JPS5930823Y2 - ヒ−トポンプ式冷暖房装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、四路切換弁などの切換えにより冷凍サイクル
を可逆とし、冷暖房可能としたヒートポンプ式冷暖房装
置の改良に関するものである。

一般に、この種のヒートポンプ式冷暖房装置は、第１図
に示すように室内ユニットＡ側にクロスフィンコイル形
の室内コイルａを備え、室外ユニットＢ側に室外コイル
ｂ、四路切換弁Ｃ１圧縮機ｄおよびキャピラリーチュー
ブ等の膨張機構ｅを備え、これら各機器ａ−ｅを冷媒配
管ｆで連結することによりヒートポンプ式冷暖房回路を
形成し、上記四路切換弁Ｃを実線の如く暖房サイクルに
切換えて冷媒を圧送することにより室内を暖房し、四路
切換弁Ｃを破線の如く冷房サイクルに切換えて冷媒を圧
送することにより室内を冷房するようにしたものである
。

尚、ｇは室内ファン、ｈは室外ファンである。

ところで、このようなヒートポンプ式冷暖房装置による
ヒートポンプ運転においては、暖房運転時、外気温度が
低下すると、室外コイルｂでの熱取得量が低下するため
、室内コイルａの熱放出量が減少し、吹出空気温度が低
下し、特に厳寒時などにな充分に室内暖房が行えないと
いう問題があり、また、フロスト時（すなわち、外気温
低下に伴い、室外コイルｂの蒸発温度が低下し、０℃以
下になると、室外コイルｂ−″’ｃ’＞ｉ縮した水滴が
凍結する、所謂着霜又はフロストした際）、逆サイクル
（冷房サイクル）に切換え、冷媒である高圧ガスを室外
コイルｂに流してテ゛フロスト（融解）シ、室外コイル
ｂで液化した冷媒は室内コイルａに流れ、室内空気によ
り加熱されて気化した後、圧縮機ｄに戻るというサイク
ルを繰返して室外コイルｂをデフロストするが、その際
、コールドドラフト防止のために室内ファンｇは停止し
ているため、室内コイルａでの熱取得量は少ないことに
より、テ゛フロスト時間が長くなり、快適暖房が行えな
いという問題があった。

そこで、従来、上記のような問題点に対処するため、第
１図に示すように上記室内コイルａの後流側で該室内コ
イルａのフィンに一体的に補助熱源である電気ヒータｉ
を設けて、該電気ヒータｉをヒートポンプ暖房運転時に
通電することにより、暖房時に吹出空気を加熱し、暖房
能力を向上させるとともに、デフロスト時にヒータｉの
熱をフィンを介して室内コイルａ内の液冷媒に伝達して
液冷媒を気化し、テ゛フロスト時間の短縮化を図るよう
にしたものが提案されている。

しかしながら、上記提案のものにおいては、補助熱源で
ある電気ヒータｉは、暖房補助ヒータとしては可能な限
り容量を大きくしたいが、デフロスト用と兼用している
ため、容量の大きなヒータを用いると、デフロスト時、
室内ファンｇが停止しているのでヒータ周囲の温度が異
常高温となり、その結果、室内コイルａ内の冷媒が異常
過熱されて、冷媒劣化するという欠点があり、また室内
ユニットＡのケーシングが過熱されるので、耐熱性ケー
シングを用いる必要があるが、耐熱性を完全にすること
は不可能であり、火災の原因となるという欠点がある。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、上記の
ように補助熱源である電気ヒータを備えたヒートポンプ
式冷暖房装置において、上記電気ヒータを分割し、一部
をテ゛フロストに適正な容量としてデフロスト用と暖房
補助用との兼用とし、残りを暖房補助専用とすることに
より、ヒートポンプ暖房運転時においてテ゛フロスト時
の異常高温を防止し、且つ暖房能力の向上を可能とした
ヒートポンプ式冷暖房装置を提供せんとするものである
。

