JPS5930170Y2 - 過給機付火花点火エンジン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はノンキングを回避するようにした過給機付火花
点火エンジンに関する。

自動車用エンジンの燃費改善のために、排気圧力で回転
させられるタービンによりコンプレッサを駆動し、吸気
の充填効率を高めるターボチャージャなど、過給技術が
最近注目を浴びている。

従来の過給機は全吸気量を過給する方式のため、過給機
が大容量で大きな駆動力が必要となるし、また低速域で
の過給率が小さいなどで、それなりの効果はあるにしろ
必らずしも十分満足できるものではなかった。

これに対して、分離過給システムとして、吸気通路とは
別の過給通路を設け、吸入行程が終了してから過給通路
の第３弁を開いてシリンダ内へ高圧空気を追加導入する
ことにより、小容量の過給機で実質的な吸気充填効率を
高められるようにした装置が提案されている（例えば、
特開昭５１−１０５５１４号公報参照）。

この分離過給装置の一例を第１図〜第３図にもとづいて
説明する。

第１図において、１番目の気筒が過給機（コンプレッサ
）１として機能し、他の４つの作動気筒＃１〜＃４と同
一クランク軸に連結している。

つまり、気筒＃ｌ〜＃４の出力の一部により過給機１が
駆動される。

各気筒＃１〜＃４に混合気を供給する吸気通路２及び、
燃焼ガスを排出する排気通路３とが設けられ、各気筒の
吸気弁４と排気弁５がこれら通路２．３との接続ポート
をエンジン回転に同期して開閉する。

過給機１の吸入口と吐出口も、同様に構成された吸気弁
４１と排気弁５１で開閉され、クランク１回転につき１
回の吐出作用を生じる。

過給機１の吸込側は吸気通路２の絞弁６の下流に接続し
、エンジン吸入空気の一部を吸込む。

また、その吐出側には過給通路８が接続し、この過給通
路８は各気筒＃Ｊ〜＃４に設けた第３弁（過給弁）９を
介して燃焼室１０と連通ずる。

そして、この第３弁９は吸入行程の終了付近から圧縮行
程初期にかけて開き、燃焼室１０内へ過給通路８からの
加圧混合気を追加導入するようになっている。

この点について、第２図、第３図によってさらに説明す
ると、第２図は吸入行程であって、吸気弁４が開いてピ
ストン１１の下降に伴い、吸気通路２からの混合気が吸
入される（ただし燃料は吸気ポートの噴射弁７から供給
する）。

このとき第３弁９は閉じており、過給通路８には過給機
１からの吐出過給気が待機している。

第３図のように吸入行程が終了して吸気弁４が閉じると
、第３弁９が開く。

このため、過給通路８から瞬時のうちに加圧空気が燃焼
室１０へ追加導入される。

そして第３弁９は、ピストン１１の上昇に伴いシリンダ
内圧が高まり内部ガスが過給通路８へ逆流する直前に閉
弁し、このようにして過給が終了するのである。

ところで、一般に点火時期が同一であれば、過給圧が高
まるほどノッキングが起きやすくなる。

これは、過給圧が高いほどシリンダ内での混合気の燃焼
速度が大きく、燃焼時のシリンダ内圧の上昇率が大きく
なるためであり、過度のノッキングが続くとエンジンが
損傷を受けることも考えられる。

本考案はこのような点にかんがみ、エンジンノッキング
状態を検出しながら過給圧をＩＪ ＩＪ−フすることに
より、ノッキングを回避しつつ最良の燃焼効率が得られ
るようにした過給機付火花点火エンジンを提供すること
を目的とする。

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

第４図に示すように、この考案では過給通路８にリリー
フ通路１５が接続し、このＩＪ ＩＪ−フ通路１５をエ
ンジンノッキング検出回路１６からの信号にもとづいて
開閉するＩＪ ＩＪ−フ弁１γが設けられる。

リリーフ通路１５は過給気を大気もしくは排気中に放出
するか、あるいは過給気が混合気のときは再び吸気通路
２へと還流するようにしてもよい。

上記ノッキング検出回路、１６は、例えばノッキングに
もとづくエンジン振動や燃焼音などを検出するノッキン
グセンサ１８と、このノッキングセンサ１８の出力が所
定値を越えたノッキング状態にあるときに所定幅のパル
ス信号を出力するノック判別回路１９と、この判別回路
１９の出力を積分する積分回路２０及び積分値を増幅す
る増幅回路２１から構成され、この増幅出力によって電
磁的に作動するリリーフ弁１７が１駆動される。

