選んだ少な（とも１種の金属もしくはその酸化物を
添加してリン化合物と反応させることにより、これら金
属のリン酸塩として水中から除去することを特徴とする
ものである。

本発明の方法によりリン化合物含有水を処理する際、水
中へ投入した鉄、マンガン、亜鉛の金属は、水中の溶存
酸素および導電性イオンなどにより、その一部が水酸化
物を生成する。

したがって酸化物質（通常は粉末状態）を使用して処理
する場合と同様に、ろ過あるいは上澄を排出するなどの
工夫が必要である。

また、使用する吸着剤の鉄、亜鉛、マンガンは、水中で
溶出し、大部分は凝集沈殿となるが、イオン状で存在す
ると排水基準（鉄およびマンガンは１０ｐｐｍ、亜鉛は
５ｐｐｍ）に対し問題があるか否か確認してお（必要が
ある。

このため、水道水中にポリリン酸をＰ２Ｏ５として２０
ｐｐｍ添加し、この中に鉄粉を加えて攪拌操作後、ろ過
し、そのろ液について鉄イオンの測定をした結果、０・
３ｐｐｍであった。

マンガンおよび亜鉛についても同様な実験をした結果、
いずれも排水基準値に対し、大巾に少ない濃度であるこ
とを確認した。

本発明に使用する吸着剤はいずれも各種製品を製造する
ときの廃棄物、例えば鉄の場合は鉄屑として存在するも
のでも使用できるため、経済性に優れた方法といえる。

以下、本発明を実施例により説明する。

実施例 １ 水道水２００ゴ中にポリリン酸をＰ２Ｏ５として２０ｐ
ｐｍになるように添加し、さらに稀硫酸およびか性ソー
ダ水溶液を用いてＰＨを６．４に調節する。

これに吸着剤として１００〜２５０メツシユの鉄粉的２
ｆを加える。

次にマグネチツクスターラで約１０分間攪拌し、鉄粉と
一部生成した水酸化第二鉄などの反応生成物をろ過した
のち、ろ液中のポリリン酸濃度を定量した。

その結果、ろ液中に残存するポリリン酸濃度は０．４ｐ
ｐｍであった。

従って除去率は９８％である。実施例 ２ 実施例１において、液のｐＨを各種変えてリン化合物の
除去率を調べた。

その結果を第１図に示す。

図からｐＨを５〜８の範囲に調節することにより、リン
化合物を効率よく除去できることがわかる。

実施例 ３ 実施例１において、鉄粉添加後の攪拌時間を変えてリン
化合物の除去率を調べた。

その結果を第２図に示す。

５分間以上攪拌すればよいことがわかる。

実施例 ４ 実施例１における条件下で、吸着剤として４８〜１５０
メツシユの電解二酸化マンガン約２１を添加し、ポリｊ
Ｊン酸の除去効果を調べた結果、ろ液中に残存するポリ
リン酸濃度は０．５ ｐ ｐｍであった。

その他、金属亜鉛、金属マンガン、酸化第二鉄および酸
化亜鉛などについても同様な実験を行った結果、上記の
実施例とほぼ同じ効果のあることを確認した。

以上のように、本発明によれば、簡便に水中からリン化
合物を除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は鉄粉を用いてポリＩＪン酸を除去した場合の液
のｐＨとリン除去率の関係を示す図、第２図は攪拌時間
とリン除去率の関係を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リン化合物含有水に、鉄、亜鉛およびマンガンより
   なる群から選択される少なくとも１種の金属もしくはそ
   の酸化物を添加し、ＰＨ５〜８において前記リン化合物
   と反応させることにより、リン化合物を水中から除去す
   ることを特徴とするリン化合物含有水の処理方法。