すなわち、本考案においては、冷凍サイクルを可逆とし
て冷暖房可能としたヒートポンプ式冷暖房装置において
、室内側熱交換器をクロスフィンコイルにより形成し、
該熱交換器を通過する風の風向きに対して熱交換器の冷
媒流通路より後方側に位置するフィン部に、上部風向き
に対して交叉する１列状に挿入孔を形成し、該挿入子に
電気ヒータを複数本挿通し、該電気ヒータの一部を暖房
時およびデフロスト時に通電する一方、残部を暖房時の
みに通電するようにしたものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。

第２図は本考案に係るヒートポンプ式冷暖房装置の室内
ユニットを示し、１は壁あるいは天井等に取付けられる
室内ユニットの本体ケーシングであって、該本体ケーシ
ング１は前面ケーシング２と背面ケーシング３とに前後
に分割され、背面ケーシング３に対し前面ケーシング２
を着脱可能に嵌合してなり、上記背面ケーシング３内に
は室内側熱交換器４および該熱交換器４の後方にクロス
フローファン５が内蔵され、上記熱交換器４の下方には
ドレンパン６が配置されている。

一方、上記前面ケーシング２の前面上半部には上記熱交
換器４に対向して室内空気を熱交換器４に供給するため
の吸込ロアが開設されているとともに、前面ケーシング
２の前面下方側の隅部には上記クロスフローファン５に
連通ずる吹出口８が開設され、該吹出口８には吹出グリ
ル９が回動可能に、すなわち吹出角度調整可能に配設さ
れている。

上記室内側熱交換器４はクロスフィンコイルにより形成
されたものである。

すなわち、第３図に詳示するように相対向する２枚の管
板１０，１１間に熱交換器４を通過する風の風向きＷに
対して交叉する複数列（図では２列）状に多数の直管１
２が配列され、該各直管１２の端部をベント管（図示せ
ず）により順次互いに連結して冷媒の流通路が形成され
ているとともに、上記直管１２の周囲には多数のフィン
１３が一定間隔毎に配設され、さらに上記風向きＷに対
して上記冷媒流速路（直管１２）より後方側に位置する
フィン１３部分には、風向きＷに対して交叉する１列状
に多数の挿入孔１４が形成され、該挿入孔１４には冷却
管用パイプ１５が挿入され、複数本（図では２本）のパ
イプ１５．１５内にはシーズヒータ等の電気ヒータ１６
ａ 、１６ ｂがシール部材１７によりバイブ１５内
周壁と一定間隙をもって絶縁保持せしめて挿通され、該
電気ヒータ１６ ａ 、１６ ｂは上記フィン１３を共
用するとともに、その一部１６ ａは暖房時およびテ゛
フロスト時に通電する一方、残部１６ｂは暖房時のみに
通電するように構成されている。

さらに、上記室内側熱交換器４はその上部を後方に傾斜
させて設置されて、本体ケーシング１内の前方上部に逆
三角形状のスペース１８が形成されており、該スペース
１８を利用して熱交換器４の前面上部で電気ヒータ１６
ａ 、１６ ｂより上方側の位置には、異常高温を感
知して上記電気ヒータ１６ａ、１６ｂへの通電を遮断す
る過熱防止器１９が、直管１２に係止せしめた支持部材
２０を介して取付けられ、ヒータ１６ ａ 、１６ ｂ
の異常高温に適正に検知するように設けられている。

従って、過熱防止器１９には室内側熱交換器４で生じた
ドレン水が滴下することがないので、過熱防止器１９の
絶縁性が劣化することが防止でき、さらに室内側熱交換
器４の前面に過熱防止器１９が設けられているので、該
防止器１９の故障のサービス性が良いという利点を有す
る。

また、上記電気ヒータ１６ｂが挿通された冷却管用パイ
プ１５に隣接するパイプ１５内には温度ヒユーズ２１が
、保護ガラスチューブ２２に内包せしめて挿通されてお
り、異常高温時上記過熱防止器１９が故障で作動しない
場合、溶断して電気ヒータ１６ａ、１６ｂへの通電を遮
断するように設けられている。