ＩＪ ＩＪ−フ弁１７は、例えば第５図のように、リリ
ーフ通路１５を開閉する弁体２２が、コイル２３の可動
鉄心２４とロッド２５を介して連結し、コイル２３の通
電量に応じて弁体２２がリフトして過給気をリリーフす
る。

２６はロンド摺動部の気密性を保つためのダイヤフラム
、２７は弁体２２を閉弁方向に付勢するリターンスプリ
ング、２８は弁体２２のフルリフト時に接点２９Ａと２
９Ｂとを接続するスイッチを示す。

このＩＪ ＩＪ−フ全開スイッチ２８の出力は、第４図
にも示すように、ノッキング判別回路１９の出力がオン
のときにゲートを開くアンド回路３０を介して、点火時
期制御回路３１に入力し、リリーフ全開にもかかわらず
ノッキングが継続するようなときに点火進角を遅らせる
ように点火装置３２の動作を制御するようになっている
。

その他の構成については第１図と同じなので、同一部分
には同一符号を付して説明は省略する。

次に作用について説明すると、エンジンノッキング状態
をノッキングセンサ１８を介してノック判別回路１９に
よって検出する。

ノック判別回路１９はノッキングセンサ１８の出力が所
定値を越えるごとにステップ状の信号を出力する。

積分回路２０はこのステップパルスの発生頻度が高くな
るほど出力電圧レベルが上昇する。

増幅回路２２はこの積分電圧を増幅してＩＪ ＩＪフ弁
１７のコイル２３を励磁する。

したがって、リリーフ弁１７は第６図に示すように、増
幅回路２２の出力に比例して弁開度を増加し、過給通路
８の過給気を比例的に放出する。

ノッキングの頻度に応じて過給気の放出量が制御される
ので、結局、過給圧はノッキングの頻度が増加するほど
低下し、これにより応答性よくノッキングの発生を回避
することができるのである。

一方、第３弁９を介しての過給量を減らすにもかかわら
ずノッキングが継続するようなとき（このようなことは
低速高負荷域で起こりやすいのであるが）は、リリーフ
弁１７の全開を条件にして、点火時期制御回路３１によ
って点火進角が遅角されるため、強度のノッキングに伴
う最悪の事態が発生しないように２重の安全体制が確立
されることになる。

なお、ノッキングがおさまれば、それに応じて上記とは
逆にＩＪ ＩＪ−フ弁１７は閉弁するのであり、過給通
路８の過給気は全て第３弁９を介して各気筒＃１〜＃４
へと供給される。

ＩＪ ＩＪ−フ弁１γは単純なオンオフ弁であって、ノ
ンキング時に全開するような構成でも、本考案の目的は
達成できる。

以上のように本考案によれば、ノッキングの発生時にた
だちにＩＪ ＩＪ−フ弁を開いて過給圧を下げるように
したので、過給に伴い最も問題となるノッキングを応答
よく回避でき、エンジン耐久性を向上させるとともに、
ノッキングを回避するために点火時期を全体的に遅らせ
るような必要もないことから、過給効果を最大限に活用
して高出力、最良燃費のエンジンを提供することができ
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の概略平面図、第２図、第３図はその
断面図である。 第４図は本考案の実施例を示す概略平面図、第５図はＩ
Ｊ ＩＪ−フ弁の断面図、第６図はＩＪ ＩＪ−フ特性
線図である。 １・・・・・・過給機、２・・・・・・吸気通路、３・
・・・・・排気通路、４・・・・・・吸気弁、５・・・
・・・排気弁、８・・・・・・過給通路、９・・・・−
・第３弁、１５・・・・・・ＩＪ ＩＪ−フ通路、１６
・・・・・・ノッキング検出回路、１７・・・・・・リ
リーフ弁。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）エンジン吸気通路と独立して形成された過給通路
   と、吸入行程終期から圧縮行程初期にかけて開弁し、こ
   の過給気をシリンダ内へ追加導入する第３弁を備えた過
   給機付火花点火エンジンにおいて、エンジンノッキング
   状態の検出回路と、この検出回路からの信号にもとづき
   ノッキング時に過給気をリリーフするＩＪ ＩＪ−フ弁
   とを備えたことを特徴とする過給機付火花点火エンジン
   。
2. （２）ＩＪＩＪ−フ弁はノッキングが強くなるほど弁開
   度が増加するようになっている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の過給機付火花点火エンジン０