また、第４図は本考案のヒートポンプ式冷暖房装置の電
気回路を示し、第４図中央の一点鎖線より右側は室内ユ
ニツｌ−Ａ内に収納し、左側は室外ユニツ）Ｂ内に収納
している。

Ｓｌはメインスイッチ、Ｓ２は暖房スイッチ、Ｓ３は冷
房スイッチで、両スイッチＳ２．Ｓ３は逆開閉操作する
ように連動されており、またＭｓは電磁開閉器、Ｍｃは
圧縮機電動機、ＭＦ、は室内ファン電動機、ＭＦ２は室
外ファン電動機、Ｓ■は四路切換弁、ＤＳはデフロスト
の開始・終了を切換え制御するディアイサー、ＭＲｌは
デフロスト時作動する電磁継電器、ＭＲ２は冷房時作動
する電磁継電器であり、上記電気ヒータ１６ａ、１６ｂ
への通電回路は、テ゛フロストと暖房補助との兼用のヒ
ータ１６ ａと暖房補助専用のヒータ１６ ｂとが並列
に接続されており、それぞれに暖房スイッチＳ２、ヒー
タスイッチＳ４、過熱防止器１９および温度ヒユーズ２
１が直列に接続されているとｔもに、上記ヒータスイッ
チＳ４には電磁継電器ＭＲ，の作動時に閉じる接点ＭＲ
１−８，が並列に接続されている。

また暖房補助専用し−タ１６ｂには電磁継電器ＭＲ１の
作動時に開く接点ＭＲ１−５２が直列に接続されており
、暖房スイッチＳ２のＯＮによる暖房時にはヒータスイ
ッチＳ４のＯＮにより上記両ヒータ１６ ａ 、１６
ｂの通電回路は閉成され、両ヒータ１６ ａ 、１６
ｂによる加熱が行われる（尚、その際、テ゛イアイサー
ＤＳの実線で示す如き切換操作により室内ファン電動機
ＭＦ１は作動している。

）。一方、テ゛フロスト時にはディアイサ−ＤＳが破線
で示す如く切換操作して室内ファン電動機ＭＦ、は非作
動となるとともに、電磁継電器ＭＲ１の作動によりその
接点ＭＲ，−５，は閉し、ＭＲｌ−３２は開くことによ
り兼用ヒータ１６ ａの通電回路は閉成され、専用ヒー
タ１６ｂの通電回路は開放されて、兼用し−タ１６ ａ
のみによる加熱が行われるように構成されている。

したがって、上記実施例においては、暖房運転時には全
ての電気ヒータ１６ ａ 、１６ ｂ、すなわちテ゛フ
ロストと暖房補助との兼用ヒータ１６ ａおよび暖房補
助専用ヒータ１６ｂに通電することにより、暖房補助ヒ
ータとしての容量を増大させることができるので、外気
温が低下しても室内側熱交換器４の能力不足を充分に補
填することができ、暖房能力を向上させることができる
。

すなわち、吸込ロアから吸込まれた室内空気は先ず、室
内側熱交換器４を流れる高圧のガス冷媒による凝縮作用
によって加熱され、この加熱された温暖空気は、さらに
電気ヒータ１６ａ、１６ｂによって加熱されることによ
り、その温度を効率良く且つ適温に上昇させることがで
きる。

しかも、上記電気ヒータ１６ ａ 、１６ ｂは熱交換
器４を通過する風の風向きＷに対して冷媒流通路より後
方側に位置するフィン１３部に、上記風向きＷに対して
交叉する１列状に設けられているため、熱交換器４の凝
縮能力を低下させることなく有効的に加熱することにな
り、熱交換器４の凝縮能力の向上を図ることができ、上
記空気に対する直接加熱作用と相俟って暖房能力のより
一層の向上を図ることかで゛きる。

また、上記電気ヒータ１６ ａ 、１６ ｂの通電を暖
房運転開始時に行えば予熱が可能となり、暖房運転開始
時におけるコールドドラフトを防止することができる。

一方、テ゛フロスト時には、電気ヒータ１６ａ、１６ｂ
のうちの一部のみ、すなわちテ゛フロストと暖房補助と
の兼用ヒータ１６ ａのみに通電することにより、デフ
ロスト用ヒータとしての適正な容量が得られるので、フ
ィン１３を介して熱交換器４の冷媒流通路を流れる液冷
媒を適正に加熱して気化し、熱交換器４の蒸発能力を増
大させることができ、デフロスト時間を短縮させること
ができるとともに、ヒータ１６ ａ周囲の温度が異常高
温になるのを防止することができる。

尚、何らかの故障で異常高温になった際には過熱防止器
１９および温度ヒユーズ２１によりヒータ１６ａへの通
電が遮断されて過熱を防止するよう安全が図られている
。

尚、本考案は上記実施例に限定されることなく、その他
種々の変形例をも包含するものであり、例えば上記実施
例では室内側熱交換器４のフィン１３に設けた挿入孔１
４に冷却管用パイプ１５を介して電気ヒータ１６ ａ
、１６ ｂを挿通するようにしたが、上記冷却管用パイ
プ１５を用いず、挿入孔１４に伝熱体等を介して直接ヒ
ータ１６ ａ 、１６ ｂを挿通してもよい。

しかし、パイプ１５を用いる方がヒータ１６ａ、１６ｂ
による加熱配分の点およびヒータ保護の点で有利である
。

また、上記実施例では挿入孔１４に２本の電気ヒータ１
６ａ、１６ｂを設けたが、２本以上の多数本のヒータを
設けてもよく、この場合そのうちの一部をデフロストと
暖房補助との兼用ヒータとし、残部を暖房補助専用ヒー
タとすればよい。

また、兼用ヒータと専用ヒータとの配分は熱交換器の能
力等に応じて任意に選定される。

以上説明したように本考案によれば、ヒートポンプ式冷
暖房装置において、クロスフィンコイル形の室内側熱交
換器を通過する風の風向きに対して該熱交換器の冷媒流
通路より後方側に位置するフィン部に、上記風向きに対
して交叉する１列状に複数本の電気ヒータを設け、該電
気ヒータのうちの一部を暖房時およびデフロスト時に通
電する一方、残部を暖房時のみに通電するようにしたこ
とにより、デフロスト時の異常高温を防止してテ゛フロ
スト時間の短縮化を図ることができるとともに、暖房時
の暖房能力を著しく向上させることができ、厳寒時でも
快適暖房を可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はヒートポンプ式冷暖房回路を示す系統図、第２
図は本考案の一実施例を示す室内ユニットの縦断側面図
、第３図は第２図のｌｌｌ−ＩＩＩ線断面図、第４図は
本考案装置の電気回路図である。 ４・・・・・・室内側熱交換器、１３・・・・・・フィ
ン、１４・・・・・・挿入孔、１６ａ、１６ｂ・・・・
・・電気ヒータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷凍サイクルを可逆として冷暖房可能としたヒ−１−ポ
   ンプ式冷暖房装置において、室内側熱交換器４をクロス
   フィンコイルにより形成し、該熱交換器４を通過する風
   の風向きに対して熱交換器４の冷媒流通路より後方側に
   位置するフィン１３部に上記風向きに対して交叉する１
   列状に挿入孔１４を形成し、該挿入孔１４に電気ヒータ
   １６ ａ 、１６ ｂを複数本挿通し、該電気ヒータ１
   ６ ａ 、１６ ｂの一部１６ ａを暖房時およびデフ
   ロスト時に通電する一方、残部１６ ｂを暖房時のみに
   通電するようにしたことを特徴とするヒートポンプ式冷
   暖房装置。